| 【発明の名称】 |
車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 正弘
【氏名】夏目 和典
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| 【要約】 |
【課題】自由曲面上でのセグメント作成、及び各セグメントに割り付けられる反射面素子作成を効率的に行うことができる車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法を提供する。
【解決手段】形状制約条件等を満たす自由曲面20を基本形状とし、自由曲面20をアレイ状に区分したセグメントに反射面素子を割り付けた構成とした反射鏡1の反射面10aの形状決定方法において、自由曲面20に対向し光軸Axに垂直な基準平面を規定し、基準平面に自由曲面20を投影して反射面決定を行う。これによって、自由曲面20の形状に依存しない統一的な取り扱いが可能になるので、設計工程が簡単化されるとともに、得られる反射面形状を好適化することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用灯具に用いられる反射鏡の反射面決定方法であって、所定の形状制約条件を満たす自由曲面を作成する自由曲面作成ステップと、前記自由曲面に対向する平面として基準平面を規定する基準平面規定ステップと、前記基準平面上に反射面外形を生成し、前記反射面外形内を含む前記基準平面上の領域を区分して複数の基準セグメントを作成する基準セグメント作成ステップと、前記基準セグメントのそれぞれについて基準代表点を選択し、前記基準セグメント及び前記基準代表点を前記自由曲面に投影して、前記自由曲面を区分するセグメント、及び前記セグメント内での面形状を決定するための位置を規定する代表点を生成する代表点生成ステップと、前記セグメントのそれぞれについて前記代表点に対する形状パラメータを求め、前記形状パラメータに基づいて前記セグメント内での前記面形状を決定する面形状決定ステップと、決定された前記面形状を有する反射面素子をそれぞれの前記セグメントに対して割り付けて、複数の前記反射面素子を含む反射面を決定する反射面決定ステップと、を有することを特徴とする車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項2】 前記代表点生成ステップにおいて、前記基準セグメントごとに複数の前記基準代表点を選択し、前記自由曲面に投影して複数の前記代表点を生成するとともに、前記面形状決定ステップは、複数の前記代表点に対してそれぞれ前記形状パラメータを算出する面形状算出ステップと、複数の前記代表点に対する前記形状パラメータから、前記セグメント内での前記面形状に適用する前記形状パラメータを選択する面形状選択ステップと、選択された前記形状パラメータに基づいてそれぞれの前記セグメント内での前記面形状を作成する面形状作成ステップと、を有することを特徴とする請求項1記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項3】 光源が配置されるべき光源位置と、前記光源位置を通り前記光源からの光が反射鏡によって反射されるべき方向を指定する光軸と、を設定する条件設定ステップをさらに有することを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項4】 前記基準平面規定ステップにおいて、前記光軸に垂直な平面として前記基準平面を規定することを特徴とする請求項3記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項5】 前記面形状決定ステップにおいて、前記光源位置を焦点とし、前記光軸を中心軸とした回転放物面形状を含んで前記面形状が決定され、前記形状パラメータは、前記回転放物面の焦点距離を含むことを特徴とする請求項3または4記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項6】 前記面形状決定ステップにおいて、前記光源位置からの光を拡散反射させる拡散反射領域を有する形状に前記面形状が決定されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項7】 前記基準セグメント作成ステップにおいて、前記光軸に略垂直な第1の方向と、前記光軸及び前記第1の方向のそれぞれに略垂直な第2の方向と、に沿って前記反射面外形内を区分して、それぞれの前記基準セグメントが矩形となる前記複数の基準セグメントを作成することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項8】 前記基準セグメント作成ステップにおいて、前記基準平面と前記光軸との交点を中心とした放射状の動径方向と、前記交点を中心とした同心円状の円周方向と、に沿って前記反射面外形内を区分して、それぞれの前記基準セグメントが扇形となる前記複数の基準セグメントを作成することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。 【請求項9】 前記代表点生成ステップにおいて、それぞれの前記基準セグメントの4個の頂点を複数の前記基準代表点として選択することを特徴とする請求項7または8記載の車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に用いられる車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両用灯具においては、ランプとしての(1)機能に関する側面からの条件に加えて、自動車などの車両に取り付けた状態で使用されることから、(2)形状に関する側面からの条件(形状制約条件)、及び(3)外観に関する側面からの条件(外観制約条件)が課せられる。したがって、与えられた形状面及び外観面からの制約条件を満たした上で、機能面からの条件が最適化された灯具を実現することが求められる。 【0003】機能面からの条件としては、灯具の種類によって、灯具全体が均一に光る光均一性や、光が適切に拡散されて様々な方向から見ても光る光拡散性、などが要求される。 【0004】また、車両・車体側からの制約条件については、形状制約条件としては、車体の灯具収納部の容積及び形状や、灯具外面(レンズ外面)の他の車体部分との連続した形状、などによる条件がある。また、外観制約条件としては、他の車体部分の外観との調和や、車体のデザイン面からの要求などによる条件がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】近年、車体構成上における灯具収納部に対する制限や、車両のデザイン性の高まり等により、灯具のさらなる薄型化などの厳しい形状制約条件が要求されている。この場合、例えば単一焦点放物面を反射面の基本形状とした反射鏡を用いると、灯具の厚さを充分に低減させることができず、上記した灯具の薄型化などの形状制約条件に適合させることが困難である。 【0006】これに対して、反射面の基本形状を形状制約条件等に適合させて作成した自由曲面とする反射鏡が提案されている。自由曲面を用いた場合には、その設計上の自由度から灯具の薄型化など形状制約条件への対応が比較的容易である(例えば、特開平9−33708号公報参照)。ただし、反射面の各部位での反射面形状については、与えられた光軸に沿って光源からの光を反射する機能面からの条件を満たす必要があるので、通常は回転放物面形状、またはそれに近似して光拡散機能を有する形状とされる。そのため、上記した自由曲面を複数のセグメントに区分し、その各セグメントに回転放物面等をそれぞれの反射面形状とする反射面素子を割り付けることによって反射面を形成することが行われる。 【0007】しかしながら、上記したように自由曲面を基本形状とする反射面の作成においては、その形状が個々の灯具によって大きく異なり、また、与えられる形状制約条件等から非対称な自由曲面形状となることが多い。したがって、個々の反射鏡において反射面決定に用いられる自由曲面上でのセグメント作成、及び各セグメントに割り付けられる反射面素子の反射面形状決定の設計工程が複雑化してしまうという問題があった。 【0008】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、自由曲面上でのセグメント作成、及び各セグメントに割り付けられる反射面素子作成を効率的に行うことができる車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法は、(1)所定の形状制約条件を満たす自由曲面を作成する自由曲面作成ステップと、(2)自由曲面に対向する平面として基準平面を規定する基準平面規定ステップと、(3)基準平面上に反射面外形を生成し、反射面外形内を含む基準平面上の領域を区分して複数の基準セグメントを作成する基準セグメント作成ステップと、(4)基準セグメントのそれぞれについて基準代表点を選択し、基準セグメント及び基準代表点を自由曲面に投影して、自由曲面を区分するセグメント、及びセグメント内での面形状を決定するための位置を規定する代表点を生成する代表点生成ステップと、(5)セグメントのそれぞれについて代表点に対する形状パラメータを求め、形状パラメータに基づいてセグメント内での面形状を決定する面形状決定ステップと、(6)決定された面形状を有する反射面素子をそれぞれのセグメントに対して割り付けて、複数の反射面素子を含む反射面を決定する反射面決定ステップと、を有することを特徴とする。 【0010】上記した反射面決定方法では、車体側からの形状制約条件を満たすように反射面の基本形状として作成された自由曲面に対し、そのセグメントへの区分、及び各セグメントに割り付けられる反射面素子の面形状の決定を、形状が複雑で設計すべき反射面ごとに異なる自由曲面上で直接行うのではなく、別に対向する基準平面を規定して行っている。このように、反射面決定の各ステップを自由曲面上で行わずに、基準平面を利用することによって、設計すべき反射面の形状に依存しない統一的な取り扱いが可能となり、反射面の設計工程が簡単化される。 【0011】また、自由曲面に対向する平面として規定される基準平面は、観察者が反射鏡または灯具を観察したときの視野に相当する平面である。したがって、この基準平面を利用して反射面作成を行うことによって、その軸方向から見た反射面の形状や外観、及び光反射特性等が好適に設定された反射面形状を得ることが可能となる。 【0012】さらに、区分された各セグメントに対して代表点を選択して面形状の決定を行うことによって、面形状決定を効率化することができる。特に、この代表点についても、基準平面上の基準セグメントにおいて基準代表点の選択を行うことによって、自由曲面の形状等によらずに統一的に代表点の選択を行うことが可能となる。 【0013】また、代表点生成ステップにおいて、基準セグメントごとに複数の基準代表点を選択し、自由曲面に投影して複数の代表点を生成するとともに、面形状決定ステップは、複数の代表点に対してそれぞれ形状パラメータを算出する面形状算出ステップと、複数の代表点に対する形状パラメータから、セグメント内での面形状に適用する形状パラメータを選択する面形状選択ステップと、選択された形状パラメータに基づいてそれぞれのセグメント内での面形状を作成する面形状作成ステップと、を有することを特徴とする。 【0014】面形状決定に用いる代表点は1個または複数個に設定することが可能である。特に、上記のように各セグメントに対して複数個の代表点をそれぞれ選択し、各代表点に対してその位置から決まる形状パラメータを算出した後に、それらの形状パラメータからそのセグメントに好適なものを選択して面形状を作成する決定方法とすることによって、反射面全体での光反射特性等を向上させることができる。 【0015】また、光源が配置されるべき光源位置と、光源位置を通り光源からの光が反射鏡によって反射されるべき方向を指定する光軸と、を設定する条件設定ステップをさらに有することを特徴とする。さらに、基準平面規定ステップにおいて、光軸に垂直な平面として基準平面を規定することを特徴としても良い。 【0016】上記のように規定した基準平面は、光軸方向から観察したときの視野に相当するので、車体に取り付けたときの反射鏡または灯具の外観や光反射特性の設定を、車体との位置関係によって与えられた光軸に対して確実に行うことができる。 【0017】また、面形状決定ステップにおいて、光源位置を焦点とし、光軸を中心軸とした回転放物面形状を含んで面形状が決定され、形状パラメータは、回転放物面の焦点距離を含むことを特徴とする。各反射面素子の面形状は、通常は回転放物面を基本形状として構成されるが、その場合には形状パラメータとしてその焦点距離を設定することができる。 【0018】さらに、面形状決定ステップにおいて、光源位置からの光を拡散反射させる拡散反射領域を有する形状に面形状が決定されることを特徴としても良い。決定された形状パラメータによる面形状をそのまま反射面素子の面形状とすることも可能であるが、上記したように焦点距離を形状パラメータとして基本形状となる回転放物面を決定した場合を含めて、形状パラメータの選択によって決定された面形状を反射面素子の面形状の基本形状として用い、その一部または全部に変形を加えて上記のように光拡散機能を持たせることも可能である。 【0019】また、基準セグメント作成ステップにおいて、光軸に略垂直な第1の方向と、光軸及び第1の方向のそれぞれに略垂直な第2の方向と、に沿って反射面外形内を区分して、それぞれの基準セグメントが矩形となる複数の基準セグメントを作成することを特徴としても良い。 【0020】あるいは、基準セグメント作成ステップにおいて、基準平面と光軸との交点を中心とした放射状の動径方向と、交点を中心とした同心円状の円周方向と、に沿って反射面外形内を区分して、それぞれの基準セグメントが扇形となる複数の基準セグメントを作成することを特徴としても良い。 【0021】自由曲面上を区分するセグメントの構成については、例えば各セグメントの形状を上記した矩形または扇形とする構成がある。このように規則的な配列によるセグメント構成は、反射鏡の外観上好ましいものであり、また、灯具を形成するときのレンズとの光拡散機能の機能分担が容易である。上記の構成に対しては、代表点生成ステップにおいて、それぞれの基準セグメントの4個の頂点を複数の基準代表点として選択することが、各面形状の好適化及び設計の容易化などから好ましい。また、上記以外にも様々なセグメント構造が適用可能である。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。 【0023】図1は、本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法によって得られた反射面を有する反射鏡について、その反射鏡を備える車両用灯具の一実施形態の構成を一部破断して示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示した車両用灯具の反射鏡の構成を示す平面図である。なお、図1においては、反射鏡及びレンズの固定・位置決め部分の構造等について図示を省略している。また、以下においては、図1及び図2にX、Y、Zの座標軸を示すように、灯具の左右方向をX軸、上下方向をY軸、灯具の光軸Axの方向である前後方向をZ軸とする。 【0024】本実施形態による車両用灯具は、例えば自動車のテールランプなどの標識灯に適用されるものであり、この灯具は図1に示すように反射鏡1と、レンズ3とを有して構成されている。 【0025】反射鏡1は、灯具が取り付けられる車両の前後方向や灯具の投光方向等からあらかじめ設定される光軸Axに対して略垂直方向に広がって形成され、その光軸Ax前方側のレンズ3と対向する面が光を反射する反射面10aとされている反射鏡部10と、反射面10aを囲うように設けられてレンズ3との位置決めや固定等を行う外枠部12と、を有してZ軸方向から見て略矩形状に形成されている。また、反射鏡部10の略中心の位置に形成されている光源挿入孔11から光源バルブBが挿入され、その光源点Fが光軸Ax上の所定の位置(光源位置)となるように反射鏡1に対して配置されて固定されている。また、レンズ3は光軸Axに対して略垂直に設置されている。 【0026】ここで、反射鏡1の略矩形状の外周形状(外枠部12の外形形状等)や、光軸Axに対するレンズ3の設置角度、光源バルブBの配置位置等の諸条件については、本実施形態はその一例を示すものであって、一般にはそれらの条件は車体での灯具収納部の容積及び形状や、灯具外面(レンズ外面)の他の車体部分との連続した形状など、車体側から与えられる形状制約条件を考慮して適宜設定される。また、反射鏡1の反射面10aについては、その具体的な作製方法については特に限定されるものではなく、様々の作製方法による反射鏡を有する灯具に対して後述する反射面決定方法が適用可能である。 【0027】図1においては、車両用灯具を構成する反射鏡1及びレンズ3を分解して示すともに、反射鏡1の外枠部12について(図中での)上側及び右側部分を一部破断して、反射面10aの形状を示している。ただし、この図1では、アレイ状に配列されて反射面10aを構成する複数の反射面素子14(図2参照)を図示せず、反射面10aの基本形状となる自由曲面20によって概略的にその面形状を示している。 【0028】自由曲面20は、反射面10aの基本形状を指定するものとしてその形状決定に用いられる曲面であり、基本形状として単一回転放物面を用いずに、形状制約条件を満たすなど一定の条件を満たす曲面が自由曲面として選択される。 【0029】反射面10aは、その基本形状である自由曲面20を図2に示すようにアレイ状に区分した各セグメントに、複数の反射面素子14(図2中に示した矩形状の個々の区画部分)をそれぞれ割り付けることによって構成される。図2においては、そのうちの1つの反射面素子14について、その範囲を明示するために斜線を付して示してある。本実施形態における反射面10aの構成は、それぞれの反射面素子14に対応する各セグメントの形状がZ軸方向から見て同形の矩形状となるように、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向についてそれぞれ一定のピッチでセグメントに分割した構造とされている。また、各反射面素子14は、光軸Axに沿って光源バルブBからの光を反射させる反射面形状によって形成されている。 【0030】上記した構成の車両用灯具を例として、車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法について説明する。図3は、本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法の一実施形態を示すフローチャートである。本実施形態による反射面決定方法は、条件設定ステップ100、自由曲面作成ステップ101、基準平面規定ステップ102、基準セグメント作成ステップ103、代表点生成ステップ104、面形状決定ステップ105、及び反射面決定ステップ106の各ステップを有する。さらに、面形状決定ステップ105は、面形状算出ステップ105a、面形状選択ステップ105b、及び面形状作成ステップ105cを有する。 【0031】条件設定ステップ(ステップ100) 車両用灯具に用いる反射鏡の反射面形状の決定においては、最初に、形状決定に必要な諸条件を設定する。 【0032】設定される条件としては、光源バルブBが設置される位置とその光源点Fの位置(光源位置)、その光源位置を通る軸であって反射面によって光源からの光が反射されて灯具から出射される方向を指定する光軸Ax、などがある。その他の条件についても、必要があれば設定しても良い。また、設定する各条件とは別に、車体側からの形状制約条件などが灯具または反射鏡に対してあらかじめ与えられている。 【0033】自由曲面作成ステップ(ステップ101) 次に、反射面10aの基本形状となる自由曲面20を作成する。 【0034】自由曲面20は、灯具の機能面からの条件、及び車体側からの形状制約条件などを満たす形状に作成される。自由曲面20に求められる機能面からの条件としては反射面10aの光反射特性に関する光均一性などがあり、灯具の種類によって必要とされる機能は異なる。これらについては、条件設定ステップ100において設定された光源位置(光源バルブB及び光源点F)及び光軸Axなどの条件を参照しつつ、個々の灯具に求められる機能を充分満たすように自由曲面20の形状を決定する。 【0035】また、同時に灯具の薄型化などの形状制約条件を満たす必要があるので、その上で機能条件が最適化される形状とする。例えば、車体の灯具収納部の形状等によって反射鏡の特定の部位に特に厳しい形状制約条件が課せられるような場合があるので、そのような部位での機能条件の低下や変化を抑制するように自由曲面20を作成する。 【0036】基準平面規定ステップ(ステップ102) 次に、自由曲面作成ステップ101において作成された自由曲面20に対して基準平面を規定する。 【0037】図4に、自由曲面20に対して規定された基準平面5が示されている。基準平面5は、後述する自由曲面20のセグメント区分や反射面素子形状の決定に用いられる平面であって、自由曲面20に対向する平面として規定される。本実施形態においては、図4に示すように、光軸Axに対して垂直なX−Y平面によって基準平面5を規定している。 【0038】なお、以下において、基準平面5と自由曲面20との間の投影は、すべてZ軸(光軸Ax)に沿って行っている。 【0039】基準セグメント作成ステップ(ステップ103) 次に、基準平面規定ステップ102において規定された基準平面5を用いて自由曲面20を区分して、複数の基準セグメントを作成する。 【0040】まず、自由曲面20を基本形状として作成される反射面10aに対応する反射面外形50を、光軸Axが通る自由曲面20上の点Pに対応する点P’を含んで基準平面5上に生成する。この反射面外形50内を含む基準平面5上の領域を所定の区分方法によって区分して、基準セグメント54を作成する。 【0041】図4においては、光軸Axにそれぞれ直交し、かつ互いに直交するX軸方向及びY軸方向を2つの区分方向とし、それぞれの方向に沿って一定のピッチで反射面外形50内を分割して、アレイ状に配列された矩形の基準セグメント54を生成している。なお、この基準セグメント54の構造は、図2に示した反射鏡1での反射面素子14の配列構造に対応している。また、基準セグメント54の生成については、点P’以外の点を区分の基点として行っても良い。 【0042】代表点生成ステップ(ステップ104) 次に、基準セグメント作成ステップ103において作成された各基準セグメント54に対して基準代表点を選択し、基準セグメント54及び基準代表点を自由曲面20に投影してセグメント及び代表点を生成する。 【0043】図5は、図4に示した反射面外形50内の基準セグメント54、及び自由曲面20上の対応する部分について示す斜視図である。図5においては、基準セグメント54の1つを拡大して実線で示してある。この基準セグメント54のそれぞれに対して、基準代表点を選択する。本実施形態においては、矩形の基準セグメント54に対して、その4個の頂点を基準代表点551〜554として選択している。 【0044】さらに、基準セグメント54、及びその基準セグメント54に対して選択された基準代表点551〜554を、図5に示すように自由曲面20に投影して自由曲面を区分し、セグメント24を作成するとともに代表点251〜254を生成する。なお、図5においては、実線で示した基準セグメント54に対応するセグメント24を破線で示し、また、それらの近傍の基準セグメント及びセグメントを点線で示している。 【0045】代表点251〜254は、後述するようにそれぞれのセグメント24に割り付けられる反射面素子14の面形状決定に用いるセグメント24内の位置を規定する点であって、上記したように基準平面5上の基準セグメント54において基準代表点55を選択してその個数及び位置が決められた後、それぞれの基準代表点55が自由曲面20に投影されて、自由曲面20上のセグメント24に対する代表点25が生成される。 【0046】なお、この代表点生成ステップ104及び後述する面形状決定ステップ105は、各セグメント24及び基準セグメント54に対して順次行われて、すべてのセグメント24に対する代表点の生成及び面形状の決定が行われる。これらのステップの繰り返しによって自由曲面20の全体に作成されるセグメント24の構造は、図4に点線で示したように、Z軸方向から見てアレイ状に区分されて配列された構成となる。ここで、図4において斜線を付して示した基準セグメント54、及びセグメント24は、図2において斜線を付して示した反射面素子14に対応している。 【0047】面形状決定ステップ(ステップ105) 本実施形態においては、面形状決定ステップ105は、以下に述べる面形状算出ステップ105a、面形状選択ステップ105b、及び面形状作成ステップ105cからなる。 【0048】面形状算出ステップ(ステップ105a) まず、代表点生成ステップ104において生成された代表点251〜254のそれぞれに対して、セグメント24内での面形状を決定するための形状パラメータを算出する。 【0049】図6は、セグメント24に割り付けられる反射面素子14の基本面形状を回転放物面形状とした例での各代表点に対する形状パラメータの算出について説明する模式図である。なお、ここでは簡単のため、光軸Axが通る点Pを含む自由曲面20上の曲線形状について考え、セグメント24の曲線両端の点を代表点25a及び25bとして説明する。 【0050】反射面10aを区分した各セグメント24に割り付けられる反射面素子14は、通常、光軸Axを中心軸とし、かつ光源点F(光源位置)を焦点としてそれぞれ異なる焦点距離fで生成された回転放物面を基本面形状として形成される。また、それぞれに対する焦点距離fは、光源点Fから入射された光が光軸Axの方向に反射されるように、光源点F及び光軸Axと、セグメント24の自由曲面20上での位置と、から決定される。この場合、回転放物面の焦点距離fが面形状を指定するための形状パラメータとされる。 【0051】図6に示した例においては、面形状決定に用いる2つの代表点25a及び25bについて、形状パラメータである焦点距離fのそれぞれに対する値fa及びfbを算出する。図6中では、代表点25aを通る焦点距離faの放物面を曲線Caによって、また、代表点25bを通る焦点距離fbの放物面を曲線Cbによって示してある。 【0052】図5に示したセグメント24に対しては、同様に回転放物面の焦点距離fを形状パラメータとして、各代表点251〜254に対応する4種類の焦点距離f1〜f4がそれぞれ算出される。 【0053】面形状選択ステップ(ステップ105b) 次に、面形状算出ステップ105aにおいて算出された各代表点251〜254に対する形状パラメータから、セグメント24内での面形状に適用する形状パラメータを選択する。 【0054】この形状パラメータの選択について、図6を用いて説明する。図6においては、上記したようにセグメント24の2つの代表点25a及び25bに対してそれぞれ形状パラメータとして焦点距離fa及びfbが求められる。これらの焦点距離fa及びfbのいずれかを、セグメント24内の面形状決定に用いる焦点距離fxとして選択する。 【0055】このとき、焦点距離faをfxとして選択した場合には、セグメント24内での面形状は図6に実線で示した面形状Saとなる。また、焦点距離fbをfxとして選択した場合には、セグメント24内での面形状は面形状Sbとなる。どちらの焦点距離を選択するかについては、それぞれの焦点距離に対応する面形状のうち好適なものはどれかを個々のセグメント24について諸条件から判断して選択する。 【0056】図5においては、セグメント24内に割り付けられる反射面素子14の面形状に対して、各代表点251〜254の位置に基づいて算出された4種類の焦点距離f1〜f4のうちの1つの焦点距離が、面形状決定に適用される焦点距離fxとして選択される。 【0057】なお、各セグメント24での反射面素子14の面形状に対する形状パラメータの選択の選択基準については、反射鏡1に対して課せられた諸条件、及びそれぞれのセグメント24の光源バルブBに対する位置などによって設定すれば良い。具体的には、例えば、面形状の選択によって反射面10aのそのセグメント部分が前方または後方に凸になるなど、反射面形状が変化するので、形状制約条件等との関係から選択することが考えられる。また、近傍に存在する他の反射面素子14の面形状との組み合わせによって、各反射面素子14に入射する光量や光が入射される範囲などの条件が変化するので、そのような他の反射面素子14との位置及び形状の関係についても考慮して形状パラメータの選択を行っても良い。 【0058】面形状作成ステップ(ステップ105c) 次に、面形状選択ステップ105bにおいて選択された形状パラメータに基づいて、セグメント24に割り付けられる反射面素子14の面形状を作成する。 【0059】図7は、本実施形態における反射面素子14の面形状の一例を、反射面10aが形成された反射鏡部10を一部切り出して示す斜視図である。各反射面素子14の面形状は、その全体を選択された焦点距離fxに対応する回転放物面形状とすることも可能であるが、本実施形態においては、回転放物面を基本面形状とし、その回転放物面形状に所定の光拡散機能を有するように変形を加えることによって各反射面素子14の面形状を作成している。 【0060】図7においては、反射面素子14の面形状はそれぞれ、上記した焦点距離fxの回転放物面形状による放物面部15と、所定の光拡散機能を有するように焦点距離fxの回転放物面形状に対して凸状形状とされている拡散反射部16とから構成される形状に作成されている。なお、放物面部15は隣接する反射面素子14の影となる部分であり、実際に光源バルブB(光源位置)からの光が入射される部分は拡散反射部16として構成されている。 【0061】反射面決定ステップ(ステップ106) 次に、面形状作成ステップ105cにおいて作成された面形状を有する反射面素子14をそれぞれのセグメント24に割り付けて、複数の反射面素子14を含む反射面10aを決定する。 【0062】すなわち、図4に示したように自由曲面20の全体に対して作成されたセグメント24のそれぞれに対して、上記した各ステップによってその面形状を決定する。そして、それぞれ対応する面形状によって図7に示す例のように反射面素子14を作成し、各セグメント24に割り付けて自由曲面20を基本形状とする反射面10a(図2参照)を決定する。 【0063】以上説明した車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法の効果について説明する。 【0064】反射面の基本形状を自由曲面とすることによって、様々な形状制約条件に適合させた反射面形状を実現することができるが、一方で、自由曲面の形状が個々の灯具に対して異なるとともに形状自体も複雑になるため、自由曲面上の各部位での反射面形状の決定方法は複雑化してしまう。 【0065】これに対して、上記した実施形態での反射面決定方法においては、反射面決定を自由曲面上で行うのではなく、光軸に垂直な基準平面を規定し、自由曲面をこの基準平面に投影して反射面形状決定の設計作業を基準平面において行った後、その結果を再び自由曲面に投影して反射面形状を決定している。これによって、反射面の決定工程を簡単化し、設計に要する時間を短縮することができる。 【0066】特に、基準平面は反射面、さらには反射鏡を備える灯具を光軸方向から観察者が観察したときの視野に相当している。したがって、この基準平面を利用して反射面決定を行うことによって、光軸方向に対する反射鏡及び灯具の形状や外観及び光反射特性を好適に設定し制御することが可能である。 【0067】例えば、自由曲面上でのセグメントは、光軸方向から見たときには基準平面上での基準セグメントと一致して観察されるので、上記の決定方法によって反射鏡や灯具の外観を好適に決定できる。また、これらのセグメントの構造は灯具のレンズ構造とも対応するが、基準平面を用いることによって、両者の形状を好適に対応させて、それぞれの光拡散機能の機能分担等を設定することが可能である。特に、上記の形状決定方法によれば、自由曲面及び設計すべき反射面の形状に依存せずに、構造決定や光反射特性設定を基準平面によって統一的に取り扱うことが可能である。 【0068】また、各セグメントに対して代表点を選択し、それらの代表点を用いて面形状を指定する形状パラメータを決定することによって、面形状決定を効率化している。特に、この代表点についてもセグメント上において選択するのではなく、まず基準平面上の基準セグメントにおいて選択した後に自由曲面に投影することによって、自由曲面形状によらずに代表点選択を行うことができる。 【0069】また、上記した実施形態においては代表点を複数とし、それぞれに対する形状パラメータの算出及び選択を行っている。さらに、自由曲面上の各セグメントに対して共通の代表点選択方法を適用して各代表点に対する形状パラメータを算出した後、それらの形状パラメータから面形状に適用するパラメータを選択する段階で、各セグメントに対して好適な代表点、及びそれに基づく面形状を選択することとしている。 【0070】このような決定方法によれば、隣接するセグメントに割り付けられる反射面素子の面形状との関係によって個々のセグメントでの面形状を設定または変更することができるなど、面形状の選択及び決定の自由度が大きくなり、反射面全体としての光反射特性を向上させることが可能となる。なお、形状パラメータの選択については、各代表点での形状パラメータの平均値を用いる方法や、各代表点での形状パラメータの最大値及び最小値の間で形状パラメータを選択するなど、他の選択方法を用いても良い。 【0071】本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、個々の灯具に課せられた具体的な制約条件等によって様々な変形や構成の変更が可能である。 【0072】自由曲面20に対する基準平面5としては、光軸に垂直な平面に限られず、それ以外の自由曲面20に対向する平面を基準平面として規定しても良い。それらの基準平面も、それぞれ対応する方向から反射面または灯具を見たときの視野に相当し、また、光軸に垂直な平面を基準平面とした場合と同様に、決定工程を簡単化することができる。 【0073】また、上記した実施形態では矩形の各セグメント24に対して、4個の頂点を代表点251〜254として選択しているが、代表点の選択方法はこれに限られず、例えば4辺のそれぞれの中心の4点を代表点としても良い。また、外周上ではなく矩形の内部の点を代表点として選択することも可能である。あるいは、各セグメントに対して異なる代表点の選択方法としても良い。 【0074】また、代表点の個数については4個に限らず、例えば、どの点を面形状の基準とするかが事前に明確になっている場合には、各セグメントに対して1個としても良い。この場合には、その代表点に対して算出された形状パラメータがそのままそのセグメントに適用される形状パラメータとなる。 【0075】また、面形状を指定する形状パラメータとしては、回転放物面の焦点距離以外のパラメータを用いても良い。また、光源からの光を拡散反射させるための拡散反射領域についても、灯具に用いられるレンズの光拡散機能との対応等を考慮して、様々な形態のものを用いても良い。 【0076】例えば、図7に示した反射面素子14においては、拡散反射部16はX軸方向のみについて光拡散機能を有するようにシリンドリカルな形状に形成されており、Y軸方向については略平行光の状態で光が反射される。この場合、レンズとしては、Y軸方向についての光拡散機能を持つレンズステップ3aを有するレンズ3(図1参照)が用いられる。 【0077】このような拡散反射領域は、X軸及びY軸方向の両方向について光拡散機能を有する面形状としても良いし、また、拡散反射部を有しない面形状とし光拡散をすべてレンズで行う構成としても良い。また、具体的な拡散反射領域の形状としてはシリンドリカルな凸状形状の他にも、凹状の形状や、回転放物面を単なる平面に変形した形状、トーラス面形状などを用いることができる。 【0078】なお、反射面形状の細部の設定に関しては、例えば金型を用いた樹脂成形品によって反射鏡を作製する場合には、金型作製に用いられるカッター形状等によって反射面形状が制約を受けるので、そのような条件をも考慮して反射面形状を決定する必要がある。また、各反射面素子の境界の段差部分などによる光損失についても、低減されるように反射面形状決定を行うことが好ましい。 【0079】また、反射面10aを区分するセグメント形状についても、上記した実施形態で示した矩形のものに限らない。図8は、車両用灯具の反射鏡の他の構成を示す平面図である。この例では、基準平面5と光軸Axとの交点を中心とした放射状の動径方向と、交点を中心とした同心円状の円周方向と、に沿って反射面外形50内を区分して基準セグメント54を作成し、それを投影して、それぞれがZ軸方向から見て扇形状となるセグメント24及び反射面素子14の形状に設定している。 【0080】このようなセグメント形状では、代表点の選択方法としては例えば矩形の場合と同様に扇形の4個の頂点とする方法などが可能である。これ以外の様々なセグメント形状に区分した場合においても、同様に上記した反射面決定方法が適用可能である。また、灯具の種類についても、標識灯に限らず様々な種類の車両用灯具に用いられる反射鏡に対して上記方法を用いることができる。 【0081】 【発明の効果】本発明による車両用灯具の反射鏡の反射面決定方法は、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、自由曲面を基本形状とし、その自由曲面上をセグメントに区分して各セグメントに反射面素子を割り付けて形成される反射鏡の反射面形状決定において、自由曲面に対向する基準平面を規定して、反射面の各部位における反射面素子の面形状決定工程に利用する。これによって、反射面の決定が自由曲面の形状によらず統一的に行えるので、その設計工程が簡単化され、設計に要する時間が短縮される。 【0082】また、この基準平面は、基準平面に垂直な方向から反射鏡または灯具を観察したときの視野に相当するので、この平面を反射面の形状決定に利用することによって、反射面の形状や外観、及び光反射特性を好適に設定及び制御することができる。さらに、各セグメントでの面形状の決定に代表点での形状パラメータを用いることによって、さらに決定工程が効率化されるが、その代表点選択についても、基準平面上において基準代表点を選択することによって、自由曲面の形状によらない代表点選択が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成11年10月1日(1999.10.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088155 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−101912(P2001−101912A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月13日(2001.4.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−281684 |
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