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【発明の名称】 地上に立設される長尺の金属製ポール
【発明者】 【氏名】豊田 哲治

【氏名】大垣内 昭博

【氏名】近藤 哲己

【要約】 【課題】高速道路の照明灯用ポールのような耐久性を要求される箇所に立設する支柱として高い剛性を有して最適な地上に立設される長尺の金属製ポールを提供すること。

【解決手段】全長にわたり外径が略均一なポール本体1の基管部1aを多重管構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 全長にわたり外径が略均一なポール本体の基管部を多重管構造としたことを特徴とする地上に立設される長尺の金属製ポール。
【請求項2】 ポール本体が、1本の厚肉の金属パイプ母材から絞り加工されたものであり、その基管部には補強内管が焼き嵌めされて多重管構造とされている請求項1に記載の地上に立設される長尺の金属製ポール。
【請求項3】 ポール本体の基管部および補強内管がいずれもストレート状である請求項1〜2のいずれかに記載の地上に立設される長尺の金属製ポール。
【請求項4】 ポール本体の基管部の筒孔が上拡がりテーパ状である請求項1〜2のいずれかに記載の地上に立設される長尺の金属製ポール。
【請求項5】 ポール本体はその中間部においてメカニカルジョイントにより連結されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の地上に立設される長尺の金属製ポール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路の照明灯用ポールのような耐久性を要求される箇所に立設する支柱として高い剛性を有して最適な地上に立設される長尺の金属製ポールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地上に立設される長尺の金属製ポールとして代表的なものは、照明灯や各種標識、警報機などを取り付けて道路の路肩などに立設する照明灯用ポールや標識柱であるが、従来の照明灯用ポールは標準規格で肉厚が約4.5mm程度の鋼材を使用したものが普通に用いられている。
【0003】ところが、最近では自動車等の交通量が増加しているため、路肩に立設した金属製ポールにかかる振動等の影響によりポールに亀裂が入り、耐久年数が予定よりも短くなってきているという現象が生じている。そこで、振動等の影響があっても亀裂の発生しにくい耐久性に優れた金属製ポールの開発が要求されており、対応策として単純に従来よりも肉厚の厚い鋼材(例えば、肉厚6mmのもの)でポール全体を成形することが検討された。しかしながら、全体的に肉厚の厚い鋼材でポールを成形した場合には、大幅なコストアップに繋がるという問題点があり、また、ポール重量の増加によって運搬作業や設置作業等がやりにくくなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような従来の問題点を解決して、高速道路の照明灯用ポールや標識柱のような耐久性を要求される箇所に立設する支柱として高い剛性を有して最適であり、しかも、生産性に優れていて大幅なコストダウンを図ることができ、更には軽量性に優れていて運搬作業や設置作業等も効率的に行うことができる地上に立設される長尺の金属製ポールを提供することを目的として完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明に係る地上に立設される長尺の金属製ポールは、全長にわたり外径が略均一なポール本体の基管部を多重管構造としたことを特徴とするものを基本構成とする。
【0006】そして、ポール本体が、1本の厚肉の金属パイプ母材から絞り加工されたものであり、その基管部には補強内管が焼き嵌めされて多重管構造とされているものを請求項2に係る発明とする。また、ポール本体の基管部および補強内管がいずれもストレート状であるものを請求項3に係る発明とし、ポール本体の基管部の筒孔が上拡がりテーパ状であるものを請求項4に係る発明とする。さらに、ポール本体が中間部においてメカニカルジョイントにより連結されているものを請求項5に係る発明とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の形態として、高速道路の路肩に設置される地上高さ約10.0mの照明灯用ポールについて詳細に説明する。1は、地上高さを約10.0mとする全長にわたり外径が略均一な長尺の直管よりなるストレート状のポール本体である。このポール本体1は、図面に示すように、肉厚が4.5mmの均一な鋼管よりなるもので、後述する補強内管2が焼き嵌めされて多重管構造とされる基管部1aと、残部1bとから構成されている。
【0008】なお、ここでいう基管部1aとは、ポール本体1の全長(L)に対し地上から所要の高さ、例えば、約1/5程度以下の高さ部分(L1 )を意味している。また、全長にわたり外径が均一な直管とは、ポール本体1の下端外径と上端外径とが全く同一の場合は勿論のこと、目視上ほぼストレートな長尺のポールと見えるものも含み、具体的にはポール本体1の先端部の外径が、ポール本体1の基管部の外径の4/5より大きくなるよう若干先細テーパ状に構成されている場合も、ここでいう全長にわたり外径が略均一な直管を意味する。
【0009】そして本発明では、前記ポール本体1のうち基管部1aが多重管構造とされている点に特徴的構成を有する。即ち、図示する基管部1aはその内側に補強内管2を嵌挿密着させた二重管構造となっており、一方、残部1bは一重のままの管構造となっている。これは、本発明者が亀裂の発生を分析した結果、発生状況が基本的にはいずれも基管部1aにおけるものであり、この部分のみの強度アップを図れば耐久性を延ばせるとの知見に基づくものである。そして、このような構成により、高い剛性を有して亀裂の発生を確実に防止するとともに、軽量性にも優れて効率的な作業性を発揮するのである。
【0010】前記基管部1aに嵌挿密着される補強内管2は、基管部1aを形成する鋼管と同等若しくはそれ以下の厚みの鋼管(2.0〜4.5mm)で、この補強内管2はポール本体1の基管部1aに対して何ら接着剤等を用いることなく、焼き嵌めにより密着されて二重管構造とされている。即ち、図2に示されるように、母材となる1本の金属パイプ(外径190mm、肉厚4.5mm)を外径180mm(肉厚は同じ)まで絞り加工する際に、母材の基管部内部に予め補強内管2をフリーな状態で挿着しておき、熱間により母材を補強内管2の外径まで絞り加工を施し、その後の冷却により基管部1aに補強内管2を嵌挿密着させることにより1工程で二重管構造とするものである。
【0011】上記のように、焼き嵌めにより補強内管2を嵌挿密着させた場合、外管であるポール本体1の基管部1aは熱間で絞ってあるため、冷却処理されて縮もうとするが、補強内管2があるために内管の外径以下には縮むことができない。そのために、基管部1aには圧縮の残留応力が残ることとなり、ポール使用時において振動等の影響で亀裂が入ったとしても該亀裂の進展が抑制される結果、ポール本体1のの耐久性は大幅に向上されることとなる。
【0012】なお、前記基管部1aおよび補強内管2は、図示のもののようにストレート状である他、基管部1aの筒孔を上拡がりテーパ状として補強内管2もこれと同様の上拡がりテーパ状としたものとすることもでき、例えば、デザイン等の要請により任意の形状を選択・設計することができ、また、残部1bの加工方法は従来のテーパ加工法によることができる。なお、基管部1aは三重管またはその以上の多重管構造としてもよいことは勿論である。
【0013】図3に示されるように、前記した基管部1aの下方部には地中に埋設される約3mの埋め込み固定部3が形成されており、また、残部1bの下方部には配電制御盤4が取り付けられ、さらに、残部1bの先端部には照明灯5が取り付けられている。また、図4に示されるように、前記埋め込み固定部3を埋め込むことなく、基管部1aに設けたリブ6とベースプレート7よりなる固定具をボルト8で固定して地上に立設することもできる。一方、照明灯5が装着される残部1bの形状は、図3に示されるようにストレート状のものや、図4に示されるように先端部が湾曲したもの等いずれであってもよい。
【0014】また、このようなポール本体1は、基管部1aと残部1bをそれぞれ別々に成形しておき、後工程でこれらを溶接により接合一体化して生産することもできるが、基管部1aの外径に対応したストレートな電縫鋼管その他の1本の鋼管素材を絞り加工することにより全体が一連として成形された製品として生産することもでき、この場合には、溶接作業が不要となるため生産性に優れているうえ強度的にも優れたものとなるので特に好ましい。更には、図5に示されるように、ポール本体1はその中間部においてメカニカルジョイント9により連結されて一連化したものとすることもできる。この場合には、金属製ポール本体は通常亜鉛メッキ処理されているのであるが、メッキ槽の長さから被処理物の長さの制限がある場合に、金属製ポール本体を2分割して亜鉛メッキ処理したものをメカニカルジョイント9により連結することで容易に一連化できることとなる。
【0015】このように構成されたものは、全長にわたり外径が略均一なポール本体1の基管部1aを多重管構造としたものであり、外見上は通常のストレートポールと同様に見えるにもかかわらず、基管部1aの機械的強度が大幅に向上しており高速道路の照明灯用ポールのような耐久性を要求される箇所に立設する支柱として高い剛性を有して最適であり、また、生産性に優れていて大幅なコストダウンを図ることができ、更には軽量性に優れていて運搬作業や設置作業等も効率的に行うことができることとなる。なお、前記した説明は高速道路の路肩に所要の間隔をおいて設置する照明灯用ポールとした場合についてのみであるが、旗竿やアンテナポールその他各種の地上に立設される長尺のポールにも利用できることは勿論である。
【0016】〔実施例〕次に、本発明の実施例につき説明する。図1に示されるような長さ10mの金属製ポール(基管部外径:185mm、先端部外径185mm、肉厚:4.5mm)であって、その基管部(高さ:400mm)のみに補強内管(肉厚:3.2mm)を焼き嵌めして二重管構造としたものを、図4に示されるように、リブとベースプレートよりなる固定具を用いてコンクリート上に取付け、静的曲げ試験と衝撃試験を行った。また、実施例1と同様のポール本体であって、補強内管を有さないものの試験結果を比較例とし、得られた結果を表1に示す。なお、静的曲げ試験はポールの先端部(高さ約9.8mの位置)をワイヤで引っ張り、座屈するまでの基管部の最大曲げ応力値を測定した。一方、衝撃試験は約10mの紐の先に1トンの分銅を付け、この分銅を10mの高さからスィングして落下させ、ポールの高さ約8mの位置に衝突させた場合の基管部の破損程度を評価した。
【0017】
【表1】

【0018】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明は高速道路の照明灯用ポールのような耐久性を要求される箇所に立設する支柱として高い剛性を有して最適であり、しかも、生産性に優れていて大幅なコストダウンを図ることができ、更には軽量性に優れていて運搬作業や設置作業等も効率的に行うことができるものである。従って、本発明は従来の問題点を一掃した地上に立設される長尺の金属製ポールとして、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【出願人】 【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日本製鐵株式会社
【出願日】 平成11年7月28日(1999.7.28)
【代理人】 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−43705(P2001−43705A)
【公開日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【出願番号】 特願平11−213028