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【発明の名称】 ホタル発光再現方法及び装置
【発明者】 【氏名】加賀谷 進

【氏名】増嶋 篤

【氏名】木藤 則義

【要約】 【課題】ホタルが飛行しながら発光している様子をホタルの発光状態に極めて近い感じで再現することができ、しかもそれを比較的低コストで実現できる、ホタル発光再現方法及び装置を提供する。

【解決手段】筐体1の頂壁1a上面に分布して配置した水平面内で回動可能な複数のギヤユニット6と、ギヤユニット6に枢支し、ギヤユニット6の水平回動に連動して垂直面内で回動可能な支持棒取付部12と、ギヤユニット6にリンク機構を介して連結し、ギヤユニット6を所定の角度範囲内で水平揺動させ、それに連動して支持棒取付部12を所定の角度範囲内で垂直揺動させる駆動用モータ2と、支持棒取付部12に水平軸を中心として所定角度づつずれて取り付けた長さの異なる複数の支持棒13と、支持棒13の先端に取り付けた発光部14と、発光部14の明滅を制御するコントロールユニット16とを備えてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の発光部を水平揺動と垂直揺動との組み合わせにより運動させ、上記複数の発光部の発光を互いに異なる明滅サイクルとすることを特徴とするホタル発光再現方法。
【請求項2】 前記複数の発光部の高さ位置を異ならせて配置したことを特徴とする、請求項1記載のホタル発光再現方法。
【請求項3】 少なくとも1本の支持棒に取り付けた発光部を備え、該支持棒を水平揺動機構と垂直揺動機構との組み合わせにより水平及び垂直揺動運動を行なわせつつ、発光部を発光させることを特徴とするホタル発光再現装置。
【請求項4】 前記発光部が水平及び垂直揺動運動を行いつつ明滅するよう制御するコントロール部を具備することを特徴とする、請求項3に記載のホタル発光再現装置。
【請求項5】 水平面内で回動可能なギヤユニットと、上記ギヤユニットに枢支され、上記ギヤユニットの水平回動に連動して垂直面内で回動可能な支持棒取付部と、上記ギヤユニットにリンク機構を介して連結され、上記ギヤユニットを所定の角度範囲内で水平揺動させるとともに、上記ギヤユニットの水平揺動に連動して上記支持棒取付部を所定の角度範囲内で垂直揺動させる駆動用モータと、上記支持棒取付部に取り付けられた支持棒と、上記支持棒に取り付けられた発光部と、上記発光部の明滅を制御するコントロールユニットと、を具備したことを特徴とするホタル発光再現装置。
【請求項6】 筐体の頂壁上面に複数の前記ギヤユニットが分布して配置され、前記支持棒取付部に水平軸を中心として所定の角度づつずれて長さの異なる複数の前記支持棒が取り付けられたことを特徴とする、請求項5記載のホタル発光再現装置。
【請求項7】 前記複数の支持棒に取り付けられた複数の前記発光部の明滅のサイクルが互いに異なり、前記ギヤユニットの水平回動と前記支持棒取付部の垂直回動との回転比が互いに異なることを特徴とする、請求項6記載のホタル発光再現装置。
【請求項8】 前記発光部は発光ダイオードであることを特徴とする、請求項3〜7の何れかに記載のホタル発光再現装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自然界のホタルの発光を演出するためのホタル発光再現方法とこの方法を実現したホタル発光再現装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ホタルの数が減少していることにより、ホタルの採取について制限する動きが強まっている。また、自然保護精神の高揚により、ホタルの発光の鑑賞の場所も特定の場所に限定されている。そのため、都市部でホタルの発光を鑑賞することは非常に難しくなっている。
【0003】そこで、ホタルの発光を人工的に再現する試みがこれまでいろいろ行われてきた。例えば、光源として光ファイバー、夜行塗料及び蓄熱発光素子を用いると共に、光源を平面的に配置し、光源の発光のタイミングをソフト的に制御することで、ホタルが明滅発光している様子を再現しようとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技術では、光源の平面的な配置と発光のタイミングの制御だけでは光り方に奥行きが無く、ホタルが飛行しながら発光している様子を再現することは難しく、ホタルの発光というイメージからほど遠いものであった。また、光源の発光座標位置の無作為性を表現するにはかなりの密度での光源の設置が必要であるため、設置及び電源等に関し大きなコストがかかるという問題もあった。
【0005】そこで、この発明は、上述の実情に鑑み、ホタルが飛行しながら発光している様子を極めて自然のホタルの発光状態に近い感じで再現することができ、しかもそれを比較的低コストで実現できるホタル発光再現方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、好ましくは高さ位置が異なる複数の発光部を水平揺動と垂直揺動との組み合わせにより運動させ、上記複数の発光部の発光を互いに異なる明滅サイクルとすることによって、恰もホタルが飛び交いながら発光している様を再現するものである。好ましくは、前記複数の発光部の高さ位置を異ならせて配置することができる。また、請求項3に記載のホタル発光再現装置は、少なくとも1本の支持棒に取り付けた発光部を備え、該支持棒を水平揺動機構と垂直揺動機構との組み合わせにより水平及び垂直揺動運動を行なわせつつ、発光部を発光させることを特徴とする。請求項4に記載のホタル発光再現装置は、請求項3の構成に加え、発光部が水平及び垂直揺動運動を行いつつ明滅するよう制御するコントロール部をさらに具備することを特徴としている。さらに、請求項5に記載の発明は、水平面内で回動可能なギヤユニットと、ギヤユニットに枢支されギヤユニットの水平回動に連動して垂直面内で回動可能な支持棒取付部と、ギヤユニットにリンク機構を介して連結されギヤユニットを所定の角度範囲内で水平揺動させるとともに、ギヤユニットの水平揺動に連動して支持棒取付部を所定の角度範囲内で垂直揺動させる駆動用モータと、上記支持棒取付部に取り付けられた支持棒と、支持棒に取り付けられた発光部と、発光部の明滅を制御するコントロールユニットと、を具備したことを特徴とする。請求項6に記載の発明は、筐体の頂壁上面に複数の前記ギヤユニットが分布して配置され、前記支持棒取付部に水平軸を中心として所定の角度づつずれて長さの異なる複数の前記支持棒が取り付けられたことを特徴とする。また、請求項7に記載の発明は、前記複数の支持棒の先端に取り付けられた複数の発光部の明滅のサイクルが互いに異なり、前記ギヤユニットの水平回動と前記支持棒取付部の垂直回動との回転比が互いに異なることを特徴とする。さらに、請求項8に記載の発明は、前記発光部が発光ダイオードであることを特徴とする。したがって、上記構成によれば、ホタルが飛行しながら発光している様子をホタルの発光状態に極めて近い自然な感じで再現することができ、しかもそれを比較的低コストで実現することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明のホタル発光再現方法を実施するための一実施の形態に係るホタル発光再現装置の概略構成図、図2は、図1の要部平面図、図3は、図2のII−II線に沿う断面図である。この発明に係るホタル発光再現装置は、少なくとも1本の支持棒に取り付けた発光部を備え、水平揺動機構と垂直揺動機構との組み合わせによりこの支持棒を水平及び垂直揺動運動を行なわせつつ発光部を発光させるようにしている。
【0008】図1、2、3に示すホタル発光再現装置は、概略円錐台形状の筐体1の頂壁1aの中央部下面に駆動用モータ2が固定され、このモータ2の出力軸2aが頂壁1aから上方に突出している。出力軸2aには小円盤3が固着され、小円盤3の偏心位置にピン4が直立して固定されている。
【0009】筐体1の頂壁1aの周縁近傍部上面には、複数の支軸5が頂壁1aの円周方向に等間隔に分布して固着され、各支軸5には、概略横円筒状のギヤユニット6のケース6aが水平回動可能に枢着され、ケース6aの支軸5から偏心した位置には、ピン7が垂下して固定されている。リンク8の一端はピン4に枢着されるとともに、他端はピン7に枢着され、小円盤3、ピン4,7、ケース6a及びリンク8により、リンク機構を構成している。そして、駆動用モータ2で小円盤3を回転させると、リンク機構を介してギヤユニット6のケース6aが所定の角度範囲、たとえば90度の範囲で水平揺動するようになっている。後述する支持棒13を水平揺動させる水平揺動機構は、以上のように構成されている。
【0010】図4は、ギヤユニット6の詳細構造を示す一部破断正面図であって、そのケース6aの内部において、支軸5の先端にべベルギヤ9が固着されている。ケース6aの両端壁には、一対の水平支軸10が枢支され、各内部端にベベルギヤ9と噛合するベベルギヤ11が固着されている。水平支軸10の外部端には、支持棒取付部12が固着され、この支持棒取付部12には、それぞれ長さの異なる複数のパイプ状の支持棒13が水平支軸10を中心として所定の角度づつずれて着脱自在に取り付けられている。このように、ベベルギヤ9,11を介して水平支軸10に枢支された支持棒取付部12は垂直面内を所定の角度範囲内で回動せしめられ、これが本実施形態による垂直揺動機構を構成している。
【0011】図5に示すように、支持棒13の先端には発光部14が固着され、発光部14は支持棒13内を通る配線コード15を介して、図1に示すように電源コントロールユニット16に接続されている。発光部14には、たとえばホタルが発光する光の波長に近い波長の発光ダイオードが用いられ、電源コントロールユニット16は、発光部14の明滅を漸次的に、しかも支持棒取付部12の動き(サイクル)とタイミングをずらして、例えば1点灯1滅と1点灯3滅の組み合わせで行う。なお、発光部14としては、ホタルが発光する光の波長に近い波長の光を発光するものであれば、微小球ランプでもよい。また、電源コントロールユニット16は、駆動用モータのON−OFFも制御する。なお、支持棒13はその長さを任意に可変し得る伸縮ロッドとすることができる。
【0012】図6は支持棒13を取り付ける支持棒取付部12の詳細を示すもので、図7は図6のVI−VI線断面図である。支持棒取付部12は、例えば6分割したゴム材などの円板12a〜12fを用いて3本の支持棒13を支持固定することができる。各円板12a〜12fは図7に示すように、中心に水平支軸10を通す孔12gが形成されると共に、中心孔12gから変位した位置に支持棒13を収容して支持するための溝部12hが形成されており、例えば1本の支持棒13aはその基端部が円板12a,12bの溝部12hに嵌合される形で収容されて、二つの円板12a,12bに挟着されて支持される。これにより各支持棒13は、各支持棒取付部12a〜12fを水平支軸10に通して適宜に角度調節することによって放射状又は扇状に拡開されることができる。このように、所望の個数の支持棒取付部12を水平支軸10に通すことによって、支持棒13及び発光部14の個数を所望の数とすることができる。また、支持棒取付部12を図示例のように2つの円板を張り合わせて形成することなく、1個の円筒を一体成形して形成し、このようにして形成した円筒状の支持棒取付部12に適当な間隔で支持棒13を埋設するようにしてもよい。
【0013】なお、図8において、17は筐体1が載置されて固定される架台、18は架台17の底面に固着された複数本たとえば4本の杭である。
【0014】この発明によるホタル発光再現装置の動作は、以下の通りである。まず、杭18を所定の地面に差し込み、架台17を固定する。次に、電源コントロールユニット16により駆動用モータ2をONにすると、小円盤3が回動し、各ギヤユニット6が水平面内を所定の角度範囲内で揺動させられる。それと同時にベベルギヤ9,11を介して支持棒取付部12も垂直面内を所定の角度範囲内で回動せしめられる。さらに、これらの動きと一緒に支持棒13の先端に取り付けられた発光部14が電源コントロールユニット16からの制御により明滅せしめられる。このようにして、複数の発光部14が明滅しながらあたかもランダムで非線形な軌跡を描きながら動くという様が実現される。これらを暗い状態の下で見ると、あたかもホタルが明滅しながら飛び交うように見える。
【0015】さらに、本発明は、ホタルの発光状態をビデオカメラで撮影し、詳細に分析して、具体的に自然のホタルの発光状態に近づけるために、以下の項目の表現を実現する。
1.発光部がホタルらしい明滅をする2.発光部が空間を縦横に動く3.発光部が不規則な動きを行なう4.発光部の動くスピードが一定でない【0016】その具体例を示すと以下の通りである。ホタルの飛ぶ状態を再現するために、まず駆動用モータ2の回転数を8.3回転/分とした。また、複数のホタルが高さの異なる状態でランダムに分布して発光する状態を実現するために、発光部14を支持する支持棒13の長さが200mm〜1000mmで異なるものを各ギヤユニット6毎に6本づつ固定した。
【0017】さらに、ギヤユニット6は、ベベルギヤ9とベベルギヤ11とのギヤ比が1:2で可動角45度のものを2個、ベベルギヤ9とベベルギヤ11とのギヤ比が1:1で可動角90度のものを1個とした。支持棒13は、強度と動作時のしなりを考慮して4mmのステンレス中空パイプを使用し、それに黒色塗装を施して反射しないようにした。
【0018】発光部14にはInGaAlP系の純緑色発光ダイオードを使用し、ホタルの拡散光を再現するために発光部14を乳白色のカバー19で覆い、ホタルの形態に似せるために該カバー19の先端部を黒くした。さらに、発光制御のために電源コントロールユニット16から出力される電圧のパルス幅を約3sec.の繰り返しとし、電圧は5Vとした。発光部14の明滅パターンは、上述の如く1点灯1滅と1点灯3滅の組み合わせとした。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、本発明装置の可動範囲内において発光部が、順次、点灯,消灯,点灯・・・の繰り返しが長さ及び傾きの違う支持棒で支持された状態で行われるために、ホタル発光の予測できない不規則な明滅及び動きを実現することができる。また、複数の支持棒の長さ及び傾きが異なることにより、複数の発光部が空間をまんべんなく埋めると同時にその可動範囲及びスピードに変化を与えることができ、それにより多数のホタルが飛行している状態を再現することができる。また、ギヤユニットにおいて、ギヤ比が2種類のベベルギヤを用いることで、発光部の可動範囲及び移動速度を異ならせることができ、ホタル発光再現状態をより自然に近い形で実現することができる。さらに、支持棒を黒く着色し且つ細くすることで、暗所で発光部のみを空間を浮遊するように見せることができる。
【出願人】 【識別番号】000224798
【氏名又は名称】同和鉱業株式会社
【識別番号】593186828
【氏名又は名称】藤田観光株式会社
【出願日】 平成11年6月21日(1999.6.21)
【代理人】 【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸 (外1名)
【公開番号】 特開2001−6410(P2001−6410A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−174724