| 【発明の名称】 |
自動二輪車用前照灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】須田 敏彦
【氏名】小平 茂
【氏名】引地 晃一
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】前照灯10を、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯26と、このロービーム専用灯26の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯27,28とから構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動二輪車の車体前部に配置する前照灯において、この前照灯は、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯と、このロービーム専用灯の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯とからなる自動二輪車用前照灯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は明るさを増すのに好適な自動二輪車用前照灯に関する。 【0002】 【従来の技術】自動二輪車用前照灯としては、例えば、特開平4−92731号公報「自動二輪車の前照灯装置」が知られている。上記技術には、第2図に示される通り、Hiビーム用としたランプ13とLoビーム用としたプロジェクタランプ14とを車体中心に対して左右に近接させて配置し、ランプ13に放物面鏡15a及びハロゲン電球16を備え、プロジェクタランプ14に楕円反射鏡19a及びハロゲン電球20を備えた前照灯装置10が記載されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記技術では、例えば、前照灯装置10の明るさを向上させるには、ランプ13の放物面鏡15aやプロジェクタランプ14の楕円反射鏡19aの面積を大きくすることが考えられる。このように、放物面鏡15a、楕円反射鏡19aの反射面積を大きくすれば、前照灯装置10の前面の面積が大きくなり、走行時の空気抵抗が大きくなるという不都合が生じる。 【0004】また、前照灯装置10の明るさを向上させる別の方法として、ハロゲン電球16,20の定格電力を大きくすることが考えられるが、これでは、消費電力が大きくなり、前照灯装置10へ電力を供給する電力供給系の容量アップが必要になり、コストアップを招く。 【0005】更に、上記技術では、Hiビーム用のランプ13とLoビーム用のプロジェクタランプ14とを車体中心線に対して左右に配置するため、例えば、コーナリング中に車体を傾けた時には、左コーナーと右コーナーとでランプ13の地面からの高さが異なるため、路面の照射状態に差が生じることになる。これは、プロジェクタランプ14でも同様である。 【0006】そこで、本発明の目的は、空力特性を維持しつつ、定格電力を変えずに明るさを増すことができるとともに、コーナリング時に左・右コーナーの路面を同等の条件で照すことができる自動二輪車用前照灯を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、自動二輪車の車体前部に配置する前照灯において、この前照灯を、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯と、このロービーム専用灯の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯とから構成する。 【0008】他の車両とすれ違う時には、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯を点灯し、見通しの効く所を走行する時には、ロービーム専用灯の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯を点灯する。 【0009】この結果、ロービーム専用灯の両側に左・右のハイビーム専用灯を配置したことで、左・右のハイビーム専用灯の反射鏡の総反射面積を大きくすることができ、この状態で、例えば、ロービーム専用灯及び左・右のハイビーム専用灯のレンズを一体的に、且つ前方に大きく湾曲したものにすれば、レンズの形状が流線型に近くなり、前照灯の前面の面積が大きくなっても空気抵抗の増加を抑えることができる。 【0010】これにより、ロービーム専用灯及びハイビーム専用灯のそれぞれの電球の定格電力を変えずに前照灯の明るさを増すことができる。これに加えて、ロービーム専用灯の両側に左・右のハイビーム専用灯を配置したことで、例えば、左・右のハイビーム専用灯をロービーム専用灯から等距離にして左右対称に配置すれば、コーナリング中に車体を傾ける場合、左・右コーナーの路面を同等の条件で照すことができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。また、文中の「左」、「右」は自動二輪車に乗車した運転者を基準とする。図1は本発明に係る自動二輪車用前照灯の正面図であり、前照灯10は、ハウジング11と、このハウジング11内に取付けたリフレクタ12と、このリフレクタ12に取付けたロービーム専用電球13及びハイビーム専用電球14,15と、ハウジング11の前部に取付けたレンズ16とからなる。 【0012】ハウジング11は、後述するカウリングに取付けるための上部取付部21,21及び側部取付部22,22を備える。リフレクタ12は、ロービーム専用電球13からの光を反射させるために放物面鏡としたロービーム用反射部23と、ハイビーム専用電球14,15からの光を反射させるために放物面鏡とした左・右ハイビーム用反射部24,25とからなる一体成形の部材である。 【0013】図2は図1の2−2線断面図である。ハウジング11、ロービーム専用電球13、レンズ16及びロービーム用反射部23とでロービーム専用灯26を構成する。ハウジング11、左ハイビーム専用電球14、レンズ16及びハイビーム用反射部24とで左ハイビーム専用灯27を構成する。ハウジング11、右ハイビーム専用電球15、レンズ16及びハイビーム用反射部25とで右ハイビーム専用灯28を構成する。 【0014】ここで、31・・・(・・・は複数個を示す。以下同様。)は、電球13,14,15の取付部から雨水等が浸入しないように密封するラバーキャップである。CL1は、前後方向に延びる前照灯中心線、即ちロービーム専用電球13の基準軸であり、前照灯10は、この前照灯中心線CL1を後述する車体の前後方向に延びる中心線に一致させて取付けるものである。 【0015】このように、本発明は、自動二輪車の車体前部に配置する前照灯10において、この前照灯10を、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯26と、このロービーム専用灯26の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯27,28とから構成する。 【0016】レンズ16は、段部32,32を備え、この段部32,32の側面32a,32aを車体側のカウリング38の開口部に嵌合させる。従って、側面32a,32aの外側では、光がレンズ16を透過した場合でもカウリング38に遮られ、光が前照灯10から外部に照射されない。 【0017】これらの側面32a,32aの間の湾曲したレンズ面をレンズ有効透過面33とし、レンズ有効透過面33の幅であるレンズ有効幅をW、側面32aの前端からレンズ有効透過面33の頂上までの距離である湾曲高さをCとすると、C/W≧0.2となる。レンズ16のレンズ有効幅Wと湾曲高さCとの関係を上式のように設定することで、レンズ16の形状は、カウリング38を含め、流線型に近くなる。 【0018】図3は図1の3−3線断面図である。ロービーム専用灯26は、ロービーム専用電球13から発した光をロービーム用反射部23で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ16で屈折させて所定のロービームの配光にするものである。 【0019】ロービーム専用電球13から発した光を代表して便宜上L1,L2及びL3とすると、光L1は、ロービーム用反射部23の上半分である上半部23aで反射し、レンズ16に至る。また、光L2,L3は、ロービーム用反射部23の下半分である下半部23bで反射し、レンズ16に至る。 【0020】このように、ロービーム専用灯26は、反射鏡の半分で反射した光のみを利用するものに比べて、ロービーム用反射部23で反射した光のほとんど全てを利用するので、ロービーム専用電球13の定格電力を大きくすることなく明るさを大幅に増すことができる。 【0021】図4は図1の4−4線断面図である。左ハイビーム専用灯27は、ハイビーム専用電球14から発した光を左ハイビーム用反射部24で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ16で屈折させるものである。ハイビーム専用電球14から発した光は、ハイビーム反射部24の上半分及び下半分の両方で反射し、レンズ16に至る。 【0022】図2に示した右ハイビーム専用灯28は、ハイビーム専用電球15から発した光を右ハイビーム用反射部25で反射させて平行に進む光とし、この光をレンズ16で屈折させるものである。ハイビーム専用電球15から発した光は、ハイビーム反射部25の上半分及び下半分の両方で反射し、レンズ16に至る。 【0023】上記した左・右ハイビーム専用灯27,28の両方においてレンズ16を通った光を所定のハイビームの配光にする。上記したロービーム、ハイビームの所定の配光は、レンズ16によるものでなくてもよく、リフレクタ12の多反射面化によるものでもよい。 【0024】このように、ロービーム、ハイビームにそれぞれ専用灯26、専用灯27,28を使用することで、ハイビームとロービームとを一つの電球で兼ねるタイプに比べて、配光のためのチューニング、即ち電球13,14,15やレンズ16のカット、リフレクタ12の形状等の設定が容易になり、前照灯10の製造コストを下げることができる。 【0025】図5は本発明に係る前照灯を備えた自動二輪車の前部を示す要部側面図であり、自動二輪車40は、車体フレーム41と、この車体フレーム41の前部に設けたヘッドパイプ42と、このヘッドパイプ42に操舵自在に取付けたフロントフォーク43及び前輪44と、フロントフォーク43の上部に取付けたハンドル45と、車体フレーム41に取付けたカウリング38と、このカウリング38に取付けた前照灯10とを備える。なお、47はウインドスクリーン、51はメインスイッチ、52は燃料タンク、53はフロントフェンダである。このように、前照灯10は、車体前部に配置したものである。 【0026】図6は本発明に係る前照灯を備えた自動二輪車の正面図であり、カウリング38に取付けた前照灯10を示す。左右に2つのハイビーム専用灯27,28を設けたことで、リフレクタ12の有効反射面及びレンズ16の有効透過面の面積を大きくすることができるため、前照灯10のハイビームを従来以上に明るくすることができる。 【0027】以上に述べた前照灯10の作用を次に説明する。図7は本発明に係る自動二輪車用前照灯の作用を説明する第1作用図である。自動二輪車40が走行中に、走行風を受けると、走行風は、矢印で示すようにレンズ16の表面からカウリング38の表面に沿って流れる。 【0028】図2で説明したように、レンズ有効幅Wと湾曲高さCとの関係を、C/W≧0.2とした、即ちレンズ16の幅に対する湾曲の程度を従来よりも大きくしたこと、及びレンズ16の表面とカウリング38の表面を滑らかに繋いだことで、図7において、前照灯10のレンズ16を含めたカウリング38が、平面視でより流線型に近くなり、走行風がレンズ16及びカウリング38の表面に沿ってスムーズに流れやすくなって、前照灯10及びカウリング38の空気抵抗を低減することができる。 【0029】例えば、図2において、従来のように、C/W<0.2となる場合には、レンズの幅に対するレンズの湾曲の程度が小さくなって、レンズがより平面に近くなり、空気抵抗が増す。 【0030】以上図2で説明したように、ロービーム専用灯26の両側に左・右ハイビーム専用灯27,28を配置したことで、ハイビーム専用灯が一つの場合よりも左・右ハイビーム専用灯27,28の左・右ハイビーム用反射部24,25の総反射面積を大きくすることができ、この状態で、例えば、ロービーム専用灯26、左・右ハイビーム専用灯27,28のレンズ16を一体的に、且つ前方に大きく湾曲したものにすることで、前照灯10の前面の面積が大きくなっても空気抵抗の増加を抑えることができる。 【0031】これにより、ロービーム専用灯26及び左・右ハイビーム専用灯27,28の電球13,14,15の定格電力を変えずに前照灯10の明るさを増すことができる。 【0032】図8(a)〜(c)は本発明に係る自動二輪車用前照灯の作用を説明する第2作用図であり、走行中のハイビームでの路面配光を示す。(a)において、直進走行中には、左ハイビーム専用灯による左配光55及び右ハイビーム専用灯による右配光56で左右対称に路面57を照し、ハイビームの所定の路面配光を得る。ここで、CL2は、自動二輪車40の車体の前後方向に延びる中心線である。 【0033】(b)において、左コーナーをコーナリング中には、自動二輪車40は左側に傾くため、左ハイビーム専用灯は路面に近付き、右ハイビーム専用灯は路面から離れる。これによって、車体の前後方向に延びる中心線CL2より左側の路面57では直進走行中に比べて左ハイビーム専用灯による左配光55の範囲が狭くなる。また、上記の中心線CL2より右側の路面57では、直進走行中に比べて右ハイビーム専用灯による右配光56の範囲が広くなる。 【0034】(c)において、右コーナーをコーナリングする場合、自動二輪車40は右側に傾くため、左ハイビーム専用灯は路面から離れ、右ハイビーム専用灯は路面に近付く。これによって、左コーナーをコーナリングする場合とは丁度左右反対に、自動二輪車40の車体の前後方向に延びる中心線CL2より左側の路面57では直進走行中に比べて左ハイビーム専用灯による左配光55の範囲が広くなり、上記の中心線CL2より右側の路面57では、直進走行中に比べて右ハイビーム専用灯による右配光56の範囲が狭くなる。 【0035】以上説明したように、ハイビーム専用灯27,28(図2参照)をロービーム専用灯26(図2参照)の両側に左右対称に配置したことで、図8(b),(c)のようにコーナリング中に車体を傾ける場合、左コーナーと右コーナーとでそれぞれ路面57を左右対称に同等の条件で照すことができ、左・右コーナーの路面57を同様な感覚で確認することができる。 【0036】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1の自動二輪車用前照灯は、前照灯を、平面視で、車体の前後方向に延びる中心線上に配置したロービーム専用灯と、このロービーム専用灯の両側に配置した左・右のハイビーム専用灯とから構成したので、左・右のハイビーム専用灯の反射鏡の総反射面積を大きくすることができ、この状態で、例えば、ロービーム専用灯及び左・右のハイビーム専用灯のレンズを一体的に、且つ前方に大きく湾曲したものにすれば、レンズの形状が流線型に近くなり、前照灯の前面の面積が大きくなっても空気抵抗の増加を抑えることができる。 【0037】これにより、ロービーム専用灯及びハイビーム専用灯のそれぞれの電球の定格電力を変えずに前照灯の明るさを増すことができる。これに加えて、ロービーム専用灯の両側に左・右のハイビーム専用灯を配置したことで、例えば、左・右のハイビーム専用灯をロービーム専用灯から等距離にして左右対称に配置すれば、コーナリング中に車体を傾ける場合、左・右コーナーの路面を同等の条件で照すことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月30日(1999.7.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−43708(P2001−43708A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月16日(2001.2.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−216752 |
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