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【発明の名称】 配光器およびこの配光器を備えた太陽光採光装置
【発明者】 【氏名】高澤 正志

【要約】 【課題】光量を増大させなくても、より広い範囲にわたって照度を低下させないで配光することができる配光器およびこの配光器を備えた太陽光採光装置を提供する。

【解決手段】太陽光採光装置1で採光された光の中に反射板13を設け、この反射板13で反射する光を振れ回す方向に反射板13を回転させる構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源からの光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする配光器。
【請求項2】 光源からの光の中に、モータと、このモータにシャフトを介して連結された反射板とを備え、この反射板の反射面を光の出射方向に対して傾かせ、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする配光器。
【請求項3】 前記反射板の回転速度は70回転/秒以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の配光器。
【請求項4】 前記反射板には回転時の空気抵抗を減少させる風孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の配光器。
【請求項5】 前記反射板は湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の配光器。
【請求項6】 前記反射板からの反射光を採光して別の空間に搬送するダクトを、当該反射板の周囲に配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の配光器。
【請求項7】 前記ダクトを反射板の周囲に複数設けたことを特徴とする請求項6記載の配光器。
【請求項8】 屋根の開口に採光器本体を備え、この採光器本体を通じて導かれる太陽光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項9】 屋根の開口に採光器本体を備え、この採光器本体を通じて導かれる太陽光の中に、モータと、このモータにシャフトを介して連結された反射板とを備え、この反射板の反射面を光の出射方向に対して傾かせ、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする太陽光採光装置。
【請求項10】 前記反射板の回転速度は70回転/秒以上であることを特徴とする請求項8又は9記載の太陽光採光装置。
【請求項11】 前記反射板には回転時の空気抵抗を減少させる風孔が形成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記載の太陽光採光装置。
【請求項12】 前記反射板は湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載の太陽光採光装置。
【請求項13】 前記反射板からの反射光を採光して別の空間に搬送するダクトを、当該反射板の周囲に配置したことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項記載の太陽光採光装置。
【請求項14】 前記ダクトを反射板の周囲に複数設けたことを特徴とする請求項13記載の太陽光採光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源から出射される光を配光する配光器およびこの配光器を備えた太陽光採光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来の白熱電灯等の照明装置は、白熱電球等の光源から出射される光で効率よく部屋内等を照明するために、光源にシェード等の配光器を被せて上方に向かう光を拡散させ、例えば部屋内のうち照明装置より下方により多くの光が到達するように構成されている。
【0003】また、従来、太陽光(自然光)を効率よく採光して部屋内を照明する太陽光採光装置が提案されている。
【0004】図9において、符号51は従来の太陽光採光装置を示す。この太陽光採光装置51は、屋根52に設置され、この屋根52の上面から突出するドーム形の採光器本体53と、この採光器本体53の下方に屋根52の開口52aを貫通して延びる採光ダクト54と、この採光ダクト54の下方に設置された配光板(配光器)55とを備える。
【0005】この太陽光採光装置51によって太陽光を採光する場合には、採光器本体53内に水平方向に配置された2枚の採光プリズム板(図示せず)を太陽の位置に応じてそれぞれ独立して回転させて太陽光の屈折角を変更することにより、太陽の移動に追従して太陽光を採光する。この採光器本体53で採光された光は、採光ダクト54内を実線矢印Cの方向(下方)に導かれ、配光板55で拡散されて実線矢印C´の方向に照射範囲を拡大し、この拡大された照射範囲内で部屋内を照明する。なお、点線矢印Dは、配光板55によって光の照射範囲を拡大させなかった場合の照射範囲を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の照明装置では、シェード等の配光器を光源に被せることにより照明装置より下方の領域により多くの光が到達するように構成されているが、光源から出射される光の光量は一定であり、しかも光が照明装置の下方領域全体に広がるので、光源から離れた場所では光の密度が小さくなって照度が低下するという問題がある。
【0007】また、上述した従来の太陽光採光装置51では、採光された太陽光を光源としているため部屋内を照射できる採光された光量に限界があり、しかも配光板55による照射範囲の拡大にも限界があって部屋内の水平方向への照射が極端に少ないので、部屋内全体を十分に照明できないという問題がある。仮に、配光板55によって光の照射範囲が部屋内全体に拡大されたとしても、前記照明装置と同様に、採光された太陽光の光量が一定であるため、太陽光採光装置51から離れた場所では光の密度が小さくなって照度が低下するという問題が生じる。
【0008】本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、光源からの光量を増大させなくても、より広い範囲に照度を低下させないで配光することができる配光器およびこの配光器を備えた太陽光採光装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、光源からの光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする配光器である。
【0010】請求項2記載の発明は、光源からの光の中に、モータと、このモータにシャフトを介して連結された反射板とを備え、この反射板の反射面を光の出射方向に対して傾かせ、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする配光器である。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記反射板の回転速度は70回転/秒以上であることを特徴とする配光器である。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明において、前記反射板には回転時の空気抵抗を減少させる風孔が形成されていることを特徴とする配光器である。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の発明において、前記反射板は湾曲形状に形成されていることを特徴とする配光器である。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明において、前記反射板からの反射光を採光して別の空間に搬送するダクトを、当該反射板の周囲に配置したことを特徴とする配光器である。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記ダクトを反射板の周囲に複数設けたことを特徴とする配光器である。
【0016】請求項8記載の発明は、屋根の開口に採光器本体を備え、この採光器本体を通じて導かれる太陽光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする太陽光採光装置である。
【0017】請求項9記載の発明は、屋根の開口に採光器本体を備え、この採光器本体を通じて導かれる太陽光の中に、モータと、このモータにシャフトを介して連結された反射板とを備え、この反射板の反射面を光の出射方向に対して傾かせ、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたことを特徴とする太陽光採光装置である。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の発明において、前記反射板の回転速度は70回転/秒以上であることを特徴とする太陽光採光装置である。
【0019】請求項11記載の発明は、請求項8〜10のいずれか1項記載の発明において、前記反射板には回転時の空気抵抗を減少させる風孔が形成されていることを特徴とする太陽光採光装置である。
【0020】請求項12記載の発明は、請求項8〜11のいずれか1項記載の発明において、前記反射板は湾曲形状に形成されていることを特徴とする太陽光採光装置である。
【0021】請求項13記載の発明は、請求項8〜12のいずれか1項記載の発明において、前記反射板からの反射光を採光して別の空間に搬送するダクトを、当該反射板の周囲に配置したことを特徴とする太陽光採光装置である。
【0022】請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記ダクトを反射板の周囲に複数設けたことを特徴とする太陽光採光装置である。
【0023】これらの発明によれば、光源或いは採光器本体を通じて導かれる太陽光からの光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたので、反射板の周囲では周期的に照射と非照射が繰り返される。反射板を高速で回転すれば、人間の目の視認性の限界を超え、照射と非照射の繰り返しによるちらつきを感じなくなり、光が反射板の周囲に連続的に照射されているように見える。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】図1において、符号1は本実施形態による配光器を備えた太陽光採光装置を示す。この太陽光採光装置1は、部屋6の上方の屋根2に設置され、この屋根2の上面から突出するドーム形の採光器本体(光源)3と、この採光器本体3の下方に屋根2の開口2aを貫通して延びる採光ダクト4と、この採光ダクト4の下方に設置された前記配光器5とを備える。太陽光採光装置1によって太陽光が採光される場合には、採光器本体3内に水平方向に配置された2枚の採光プリズム板(図示せず)を太陽の位置に応じてそれぞれ独立して回転させて太陽光の屈折角を変更することにより、太陽の移動に追従して太陽光を採光する。この採光器本体3で採光された光は、ほぼ平行な光であり、採光ダクト3内を鉛直下方に導かれる。
【0026】配光器5は、図2(A)および(B)に示すように、図1の採光ダクト4内に固定されたモータ11と、このモータ11から鉛直下方に延びるシャフト12と、このシャフト12の端部に取り付けられた平板状の反射板13とを備える。この反射板13は、図2(B)に示すように、採光器本体3からの光の出射方向、すなわちシャフト12に対して角度θ(例えば45度)だけ傾斜させて配置される。
【0027】モータ11を回転駆動させると、回転駆動力がシャフト12を通じて反射板13に伝達されて、反射板13がシャフト12を回転軸14として矢印Aの回転方向に回転する。この回転中の反射板13の反射面13aに前記採光器本体3で採光された光が入射する。
【0028】回転中の反射板13の一瞬を見た場合、図3に示すように、採光器本体3で採光された光は、採光ダクト3内を通過して反射板13の反射面13aで反射し、この反射光は反射板13の周囲の一方向(図3では部屋6の一鉛直壁面6aの方向)だけに向かう。この反射板13の周囲の一方向に向かう光の密度は、反射板13の反射面13aにおいて光が全反射されるものとすると、反射板13に入射した光の密度に等しい。
【0029】この回転中の反射板13の一瞬が連続すると、図4に示すように、反射板13の周囲の全方向、すなわち反射板13の反射面13aで反射する光を振れ回す方向に、反射板13に入射した光密度とほぼ等しい光が照射される。このとき、反射板13の周囲の一方向(例えば一鉛直壁面6a)では反射板13からの光によって照射と非照射、すなわち点滅が周期的に繰り返されている。本実施形態では、反射板13を例えば70回転/秒(約4000rpm)以上の高速で回転させるので、各周囲方向における点滅周期は速くなり、人間の目の視認性の限界を超えて点滅は認識されず、反射板13から全周囲方向に連続的に光が照射されているように見える。このときの見かけ上の照度は、採光された太陽光を直接照射した場合の照度にほぼ等しい。この実施形態は、例えば蛍光ランプの点灯に類似した原理を利用している。すなわち、蛍光ランプは実際には点滅を繰り返して光を照射するが、人間の目には連続的に照射しているように見える。
【0030】また、本実施形態による配光器5では、回転軸14に対して傾斜させた反射板13を回転させるので、反射板13で風が生じ、部屋6内で送風を行うことができる。
【0031】別の実施形態として、図5に示すように、複数の風孔20が形成された反射板21をシャフト12の端部に取り付けてもよい。この風孔20は、反射板21で回転時の空気抵抗を減少させるので、回転により生じる送風を抑制することができる。
【0032】更に別の実施形態として、図6に示すように、光源としての採光器本体3(上方)に向けて突出する湾曲形状に形成された反射板22をシャフト12の端部に取り付けてもよい。この湾曲形状の反射板22で反射した反射光は、反射板22の周囲の一方向だけに向かうのではなく、矢印B1〜B3で示すように、上方を含むより広い方向に向かうので、反射光の照射範囲を拡大することができる。なお、図示を省略したが、下方に向けて突出する湾曲形状に反射板を形成すると、反射板で反射した反射光はそれぞれが集まる方向に向かうので、反射光を集光させて照度アップを図ることができる。
【0033】また、反射板13(又は21、22)の周囲に、図7に示すように、光を搬送するダクト32を配置してもよい。このダクト32は、部屋6の周囲の壁に固定され、太陽光採光装置1を備えた部屋(空間)6から別の部屋6−1に延びる光搬送部33と、この光搬送部33の部屋6側の端部に設けられた採光部34と、この光搬送部33の部屋6−1側の端部に設けられた照射部35とで構成される。なお、ダクト32の代わりに光ファイバを設け、この光ファイバを通じて反射光を搬送させることも可能である。
【0034】反射板13(又は21、22)で反射した光は、部屋6の採光部34から採光され、光搬送部33を通じて照射部35に搬送され、照射部35から別の部屋6−1内を照明する。このように反射板13(又は21、22)の周囲に光を搬送するダクト32(或いは光ファイバ)を設けることにより、太陽光採光装置1を備えた部屋6だけでなく太陽光採光装置1を備えていない部屋6−1を照明できる。
【0035】また、反射板13(又は21、22)の周囲に、図8に示すように、前記ダクト32と同様に構成された複数のダクト32a〜32h(或いは光ファイバ)を設け、各ダクト32a〜32hの採光部34a〜34hを太陽光採光装置1を備えた部屋6に配置し、各ダクト32a〜32hの照射部35a〜35hをそれぞれ別の部屋6−2〜6−9に配置してもよい。このように複数のダクト32a〜32hを設ければ、部屋6で採光部34a〜34hを通じて採光された光が、各ダクト32a〜32hを通じて搬送され、1個の太陽光採光装置で各照射部35a〜35hから各部屋6−2〜6−9を照明することができる。
【0036】本実施形態によれば、太陽光採光装置1で採光した光の中に反射板13(又は21、22)が設けられ、この反射板13(又は21、22)で反射する光を振れ回す方向に反射板13(又は21、22)を回転させる構成としたので、反射板13(又は21、22)の周囲では周期的に照射と非照射が繰り返される。本実施形態では反射板13(又は21、22)を例えば70回転/秒以上の高速で回転させているので、人間の目の視認性の限界を超えて照射と非照射の繰り返しによるちらつきを感じなくなり、太陽光採光装置1で採光した光を反射板13(又は21、22)の周囲に直接導いた場合の照度とほぼ等しい見かけ上の照度で、反射板13(又は21、22)の周囲のより広い範囲に光を配光することができる。
【0037】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では太陽光採光装置1に配光器5を設けているが、太陽光採光装置1以外の光源、例えば白熱電灯に配光器5を設けて本実施形態と同様の効果を得ることは可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、光源からの光の中に反射板を備え、この反射板で反射する光を振れ回す方向に反射板を回転させる構成としたので、反射板の周囲では周期的に照射と非照射が繰り返される。反射板を高速で回転させれば、人間の目の視認性の限界を超えて照射と非照射の繰り返しによるちらつきは感じなくなり、連続的に照射されているように見えるので、光源からの光を反射板の周囲に直接導いた場合とほぼ等しい見かけ上の照度で反射板の周囲のより広い範囲に配光することができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年9月8日(1999.9.8)
【代理人】 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
【公開番号】 特開2001−76516(P2001−76516A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−253799