| 【発明の名称】 |
複合材圧力容器及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 友裕
【氏名】染谷 佳昭
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| 【要約】 |
【課題】複合材圧力容器において、補強用の複合材層の効果を最大限に引き出して高い耐破壊圧力性能を発揮する軽量の容器を提供する。
【解決手段】複合材圧力容器を、インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させた構造とする。前記樹脂層は接着性に優れ且つ伸びの大きい熱可塑性樹脂層が適している。或いは、インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させてトウプレグによりフィラメントワインディングした構造とする。上記インナライナは金属インナライナを用いて良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させた複合材圧力容器。 【請求項2】 前記樹脂層が接着性に優れ且つ伸びの大きい熱可塑性樹脂層である請求項1に記載の複合材圧力容器。 【請求項3】 インナライナとFRPの間に接着性に優れ且つ伸びの大きい熱可塑脂層を介在させてトウプレグによりフィラメントワインディングした複合材圧力容器。 【請求項4】 前記インナライナが金属インナライナである請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合圧力容器。 【請求項5】 インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させる複合材圧力容器の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、軽量で宇宙用気蓄器などに用いられる圧力容器等及びその製造方法に係り、更に詳しくは、高い破壊圧力を発現させた複合材圧力容器とその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】気体を蓄積する圧力容器としては、一般にスチール製が広く用いられており、消火器、窒素ガス容器、プロパンガス容器などが広く知られている。しかしスチール製容器は重いので用途によっては適用されない。例えば、特に軽量であることが要求される宇宙用気蓄器や航空機用途にはFRPを補強材に用いた複合材圧力容器が多く使用されている。その他、民生用としても例えば近年環境保護の点で注目されている天然ガス容器(NGV)には軽量な複合材圧力容器が適用されている。 【0003】この種の圧力容器は、一般に非金属(主に樹脂)或いは金属製のインナーライナの上に補強層を設ける方法、また必要に応じてはウェット・フィラメントワインディングする方法等で製造されている。 【0004】すなわち、例えば薄膜中空のチタニウム製のライナ(内層容器)の上に、エポキシ樹脂組成物を含浸したガラス繊維トゥ或いは炭素繊維トゥ等の補強層をフィラメント(補強繊維)をフープ巻き、ヘリカル巻き等により連続的に密に巻回することでフィラメントワインディングを行う。 【0005】その後、所定時間、オーブン中で全体を加熱して硬化させ冷却させることにより各部を固化させることで繊維補強された複合材圧力容器が完成する。もちろん必要とされる強度が低いものについてはフィラメントワインディングは行わず単にFRP等の補強材のみを巻回した構造も採用される。 【0006】ところで、複合材圧力容器においては、複合材の保有する破断歪み以前で圧力容器が破壊する例も見られる。圧力破壊させた後の供試体を詳細に観察し、また応力解析の結果、想定値より低い圧力で破壊した圧力容器の場合には、金属ライナーと複合材層との間に間隙が生じると層間でスベリが発生していることが推定された。 【0007】しかしながら、上述したような従来の方法においては、樹脂が室温で液状であるという制限があり、複合材料の機械的特性を高められない問題点があった。特に、高い機械的特性を発揮するトウプレグを使用した構造のものは内層の容器ライナと複合材層の間に“間隙”及び“スベリ”が生じ、本来の高い破壊圧力を発現できない欠点があった。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる従来技術の持つ課題に着目して案出されたもので、補強用の複合材層の効果を最大限に引き出して高い耐破壊圧力性能を発揮する軽量の複合材圧力容器を提供することを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明では、複合材圧力容器を、インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させた構造とする。前記樹脂層は接着性に優れ且つ伸びの大きい熱可塑性樹脂層としても良い。或いは、インナライナとFRPの間に接着性に優れ且つ伸びの大きい熱可塑脂層を介在させてトウプレグによりフィラメントワインディングして複合材圧力容器を構成する。また、上記の夫々において前記インナライナは金属インナライナを用いても良い。本発明の複合材圧力容器の製造方法では、インナライナとFRPの間に樹脂層を介在させる。 【0010】このように接着性及び伸びの大きい熱可塑性樹脂を金属容器ライナと複合材層の間に介在させることにより、高い破壊圧力を発揮する軽量の圧力容器を提供することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】圧力破壊後の供試体を詳細に観察し、また応力解析の結果、低い圧力で破壊した複合材圧力容器では、金属ライナーと複合材層との間に間隙が生じると層間でスベリが発生しており、結果、複合材の保有する破断歪み以前で圧力容器が破壊に至ることが推定された。 【0012】こうした、圧力破壊後の供試体の検証から、ライナーと複合材層との間に間隙が生じると層間でスベリが発生し強度を減じる結果となっていることが知られる。接着性に優れ、且つ、伸びの大きい樹脂を層間に介在させることが解決手段と考え、トウブレグに配合されているフェノキシ樹脂を塗布した結果、所定の成果をあげることが確認できた。 【0013】従って、本発明では前述目的を達成するために、接着性及び伸びの大きい熱可塑性樹脂を容器ライナと複合材層の間に介在させる。これにより、圧力負荷印加時に発生する層間の間隙及びスベリが抑止されて高い破壊圧力を発揮する軽量の圧力容器が得られる。 【0014】当該発明に適用して好適な樹脂としては、フェノキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ナイロン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。これ以外でも、金属ライナと複合材の層間に介在させ、接着性及び伸びに優れる樹脂であれば同様の効果を得ることができる。 【0015】インナライナは金属ライナ以外でも良く同様の考えで非金属ライナにも適用することができる。金属ライナと複合材層との間にフェノキシレジンを介在させた構成の複合材圧力容器では、充分な強度を得ることができる。 【0016】上記のような容器を製造するためには、例えば薄膜中空のチタニウム製のライナ(内層容器)を用意し、その上に、エポキシ樹脂組成物を含浸したガラス繊維トゥ或いは炭素繊維トゥ等の補強層(FRP層)を密に積層する。 【0017】その後、所定時間、オーブン中で全体を加熱して硬化させ冷却させることにより各部を固化させることで繊維補強された複合材圧力容器が完成する。もちろんより強度が必要とされるものについてはフィラメントワインディングを行うようにしても良い。 【0018】この場合には、例えば薄膜中空のチタニウム製のライナ(内層容器)を用意し、その上に、エポキシ樹脂組成物を含浸したガラス繊維トゥ或いは炭素繊維トゥ等の補強層をフィラメント(補強繊維)をフープ巻き、ヘリカル巻き等により連続的に密に巻回することでフィラメントワインディングを行う。 【0019】その後は、前述したと同様に所定時間、オーブン中で全体を加熱し、冷却させて複合材圧力容器を得る。 【0020】このように本発明は、フェノキシレジンその他の樹脂を金属ライナまたは非金属ライナと複合材層との間に介在させる複合材圧力容器を構成することで、圧力負荷印加時に発生する層間の間隙及びスベリを防止してその耐破壊圧力を高めることを要旨とするものである。 【0021】なお、本発明は宇宙用等の特殊用途だけでなく、NGV等の民生用にも利用できる。また、より大型構造の容器に適用することも可能である。 【0022】〔実験例〕複合材圧力容器の前述層間に介在させる接着性に優れ且つ伸びの大きい樹脂をとして、トウプレグに配合されているフェノキシ樹脂を塗布した結果、所定の強度的成果をあげることができた。 【0023】実施例1;チタニウム製ライナの上に、フェノキシ樹脂/MEK溶液を塗布し乾燥する。その上に、エポキシ樹脂組成物を含浸した炭素繊維トゥ(T800H東レ製)をフィラメントワインディングする。その後、180°C×3時間、オーブン中で加熱し硬化させて実施例の複合圧力容器を得た(供試体A)。 【0024】比較例1;上記の製法から、フェノキシ樹脂/MEK溶液を塗布する工程を削除して比較例の複合圧力容器を得た(供試体B)。 【0025】〔結果特性〕供試体Aでは、439(kgf/cm^2 )の破壊圧力が得られた。供試体Bでは、370(kgf/cm^2 )の破壊圧力であった。 【0026】 【発明の効果】以上説明した如く、本発明方法によれば、軽量で破壊圧を発揮する複合材圧力容器を産業用或いは民生用途に提供することが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月31日(2000.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093540 【弁理士】 【氏名又は名称】岡澤 英世 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−214999(P2001−214999A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−27187(P2000−27187) |
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