| 【発明の名称】 |
光線追跡方法、及び光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】▲高▼瀬 保夫
【氏名】高橋 一夫
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| 【要約】 |
【課題】光ダクト内を進行する光線を簡単な入力操作で、特別な専門知識を用いずに容易に追跡できるようにすること。
【解決手段】単一の光ダクト17、18、19内における任意の入射点Aから任意の入射光ベクトルαで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点Bを有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルγと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルβの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡すること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の光ダクトが連設されて成る光ダクト装置内を進行する光線を追跡する光線追跡方法において、単一の上記光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することを特徴とする光線追跡方法。 【請求項2】 上記単一の光ダクトにおける光線にほぼ直交する仮想面が交点を有する面である場合には、上記交点における反射光ベクトルを用いず入射光ベクトルを用い、光線が進行する方向に存在する他の単一の光ダクトにおいて、上記交点を入射点とし、上記入射光ベクトルを用いて交点及び反射光ベクトルを求め、光線を追跡することを特徴とする請求項1に記載の光線追跡方法。 【請求項3】 上記各光ダクト内における交点の数に基づき光線の反射回数を求め、この反射回数と上記各光ダクトの反射率とから上記各光ダクトにおける搬送効率を求め、これらの搬送効率から光ダクト装置における減衰率を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の光線追跡方法。 【請求項4】 複数の光ダクトが連設されて成る光ダクト装置内を進行する光線を追跡する光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、単一の上記光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することを特徴とする光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 【請求項5】 上記単一の光ダクトにおける光線にほぼ直交する仮想面が交点を有する面である場合には、上記交点における反射光ベクトルを用いず入射光ベクトルを用い、光線が進行する方向に存在する他の単一の光ダクトにおいて、上記交点を入射点とし、上記入射光ベクトルを用いて交点及び反射光ベクトルを求め、光線を追跡することを特徴とする請求項4に記載の光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 【請求項6】 上記各光ダクト内における交点の数に基づき光線の反射回数を求め、この反射回数と上記各光ダクトの反射率とから上記各光ダクトにおける搬送効率を求め、これらの搬送効率から光ダクト装置における減衰率を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の光ダクトが連設されて成る光ダクト装置内を進行する光線を追跡する光線追跡方法、及び光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば太陽光採光システムには、採光部にて取り込まれた太陽光を光ダクト装置へ導き、この光ダクト装置を構成する複数の光ダクト内を太陽光が順次進行して、この太陽光を所定箇所へ導くようにしたものがある。 【0003】上述の光ダクト装置では、各光ダクト内を進行する光の経路(光線)を追跡して、搬送効率等の良好な装置を設計する必要がある。 【0004】従来、光ダクト内を進行する光線の追跡は、光学専用ソフトウエアを格納した大型コンピュータを用いて、各光ダクトにおける面と光線との交点等を求めることにより実施していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のような光線の追跡方法では、光学専用ソフトウエアを採用しているため、データの入力操作が煩雑であり、また、各光ダクトの形状や向きを任意に変更することができず、更に、特別な専門知識を必要としていた。 【0006】本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、光ダクト内を進行する光線を簡単な入力操作で、且つ特別な専門知識を用いずに容易に追跡できる光線追跡方法、及び光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、複数の光ダクトが連設されて成る光ダクト装置内を進行する光線を追跡する光線追跡方法において、単一の上記光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することを特徴とするものである。 【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記単一の光ダクトにおける光線にほぼ直交する仮想面が交点を有する面である場合には、上記交点における反射光ベクトルを用いず入射光ベクトルを用い、光線が進行する方向に存在する他の単一の光ダクトにおいて、上記交点を入射点とし、上記入射光ベクトルを用いて交点及び反射光ベクトルを求め、光線を追跡することを特徴とするものである。 【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記各光ダクト内における交点の数に基づき光線の反射回数を求め、この反射回数と上記各光ダクトの反射率とから上記各光ダクトにおける搬送効率を求め、これらの搬送効率から光ダクト装置における減衰率を算出することを特徴とするものである。 【0010】請求項4に記載の発明は、複数の光ダクトが連設されて成る光ダクト装置内を進行する光線を追跡する光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、単一の上記光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することを特徴とするものである。 【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記単一の光ダクトにおける光線にほぼ直交する仮想面が交点を有する面である場合には、上記交点における反射光ベクトルを用いず入射光ベクトルを用い、光線が進行する方向に存在する他の単一の光ダクトにおいて、上記交点を入射点とし、上記入射光ベクトルを用いて交点及び反射光ベクトルを求め、光線を追跡することを特徴とするものである。 【0012】請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、上記各光ダクト内における交点の数に基づき光線の反射回数を求め、この反射回数と上記各光ダクトの反射率とから上記各光ダクトにおける搬送効率を求め、これらの搬送効率から光ダクト装置における減衰率を算出することを特徴とするものである。 【0013】請求項1乃至6に記載の発明には、次の作用がある。 【0014】単一の各光ダクトの特性や性状、並びに単一の光ダクトに入射した光に関する情報を与えることにより、単一の光ダクトへの入射点、入射光ベクトル、及び単一の各光ダクトの各面の方程式を算出し、更に、これらから、単一の各光ダクト内を進行する光線の交点と反射光ベクトルを算出できるので、簡単な入力操作で且つ特別な専門知識を用いることなく、各光ダクト内を進行する光線を容易に追跡できる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。 【0016】図1は、本発明に係る光追跡方法の一実施の形態が適用された太陽光採光システムを示す側面図である。図2は、図1の光ダクト装置を示す分解斜視図である。 【0017】この図1に示す太陽光採光システム10は、太陽光を取り込む採光部11と、この採光部11にて取り込まれた太陽光を内部へ導いて伝播させる光ダクト装置12と、この光ダクト装置12に設置されて太陽光を室内等へ出射する出射部(不図示)とを有して構成される。 【0018】上記採光部11は、2枚のプリズム14A及び14Bが上下に配置され、これらのプリズム14A及び14Bを、透明材質からなるドーム15が覆うことによって構成される。この採光部11は、例えば建築物の屋根などに設置される。プリズム14A及び14Bは、太陽の位置データに基づき太陽に追尾して駆動され、太陽光を真下、つまり光ダクト装置12の軸方向とほぼ一致した方向に伝送させる。 【0019】上記光ダクト装置12は、光屈曲ダクト17に光直線ダクト18と光直線ダクト19とがほぼ直角方向に固着して設けられたものである。この光ダクト装置12は、光直線ダクト18に導入された太陽光(図1の光16)の進行方向を、光屈曲ダクト17にてほぼ直角に変更して光直線ダクト19へ導き伝播させるものである。 【0020】上記光直線ダクト18及び19は、図2にも示すように、6面を有する直方体形状であり、内部を進行する光16の進行方向に対しほぼ直交する対抗面がスタート面20とエンド面21である。これらのスタート面20及びエンド面21では光は全反射せず透過し、残りの4つの側面22において光が全反射する。それ故、上記スタート面20及びエンド面21を仮想面と称する。 【0021】また、光屈曲ダクト17は5面を有する三角柱形状であり、内部を進行する光16の進行方向に対し、ほぼ直交する2つの面がスタート面23とエンド面24である。これらのスタート面23及びエンド面24においても光16は全反射せず透過し、残りの3つの側面25において光16が全反射する。この場合もスタート面23及びエンド面24を仮想面と称する。 【0022】この光ダクト装置12内を進行する光16の経路(光線)を、以下■〜■のごとく追跡する。この光線の追跡は、光線と光屈曲ダクト17、光直線ダクト18及び19の各面との交点と、これらの交点から全反射する反射光ベクトルを求めることにより実施され、更に、光ダクト装置12内での光の減衰率も下記■のごとく求める。 【0023】〔A〕光線追跡方法(図2) ■まず、単一の光ダクト17、18、19内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで、当該単一の光ダクト17、18、19内へ入射した光線の方程式を、媒介変数を用いて表すとともに、単一の光ダクト17、18、19の各面を表す方程式を算出する。 【0024】例えば、図2の光直線ダクト18において、入射点A(X1、Y1、Z1)から入射光ベクトルα(AX、AY、AZ)で光直線ダクト18内に入射した光16の光線方程式は、媒介変数をtとすると、X=AX・t+X1 …(1) Y=AY・t+Y1 …(2) Z=AZ・t+Z1 …(3) となる。 【0025】一方、当該光直線ダクト18におけるスタート面20、エンド面21及び側面22の各面の方程式は、A1X+B1Y+C1Z+D1=0 …(4) A2X+B2Y+C2Z+D2=0 …(5) A3X+B3Y+C3Z+D3=0 …(6) A4X+B4Y+C4Z+D4=0 …(7) A5X+B5Y+C5Z+D5=0 …(8) A6X+B6Y+C6Z+D6=0 …(9) となる。式(4)がスタート面20を、式(9)がエンド面21をそれぞれ表す。 【0026】■次に、上記■にて算出された単一の各光ダクト17、18、19の各面を表す方程式のそれぞれと光線方程式とから媒介変数tの値をそれぞれ算出する。このうち、正数で且つ最小の媒介変数を算出した面を、光線が全反射しまたは透過して交点を有する面であると判断する。そして、この媒介変数と光線方程式を用いて上記交点を算出する。 【0027】例えば、光直線ダクト18において、式(1)〜(3)を式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)に順次代入して媒介変数tに関し整理すると、 t1=−(A1・X1+B1・Y1+C1・Z1+D1)/(A1・AX+B1・AY+C1・AZ) …(10) t2=−(A2・X2+B2・Y2+C2・Z2+D2)/(A2・AX+B2・AY+C2・AZ) …(11) t3=−(A3・X3+B3・Y3+C3・Z3+D3)/(A3・AX+B3・AY+C3・AZ) …(12) t4=−(A4・X4+B4・Y4+C4・Z4+D4)/(A4・AX+B4・AY+C4・AZ) …(13) t5=−(A5・X5+B5・Y5+C5・Z5+D5)/(A5・AX+B5・AY+C5・AZ) …(14) t6=−(A6・X6+B6・Y6+C6・Z6+D6)/(A6・AX+B6・AY+C6・AZ) …(15) となる。但し、t1、t2、t3、t4、t5、t6は、光直線ダクト18のスタート面20及びエンド面21を含めた各面に対応する媒介変数tの値である。 【0028】これらの媒介変数t1〜t6のうち、正数で且つ最小の媒介変数を算出した面が交点Bを有する面であると判断できる。この媒介変数の値(t1〜t6のいずれか1つ)を式(1)〜(3)に代入して交点Bの座標(X2、Y2、Z2)を算出する。 【0029】■次に、交点を有する面において、当該交点を通る法線ベクトルを算出し、この法線ベクトルと入射光ベクトルとから、交点から全反射する反射光ベクトルを算出する。 【0030】例えば、光直線ダクト18において、交点Bの座標(X2、Y2、Z2)から、この交点Bを通る法線ベクトルγを算出し、この法線ベクトルγを(NX、NY、NZ)とする。次に、入射光ベクトルα、法線ベクトルγ及び反射光ベクトルβが同一平面内にあり、且つ、入射光ベクトルαと法線ベクトルγとのなす角と法線ベクトルγと反射光ベクトルβとのなす角が等しいという反射の法則から、反射光ベクトルβ(BX、BY、BZ)は、法線ベクトルγと入射光ベクトルαを用いて、BX=AX+2・NX・cosθ …(16) BY=AY+2・NY・cosθ …(17) BZ=AZ+2・NZ・cosθ …(18) となる。但し、θは、図2に示すように、入射光線と光直線ダクト18の一側面22とのなす角であり、cosθは、cosθ=│AX・NX+AY・NY+AZ・NZ│である。 【0031】■次に、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、上述の手順■〜■を用い、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡する。 【0032】例えば、光直線ダクト18において、交点Bを入射点Aとし、反射光ベクトルβを入射光ベクトルαとして光線の方程式を求め、この光線方程式と光直線ダクト18の各面のそれぞれの方程式(4)〜(9)とから算出される媒介変数のうち最小の媒介変数を算出する面を、次の交点Bを有する面であると判断して、この次の交点B、及びこの次の交点Bから全反射する反射光ベクトルβを求める。この光直線ダクト18内において、同様にして交点B及び反射光ベクトルβを求め、光線を追跡する。 【0033】■単一の光ダクト17、18、19における仮想面が交点を有する面である場合には、この交点から全反射する反射光ベクトルを用いず入射光ベクトルをそのまま用い、光線が進行する方向に存在する他の単一の光ダクト17、18、19において、上記交点を入射点とし、上記入射光ベクトルを用いて、当該単一の光ダクト17、18、19における交点及び反射光ベクトルを順次求める。このようにして、光線が光ダクト装置12のダクト出口面、あるいはダクト入口面に至るまで光線を追跡する。 【0034】例えば図2において、交点Bが光直線ダクト18のエンド面21または光直線ダクト19のスタート面20にあると判断した場合には、この交点Bから全反射するものとして算出した反射光ベクトルβを採用せず、この交点Bへ向かった入射光ベクトルαをそのまま用いる。 【0035】光直線ダクト18のエンド面21が上記交点Bを有する場合には、光線の進行方向に存在する光屈曲ダクト17において、上記交点Bを入射点Aとして光屈曲ダクト17のスタート面23に移し、上記入射光ベクトルαを用いて、この光屈曲ダクト17内で、上述の手順■〜■を用い、交点B及び反射光ベクトルβを順次算出する。このようにして、光線が光ダクト装置12のダクト出口面26(つまり、光直線ダクト19のエンド面21)に至るまで光線を追跡する。 【0036】また、光直線ダクト19のスタート面20が上記交点Bを有する場合には、光線の進行方向(戻り方向)に存在する光屈曲ダクト17において、上記交点Bを入射点Aとして光屈曲ダクト17のエンド面24に移し、上記入射光ベクトルαを用いて、この光屈曲ダクト17内で、上述の手順■〜■を用い、交点B及び反射光ベクトルβを順次算出する。このようにして、光線が光ダクト装置12のダクト入口面27(つまり、光直線ダクト18のスタート面20)に至るまで光線を追跡する。 【0037】■最後に、各光ダクト17、18、19内における交点の数に基づき光線の反射回数を求め、この反射回数と各光ダクト17、18、19の反射率とから各光ダクト17、18、19における搬送効率を求め、これらの搬送効率から光ダクト装置12における減衰率を算出する。 【0038】例えば、図2に示す光ダクト装置12において、光直線ダクト18、光屈曲ダクト17、光直線ダクト19の反射率をそれぞれP、Q、Rとする。また、光直線ダクト18における交点Bのうち、スタート面20及びエンド面21上の交点Bを除いて、側面22上の交点Bの数を算出し、光直線ダクト18における反射回数aを求める。同様に、光屈曲ダクト17における交点Bのうち、スタート面23及びエンド面24上の交点Bを除いて、側面25上の交点Bの数を算出し、光屈曲ダクト17における反射回数bを求める。更に、光直線ダクト19における交点Bのうち、スタート面23及びエンド面24上の交点Bを除いて、側面22上の交点Bの数を算出し、光直線ダクト19における反射回数cを求める。 【0039】これらの反射率と反射回数とから、光直線ダクト18における搬送効率はPaとし、光屈曲ダクト17における搬送効率はQbとし、光直線ダクト19における搬送効率はRcとしてそれぞれ算出される。従って、光ダクト装置12における減衰率GはG=1−Pa・Qb・Rc …(19) として算出できる。ここで、光線が光ダクト装置12のダクト入口面27に戻った場合には、搬送効率が0であるのでG=1となる。 【0040】〔B〕光線追跡プログラムのフローチャート(図4〜図8) 次に、上述の光線追跡方法の手順■〜■を、図4〜図8に示すフローチャートに基づき説明する。 【0041】図4に示すように、光ダクト装置12における光直線ダクト18、光屈曲ダクト17、光直線ダクト19のそれぞれの口径、形状(角筒形状或いは円筒状など)、向き、長さ、反射率を入力する(S1)。 【0042】次に、光16が入射される光直線ダクト18のスタート面20において、スタート面20の中心を原点とする座標軸を決定する(S2)。また、光16は、光直線ダクト18のスタート面20にて反射せず透過するので、当初の光の搬送効率を1とする(S3)。 【0043】次に、光直線ダクト18のスタート面20に入射した光16の方位角及び高度角を入力して(S4)、入射光ベクトルαを算出する(S5)。入射した光16の方位角は、図3(A)のX軸−Y軸座標系にて定義し、高度角は、図3(B)のXY軸−Z軸座標系にて定義する。 【0044】ステップS1にて入力されたデータから、光直線ダクト18、光屈曲ダクト17、光直線ダクト19において、それぞれの仮想面を含めたすべての平面(光直線ダクト18及び19のスタート面20、エンド面21及び側面22;光屈曲ダクト17のスタート面23、エンド面24及び側面25)の方程式を、前述の式(4)〜(9)のごとく算出する(s6)。 【0045】その後、光直線ダクト18のスタート面20に入射した光16の入射点Aの座標を決定する(S7)。実際には、この入射点Aの座標が当該スタート面20の原点となるように光16を入射させる。 【0046】図5に示すように、ステップS5、S7にてそれぞれ算出、決定された入射光ベクトルα、入射点Aを用いて、入射点Aから入射光ベクトルαで光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)に入射した光線の方程式を、前述の式(1)〜(3)のごとく、媒介変数tを用いて決定する(S8)。 【0047】次に、光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)のスタート面20(スタート面23)における媒介変数t1を前述の式(10)のごとく算出し(S9)、この媒介変数t1が正で(t1>0)、且つ任意の定数Tよりも小さい(T>t1)か否かを判断する(S10)。T>t1の場合には、定数Tを媒介変数t1の値に更新して(S11)、次に、光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)における次の平面の媒介変数t2を求める(S12)。t1≦0またはT≦t1の場合には、定数Tの値を更新することなくステップS12を実行する。 【0048】このステップS12において算出した媒介変数t2がt2>0、且つT>t2であるか否かを判断し(S13)、その場合には、定数Tを媒介変数t2の値に変更し(S14)、それ以外の場合には、定数Tの値を変更することなくステップS15を実行する。 【0049】このステップS15は、ステップS9〜S14と同様にして、媒介変数t3、t4、t5、t6(但し、t6は光直線ダクト18及び19の場合のみ)を順次算出し、これら光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)の各面における媒介変数t1〜t6のうち、正数で且つ最小の媒介変数を決定するステップである。 【0050】図6に示すように、ステップS15にて決定された媒介変数の値を、ステップS8にて決定された光線方程式に代入して、交点Bを算出する(S16)。 【0051】次に、この交点Bから法線ベクトルγを求め(S17)、この法線ベクトルγと、ステップS5にて算出された入射光ベクトルαとから、前述の式(16)〜(18)のごとく反射光ベクトルβを算出する(S18)。 【0052】次に、交点Bを有する面が、光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)の仮想面であるか否かを判断する(S19)。仮想面でなく側面22、25である場合には、光の搬送効率を求め(S20)、その後、ステップS18にて算出した反射光ベクトルβを入射光ベクトルαに、交点Bを入射点Aにそれぞれ置き換えて(S21)、ステップS8以降のステップを繰り返す。 【0053】ステップS19において、交点Bを有する面が、光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)の仮想面である場合には、ステップS18にて算出された反射光ベクトルβを採用せず、ステップS5にて算出された入射光ベクトルαを用いる(S22)。 【0054】次に、図7に示すように、ステップS16にて算出された交点Bを有する光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)の面が、エンド面21(エンド面24)であるか否かを判断する(S23)。 【0055】この交点Bを有する面がエンド面21(エンド面24)である場合には、この交点Bを有する面を備えた光ダクトが、光直線ダクト18、19と光屈曲ダクト17のいずれであるかを判断する(S24)。 【0056】このステップS24にて、交点Bを有するエンド面を備えた光ダクトが、光直線ダクト18、19ではなく光屈曲ダクト17である場合には、光ダクトの情報を、例えば次の光直線ダクト19の情報(ステップS6にて算出された平面方程式等)に変更し、交点B位置を、光直線ダクト19のスタート面20に移し入射点A位置として(S25)、ステップ8以降のステップを実行する。 【0057】また、ステップS24にて、交点Bを有するエンド面を備えた光ダクトが、光直線ダクト18、19であると判断した場合には、上記エンド面21が、光ダクト装置12におけるダクト出口面26(光直線ダクト19のエンド面21)であるか否かを判断する(S26)。 【0058】このステップS26にて、エンド面21がダクト出口面26でない場合には、エンド面21が例えば光直線ダクト18のエンド面21であると判断し、光ダクトの情報を、次の光屈曲ダクト17の情報(ステップS6にて算出された平面方程式など)に変更し、交点B位置を、光屈曲ダクト17のスタート面23に移し入射点A位置として(S27)、ステップS8以降のステップを実行する。 【0059】ステップS26にて、エンド面21がダクト出口面26であると判断した場合には、前述の式(19)のごとく、光ダクト装置12における光の減衰率Gを算出して、光線の追跡を終了する(S28)。 【0060】更に、ステップS23において、交点Bを有する面が光直線ダクト18(光屈曲ダクト17、光直線ダクト19)のエンド面21(エンド面24)ではなく、スタート面20(スタート面23)である場合には、図8に示すように、この交点Bを有する面を備えた光ダクトが光直線ダクト18、19と光屈曲ダクト17のいずれであるかを判断する(S29)。 【0061】このステップS29において、交点Bを有する面を備えた光ダクトが、例えば光直線ダクト18、19ではなく光屈曲ダクト17である場合には、光ダクトの情報を、次の光屈曲ダクト17の情報(ステップS6にて算出された平面方程式等)に変更し、交点Bの位置を光直線ダクト18のエンド面21に移し入射点A位置として(S30)、ステップS8以降のステップを実行する。 【0062】ステップS29にて、交点Bを有する面を備えた光ダクトが光直線ダクト18、19であると判断したときには、次に、この交点Bを有する面が図2のダクト入口面27であるか否かを判断する(S31)。 【0063】このステップS31において、交点Bを有する面が光ダクト装置12のダクト入口面27ではなく、例えば光直線ダクト19のスタート面20である場合には、光ダクトの情報を、次の光屈曲ダクト17の情報(ステップS6にて算出された平面方程式等)に変更し、交点B位置を光屈曲ダクト17のエンド面24に移し入射点A位置として(S32)、ステップS8以降のステップを実行する。 【0064】また、ステップS31において、交点Bを有する面がダクト入口面27であると判断したときには、光ダクト装置12のダクト出口面26に向かう光線ではないので、光の搬送効率を0とし(S33)、光の減衰率Gを1として(S34)、光線の追跡を終了する。 【0065】従って、上記実施の形態によれば、次の効果を奏する。 【0066】光ダクト装置12における光直線ダクト18、光屈曲ダクト17、光直線ダクト19のそれぞれの口径、形状、向き、長さ及び反射率などの光ダクトの特性や性状、並びに単一の光直線ダクト18に入射した光16の方位角及び高度角を与えることにより、単一の光直線ダクト18、光屈曲ダクト17または光直線ダクト19への入射点A、入射光ベクトルα、及び単一の光直線ダクト18、光屈曲ダクト17または光直線ダクト19の各面の方程式を、例えばパーソナルコンピュータ等を用いて算出し、更に、これらの入射点A、入射光ベクトルα、及び各面の方程式から、単一の光直線ダクト18、光屈曲ダクト17または光直線ダクト19内を進行する光線の交点Bと反射光ベクトルβを、同様にパーソナルコンピュータ等を用いて算出できるので、簡単な入力操作で、且つ特別な専門知識を用いることなく、光直線ダクト18、光屈曲ダクト17、光直線ダクト19内を進行する光線を容易に追跡できる。 【0067】また、光直線ダクト18、光屈曲ダクト17または光直線ダクト19の特性や性状を予め入力して光線の追跡を実施するので、光直線ダクト18、光屈曲ダクト17または光直線ダクト19の形状や向きなどを自由に変更して、光線を追跡できる。 【0068】以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、光ダクト装置12の光屈曲ダクト17、光直線ダクト18及び19が円筒形状のものであってもよい。 【0069】 【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に係る光線追跡方法によれば、単一の光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することから、光ダクト内を進行する光線を簡単な入力操作で、特別な専門知識を用いずに容易に追跡できる。 【0070】請求項4に記載の発明に係る光線追跡プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、単一の光ダクト内における任意の入射点から任意の入射光ベクトルで当該単一の光ダクト内へ入射した光線の方程式を媒介変数を用いて表し、上記単一の光ダクトの各面を表す方程式のそれぞれと上記光線の方程式とにより算出される複数の媒介変数の値のうち、正数で且つ最小な媒介変数を算出した面を、光線が反射しまたは透過して交点を有する面であると判断し、この媒介変数と上記光線の方程式とから上記交点を算出し、次に、上記交点を有する面において当該交点を通る法線ベクトルと前記入射光ベクトルとから、上記交点から反射する反射光ベクトルの方程式を求め、上記交点を入射点とし、上記反射光ベクトルを入射光ベクトルとして、同様の手順で、次の交点及び反射光ベクトルを算出して光線を追跡することから、光ダクト内を進行する光線を簡単な入力操作で、特別な専門知識を用いずに容易に追跡できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月29日(1999.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091823 【弁理士】 【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−135111(P2001−135111A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月18日(2001.5.18) |
| 【出願番号】 |
特願平11−309252 |
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