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【発明の名称】 採光装置
【発明者】 【氏名】福井 秀明

【氏名】三岡 嘉昭

【要約】 【課題】採光する光を、その熱線領域の光を除去させプラスチックファイバーに向けて効率よく導光させる採光装置を提供すること。

【解決手段】光源8から入射する光を集光する集光手段2の集光位置2aに、集光した光を屈曲させ略平行光に変換させる光路変換手段3を設け、同光路変換手段3から出射する略平行光をガラス材による光中継手段4を介してプラスチックファイバー9に導光させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源から入射する光を集光する集光手段の集光位置に、集光した光を屈曲させ略平行光に変換させる光路変換手段を設け、同光路変換手段から出射する略平行光をガラス材による光中継手段を介してプラスチックファイバーに導光させてなる採光装置。
【請求項2】 光中継手段の少なくとも入光端面に熱線領域の光を反射させる反射層を設けたことを特徴とする請求項1記載の採光装置。
【請求項3】 光中継手段の導光方向と平行の外側面に耐熱樹脂材による光反射膜を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の採光装置。
【請求項4】 光路変換手段をガラス製の凹レンズ体とし、光中継手段を同凹レンズ体がその一端に被着される不燃材料製の筒状ケース内に密閉収容したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つの請求項記載の採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光などの光源からの光を採光し集光して遠隔地に導光して照明に利用する採光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような採光装置は、例えば太陽光を採光して室内等屋内へ導光するものとしては、その伝搬部として硝子ファイバー、石英ファイバー等の耐熱性の高いものを使用し、例えば装飾用のような、照明装置による光を導光するものとしては、その伝搬部として屈曲性が優れるものの耐熱性の低いプラスチックファイバーを使用していた。
【0003】また、特開昭59−58408として開示されている、入光側端面から太陽光を入射し出射側端面に向かって伝搬し出射側端部から出射する光ファイバーの入光側端部近傍を硝子ファイバーにて形成し、この硝子ファイバーに接続される伝搬部をプラスチックファイバーにて形成した、太陽光を採光するに好ましい複合構成のものもある。
【0004】上記のような採光装置は、例えば、太陽光を採光する場合には屋外に設置される。そして、採光した太陽光を伝搬部を介して伝搬し、屋内に設けられた照明具からその採光した太陽光を出射させて屋内照明を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の技術において、伝搬部が、硝子ファイバー、石英ファイバー等によるものにおいてはその取扱性に問題があり、断線し易いという欠点もあった。また、伝搬部がプラスチックファイバーによるものにおいては、太陽光を伝搬しようとした場合、そのものの温度が大略80℃を越えたときに伝搬部が軟化して損傷することがあり、更にそれ以上の温度になったときに発火する恐れもあった。
【0006】ところで、上記の特開昭59−58408として開示されている複合構成のものは、上記のプラスチックファイバーの伝搬効率の低い欠点を解消するため、その硝子ファイバーによる箇所を、例えば所定長さのバルクファイバーを使用して形成するものである。しかし、その硝子ファイバーからプラスチックファイバーへの熱伝導量を配慮して構成をする必要もあり、反面、そのものを長く構成したときには破損し易いということが懸念される。
【0007】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、採光する光を、その熱線領域の光を除去させプラスチックファイバーに向けて効率よく導光させる採光装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の採光装置にあっては、光源から入射する光を集光する集光手段の集光位置に、集光した光を屈曲させ略平行光に変換させる光路変換手段を設け、同光路変換手段から出射する略平行光をガラス材による光中継手段を介してプラスチックファイバーに導光させてなることを特徴としている。
【0009】この構成にて、光源から入射する光を集光する集光手段の集光位置に設けられた光路変換手段にて、その集光された光が略平行となるよう屈曲させて変換され、該光路変換手段から出射される略平行光がガラス材による光中継手段を介してプラスチックファイバーへ向け導光される。
【0010】そして、上記光中継手段の少なくとも入光端面に熱線領域の光を反射させる反射層を設けることが好ましい。この場合、光源から入射し集光された光が、光路変換手段にて略平行となるよう屈曲させて変換された後その熱線領域の光が光中継手段の入光端面に設けられた反射層にて反射される。
【0011】また、上記光中継手段の導光方向と平行の外側面に耐熱樹脂材による光反射膜を設けるのが好ましい。この場合、光源から入射し集光された光が、その外側面に耐熱樹脂材による光反射膜をもった光中継手段にてプラスチックファイバーへ向け略平行に導光される。
【0012】また、上記光路変換手段をガラス製の凹レンズ体とし、光中継手段を同凹レンズ体がその一端に被着される不燃材料製の筒状ケース内に密閉収容するのが好ましい。この場合、光源から入射し集光された光が、ガラス製の凹レンズ体にて略平行となるよう屈曲させて変換される。そして、その略平行光が該ガラス製の凹レンズ体の被着され不燃材料製の筒状ケース内に密閉収容された光中継手段を介してプラスチックファイバーに向け導光される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の請求項1乃至4全てに対応する一実施の形態を示し、図1は、本発明の一実施の形態の採光装置の概略構成を示す説明図である。
【0014】この実施の形態の採光装置1は、光源8から入射する光を集光する集光手段2の集光位置2aに、集光した光を屈曲させ略平行光に変換させる光路変換手段3を設け、同光路変換手段3から出射する略平行光をガラス材による光中継手段4を介してプラスチックファイバー9に導光させてなる。
【0015】又、該実施の形態の採光装置1においては、光中継手段4の少なくとも入光端面4aに熱線領域の光を反射させる反射層5を設けてもいる。又、該実施の形態の採光装置1においては、光中継手段4の導光方向と平行の外側面4bに耐熱樹脂材による光反射膜6を設けてもいる。又、該実施の形態の採光装置においては、光路変換手段3をガラス製の凹レンズ体3とし、光中継手段4を同凹レンズ体3がその一端に被着される不燃材料製の筒状ケース7内に密閉収容てもいる。
【0016】この採光装置1は、屋外に設置されて光源8である太陽から発せられる太陽光を採光し、採光した太陽光を伝搬部であるプラスチックファイバー9へ導光するものである。そして、集光手段2と、光路変換手段3と、光中継手段4と、筒状ケース7とを備えている。なお、このプラスチックファイバー9を介して伝搬される上記太陽光は、例えば屋内に設けられた照明具から出射させて屋内照明を行うことに利用することができる。
【0017】集光手段2は、後述する光路変換手段3へ向けて光源8から出射されて平行光となった光を集光させるもので、この場合、ガラス製の単レンズである両面に凸状をもった凸レンズ体2にて形成されている。なお、集光手段2は、この凸レンズ体2以外に、一面が平面の平凸レンズ、フレネルレンズ、凹面鏡等を用いることができる。この集光手段2の集光位置2aは、集光された光束が所定の面積をもった集光手段2の焦点近傍で、この位置に光路変換手段3が設置される。
【0018】光路変換手段3は、この場合、ガラス製の両凹状の凹レンズ体3にて形成されたものであり、この凹レンズ体3はその面積を上記集光位置2aの光束の面積と略一致するようにしてある。この凹レンズ体3は、後述する筒状ケース7の一端に被着され、上記の集光された光を略平行光に変換して該筒状ケース7内に設けられている光中継手段4へ向けて出射する。なお、この略平行光には、上記の如く集光された光束が所定の面積をもつようにしているため、僅かに入射角をもった集光光を含んでいる。上記集光手段2による集光の焦点位置が後方のプラスチックファイバー9に存在する場合、その中に僅かに含まれる不純物にてプラスチックファイバー9自体が温度上昇する恐れがあるが、この光路変換手段3及び後述する光中継手段4を設けることにて、確実に回避することが可能となる。
【0019】光中継手段4は、光路変換手段3から出射された略平行光を入光し後方のプラスチックファイバー9に向けて導光させるものである。そして、その入光端面4aに熱線領域の光を反射させる反射層5と、その導光方向と平行の外側面4bに耐熱樹脂材による光反射膜6と、を有してガラス材にて略円柱状に形成されている。
【0020】反射層5は、光中継手段4にて導光するときに上記略平行光に含まれる熱線領域の光、すなわち赤外線のみを反射させ除去するために設けられるもので、例えばコールドミラー処理と呼ばれる、特定の波長領域の光を反射させる反射膜を蒸着層として設ける赤外線反射処理を施して形成されている。この赤外線反射処理による反射層は、入射光の入射する端面と垂直に入射する光に対して特定の波長領域の光を反射させる反射効率が良好となる。そのため、上記略平行光から効率良く熱線領域の光が除去される。この反射層5により、上記略平行光から熱線領域の光の大部分が除去されて可視光がプラスチックファイバー9に向けて導光される。なお、この反射層5を、上記集光手段2に設けることも想定されるが、集光手段2は面積が多く、また、入射光が角度をもった場合に反射効率も低下してコスト面あるいは効率の面で効果的でない。
【0021】光反射膜6は、上記略平行光に含まれる僅かに入射角をもった集光光を反射させ導光させるために設けられるもので、例えばフッ素系樹脂等の、ガラス材とは屈折率の異なる塗装膜にて形成されている。この光反射膜6は、光中継手段4へ入射した光を全反射させてプラスチックファイバー9へ向け略平行方向に効率よく導光させる。
【0022】筒状ケース7は、光中継手段4を密閉収容するもので、鋼鉄、アルミ材等の金属材料等の不燃材料にて円筒状に形成され、この場合、その一端に上記凹レンズ体3が被着されて、また、他端側に該光中継手段4から導光される略平行光を入光し伝搬させるプラスチックファイバー9と接続するための接続継手10が設けられて、入光端面4aからプラスチックファイバー9までの経路を密閉構造としている。この筒状ケース7は、アルミ材にて形成されており、筒状ケース7内あるいは光中継手段4内に含まれる僅かな不純物により温度上昇が生じたときに効率よく外部に放熱させる効果も奏する。
【0023】上記の採光装置1においては、光源8から入射する光を集光する集光手段の凸レンズ体2の集光位置2aに設けられた凹レンズ体3にて、その集光された光が略平行となるよう屈曲させて変換される。そして、その凹レンズ体3から出射される略平行光がガラス材による光中継手段4を介してプラスチックファイバー9へ向け導光される。すなわち、凸レンズ体2の集光位置2aであるその焦点近傍にはガラス製の両凹状の凹レンズ体3、及びその後方にはガラス材の光中継手段4が設けられて、プラスチックファイバー9の部分に上記焦点が存在しない。したがって、そのプラスチックファイバー9に僅かに不純物が含まれていても、その不純物を中心として異常に温度が上昇して軟化、あるいは発火等を引き起こすことが回避される。
【0024】このとき、光源8である太陽から入射し集光された光が、凹レンズ体3にて略平行となるよう屈曲させて変換された後その熱線領域の光は光中継手段4の入光端面4aに設けられた反射層5にて略平行光から効率良く熱線領域の光が反射され、また、光源8である太陽から入射する光の入射角が大きい場合に、集光されてその大半が略平行とならない場合にも、その入射した光が外側面4bに耐熱樹脂材による光反射膜6をもった光中継手段4にてプラスチックファイバー9へ向け略平行となり効率よく導光される。
【0025】また、このものものにおいては、まず、太陽から入射し集光された光が、ガラス製の凹レンズ体3にて略平行となるよう屈曲させて変換され、その略平行光が、該ガラス製の凹レンズ体3の被着され不燃材料製の筒状ケース7内に密閉収容された光中継手段4を介してプラスチックファイバーに向け導光される。そのため、光中継手段4近傍に不純物が侵入することが防止されて、不純物が原因となる異常温度上昇の発生を防止できるとともに、仮に異常に温度が上昇して発火に至ることを回避できるのである。
【0026】したがって、以上説明した採光装置によると、光源8から入射する光を集光する凸レンズ体2の集光位置2aに設けられた凹レンズ体3にて、その集光された光が略平行となるよう屈曲させて変換され、該凹レンズ体3から出射される略平行光がガラス材による光中継手段4を介してプラスチックファイバー9へ向け導光されるので、採光する光を、その熱線領域の光を除去させプラスチックファイバー9に向けて効率よく導光できる。
【0027】そして、光源8から入射し集光された光が、凹レンズ体3にて略平行となるよう屈曲させて変換された後その熱線領域の光が光中継手段4の入光端面4aに設けられた反射層5にて反射されるので、略平行光から効率良く熱線領域の光を反射させることができる。また、光源8から入射し集光された光が、その外側面4bに耐熱樹脂材による光反射膜6をもった光中継手段4にてプラスチックファイバー9へ向け略平行に導光されるので、光源8である太陽から入射する光の入射角が大きい場合に、集光されてその大半が略平行とならないときでも効率よく導光される。
【0028】また、この場合、光源8から入射し集光された光が、ガラス製の凹レンズ体3にて略平行となるよう屈曲させて変換される。そして、その略平行光が該ガラス製の凹レンズ体3の被着され不燃材料製の筒状ケース7内に密閉収容された光中継手段4を介してプラスチックファイバー9に向け導光されるので、光中継手段4近傍に不純物が侵入することが防止されて、不純物が原因となる異常温度上昇の発生を防止できるとともに、仮に異常に温度が上昇して発火に至ることを回避できる。
【0029】なお、本発明は、上記の如く、太陽光を採光して伝搬部であるプラスチックファイバーへ導光し照明を行う用途以外に、例えば白熱灯等の赤外線領域の光成分を多く含む照明ランプを光源として演色効果を向上させる装飾照明装置に用いても良い。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上述の実施態様の如く実施されて、請求項1記載の採光装置にあっては、光源から入射する光を集光する集光手段の集光位置に設けられた光路変換手段にて、その集光された光が略平行となるよう屈曲させて変換され、該光路変換手段から出射される略平行光がガラス材による光中継手段を介してプラスチックファイバーへ向け導光されるので、採光する光を、その熱線領域の光を除去させプラスチックファイバーに向けて効率よく導光できる。
【0031】また、請求項2記載の採光装置にあっては、光源から入射し集光された光が、光路変換手段にて略平行となるよう屈曲させて変換された後その熱線領域の光が光中継手段の入光端面に設けられた反射層にて反射されるので、略平行光から効率良く熱線領域の光を反射させることができる。
【0032】また、請求項3記載の採光装置にあっては、 光源から入射し集光された光が、その外側面に耐熱樹脂材による光反射膜をもった光中継手段にてプラスチックファイバーへ向け略平行に導光されるので、光源である太陽から入射する光の入射角が大きい場合に、集光されてその大半が略平行とならないときでも効率よく導光される。
【0033】また、請求項4記載の採光装置にあっては、光源から入射し集光された光が、ガラス製の凹レンズ体にて略平行となるよう屈曲させて変換される。そして、その略平行光が該ガラス製の凹レンズ体の被着され不燃材料製の筒状ケース内に密閉収容された光中継手段を介してプラスチックファイバーに向け導光されるので、光中継手段近傍に不純物が侵入することが防止されて、不純物が原因となる異常温度上昇の発生を防止できるとともに、仮に異常に温度が上昇して発火に至ることを回避できる。
【0034】
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成11年9月30日(1999.9.30)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2001−101914(P2001−101914A)
【公開日】 平成13年4月13日(2001.4.13)
【出願番号】 特願平11−278340