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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】増田 進

【氏名】船田 泰章

【要約】 【課題】シール剤が塗布されたランプボディの取付溝部に前面レンズの取付脚部が挿入されることによりランプボディと前面レンズとの組付けが行われる車両用灯具において、上記取付溝部の外周壁の開き角度を部分的に大きな値に設定した場合であっても、ランプボディと前面レンズとの間に十分なシール性を確保可能とする。

【解決手段】ランプボディ14の取付溝部14bにおける前面レンズ16の右端部16A側に位置する部分の外周壁14b1を、前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁14b1A、14b1Bとして形成する。これにより、内側分岐壁14b1Aについては、取付溝部14b内に取付脚部16aが挿入されたときにシール剤20が外周側へ逃げてしまうのを防止可能な程度の比較的小さい開き角度に設定する一方、外側分岐壁14b1Bについては、灯具意匠上の要請等に応じて大きな開き角度に設定可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯室周縁部に取付溝部が形成されたランプボディと、上記取付溝部に対向する位置に取付脚部が形成された前面レンズとを備えてなり、シール剤が塗布された上記取付溝部内に上記取付脚部が挿入されることにより上記ランプボディと上記前面レンズとの組付けが行われるように構成された車両用灯具において、上記取付溝部の外周壁の一部が、前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁として形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 上記前面レンズが、該前面レンズの一端部から他端部へ向けて後方側へ回り込むように湾曲形成されており、上記分岐壁が、上記一端部側に位置するようにして形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】 上記一端部側に、略前後方向に延びるリムが上記ランプボディと隣接するようにして設けられており、このリムの前端部の外面と上記分岐壁の外面とが、略面一でかつ連続的な面で構成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車両用灯具に関するものであり、特にその前面レンズとランプボディとの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多くの車両用灯具においては、図3に示すように、ランプボディ2の灯室周縁部に取付溝部2aが形成されるとともに前面レンズ4における上記取付溝部2aに対向する位置に取付脚部4aが形成されており、シール剤8が塗布された取付溝部2a内に取付脚部4aが挿入されることにより、ランプボディ2と前面レンズ4との組付けが行われるようになっている。上記取付溝部2aは、ランプボディ2を成形する際の金型の抜け勾配を考慮して、その底面部から先端部へ向けて多少幅が広がるように形成されているが、その外周壁2a1の一部は、灯具意匠上の要請等から先端部へ向けて比較的大きな角度で広がるように形成されることも少なくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同図に示すように、取付溝部2aの外周壁2a1の開き角度があまりにも大きくなると、取付溝部2a内に取付脚部4aが挿入されたとき該取付溝部2a内に塗布されているシール剤8が外周側へ逃げてしまうため、ランプボディ2および前面レンズ4間に十分なシール性を確保することが困難なものとなる、という問題がある。
【0004】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ランプボディの取付溝部の外周壁の開き角度を部分的に大きな値に設定した場合であっても、ランプボディと前面レンズとの間に十分なシール性を確保することができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、取付溝部の外周壁の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0006】すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、灯室周縁部に取付溝部が形成されたランプボディと、上記取付溝部に対向する位置に取付脚部が形成された前面レンズとを備えてなり、シール剤が塗布された上記取付溝部内に上記取付脚部が挿入されることにより上記ランプボディと上記前面レンズとの組付けが行われるように構成された車両用灯具において、上記取付溝部の外周壁の一部が、前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁として形成されている、ことを特徴とするものである。
【0007】上記「分岐壁」は、前方へ向けて2股に分岐して延びるように形成されたものであれば、その具体的形状や上記取付溝部の外周壁における形成位置等は特に限定されるものではない。
【0008】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、シール剤が塗布されたランプボディの取付溝部に前面レンズの取付脚部が挿入されることによりランプボディと前面レンズとの組付けが行われるように構成されているが、上記取付溝部の外周壁はその一部が前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁として形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0009】すなわち、外周壁の一部を分岐壁として形成することにより、その内側分岐壁については、取付溝部内に取付脚部が挿入されたときにシール剤が外周側へ逃げてしまうのを防止可能な程度の比較的小さい開き角度に設定する一方、その外側分岐壁については、灯具意匠上の要請等に応じて大きな開き角度に設定することが可能となる。
【0010】したがって本願発明によれば、ランプボディの取付溝部の外周壁の開き角度を部分的に大きな値に設定した場合であっても、ランプボディと前面レンズとの間に十分なシール性を確保することができる。
【0011】上記構成において、前面レンズがその一端部から他端部へ向けて後方側へ回り込むように湾曲形成されている場合には、ランプボディおよび前面レンズの金型抜き方向は灯具前後方向に対して傾斜した方向に設定されるのが普通であり、しかもランプボディの金型抜き方向と前面レンズの金型抜き方向とが一致していない場合も多い。したがってランプボディの取付溝部は、上記一端部側においてその外周壁の開き角度を大きく設定する必要が生じることが多い。このような場合には、分岐壁を上記一端部側に位置するように形成することが特に効果的である。
【0012】またこの場合において、灯具意匠上の要請から、上記一端部側に、略前後方向に延びるリムがランプボディと隣接するようにして設けられることも少なくないが、ランプボディの取付溝部の外周壁は上記一端部側において分岐壁として形成されているので、その外面をリムの前端部の外面と略面一でかつ連続的な面で構成することが容易に可能である。そしてこのような構成とすれば、灯具の見映えを向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0014】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具10を示す平断面図であり、図2は、その要部を示す断面斜視図である。
【0015】図示のように、この車両用灯具10は、車体左側後端部に設けられるテールランプであって、光源バルブ12と、ランプボディ14と、前面レンズ16と、リブ18とを備えてなり、ランプボディ14と前面レンズ16とにより灯室20が形成されている。
【0016】ランプボディ14は、車体前後方向に延びる軸線Axoに対して車体後方へ向けて左方向に傾斜した光軸Axを有しており、この光軸Axの周囲には、該ランプボディ14に取り付けられた光源バルブ12からの光を前方(灯具としての前方であって車体としては後方。以下同様)へ反射させる反射面14aが形成されている。そして、このランプボディ14における灯室20の周縁部には、取付溝部14bが全周にわたって形成されている。
【0017】前面レンズ16は、その右端部16Rから左端部16Lへ向けて後方側へ回り込むように湾曲形成されており、ランプボディ14の取付溝部14aに対向する位置には、取付脚部16aが全周にわたって形成されている。そして、この前面レンズ16は、ランプボディ14の取付溝部14b内にシール剤20を塗布した状態で該取付溝部14b内に取付脚部16bを挿入することにより、ランプボディ14に組み付けられるようになっている。
【0018】リブ18は、略前後方向に鉛直面に沿って延びる部材であって、上記右端部16R側においてランプボディ14と隣接するようにして設けられている。
【0019】ランプボディ14および前面レンズ16は射出成形品であって、ランプボディ14の金型抜き方向は、その光軸Axと同じ矢印A方向に設定されており、一方、前面レンズ16の金型抜き方向は、該前面レンズ16が右端部16Rから左端部16Lへ向けて後方側へ回り込むように湾曲形成されていることから、矢印Aよりも左向きの矢印B方向に設定されている。
【0020】ランプボディ14の取付溝部14bは、左端部16L側においては、外周壁14b1が略矢印B方向に延びるとともに内周壁14b2が略矢印A方向に延びており、一方、右端部16R側においては、内周壁14b2が略矢印B方向に延びるとともに、外周壁14b1が前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁14b1A、14b1Bとして形成されている。
【0021】この分岐壁14b1A、14b1Bは、内側分岐壁14b1Aが略矢印A方向に延びており、外側分岐壁14b1Bが車体前後方向に延びる軸線Axoよりも右向きに延びている。そして、外側分岐壁14b1Bの外面は、水平断面形状がやや凹面状に形成されている。
【0022】リブ18における前端部18aの外面は、外側分岐壁14b1Bの外面と略面一でかつ連続的な面で構成されている。また、前面レンズ16の右端部16Rの右側端面も、外側分岐壁14b1Bの外面と略面一でかつ連続的な面で構成されている。
【0023】以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具10は、シール剤20が塗布されたランプボディ14の取付溝部14bに前面レンズ16の取付脚部16aが挿入されることによりランプボディ14と前面レンズ16との組付けが行われるように構成されているが、上記取付溝部14bの外周壁14b1はその一部が前方へ向けて2股に分岐して延びる分岐壁14b1A、14b1Bとして形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0024】すなわち、外周壁14b1の一部を分岐壁14b1A、14b1Bとして形成することにより、その内側分岐壁14b1Aについては、取付溝部14b内に取付脚部16aが挿入されたときにシール剤20が外周側へ逃げてしまうのを防止可能な程度の比較的小さい開き角度に設定する一方、その外側分岐壁14b1Bについては、灯具意匠上の要請等に応じて大きな開き角度に設定することが可能となる。
【0025】したがって本実施形態によれば、ランプボディ14の取付溝部14bの外周壁14b1の開き角度を部分的に大きな値に設定した場合であっても、ランプボディ14と前面レンズ16との間に十分なシール性を確保することができる。
【0026】本実施形態に係る車両用灯具10は、前面レンズ16がその右端部16Rから左端部16Lへ向けて後方側へ回り込むように湾曲形成されており、これに伴いランプボディ14および前面レンズ16の金型抜き方向A、Bは灯具前後方向に延びる軸線Axoに対して左向きに傾斜した方向に設定されており、しかもこれら金型抜き方向A、Bは互いに不一致となっている。このため、ランプボディ14の取付溝部14bは、右端部16R側においてその外周壁14b1の開き角度が非常に大きい値に設定されている。そこでこのような場合には、本実施形態のように取付溝部14bの外周壁14b1を右端部16Rにおいて分岐壁14b1A、14b1Bとして形成することが特に効果的である。
【0027】また本実施形態においては、上記右端部16R側に、略前後方向に延びるリム18がランプボディ14と隣接するようにして設けられているが、ランプボディ14の取付溝部14bの外周壁14b1は上記右端部16R側において分岐壁14b1A、14b1Bとして形成されているので、その外側分岐壁14b1Bの外面をリム18の前端部18aの外面と略面一でかつ連続的な面で構成することが容易に可能である。そして本実施形態においてはこのような構成が採用されているので、灯具の見映えを向上させることができる。
【0028】なお、上記実施形態においては車両用灯具10がテールランプである場合について説明したが、他の標識灯やヘッドランプ等の車両用灯具においても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成11年11月2日(1999.11.2)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2001−135106(P2001−135106A)
【公開日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【出願番号】 特願平11−312574