| 【発明の名称】 |
暗視装置用ヘッドランプ |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 俊幸
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| 【要約】 |
【課題】従来の暗視装置においては、ヘッドランプと赤外線カメラの照射源である光源が別体となっていたため、多くの電力を必要とするとともに、取付け作業が煩雑化し、さらには、取付スペースも、広いものが必要であった。
【解決手段】本発明により、すれ違い配光を形成するヘッドランプの反射鏡の一部に開口部を設け、光源から前記開口部を通して光が放射される位置に前記光源を焦点とし、前記ヘッドランプの照射方向に光を反射する放物反射面を設け、さらに前記放物反射面により反射された光の光路上に赤外線のみを透過する赤外線透過フィルターを配置し、暗視装置用照明部を設けた暗視装置用ヘッドランプとしたことで、赤外線カメラの照射源である光源とヘッドランプを一体化することができ、取付け作業を簡略化でき、取付スペースも少ないものとすることができ、さらには、電力の消費も少ないものとできるものとして課題を解決するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 すれ違い配光を形成するヘッドランプの反射鏡の一部に開口部を設け、光源から前記開口部を通して光が放射される位置に前記光源を焦点とし、前記ヘッドランプの照射方向に光を反射する放物反射面を設け、さらに前記放物反射面により反射された光の光路上に赤外線のみを透過する赤外線透過フィルターを配置し暗視装置用照明部を設けたことを特徴とする暗視装置用ヘッドランプ。 【請求項2】 前記開口部は前記ヘッドランプの反射鏡の下部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の暗視装置用ヘッドランプ。 【請求項3】 前記赤外線照明部より照射させる赤外線の光軸は、照射領域において水平線を基準とし下側0.57°の角度より上方でかつ水平線までに向けられていることを特徴とする請求項1または2記載の暗視装置用ヘッドランプ。 【請求項4】 前記ヘッドランプはプロジェクター型ヘッドランプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の暗視装置用ヘッドランプ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は夜間走行時に歩行者などの存在の確認を一層に容易にするために車両に設けられる暗視装置に用いられるヘッドランプに係るものであり、詳細には前記暗視装置用の照明部を有するヘッドランプの構成の提供を目的とするものである。 【0002】 【従来の技術】従来、車両80に暗視装置90を設けるときには、図8に示すように、例えば車両80の前端にあるラジエータグリル81に適宜な開口81aを設け、この開口81aから前方に向けて赤外線カメラ91を臨ませておくものであり、車室内に前記赤外線カメラ91からの信号を処理する制御部およびモニタ(何れも図示は省略する)を設け、運転者にヘッドランプ82の光の到達距離(約100m)よりも遠方の歩行者などの存在を告知し、安全の向上を図るものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の暗視装置90においては、取付けに際しラジエータグリル81に開口81aを設けるなど、後加工が必要となるので取付作業が煩雑化する問題点を生じている。また、上記の説明は歩行者など被写体が発する赤外線のみを検知する、いわゆるパッシブ型の例で説明したが、赤外線ランプ92などで被写体を照明するいわゆるアクテブ型とする場合には、上記の赤外線カメラ91の取付けに加えてさらに上記ラジエータグリル81などに赤外線ランプ92の取付作業も必要となり、一層に煩雑化するものとなり、さらには、ラジエータグリル81の専用品への交換なども必要となりコストアップする問題も生じる。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的手段として、すれ違い配光を形成するヘッドランプの反射鏡の一部に開口部を設け、光源から前記開口部を通して光が放射される位置に前記光源を焦点とし、前記ヘッドランプの照射方向に光を反射する放物反射面を設け、さらに前記放物反射面により反射された光の光路上に赤外線のみを透過する赤外線透過フィルターを配置し暗視装置用照明部を設けたことを特徴とする暗視装置用ヘッドランプを提供することで課題を解決するものである。 【0005】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係るヘッドランプであり、このヘッドランプ1はすれ違い配光を生成するものであって、光源2と回転楕円など楕円形の反射鏡3と、遮光シェード4と、投影レンズ5とから構成されるプロジェクター型とされている。本実施形態でプロジェクター型とした理由は、光束利用率が良く、明るい灯具であるためである。しかし、通常のヘッドランプにおいても、本発明を適用できることは言うまでもない。また、前記光源2としてはハロゲン電球などを利用することができる。 【0006】ここで、プロジェクター型としたヘッドランプ1の作用について説明を行えば、楕円形とした反射鏡3においては、第一焦点f1に置かれた光源2からの光を反射し第二焦点f2に収束するものとなる。前記遮光シェード4は前記第二焦点f2に収束する光束中に設けられるものであり、例えば断面円形として収束する反射鏡3からの光束の下半部を遮光し下弦の半円状とする。 【0007】前記投影レンズ5は、前記遮光シェード4の近傍に焦点を有するものとして形成されているので、前記遮光シェード4により整形が行われた光束の断面形状を照射方向に投影するものとなり、この投影時には上下左右が反転されるので下弦の半円状となる。なお、実際には前記遮光シェード4は対向車に眩惑を与えないよう、ほぼ中心線Sまで形成される対向車シェード部4aと、前記中心線Sより凹となり、歩行者や標識を照明するための歩行者用凹部4bを有するものとなっており、対向車側には上向き光を含まず、歩道側には少量の上向き光を含むようにして、すれ違いビームに適した配光特性が得られるものとなっている。また、この際すれ違いビームの光軸は照射領域において、水平方向に対して0.57°以上下方に向けられているものである。 【0008】本発明では、さらに前記ヘッドランプ1の反射鏡3の一部に開口部6を設け、前記光源2から前記開口部6を通して光が放射される位置に、前記光源2を焦点とし、前記ヘッドランプ1の光の照射方向と略等しい方向に中心軸を有する放物反射面7および前記放物反射面7により反射された前記光源2からの光の光路上に赤外光のみを透過させ、可視光をカットする赤外線透過フィルター8を配置し暗視装置用照明部9が設けられるものである。そして図示は省略するが、前記放物反射面7の光軸の調整や、前記赤外線透過フィルター8にレンズカットを施したり、前面にアウターレンズを設けることにより、前記暗視装置用照明部9から放射される赤外線の照射領域での光軸や配光特性を整えるものである。 【0009】前記開口部6は本実施形態の場合、前記反射鏡3の側面の一部に照射方向に長辺をもつ略長方形に設けられており、この開口部6を通して前記光源2からの光がこのヘッドランプ1の照射方向とは略直交する方向に放射され、この光が放射された位置に前記放物反射面7が前記反射鏡3と所定距離を置いて設けられている。 【0010】さらに前記開口部6および前記放物反射面7について説明を行うと、前記開口部6の大きさおよび形状は必要とする光量により適宜に設けられるものであるが、前記のように本発明の場合、ヘッドランプ1の反射鏡3の一部を用いているため、前記開口部6を設ければ、当然ヘッドランプ1の光量が減るものとなるので、なるべく小さなものとする必要がある。そして、前記放物反射面7はこの開口部6に対応して設けられるものであり、前記開口部6から放射された光の全てを反射することができる大きさおよび形状に設ける必要がある。これは上記と同様に光源2の光を有効利用するためで、このようにしないと、開口部6から放射された光が無駄になるためである。なお、本実施形態では説明の都合上、前記開口部6は通常より大きめに記載している。 【0011】また、前記反射鏡3の前記開口部6を設ける位置は、本実施形態の場合、前記光源2から放射された光が前記反射鏡3で反射されるものの、前記遮光シェード4にてカットされてしまう光の光路上に設けており、即ち、対向車に対する防眩のための対向車用シェード部4aへ到達する光の光路上である前記反射鏡3の側面下部に設けられるものである。 【0012】このようにすることにより、前記ヘッドランプ1の光量をほとんど減らすことなく、暗視装置用照明部9を備えた本発明のようなヘッドランプ1の構成が可能なものとなる。なお、本実施形態では、上記のようにして前記ヘッドランプ1の光量を減らすことがないように、前記開口部6の位置を決定したが、前記開口部6を小さなものとすれば、前記ヘッドランプ1の配光特性にあまり影響をおよぼすことがないので、前記開口部6を設ける位置は比較的自由に設定することができるものである。 【0013】さらに、前記暗視装置用照明部9は前記したように、前記放物反射面7の光軸の調整や、前記赤外線透過フィルター8にレンズカットを施したり、前面にアウターレンズを設けることにより、前記暗視装置用照明部9から放射される赤外線の照射領域での光軸を、水平線を基準とし、下側0.57°の角度より上方に、かつ、水平線までに向けられるものである。このようにすることにより前記ヘッドランプ1の照射範囲以外の場所へ赤外線の照射が可能となるもので、可視光においては対向車などに眩惑を与えることのないすれ違い配光と、これ以外の赤外線のみが照射される範囲が加わり、遠方に対して視認性に優れる走行配光に近似する配光特性が得られる。 【0014】図3および図4は上記したヘッドランプ1が組込まれるランプユニット10であり、上記にも説明したようにヘッドランプ1はすれ違い配光を得るものであるので、ハウジング11とアウターレンズ12とで略密閉された容器内に形成されるランプユニット10内には、上記ヘッドランプ1から遮光シェード4を取り除いたような構成とした走行用ヘッドランプ13も組込まれ、また、必要に応じてはフロントマーカーランプ(図示せず)など信号用のランプも組込まれて一体化され、ランプユニット10とされるものである。 【0015】そして、上記に説明したヘッドランプ1を照明源として採用する本発明の暗視装置20は、赤外線カメラ14を上記ランプユニット10中に配置し、暗視装置用照明部9を含む前記ヘッドランプ1、走行用ヘッドランプ13と一体化している。なお、ランプユニット10は自動車においては左右の二個所に設けられるものであるので、いずれの側か一方に設ければ良いものである。 【0016】ここで、前記ランプユニット10の使用状況について説明を行うと、例えば郊外などの走行配光で走行が行える条件ではヘッドランプ1と走行用ヘッドランプ13との双方が点灯される。従って、上記ヘッドランプ1、走行用ヘッドランプ13とから放射されている光の内の赤外線波長の部分を赤外線カメラ14の照明部として使用するときにには、光量としても充分であり、また、ヘッドランプ13からの放射光は正面遠方に向かうものであるので視認性も充分なものとなる。 【0017】ところが、市街地などにおいては、配光特性が主として下向き光で構成されているすれ違い配光のヘッドランプ1の側のみが点灯されるものであるので、従来構成のものではヘッドランプ1以上の視認距離は得られないものとなり、即ち赤外線カメラ14を備えた効果が全く発揮できないものとなる。 【0018】この状態において、本発明のヘッドランプ1においては、前記したようにヘッドランプ1の可視光の照射とは別に赤外線のみを照射する暗視装置用照明部9を備えているため、自車および対向車の運転者の視覚に対してはすれ違い配光として認識されるものとなるが、赤外線カメラ14に対しては正面遠方も照射する走行配光に近い配光として認識されるものである。 【0019】なお、前記赤外線カメラ14のランプユニット10内への配置にあたっては、この赤外線カメラ14の撮影を行う方向を、ランプユニット10が車両に取付けられる状態を考慮して、車両の前方正面など必要とされる方向にセットしておくものであることは言うまでもなく、さらには、レンズフード14aなど補助部品も必要に応じて取付けておくものである。 【0020】また、前記暗視装置20には上記した赤外線カメラ14のほかに、該赤外線カメラ14からの出力は、一般的な可視光による画像とは異なる表現となるので違和感を取り除くための画像処理を行うプロセッサ21と、該プロセッサ21で処理した画像を運転者に告知するモニタ22が設けられているが、本発明では、これらに対して設置の場所を規定するものではない。 【0021】次いで、上記の構成とした本発明の暗視装置用のヘッドランプ1の作用および効果について説明する。本発明によりすれ違い配光を形成するヘッドランプ1の反射鏡3の一部に開口部6を設け、前記光源2から前記開口部6を通して光が放射される位置に前記光源2を焦点とし、前記ヘッドランプ1の照射方向に光を反射する放物反射面7を設け、さらに前記放物反射面7により反射された光の光路上に赤外線のみ透過する赤外線透過フィルター8を配置し、暗視装置用照明部9を設けたことにより、赤外線カメラ14の照明部を別途設ける必要がなく、照射方向を車両に対して予めに最適なものとして設定しておくことが可能となる。 【0022】つぎに、図5および図6に示すものは、本発明に係る第二実施形態であり、前記第一実施形態と異なるのは、開口部6がプロジェクター型のヘッドランプ1の反射鏡3の下部に設けられていることである。他の構成について、前記第一実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。 【0023】このように、開口部6を反射鏡3の下部に設ける理由は、この種のプロジェクター型のヘッドランプ1の場合、光源2から反射鏡3の下部により反射される光は、配光上、対向車に対し、眩惑を生じる上向光となるため通常遮光シェード4により遮光され、利用されないものである。従ってこの部分に開口部6を設けることにより、ヘッドランプ自体の光量を減少させることなく、また、配光特性にも影響をおよぼすことなく、暗視装置用照明部9を設けることができ、光量を有効利用できるものとなる。また、プロジェクター型でないヘッドランプについても、反射鏡の下部は眩惑光を生じやすいため、同様に利用することができる。 【0024】また、図7は本発明によるヘッドランプ1の照射特性を示すものであり、前記第一実施形態および第二実施形態において共通なものである。まず、ヘッドランプ1は通常のすれ違いビーム配光LZを照射し、このすれ違いビーム配光LZの光軸Lは水平線Hを基準にして、角度θ以上下方に向けられている。つぎに、暗視装置用照明部9は赤外線ビーム配光UZを照射するものであり、この赤外線ビーム配光UZの光軸Uは水平線Hを基準にして、下側θの角度より上方でかつ水平線Hまでの角度Φに向けられているものである。本実施形態の場合、ヘッドランプ1がすれ違い配光を形成するものであるので、θ=0.57°、暗視装置の赤外線カメラの特性によりΦ=0.1°である。このようにすることにより、走行用のビームに近似する照射特性が得られるものとなり、この種の暗視装置20の照明源として理想的なものが形成される。 【0025】 【発明の効果】以上に説明したように本発明により、すれ違い配光を形成するヘッドランプの反射鏡の一部に開口部を設け、光源から前記開口部を通して光が放射される位置に前記光源を焦点とし、前記ヘッドランプの照射方向に光を反射する放物反射面を設け、さらに前記放物反射面により反射された光の光路上に赤外線のみを透過する赤外線透過フィルターを配置し、暗視装置用照明部を設けた暗視装置用ヘッドランプとしたことで、第一には、この主の暗視装置に必要となる暗視カメラ用の照明源を別途設ける必要がなく、載置するスペースも少なくて済むものになるとともに、電力の供給もヘッドランプのみとなり、限られた容量の車両のバッテリーに負担になることがない。 【0026】また、第二には、暗視カメラ用の照明源がヘッドランプと一体になっているため、この照明源の照射方向を簡単に調整できるものとなり、取付け作業の簡素化を可能にするものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月24日(1999.9.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−93311(P2001−93311A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−269641 |
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