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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】小城 洋

【氏名】翁 崇

【要約】 【課題】視認性が向上。見栄えが向上。

【解決手段】前面レンズ2の表面又は及び裏面に、光源バルブ4からの光を拡散させて出射させ、かつ、灯室3内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部20が、設けられている。この結果、光源バルブ4からの光がプリズム構造部20で拡散照射されるので、照射範囲Bを広げることができるので、点灯時において視認性が向上される。プリズム構造部20により、灯室3内に入射した外来光が分光して出射するので、虹色の装飾効果が得られて灯具内部が見難くなり、見栄えが向上される。特に、灯室3内がアルミ蒸着や銀色塗装等により金属の高輝度感を呈する場合には、この金属の高輝度感と虹色の装飾効果とが相俟って、見栄えがさらに向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプハウジング及び素通しの前面レンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びリフレクタが配置されており、前記光源バルブを点灯することにより、前記光源バルブからの光が前記リフレクタで反射されて前記前面レンズを経て外部に所定の配光パターンで照射される車両用灯具において、前記前面レンズの表面又は及び裏面には、前記光源バルブからの光を拡散させて出射させ、かつ、前記灯室内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部が、設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 ランプハウジング及び素通しの前面レンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びインナーレンズが配置されており、前記光源バルブを点灯することにより、前記光源バルブからの光が前記インナーレンズ及び前記前面レンズを経て外部に所定の配光パターンで照射される車両用灯具において、前記前面レンズの表面又は及び裏面には、前記光源バルブからの光を拡散させて出射させ、かつ、前記灯室内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部が、設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】 ランプハウジング及び素通しの前面レンズにより灯室が画成されており、前記灯室内には光源バルブ及びリフレクタ及びインナーレンズが配置されており、前記光源バルブを点灯することにより、前記光源バルブからの光が前記リフレクタで反射されて前記インナーレンズ及び前記前面レンズを経て外部に所定の配光パターンで照射される車両用灯具において、前記前面レンズの表面又は及び裏面には、前記光源バルブからの光を拡散させて出射させ、かつ、前記灯室内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部が、設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項4】 前記灯室内は、アルミ蒸着や銀色塗装等により金属の高輝度感を呈する、ことを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の車両用灯具。
【請求項5】 請求項1又は2又は3又は4に記載の車両用灯具は、ヘッドランプと一体に組み合わせられた灯具であって、前記前面レンズは、一体構造をなして共有するものである、ことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ターンシグナルランプやクリアランスランプ等の車両用灯具であって、前面レンズ(若しくは、アウターレンズ。本明細書においては、前面レンズと称する)が素通しである車両用灯具に係り、特に、点灯時において照射範囲が広がって視認性が向上され、また、非点灯時において虹色の装飾効果が得られて内部を見難くして見栄えが向上された車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、この種の従来の車両用灯具を、図5及び図6を参照して説明する。この例は、単体の灯具のフロントターンシグナルランプに使用した例について説明する。図5はリフレクタにより配光制御を行う車両用灯具の横断面図、図6はインナーレンズにより配光制御を行う車両用灯具の横断面図である。
【0003】まず、図5の車両用灯具について説明する。図5において、1はランプハウジングである。このランプハウジング1の前面開口部には、素通しの前面レンズ2が配置されており、このランプハウジング1及び素通しの前面レンズ2により灯室3が画成されている。この灯室3内には、光源バルブ4及び樹脂製のリフレクタ5が配置されている。この光源バルブ4は、アンバー色に着色されたガラス管球を有する。また、リフレクタ5の前面側には、光源バルブ4からの光を拡散反射させて配光を制御する反射面50が設けられている。この反射面50は、アルミ蒸着や銀色塗装等により、金属の高輝度感を呈する。なお、ランプハウジング1の内面(立ち壁の内面)も、アルミ蒸着や銀色塗装等により、金属の高輝度感を呈する。そして、前記光源バルブ4を点灯すると、この光源バルブ4からのアンバー色の光がリフレクタ5の反射面50で拡散反射され、その拡散反射光が前面レンズ2を経て外部に所定の配光パターンで照射される。この所定の配光パターンとは、目的の規格、法規を満足する配光パターンを言う。なお、図5中、Aは照射範囲、Z−Zは光軸をそれぞれ示す。
【0004】次に、図6の車両用灯具について説明する。図6中、図5と同符号は同一のものを示す。この車両用灯具は、図5の車両用灯具のリフレクタ5の代わりに、金属製のリフレクタ6及びインナーレンズ7を灯室3内に配置したものである。この金属製のリフレクタ6の前面には、アルミ蒸着や銀色塗装等の反射面が設けられており、一方、インナーレンズ7の内面(光源バルブ4と対向する側の面)には、リフレクタ6からの光を拡散反射させて配光制御するプリズム素子群70が設けられている。このプリズム素子群70は、縦シリンドリカル、横シリンドリカル、球状形状をなす。そして、前記光源バルブ4を点灯すると、この光源バルブ4からの光がリフレクタ6の反射面で反射され、その反射光がインナーレンズ7を拡散透過し、その拡散透過光が前面レンズ2を経て外部に所定の配光パターンで照射される。この図6の車両用灯具の場合において、リフレクタ6を使用せずに、光源バルブ4からの直射光をインナーレンズ7を介して配光制御する場合もある。なお、従来の車両用灯具においては、図5の車両用灯具及び図6の車両用灯具以外に、図5のリフレクタ5と図6のインナーレンズ7とにより、配光制御する灯具もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来の車両用灯具は、リフレクタ5の反射面50(図5の車両用灯具)、又は、インナーレンズ7のプリズム素子群70(図6の車両用灯具)により、配光制御を行うものであるから、照射範囲Aが主に前面レンズ2の前面部(図5及び図6において、水平部分であって、前面レンズ2の立ち壁を除いた部分)の大きさによって決まってしまうので、上述の照射範囲Aを広げられず、視認性に課題がある。また、上述の従来の車両用灯具は、素通しのインナーレンズ2を使用するものであるから、素通しのインナーレンズ2を通して灯室3内を見る(図5中の実線矢印を参照)と、灯具内部が露骨に見え、見栄え上課題がある。
【0006】本発明の目的は、点灯時において照射範囲が広がって視認性が向上され、また、非点灯時において虹色の装飾効果が得られて内部を見難くして見栄えが向上された車両用灯具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、前面レンズの表面(灯室と対向する面と反対側の面)又は及び裏面(灯室と対向する側の面)に、光源バルブからの光(リフレクタからの反射光やインナーレンズからの透過光)を拡散させて出射させ、かつ、灯室内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部が、設けられている、ことを特徴とする。
【0008】この結果、本発明の車両用灯具は、リフレクタやインナーレンズ以外に、前面レンズのプリズム構造部により、光源バルブからの光を拡散照射、すなわち、配光制御するものであるから、照射範囲を、リフレクタやインナーレンズによる範囲よりもプリズム構造部による範囲の分、広げることができるので、点灯時において視認性が向上される。また、素通しの前面レンズに設けたプリズム構造部により、灯室内に入射した外来光が分光して出射するので、そのプリズム構造部において虹色の装飾効果が得られ、この虹色の装飾効果で灯具内部が見難くなり、見栄えが向上される。特に、灯室内がアルミ蒸着や銀色塗装等により金属の高輝度感を呈する場合には、この金属の高輝度感と虹色の装飾効果とが相俟って、見栄えがさらに向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用灯具の実施形態のうちの3例及び変形例を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本発明の車両用灯具の第1実施形態を示した横断面図である。図中、図5及び図6と同符号は同一のものを示す。
【0010】この第1実施形態における本発明の車両用灯具は、上述の図5の車両用灯具に対応し、前面レンズ2の裏面に、光源バルブ1からの光であって、リフレクタ5の反射面50からの反射光を拡散させて出射させ、かつ、灯室3内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部20が、設けられている。このプリズム構造部20は、凸形状の縦三角柱プリズムからなり、前面レンズ2に複数本、この例では4本、一体に設けられている。この縦三角柱プリズムのプリズム構造部20における左側辺の長さや傾斜角度と右側辺の長さや傾斜角度とは、前面レンズ2の傾斜角度に対応しており、照射範囲B(出射光の拡散角度)や分光作用(虹色の光が出易さ)を決定するものである。なお、この凸形状の縦三角柱プリズムのプリズム構造20において、高さは約1.5mm、幅は約6mmである。
【0011】この第1実施形態における本発明の車両用灯具は、以上の如き構成からなるものであるから、光源バルブ4を点灯すると、この光源バルブ4からの光がリフレクタ5の反射面50で拡散反射され、その拡散反射光が前面レンズ2を経て外部に照射範囲Aで照射される。また、上述の拡散反射光が前面レンズ2のプリズム構造部20でクロス拡散して、上述の前面レンズ2を経て外部に照射範囲Bで照射される。この結果、所定の配光パターンが得られる。
【0012】このように、この第1実施形態における本発明の車両用灯具は、リフレクタ5の反射面50以外に、前面レンズ2のプリズム構造部20により、光源バルブ4からの光(リフレクタ5の反射面50で拡散反射された拡散反射光)を拡散照射、すなわち、配光制御するものであるから、照射範囲を、リフレクタ5の反射面50による範囲Aよりもプリズム構造部20による範囲Bの分、広げることができるので、点灯時において視認性が向上される。
【0013】また、この第1実施形態における本発明の車両用灯具は、素通しの前面レンズ2に設けたプリズム構造部20により、灯室3内に入射した外来光がリフレクタ5の反射面50や灯室3内で乱反射して再び外部に出射する際に、分光して出射するので、そのプリズム構造部20において縦ストライプの虹色の装飾効果が得られ、この縦ストライプの虹色の装飾効果で灯室3内、すなわち、灯具内部が見難くなり、図1中の破線矢印に示すように、灯具内を見ても灯具内部が目立たず、批点当時において見栄えが向上される。
【0014】特に、この実施形態のように、灯室3内がアルミ蒸着や銀色塗装等により金属の高輝度感を呈する場合には、この金属の高輝度感と虹色の装飾効果とが相俟って、見栄えがさらに向上する。なお、この第1実施形態における本発明の車両用灯具は、フロントターンシグナルランプであるから、点灯時にはアンバー色の光が照射されるので、上述の虹色の光は、さほど気にならない。
【0015】図2は本発明の車両用灯具の第2実施形態を示した横断面図である。図中、図1及び図5及び図6と同符号は同一のものを示す。この第2実施形態における本発明の車両用灯具は、上述の図6の車両用灯具に対応し、上述の第1実施形態のものと同様に、前面レンズ2の裏面にプリズム構造部20を設けたものであって、上述の第1実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。
【0016】図3はプリズム構造部の変形例を示した一部横断面図である。(A)におけるプリズム構造部21は、凹形状の縦三角柱プリズムからなるものである。この凹形状のプリズム構造部21は、凸形状のプリズム構造部20と比較して、前面レンズ2の表面においてひけが発生する虞がない。また、この凹形状のプリズム構造部21における拡散照射は、オープン拡散となる。(B)におけるプリズム構造部21′は、(A)と同様に、凹形状の縦三角柱プリズムからなり、前面レンズ2の基準肉厚22(一点鎖線にて示す)に対して肉盛りして凹形状のプリズム構造部21′を形成してなるものである。この凹形状のプリズム構造部21′は、全体が肉厚となるので、ひけの虞がなく、また、強度が大となる。(C)におけるプリズム構造部23は、凸形状の縦台形柱プリズムからなる。また、(D)におけるプリズム構造部24は、凹形状の縦台形柱プリズムからなる。
【0017】図4は本発明の車両用灯具の第3実施形態を示した横断面図である。図中、図1乃至図3及び図5及び図6と同符号は同一のものを示す。この第3実施形態における本発明の車両用灯具は、上述の第1実施形態の変形例であって、フロントコンビネーションランプのフロントターンシグナルランプに使用した例である。
【0018】図4において、C及びC′は4灯式のヘッドランプ、Dは本発明の車両用灯具のフロントターンシグナルランプである。この4灯式のヘッドランプC及びC′(走行用のヘッドランプC及びすれ違い用のヘッドランプC′)とフロントターンシグナルランプDとにより、フロントコンビネーションランプを構成する。上述の4灯式のヘッドランプC及びC′は、ランプハウジング1と素通しの前面レンズ2により画成されている灯室3内に、光源バルブ4′とリフレクタ5′とが配置されている。この光源バルブ4′は、シングルフィラメントのハロゲンバルブ、白熱灯、放電灯などからなる。一方、リフレクタ5′は、表面にアルミ蒸着や銀色塗装等の反射面が設けられており、この反射面において配光を制御するものである。
【0019】この第3実施形態における本発明の車両用灯具は、上述の第1実施形態のもの及び第2実施形態のものと同様の作用効果を達成することができる。特に、この第3実施形態のものは、ヘッドランプC及びC′とのコンビネーションランプであるから、このヘッドランプC及びC′のリフレクタ5′及び灯室3内のアルミ蒸着や銀色塗装等による金属の高輝度感を損なわずに、本発明の車両用灯具のフロントターンシグナルランプD内部を、装飾的なダミーシェード等を使用せずに、目立たなくしている効果がある。すなわち、現在のヘッドランプC及びC′は、リフレクタ5′の反射面で配光の制御を行い、前面レンズ2として素通しのものを使用し、灯室3内の内部のアルミ蒸着や銀色塗装等による金属の高輝度感を呈して装飾効果を得るものである。一方、このヘッドランプC及びC′と組み合わせられる信号灯、この例では、フロントターンシグナルランプDにおいては、ヘッドランプC及びC′と比較して、ランプの構造上、素通しの前面レンズ2とリフレクタ5との間の距離が小であるから、内部の構造物、例えば、光源バルブ4が目立ち易い。このために、従来の車両用灯具においては、装飾的なダミーシェード等を使用して、内部の構造物(光源バルブ4)をできる限り隠して目立たなくして装飾的効果を得るものである。これに対して、この第3実施形態における本発明の車両用灯具は、上記の構成のように、素通しの前面レンズ2にプリズム構造部21′を設けたものであるから、ヘッドランプC及びC′とフロントターンシグナルランプDとを組み合わせた灯具であって、一体構造の素通しの前面レンズ2を共有する灯具であっても、ヘッドランプC及びC′の金属高輝度感を損なわずに、かつ、装飾的なダミーシェード等を使用せずに、見栄えを向上させることができる。
【0020】なお、図4においては、すれ違い用のヘッドランプC′側の光源バルブ4′及びリフレクタ5′を図示し、走行用のヘッドランプC側の光源バルブ及びリフレクタを図示していないが、この走行用のヘッドランプC側にも、図示のすれ違い用のヘッドランプC′の光源バルブ4′及びリフレクタ5′とほぼ同様の光源張る及びリフレクタが配置されている。また、上述の4灯式のヘッドランプ以外に、2灯式のヘッドランプとフロントターンシグナルランプDとを組み込んだフロントコンビネーションランプであっても良い。
【0021】なお、上述の実施形態において、プリズム構造部20〜24は前面レンズ2の表面に設けたものであるが、本発明の車両用灯具は、前面レンズ2の裏面、表裏両面にプリズム構造部20から24を設けても良い。また、本発明の車両用灯具は、図1のリフレクタ5と、図2のインナーレンズ7とを組み合わせた車両用灯具にも適用できる。さらに、上述の実施形態において、プリズム構造部20から24は前面レンズ2に一体の設けたものであるが、本発明の車両用灯具は、プリズム構造部を前面レンズと別個に設けても良い。さらにまた、上述の実施形態において、プリズム構造部20から24は縦方向に設けたものであるが、本発明の車両用灯具は、プリズム構造部を、横方向、斜め方向、放射方向、同心円状、格子状に設けても良い。さらにまた、上述の実施形態においては、ターンシグナルランプやクリアランスランプ等の単体の灯具、また、フロントコンビネーションランプにおけるフロントターンシグナルランプ等の複数個が組み合わせられた灯具について説明したものであるが、本発明の車両用灯具は、その他の車両用灯具にも適用できる。
【0022】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の車両用灯具は、前面レンズの表面又は及び裏面に、光源バルブからの光を拡散させて出射させ、かつ、灯室内に入射した外来光を分光させて出射させるプリズム構造部が、設けられているものであるから、このプリズム構造部により、光源バルブからの光を拡散照射するので、照射範囲を広げることができるので、点灯時において視認性が向上される。また、プリズム構造部により、灯室内に入射した外来光が分光して出射するので、虹色の装飾効果が得られて灯具内部が見難くなり、見栄えが向上される。特に、灯室内がアルミ蒸着や銀色塗装等により金属の高輝度感を呈する場合には、この金属の高輝度感と虹色の装飾効果とが相俟って、見栄えがさらに向上する。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【出願日】 平成11年6月24日(1999.6.24)
【代理人】 【識別番号】100059269
【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
【公開番号】 特開2001−6407(P2001−6407A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−178518