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【発明の名称】 アセチレンボンベ用圧力調整装置
【発明者】 【氏名】野村 眞澄

【氏名】右近 素夫

【要約】 【課題】アセチレンボンベのバルブに接続して減圧するための圧力調整装置であって、減圧弁一次側に逆火防止手段を具備する。

【解決手段】アセチレンボンベのバルブに接続して減圧するための圧力調整装置において、該圧力調整装置が、減圧弁本体と、該減圧弁の一次側管路と該ボンベバルブ出口とを連結する連結管と、該連結管の先端をボンベバルブ出口に押圧固定するための万力とから成り、該連結管の内部に、アセチレンガスが流通可能な焼結多孔体を防爆用に設ける。特に、焼結多孔体が、ブロック状をなして、ボンベバルブ出口部に接続されるべき連結管の開口部に続く拡径部に圧入されて固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アセチレンボンベのバルブに接続して減圧するための圧力調整装置において、該圧力調整装置が、減圧弁本体と、該減圧弁の一次側管路と該ボンベバルブ出口とを連結する連結管と、該連結管の先端をボンベバルブ出口に押圧固定するための万力とから成り、該連結管の内部に、アセチレンガスが流通可能な焼結多孔体を防爆用に設けたことを特徴とするアセチレンボンベ用圧力調整装置。
【請求項2】 上記の焼結多孔体が、ブロック状をなして、ボンベバルブ出口に接続されるべき連結管の開口部に挿入固定されて成る請求項1に記載の圧力調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセチレンボンベのバルブに接続して減圧するための圧力調整装置に関して、特に、逆火防止手段を備えたアセチレン用圧力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アセチレンガスは、酸素ガスと共に鋼材の溶接や切断加工に広く使用されており、通常は、ボンベに貯蔵されて、保管輸送される。使用時には、アセチレンボンベには圧力調整装置が接続されて、低圧にしたアセチレンガスをトーチに供給してなされる。
【0003】圧力調整装置は、減圧弁本体と、該減圧弁の一次側管路とボンベバルブ出口とを連結する連結管と、この連結管の先端をボンベバルブ出口に押圧固定するための万力とから成り、減圧弁の一次側を、連結管により、ボンベバルブの出口に接続し、減圧弁の二次側には、ゴムホースを接続し、溶接用ないし溶断用などのトーチに接続される(例えば、実開平6−43499号)。
【0004】アセチレンガスは、使用時の酸素のアセチレンホース内ヘの逆流により、逆火しやすく、アセチレンガスがホースなどの管路で逆火すると、ホース内の燃焼域が、アセチレンの上流側に移行して、減圧弁を通過し、さらには、ボンベ内部にまで移行する危険があり、重大な事故に繋がる可能性があることは、広く認識されている。
【0005】このような逆火に対する対策として、アセチレンホースの途中に、或いは、減圧弁の出口側に、逆火防止器を取り付けることがなされている。乾式として、逆火防止器には、多孔質のセラミック又は金属の焼結円筒を利用して、逆火防止器の構造を、アセチレンガスが、円筒の内部から多孔質の円筒壁を通過して外部に至るようにガス経路(逆の流通経路でも良いが)に工夫したものが知られており、広く利用されている。逆火の際には、多孔体を通過しようとする火焔を冷却してその温度を低下させ、燃焼域の逆流を防止するものである。多くの逆火防止器は、逆火の際に作動する逆止弁を併用している。
【0006】また、ボンベ内部に取り付ける逆火防止器も知られており、ボンベ内であって、バルブに近い出口に至る首部に円筒状の多孔体を取着して、アセチレンの流れが、円筒体の多孔質の筒壁を通過する用にハウジングを設けて、取り付けられるものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の逆止弁は、逆止弁移行のガス流路で生じた逆火に対処するものであるが、アセチレンガスの逆火には、これと異なり、ボンベのバルブと減圧弁との間で発生する場合もある。通常の作業準備には、アセチレンボンベのバルブに減圧弁を接続して、所要のトーチに接続されたホースの金具を減圧弁出口に接続される。溶接作業の開始には、アセチレンボンベのバルブを徐々に開いて、減圧弁一次側管路にアセチレンガスを供給充満させ、次いで、減圧弁を調整して二次側圧力の設定を行なう。
【0008】このような通常の準備作業に対して、操作を誤って、ボンベのバルブを急速に開けて、流入したアセチレンガスが、閉止した減圧弁の一次側管路(これには、減圧弁の一次側圧力計のブルドン管を含む)を急速に加圧するような場合には、減圧弁一次側で、圧力の高まる過程でアセチレンガス断熱圧縮により高温になり、アセチレンガスが空気と接触して発火したり、或いは、アセチレン自体が化学分解を生じるような危険がある。このようなアセチレンの燃焼域ないしは分解域が、減圧弁一次側管路で生じると、燃焼域・分解域は、バルブを逆流して、ボンベ内部に移行し、その際には、アセチレンが発熱しながら、ボンベ内のアセチレン分解が進行するような事故につながる。このような事故は、ボンベ内の温度が上昇し、バルブの可溶栓又はボンベの可溶栓が作動してアセチレンガスが噴出し、その噴出したガスに着火すれば、アセチレン容器の火焔により建物の火災となるなどの事故につながる。
【0009】このようなアセチレンガスの減圧弁一次側での逆火事故に対しては、従来のように、減圧弁より下流側に設けた逆火防止器は、全く役立たない。他方、ボンベ内で且つバルブ直下に設けた逆火防止器は、逆火防止器を点検整備するには、ボンベバルブを取り外す必要があるので、ボンベ自体の定期検査の時期以外では、困難であり、これらの点から、ボンベ内臓型の逆火防止器は普及していない。
【0010】本発明は、上記の逆火防止器の問題に鑑み、ボンベバルブから減圧弁一次側管路において発生するような逆火を有効に防止するための逆火防止器を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の圧力調整装置は、アセチレンボンベのバルブに接続して減圧するための減圧弁と、減圧弁本体の入口とボンベバルブの出口とを接続する連結管とを含み、連結管の内部に、アセチレンガスが流通可能な防爆用の焼結多孔体を設けたことを特徴とする物である。
【0012】本発明において、焼結多孔体には、ブロック状をなして、ボンベバルブ出口に接続されるべき連結管の開口部に挿入固定されるものを利用できる。
【0013】焼結多孔体の別の態様は、中空状の焼結多孔体を使用して、上記の連結管内に多孔体の中空部の一端開口部がいずれか管路一端側に連通し、この多孔体の中空部の他端が閉止されて、多孔体の中空体外面と管路内壁との間に隙間を設けて該隙間が管路他端側に連通して成るものが利用できる。
【0014】焼結多孔体は、このような減圧弁の一次側管路内に配置されて、通常は、必要な流量のアセチレンガスを透過させるが、作業者の不注意でボンベのバルブを急激に開けた時には、バルブ出口でアセチレンガスの圧力が急激に高まっても、焼結多孔体は、アセチレンガスの流通に抵抗を与えて流速を制限するので、減圧弁に一次側の管路での圧力上昇速度が抑えられ、逆火ないしは、異常分解が防止できる。さらに、仮に、減圧弁の該一次側管路で逆火が生じた場合にも、上記の焼結多孔体は、逆火した分解ガスを冷却し、その進行を阻害して、逆火を消すことができる。
【0015】このような焼結多孔体には、金属焼結体とセラミック焼結体がある。熱伝導度が大きく、分解ガスを急速に冷却する点では、金属焼結体が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】図2は、減圧弁20の入り口側に連結管3を取付けて、万力4と組み合わせたアセチレンガス用の圧力調整装置を示す。この図で、減圧弁2には、減圧弁本体20(図1参照)の一次側管路21(ガス入り口側)に連結管3がねじ込み固定され、二次側は、別体の逆火防止装置26(図1参照)を介して、ホース接続管27がねじ込み固定されている。減圧弁本体20には、弁の一次側に一次側圧力計24が、また、弁の二次側には二次側圧力計25が、接続されている。
【0017】万力4は、この例では、外形矩形状で、中刳りされたリング状をなし、鋼又は鋳鉄等の金属材料で形成され、万力4の相対向する両辺の一方には、連結管3を挿通するためにシース管6をねじ込むためのねじ孔42が貫通されている。万力4の他方の一辺には、先端が突起状である締めつけ用ねじ棒5(クランプボルト)をねじ込むために、ねじ孔43が貫通形成されている。ねじ棒5には、突起先端50の反対側の端部51に、ハンドル52が、嵌挿され、ハンドル52によりねじ棒5を回動することにより、突起状先端50が進退可能とされている。
【0018】この万力4を使用して、図2に示すように、連結管3の入り口をボンベバルブ72の出口部74に配置し、ボンベバルブ72の前記出口部74の反対側には、適当に設けた凹みにねじ棒5の先端突起50を当接して、ねじ棒5の回動により、万力4を連結管3とねじ棒5との間で、ボンベバルブ72に固定すると共に、連結管3の開口部31をボンベバルブの出口部74に気密的に接続し、連結管3の該一端32に接続した減圧弁2に、ボンベバルブを接続し且つ固定される。
【0019】連結管3は、後端部32が、ねじを形成して、減圧弁本体(図1参照)の一次側管路21にねじ込み可能にされている。連結管の先端部33は、拡径されて6角ボルトヘッドの拡径部33を備えて、連結管3を減圧弁2の一次側管路へのねじ込む際のボルトヘッドをなしている。さらに、連結管3は、シース管6に挿通され、6角ヘッドの拡径部33が、シース管6の先端を受止してその抜けを防止するためのストッパーをなしている。当該拡径部の先端は、連結管3の管路が開口部31なして、開口部31は、比較的薄いリングをなしている。開口部31は、ボンベバルブの出口部74の廻り端面の凹部に容易に嵌合して、ガスケットないしシール38を介して、ボンベバルブの出口部74と気密に接続されるようにされている。
【0020】この実施例においては、図1に示すように、焼結多孔体8については、連結管3の6角ヘッドの拡径部33を利用して、拡径部33端面に開口する管路34が、端面側から拡大されて、アセチレンガスが流通可能な焼結多孔体8が、管路の拡大部33のこの管路34内に挿入されて固定されている。この焼結多孔体8は、通常は、円柱状又はディスク状であるが、その外径は、拡径部34の直径よりわずかに大きく成形され、この多孔体8を管路の拡大部の管路34に圧入してかしめ固定するのが簡便でよい。
【0021】多孔体8は、開口部31側の表面から反対側の表面に通気できるように、連通気孔を多数形成してある。多孔体は、アセチレンガスの圧損が少なくて、気孔の通気度は、定常的にアセチレンガスが流通可能な程度に調整されている。このような多孔体は、鉄系の焼結体やセラミックス焼結体を利用することができる。
【0022】使用時において、始めに、アセチレンボンベのバルブに、上記のような圧力調整装置1が、万力4により固定される。この状態から、仮に誤ってボンベのバルブ72が急激に開いたときに、ボンベのバルブから急激に出たアセチレンガスは、管路開口部31から上記の多孔体8を通過するが、ガスは多孔体を通過の際に減速される。減速されたアセチレンガスは、連結管3の管路30を経由して、減圧弁2の一次側管路に到達するので、減圧弁2内ではゆっくりとガス圧が増加し、この過程ではアセチレンの分解や着火の機会が少なくなる。これにより、減圧弁内での燃焼やその逆火を有効に防止することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明のアセチレンボンベ用圧力調整装置は、減圧弁本体と該減圧弁の一次側管路と該ボンベバルブ出口とを連結する連結管の内部にアセチレンガスが流通可能な焼結多孔体を防爆用に設けたので、減圧弁バルブの急激な開動操作が行なわれても、これに起因する減圧弁バルブ一次側管路内でのアセチレンガスの分解や着火を有効に防止することができ、アセチレンボンベの安全な使用を確保することができる。
【0024】上記の焼結多孔体は、ブロック状をなして、連結管の開口部に挿入固定されるので、焼結多孔体の装着が容易であり、且つ交換も簡単にできるので、多数の圧力調整装置に防爆用として配置することができる。
【出願人】 【識別番号】000168632
【氏名又は名称】高圧ガス工業株式会社
【出願日】 平成12年2月3日(2000.2.3)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−215000(P2001−215000A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−26300(P2000−26300)