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【発明の名称】 追尾装置及び太陽光採光システム
【発明者】 【氏名】宮本 哲雄

【氏名】山口 正

【要約】 【課題】電力の回復時にプリズムの追尾性を、コストの上昇を伴うことなく向上させること。

【解決手段】採光プリズム13を備えた採光部11、この採光部に連設された光ダクト部、及び制御装置15を備え、当該制御装置が、太陽電池19から供給される電力を用いて、プリズムを太陽に追尾して移動させるよう制御する太陽光採光システム10において、制御装置は、電力が不足してから回復した時点で、当該時点における太陽の移動位置に対応するプリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、電力不足の発生時におけるプリズムの追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源から供給される電力を用いて、追尾部を目標対象物に追尾して移動させる追尾装置において、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記目標対象物の移動位置に対応する上記追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記電力不足の発生時における当該追尾部の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とする追尾装置。
【請求項2】 上記電源から供給される電力が不足した時間が所定時間T1以下である場合には、上記電力が回復した時点で、追尾部の上記追尾位置Aを算出することなく、当該追尾部を目標対象物に追尾させることを特徴とする請求項1に記載の追尾装置。
【請求項3】 上記所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し、このうち、最初の電力不足から所定時間T2を越えても上記電力不足が発生している場合には、この所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復した時に、当該回復時点における追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の追尾装置。
【請求項4】 上記電源が、太陽電池もしくは風力発電等の自然エネルギーによる電源または商用電源であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の追尾装置。
【請求項5】 プリズムを備えた採光部及び制御装置を備え、当該制御装置が、電源から供給される電力を用いて、上記プリズムを太陽に追尾して移動させるよう制御して、当該プリズムから出射される太陽光を所定方向に調整するよう構成された太陽光採光システムにおいて、上記制御装置は、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記太陽の移動位置に対応する上記プリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、上記電力不足の発生時における当該プリズムの追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とする太陽光採光システム。
【請求項6】 上記制御装置は、電源から供給される電力が不足した時間が所定時間T1以下である場合には、上記電力が回復した時点で、プリズムの上記追尾位置Aを算出することなく、当該プリズムを太陽に追尾させることを特徴とする請求項5に記載の太陽光採光システム。
【請求項7】 上記制御装置は、所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し、このうち、最初の電力不足から所定時間T2を越えても上記電力不足が発生している場合には、この所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復した時に、当該回復時点におけるプリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とする請求項5または6に記載の太陽光採光システム。
【請求項8】 上記電源が、太陽電池もしくは風力発電等の自然エネルギーによる電源または商用電源であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の太陽光採光システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、追尾部を目標対象物に追尾させる追尾装置、及びこの追尾装置の機能を備えた太陽光採光システムに関する。
【0002】
【従来の技術】太陽の移動位置を追尾して太陽光を室内へ取り込む太陽光採光システムには、太陽電池を搭載したものがある。この太陽電池の容量と、太陽電池にて発電された電力を充電する充電装置の容量は、太陽に追尾するプリズムの追尾性とコストとのバランスを考慮して決定される。
【0003】例えば、追尾性を向上させるべく太陽電池や充電装置の容量を過度に大きく設定するとコストが上昇してしまい、また、これらの太陽電池や充電装置の容量を小さくしすぎると、コストは低減されるものの追尾性が犠牲となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】太陽電池を搭載した太陽光採光システムでは運転中に天候が悪くなり、太陽電池にて発電される電力が不足して運転が停止される場合がある。しかし、このようなときにも太陽は移動しているので、天候が回復して電力も回復したときには、太陽の移動位置を追尾するプリズムの追尾位置を、電力不足発生時の位置から電力回復時の位置まで迅速に移動させる必要がある。
【0005】ところが、従来、この移動はプリズムを、電力不足時の位置から電力回復時の位置まで、既定の移動経路をたどって順次移動させるものであったため、その移動量が甚大な場合があった。
【0006】この場合、太陽電池及び充電装置の容量が小さいときには、プリズムを、目標とする電力回復時の追尾位置まで迅速に移動させることができず追尾性が低下してしまう。また、目標の電力回復時の追尾位置までプリズムを迅速に移動させるべく、太陽電池や充電装置の容量を大きくすると、コストが上昇してしまう。
【0007】本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、電力の回復時に追尾部(プリズム)の追尾性を、コストの上昇を伴うことなく向上させることができる追尾装置及び太陽光採光システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、電源から供給される電力を用いて、追尾部を目標対象物に追尾して移動させる追尾装置において、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記目標対象物の移動位置に対応する上記追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記電力不足の発生時における当該追尾部の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記電源から供給される電力が不足した時間が所定時間T1以下である場合には、上記電力が回復した時点で、追尾部の上記追尾位置Aを算出することなく、当該追尾部を目標対象物に追尾させることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し、このうち、最初の電力不足から所定時間T2を越えても上記電力不足が発生している場合には、この所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復した時に、当該回復時点における追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記電源が、太陽電池または風力発電等の自然エネルギーによる電源または商用電源であることを特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載の発明は、プリズムを備えた採光部及び制御装置を備え、当該制御装置が、電源から供給される電力を用いて、上記プリズムを太陽に追尾して移動させるよう制御して、当該プリズムから出射される太陽光を所定方向に調整するよう構成された太陽光採光システムにおいて、上記制御装置は、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記太陽の移動位置に対応する上記プリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、上記電力不足の発生時における当該プリズムの追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記制御装置は、電源から供給される電力が不足した時間が所定時間T1以下である場合には、上記電力が回復した時点で、プリズムの上記追尾位置Aを算出することなく、当該プリズムを太陽に追尾させることを特徴とするものである。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、上記制御装置は、所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し、このうち、最初の電力不足から所定時間T2を越えても上記電力不足が発生している場合には、この所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復した時に、当該回復時点におけるプリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させるよう構成されたことを特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明において、上記電源が、太陽電池もしくは風力発電等の自然エネルギーによる電源または商用電源であることを特徴とするものである。
【0016】請求項1、4、5または8に記載の発明には、次の作用がある。
【0017】例えば太陽電池等の電源から供給される電力が不足した後回復した時点において、当該時点における目標対象物(太陽)の移動位置に対応する追尾部(プリズム)の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記電力不足の発生時における当該追尾部の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことから、電力が回復した時点において追尾部を、上記追尾位置Bから上記追尾位置Aまで既定の移動経路を辿って順次移動させる場合に比べ、この追尾部の移動に要する電気エネルギーを減少できるので、電源や充電装置の容量を小さくできコストの上昇を抑制できるとともに、追尾部を短時間に目標位置まで移動させることができるので、追尾部の追尾性を向上させることができる。
【0018】請求項2または6に記載の発明には、次の作用がある。
【0019】電力不足が所定時間T1以下である場合には、この時間内における目標対象物(太陽)の移動量が無視できる程小さいので、電力回復時に、追尾部(プリズム)に追尾動作を直ちに実施させても不都合がない。このときには、電力回復時点において追尾位置Aを算出しないので、この追尾位置Aの算出に要する電気エネルギーを節約できる。
【0020】請求項3または7に記載の発明には、次の作用がある。
【0021】所定時間T1以下の電力不足が、この最初の電力不足が解消して電力が回復した時点から所定時間T2を越えても発生し、この所定時間T2の間に追尾部(プリズム)の追尾位置Aが一度も算出されていないときには、上記最初の電力不足から上記所定時間T2の間において、目標対象物(太陽)の移動量と追尾部の追尾位置とのズレ量が無視できない程大きくなる。このため、所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復した時に、当該回復時点における追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させることにより、追尾部の追尾性を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
【0023】図1は、本発明に係る太陽光採光システムの一実施の形態を示す側断面図であり、図2は、図1の太陽光採光システムの平面図である。
【0024】図1及び図2に示す太陽光採光システム10は、追尾部として複数枚(例えば2枚)の採光プリズム13を備えた採光部11と、この採光部11に連設された光ダクト部12と、少なくとも1枚の採光プリズム13を回転駆動させる駆動機構14の動作を制御する制御装置15とを有して構成される。
【0025】制御装置15は、目標対象物としての太陽の方位角及び高度角に応じて、駆動機構14を介し採光プリズム13の回転角を制御して、採光プリズム13により屈折された太陽光を常に所定方向、例えば鉛直下方に調整して光ダクト部12内へ出射させる。この光ダクト部12内に出射された太陽光は、光ダクト部12の下端部に取り付けられた配光板18を経て室内に配光される。
【0026】図2中の符号19は太陽電池であり、この太陽電池19にて発電された電力が駆動機構14及び制御装置15へ供給される。
【0027】制御装置15は、この太陽電池19からの電力を用い、上述のようにして、採光プリズム13を太陽16の移動位置に追尾させる追尾装置としての機能を有する。すなわち、制御装置15は、太陽16が図4の点γから点δに至る高度角の範囲内にあるときに、採光プリズム13を、この範囲内の太陽16に追尾させる。点γが日の出位置、点δが日没位置である。
【0028】一方、上述の太陽電池19により発電された電力は天候の影響を受けやすく、不安定となって電力不足を引き起こすことがある。この電力不足時には、太陽光採光システム10は運転を停止し、採光プリズム13による太陽16の追尾動作も停止する。
【0029】この電力不足時にも太陽が移動しているので、制御装置15は、まず電力が不足してから回復した時点で、この時点における太陽16の移動位置(例えば点α)に対応する採光プリズム13の追尾位置Aを算出する。次に、制御装置15は、採光プリズム13を、上記電力不足の発生時における太陽16の移動位置(例えば点β)に対応する採光プリズム13の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短の移動量で移動させるよう採光プリズム13を制御する。
【0030】この制御を詳説する。太陽光採光システム10では、日没後に採光プリズム13を翌日位置に戻すが、例えば、日没前の夕方の時間帯で天候が悪くなり、太陽16の移動位置(点β)で太陽電池19に電力不足が発生し、翌朝も天候が悪くて電力不足が継続し、正午前の太陽16の移動位置(点α)で天候が回復して電力も回復したとする。
【0031】このような場合、太陽16が点αに到達した時点では、採光プリズム13は、太陽16が点βにあったときの追尾位置Bに位置する。制御装置15は、太陽16が点αに到達し、且つ電力が回復した時点で、採光プリズム13を追尾位置Bから追尾位置Aまで既定の経路(太陽16の位置に置き換えると、β→δ→β→α→γ→α)で順次移動させることはせず、まず、電力が回復した時点で、この時点における太陽16の移動位置(点α)に対応する追尾位置Aを算出する。次に、制御装置15は、電力が不足した時点における太陽16の移動位置(点β)に対応する追尾位置Bから上記追尾位置Aまで、採光プリズム13を最短の移動量で移動させうる経路(即ち追尾位置Bから追尾位置Aへ、迂回することなく直接移動させる経路)を選定し、この経路に沿って採光プリズム13を移動させる。
【0032】また、制御装置15は、図5に示すように、電力不足が所定時間T1以上の長時間継続し、その後に電力が回復したときには(電力不足D1)、上述の如く、電力回復時におけるプリズム13の追尾位置Aを算出して、採光プリズム13をこの追尾位置Aに最短経路で移動させる。
【0033】しかし、制御装置15は、電力不足が所定時間T1以下の短時間であるときには(電力不足D2、D3)、電力不足が解消して電力が回復した時点における採光プリズム13の追尾位置Aを算出せず、電力が回復したときに、採光プリズム13を電力不足発生時の追尾位置から移動させて、太陽16に追尾させる。これは、電力不足が所定時間T1以下の場合には、この間の太陽16の移動量が無視できるほど小さく、採光プリズム13の追尾位置を補正する必要が少ないからである。
【0034】更に、制御装置15は、同様に図5に示すように、所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し(電力不足D2、D3、D4)、このうち、最初の電力不足(電力不足D2)が解消して電力が回復した時点から所定時間T2を越えても上記電力不足(電力不足D4)が発生している場合には、この所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足(電力不足D4)が解消して電力が回復したときに、この回復時点における太陽16に対応する採光プリズム13の追尾位置Aを算出する。次に、制御装置15は、複数回発生した所定時間T1以下の電力不足のうち、最初の電力不足(電力不足D2)が発生した時点における太陽16に対応する採光プリズム13の追尾位置Bから、所定時間T2を越えて最初に発生した電力不足(電力不足D4)の電力回復時点の上記追尾位置Aまで、最短の移動量で採光プリズム13を移動させる。
【0035】これは、所定時間T1以下の電力不足が、この最初の電力不足(電力不足D2)が解消して電力が回復した時点から所定時間T2を越えても発生し、この上記所定時間T2の間に、電力不足時の採光プリズム13の追尾位置Aが一度も算出されていないときには、最初の電力不足(電力不足D2)及び所定時間T2の間において、太陽16の移動量と採光プリズム13の追尾位置とのずれ量が無視できないほど大きくなるからである。このため、所定時間T2を越えて発生した所定時間T1以下の最初の電力不足(電力不足D4)が解消して電力が回復したときに、この回復時点における採光プリズム13の追尾位置Aを算出し、採光プリズム13をこの追尾位置Aまで移動させることにより、採光プリズム13の追尾位置を補正するのである。
【0036】次に、電力回復時の採光プリズム13の制御装置15による制御を、図6を用いて説明する。
【0037】制御装置15は、電力不足が解消して電力が回復しているか否かを判断する(S1)。電力が回復しているときには、制御装置15は、次に、現時点が太陽16を追尾する時間帯にあるか否か、つまり太陽16の高度角が所定の範囲(例えば10〜80度)にあるか否かを判断する(S2)。
【0038】制御装置15は、現時点が追尾時間内にあると判断したときには、ステップS1にて判断した電力不足が所定時間T1以内であったか否かを判断する(S3)。
【0039】電力不足が所定時間T1以上(長時間)であった場合には、制御装置15は、電力回復時点における太陽16の移動位置に対応する採光プリズム13の追尾位置Aを算出し、電力不足発生時点における太陽16の移動位置に対応する採光プリズム13の追尾位置Bから上記追尾位置Aまで、最短移動量で採光プリズム13を移動させる(S4)。その後、この追尾位置Aから採光プリズム13を太陽16に追尾させる。
【0040】ステップS1にて判断した電力不足が所定時間T1以内(短時間)であった場合には、制御装置15は、次に、フラッグ(FG)が1(FG=1)であるか否かを判断し(S5)、FG=1でない場合には、FG=1とし、且つタイマをON動作させてスタートに戻る(S6)。
【0041】ステップS5においてFG=1である場合には、制御装置15は、タイマが所定時間T2以上であるか否かを判断し(S7)、タイマが所定時間T2以内であるときには、スタートに戻る。
【0042】制御装置15は、ステップS7において、タイマが所定時間T2以上である場合には、FGを0とし(FG=0)、且つタイマをOFF動作させる。と同時に、制御装置15は、所定時間T2を越えて最初に発生した所定時間T1以内の電力不足が解消して電力が回復した時点における太陽16の移動位置に対応する採光プリズム13の追尾位置Aを算出し、次に、所定時間T1以内の最初の電力不足発生時点における太陽16の移動位置に対応する採光プリズム13の追尾位置Bから上記追尾位置Aまで、最短移動量で採光プリズム13を移動させる(S4)。その後、この追尾位置Aから採光プリズム13を太陽16に追尾させる。
【0043】従って、上記実施の形態によれば、次の効■〜■を奏する。
【0044】■太陽電池19から供給される電力が不足した後回復した時点において、当該時点における太陽16の移動位置に対応する採光プリズム13の追尾位置Aを算出し、この採光プリズム13を、上記電力不足の発生時における採光プリズム13の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ最短移動量で移動させるよう構成されたことから、電力が回復した時点において、採光プリズム13を、上記追尾位置Bから上記追尾位置Aまで既定の移動経路をたどって順次移動させる場合に比べ、この採光プリズム13の移動に要する電気エネルギーを減少できるので、太陽電池19の容量や充電装置(コンデンサ)の容量を小さくでき、コストを抑制できると共に、採光プリズム13を短時間に目標位置(追尾位置A)まで移動させることができるので、採光プリズム13の追尾性を向上させることができる。
【0045】■太陽電池19による電力不足が所定時間T1以下である場合には、この時間内における太陽16の移動量が無視できるほど小さいので、この電力回復時に、採光プリズム13に追尾動作を直ちに実施させても不都合がない。このときには、電力回復時点において追尾位置Aを算出しないので、この追尾位置Aの算出に要する電気エネルギーを節約できる。
【0046】■太陽電池19による所定時間T1以下の電力不足が複数回発生し、この電力不足が最初の電力不足が解消して電力が回復した時点から所定時間T2を越えても発生し、この所定時間T2の間に採光プリズム13の追尾位置Aが一度も算出されていないときには、最初の電力不足から所定時間T2の間において、太陽16の移動位置と採光プリズム13の追尾位置とのずれ量が無視できないほど大きくなる。このため、所定時間T2を越えて発生した最初の電力不足が解消して電力が回復したときに、当該回復時点における採光プリズム13の追尾位置Aを算出し、この採光プリズム13を、上記追尾位置Aまで最短の移動量で移動させることにより、採光プリズム13の追尾性を向上させることができる。
【0047】以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】例えば、上記実施の形態によれば、電源が太陽電池19を用いたものの場合を述べたが、商用電源の場合にも適用できる。この商用電源の場合に駆動機構14及び制御装置15などへ供給される電力が不足する事態とは停電の場合である。
【0049】更に、上記実施の形態では、太陽光採光システムの場合を述べたが、制御装置による太陽などの目標対象物の位置を追尾する必要のある他の装置、例えば天体望遠鏡などに本発明を適用してもよい。更に、追尾部(採光部11)へ供給される電源としては、太陽電池19の他に、風力発電、水力発電、地熱発電等の自然エネルギーからのものでも良い。
【0050】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に係る追尾装置によれば、電源から供給される電力を用いて、追尾部を目標対象物に追尾して移動させる追尾装置において、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記目標対象物の移動位置に対応する上記追尾部の追尾位置Aを算出し、この追尾部を、上記電力不足の発生時における当該追尾部の追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことから、電力の回復時に追尾部の追尾性をコストの上昇を伴うことなく向上させることができる。
【0051】請求項5に記載の発明に係る太陽光採光システムによれば、プリズムを備えた採光部及び制御装置を備え、当該制御装置が、電源から供給される電力を用いて、上記プリズムを太陽に追尾して移動させるよう制御して、当該プリズムから出射される太陽光を所定方向に調整するよう構成された太陽光採光システムにおいて、上記制御装置は、上記電力が不足してから回復した時点で、当該時点における上記太陽の移動位置に対応する上記プリズムの追尾位置Aを算出し、このプリズムを、上記電力不足の発生時における当該プリズムの追尾位置Bから上記追尾位置Aへ、最短移動量で移動させるよう構成されたことから、電力の回復時にプリズムの追尾性を、コストの上昇を伴うことなく向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
【公開番号】 特開2001−135112(P2001−135112A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−319127