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【発明の名称】 自動二輪車用前照灯
【発明者】 【氏名】須田 敏彦

【氏名】小平 茂

【氏名】引地 晃一

【要約】 【課題】

【解決手段】ハウジング11とレンズ18とで囲まれる空間内の左右端部に一対のポジションランプ16,17を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボディと、このボディの前部に取付けたレンズとで囲まれる空間を形成し、この空間内にハイビームバルブ及びリフレクタ、並びにロービームバルブ及びリフレクタを収納した自動二輪車用前照灯において、前記空間内の左右端部に一対のポジションランプを配置したことを特徴とする自動二輪車用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は明るさを向上させ、自動二輪車の設計自由度を増すのに好適な自動二輪車用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用の前照灯としては、例えば、■特開平3−164338号公報「2輪車用2灯式ヘッドランプ」、■特開平5−96989号公報「車両用車幅灯の取付構造」に記載されたものが知られている。
【0003】上記技術■には、同公報の第3図(A)に示される通り、ボディ4の前部にアウタレンズ10を取付け、これらのボディ4及びアウタレンズ10で囲まれる空間内に、リフレクタ7、レンズ8及びリフレクタ7の前部下部に立てて取付けたポジションランプ9からなるランプユニット3を収納したヘッドランプが記載されている。
【0004】上記技術■には、同公報の図1に示される通り、リフレクタ部6の下部に前方に延びるエクステンション部材10を一体に成形し、このエクステンション部材10に挿通用孔部12を開け、リフレクタ部6の前方からエクステンション部材10の下方にかけてレンズの役目を備えた透光部8を配置し、エクステンション部10の下方の透光部8に、上記した挿通用孔部12に先端部を挿入した車幅灯14を取付けたヘッドライト2が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記技術■では、リフレクタ7の前部下部にポジションランプ9を立てて取付けたため、リフレクタ7で反射した光の一部がポジションランプ9で遮られ、車両の前方に届かなくなるという不都合がある。
【0006】また、上記技術■では、車幅灯14を取付けるために、エクステンション部材10と下方の透光部8との間にクリアランスを設けなければならず、ヘッドライト2の高さ(上下幅)が大きくなり、例えば、このヘッドライト2を自動二輪車に搭載した場合、ヘッドライト2の地面からの高さが大きくなって、自動二輪車の設計自由度が制限されるという不都合がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、リフレクタで反射した光を遮ることなく、明るさを向上させるとともに、自動二輪車の設計自由度を増すことができる自動二輪車用前照灯を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、ボディと、このボディの前部に取付けたレンズとで囲まれる空間を形成し、この空間内にハイビームバルブ及びリフレクタ、並びにロービームバルブ及びリフレクタを収納した自動二輪車用前照灯において、前記空間内の左右端部に一対のポジションランプを配置したことを特徴とする【0009】ポジションランプを各リフレクタを除くボディの左右端部に取付けると、リフレクタをポジションランプで覆うことがない。また、左右端部に一対のポジションランプを配置して、前照灯の上下幅を抑える。
【0010】この結果、リフレクタの機能を最大限に発揮させることができ、従来に比べて前照灯の明るさを増すことができる。また、前照灯の上下幅を抑えることができるため、前照灯を取付けるカウリング、とこのカウリングに対して上下動するフロントフェンダとのクリアランスを所定寸法にした場合に、路面から前照灯までの高さを小さくすることができ、この高さ変更が容易になって、自動二輪車の設計自由度、特に自動二輪車の形式に合せた前照灯回りの設計自由度を増すことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。また、文中の「左」、「右」は自動二輪車に乗車した運転者を基準とする。図1は本発明に係る自動二輪車用前照灯の正面図であり、前照灯10は、ボディとしてのハウジング11と、このハウジング11内に取付けたリフレクタ12と、このリフレクタ12に取付けたロービームバルブとしてのロービーム専用電球13及びハイビームバルブとしてのハイビーム専用電球14,15と、ハウジング11内の上部の左右端部に配置した一対のポジションランプ16,17と、ハウジング11の前部に取付けたレンズ18とからなる。
【0012】ハウジング11は、後述するカウリングに取付けるための上部取付部21,21及び側部取付部22,22を備える。リフレクタ12は、ロービーム専用電球13からの光を反射させるために放物面鏡としたリフレクタとしてのロービーム用反射部23と、ハイビーム専用電球14,15からの光を反射させるために放物面鏡としたリフレクタとしての左・右ハイビーム用反射部24,25とからなる一体成形の部材である。
【0013】ポジションランプ16,17は、夕暮れ時や夜間に、前方の対向車、歩行者へ車両の存在を表示するためのものであり、車幅灯(クリアランスランプ)を兼用するランプである。レンズ18は、ポジションランプ16,17の前方に、ポジションランプ16,17の光を拡散させるレンズカットを施したレンズカット部18a,18b(ハッチングを施した部分)を備える。
【0014】図2は図1の2−2線断面図である。ハウジング11、ロービーム専用電球13、レンズ16及びロービーム用反射部23とでロービーム専用灯26を構成する。ハウジング11、左ハイビーム専用電球14、レンズ16及び左ハイビーム用反射部24とで左ハイビーム専用灯27を構成する。ハウジング11、右ハイビーム専用電球15、レンズ16及び右ハイビーム用反射部25とで右ハイビーム専用灯28を構成する。
【0015】ここで、31・・・・・・は複数個を示す。以下同様。)は、電球13,14,15の取付部から雨水等が浸入しないように密封するラバーキャップである。CL1は、平面視で車体の前後方向に延びる車体中心線であり、前照灯10の中心線であるロービーム専用電球13の基準軸に重ねたものである。
【0016】レンズ18は、段部32,32を備え、この段部32,32の側面32a,32aを車体側のカウリング33の開口部に嵌合させる。従って、側面32a,32aの外側では、光がレンズ18を透過した場合でもカウリング33に遮られ、光が前照灯10から外部に照射されない。
【0017】これらの側面32a,32aの間の湾曲したレンズ面をレンズ有効透過面34とし、レンズ有効透過面34の幅であるレンズ有効幅をW、側面32aの前端からレンズ有効透過面34の頂上までの距離である湾曲高さをCとすると、C/W≧0.2となる。レンズ18のレンズ有効幅Wと湾曲高さCとの関係を上式のように設定することで、レンズ18の形状は、カウリング33を含め、流線型に近くなる。
【0018】図3は図1の3−3線断面図である。ロービーム専用灯26は、ロービーム専用電球13から発した光をロービーム用反射部23で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ18で屈折させて所定のロービームの配光にするものである。
【0019】ロービーム専用電球13から発した光を代表して便宜上L1,L2及びL3とすると、光L1は、ロービーム用反射部23の上半分である上半部23aで反射し、レンズ18に至る。また、光L2,L3は、ロービーム用反射部23の下半分である下半部23bで反射し、レンズ18に至る。
【0020】このように、ロービーム専用灯26は、反射鏡の半分で反射した光のみを利用するものに比べて、ロービーム用反射部23で反射した光のほとんど全てを利用するので、ロービーム専用電球13の定格電力を大きくすることなく明るさを大幅に増すことができる。
【0021】図4は図1の4−4線断面図である。左ハイビーム専用灯27は、ハイビーム専用電球14から発した光を左ハイビーム用反射部24で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ18で屈折させるものである。ハイビーム専用電球14から発した光は、左ハイビーム用反射部24の上半分及び下半分の両方で反射し、レンズ18に至る。
【0022】図2に示した右ハイビーム専用灯28は、ハイビーム専用電球15から発した光を右ハイビーム用反射部25で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ18で屈折させるものである。ハイビーム専用電球15から発した光は、ハイビーム反射部25の上半分及び下半分の両方で反射し、レンズ18に至る。
【0023】上記した左・右ハイビーム専用灯27,28の両方においてレンズ18を通った光を所定のハイビームの配光にする。上記したロービーム、ハイビームの所定の配光は、レンズ18によるものでなくてもよく、リフレクタ12の多反射面化によるものでもよい。
【0024】このように、ロービーム、ハイビームにそれぞれ専用灯26、専用灯27,28を使用することで、ハイビームとロービームとを一つの電球で兼ねるタイプに比べて、配光のためのチューニング、即ち電球13,14,15やレンズ18のカット、リフレクタ12の形状等の設定が容易になり、前照灯10の製造コストを下げることができる。
【0025】図5は図1の5−5線断面図であり、ハウジング11の上部に取付穴11aを開け、この取付穴11aにポジションランプ16を挿入して取付けたことを示す。なお、ポジションランプ17(図2参照)は、ポジションランプ16と構造及び取付方法を同一としたものであり、それらの説明は省略する。ポジションランプ16は、フィラメントを収納したガラス球16aと、このガラス球16aを支持する口金部16bとを備え、口金部16bは、ハウジング11の取付穴11aの縁部に嵌合する環状溝16cを設けたものである。
【0026】図6は本発明に係る前照灯を備えた自動二輪車の前部を示す要部側面図であり、自動二輪車40は、車体フレーム41と、この車体フレーム41の前部に設けたヘッドパイプ42と、このヘッドパイプ42に操舵自在に取付けたフロントフォーク43及び前輪44と、フロントフォーク43の上部に取付けたハンドル45と、車体フレーム41に取付けたカウリング33と、このカウリング33に取付けた前照灯10とを備える。なお、47はウインドスクリーン、51はメインスイッチ、52は燃料タンク、53はフロントフェンダである。
【0027】図7は本発明に係る前照灯を備えた自動二輪車の正面図であり、カウリング33に取付けた前照灯10を示す。ハウジング11(図2参照)とレンズ18とで囲まれる空間内の左右端部に一対のポジションランプ16,17を配置したことで、ロービーム用反射部23及び左・右ハイビーム用反射部24,25をポジションランプ16,17で覆うことがないため、リフレクタ12の機能を最大限に発揮させることができ、従来に比べて前照灯10の明るさを増すことができる。
【0028】また、左右端部に一対のポジションランプ16,17を配置したことで、前照灯10の上下幅を抑えることができるため、前照灯10を取付けるカウリング33と、このカウリング33に対して上下動するフロントフェンダ53とのクリアランスを所定寸法Cにした場合に、路面から前照灯10(ここでは、電球13,14,15)までの高さHを小さくすることができ、例えば、運転者の姿勢を低くできるロードスポーツタイプの自動二輪車に備えた低めのハンドルに対応させて前照灯10の位置やウインドスクリーン47の形状、カウリング33の形状を大きな自由度で容易に設定することができる。従って、自動二輪車40の設計自由度を増すことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1の自動二輪車用前照灯は、ボディと、このボディの前部に取付けたレンズとで囲まれる空間内の左右端部に一対のポジションランプを配置したので、リフレクタの機能を最大限に発揮させることができ、従来に比べて前照灯の明るさを増すことができる。
【0030】また、前照灯の上下幅を抑えることができるため、前照灯を取付けるカウリングと、このカウリングに対して上下動するフロントフェンダとのクリアランスを所定寸法にした場合に、路面から前照灯までの高さを小さくすることができ、この高さ変更が容易になって、自動二輪車の設計自由度、特に自動二輪車の形式に合せた前照灯回りの設計自由度を増すことができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
【公開番号】 特開2001−67906(P2001−67906A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−244062