| 【発明の名称】 |
耐圧容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】香川 和彦
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| 【要約】 |
【課題】主に合成樹脂によって構成され、天然ガス、酸素、窒素などの圧縮ガスや液化石油ガスが充填される軽量の耐圧容器であって、容器弁取付部材または容器弁が取り付けられるポート部のガスシール性をより高め得る様に改良された耐圧容器を提供する。
【解決手段】耐圧容器であって、ガスバリア性を有する合成樹脂からなる内筒(2)及び耐圧強度を発揮する合成樹脂製の外套(3)から成る多層構造の容器本体(1)と、当該容器本体の端部に設けられた金属製のポート部材(4)と、当該ポート部材に装着された金属製の容器弁取付部材(5)又は容器弁とから構成される。容器弁取付部材(5)又は容器弁は、ポート部材(4)の首部(42)に挿入される円筒状の挿入部(55)を有し、ポート部材(4)に挿入された際、挿入部(55)の先端がポート部材(4)の基底部(41)近傍に達しており、ポート部の内筒の内面を平滑加工面としたことを特徴とする耐圧容器。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液化ガス又は圧縮ガスを充填するための略円筒状の耐圧容器であって、ガスバリア性を有する合成樹脂からなる内筒及び耐圧強度を発揮する合成樹脂製の外套から成る多層構造の容器本体と、当該容器本体の端部に設けられた金属製のポート部材と、当該ポート部材に装着された金属製の容器弁取付部材又は容器弁とから構成され、ポート部材は、略円環状に拡張され且つ容器本体の端部において内筒と外套の間に埋設された基底部と、外套を貫通する高さまで基底部から略垂直に立上げられた首部と、当該首部の外周側に付設された締結手段とを備え、容器本体の内筒は、容器本体の端部においてポート部材の基底部内面から首部の内面および先端面を覆う状態に連続して形成され、容器弁取付部材又は容器弁は、前記の締結手段に締結される被締結手段と、ポート部材の首部に挿入される円筒状の挿入部とを有し、ポート部材に対し、首部の先端面に露出する内筒の張出部との間に挿入されたシール材を介し且つ首部へ挿入部を挿入させた状態で締結されており、挿入部の先端はポート部材の基底部近傍に達しており、挿入部を受け入れるポート部材の首部に位置する内筒の内面を平滑加工面としたことを特徴とする耐圧容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐圧容器に関するものであり、詳しくは、主に合成樹脂によって構成され、天然ガス、酸素、窒素などの圧縮ガスや液化石油ガスが充填される軽量の耐圧容器であって、容器弁取付部材または容器弁が取り付けられるポート部のガスシール性をより高め得る様に改良された耐圧容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】天然ガス、酸素、窒素などの圧縮ガスや液化石油ガスを充填する容器として、主に合成樹脂によって構成された軽量な容器が提案されている。例えば、特公平5−88665号公報には、プラスチック製内筒の外周を補強繊維シートで覆った後、その上にフィラメントワインディング法により繊維強化プラスチック層を形成する「複合材料ボンベの製造方法」が記載されている。斯かるボンベにおいては、容器弁を取付けるための口金と内筒の結合部におけるシール性が重要である。 【0003】本発明者等は、多層構造を有する軽量容器であって、口金装着部における内圧による変形がなく、口金と内筒の結合部におけるシール性に優れた容器を種々検討し、特開平11−44399号公報に「耐圧容器」として先に開示している。図6は、特開平11−44399号公報に記載の従来の耐圧容器における口金装着部を示す縦断面図である。 【0004】図6に示す耐圧容器は、ガスバリア性を有する内筒(2)及び合成樹脂製の外套(3)から成る容器本体(1)の一端にポート部材(4)及び容器弁取付部材(9)を口金として設けた略円筒状の容器である。ポート部材(4)は、内筒(2)と外套(3)の間に埋設された基底部(41)、当該基底部から略垂直に立上げられた首部(42)、および、当該首部の外周側に付設されたフランジ(43)を備えている。 【0005】容器本体(1)の内筒(2)は、ポート部材(4)の基底部(41)内面からポート部材(4)の先端面まで連続して形成され、容器弁取付部材(9)は、ポート部材(4)の先端面まで張出された内筒(2)との間にシール材(6)を介在させ、フランジ(93)に挿通したボルト・ナットよりポート部材(4)のフランジ(43)に気密に締結される。斯かる容器においては、薄肉に形成された内筒(2)の外部への突出部分をポート部材(4)によって補強することにより、前記の突出部分の拡径する方向への内圧による変形を防止している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図6に示す耐圧容器に液化ガスや圧縮ガスを充填しようとすると、圧力の掛かったガスがポート部材(4)の首部(42)の中を高速度で通過することとなる。炭化水素液体は導電率が低いことから首部(42)を高速で通過すると首部(42)内で帯電(流動帯電による帯電)が起こる。この部分で帯電が起きると、金属製のポート部に向かってアークが発生し、首部(42)内面を被覆する合成樹脂の内筒(2)に細孔を穿つ。圧力の加わる容器にとって細孔の発生はガス漏れの原因となることもあり、好ましくない。 【0007】本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、主に合成樹脂によって構成され、天然ガス、酸素、窒素などの圧縮ガスや液化石油ガスが充填される軽量の耐圧容器であって、容器弁取付部材または容器弁が取り付けられる口金としてのポート部材におけるシール性をより高め得る様に改良された耐圧容器を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明の耐圧容器は、液化ガス又は圧縮ガスを充填するための略円筒状の耐圧容器であって、ガスバリア性を有する合成樹脂からなる内筒(2)及び耐圧強度を発揮する合成樹脂製の外套(3)から成る多層構造の容器本体(1)と、当該容器本体の端部に設けられた金属製のポート部材(4)と、当該ポート部材に装着された金属製の容器弁取付部材(5)又は容器弁とから構成され、ポート部材(4)は、略円環状に拡張され且つ容器本体(1)の端部において内筒(2)と外套(3)の間に埋設された基底部(41)と、外套(3)を貫通する高さまで基底部(41)から略垂直に立上げられた首部(42)と、当該首部の外周側に付設された締結手段とを備え、容器本体(1)の内筒(2)は、容器本体(1)の端部においてポート部材(4)の基底部(41)内面から首部(42)の内面および先端面を覆う状態に連続して形成され、容器弁取付部材(5)又は容器弁は、前記の締結手段に締結される被締結手段と、ポート部材(4)の首部(42)に挿入される円筒状の挿入部(55)とを有し、ポート部材(4)に対し、首部(42)の先端面に露出する内筒(2)の張出部(24)との間に挿入されたシール材(6)を介し且つ首部(42)へ挿入部(55)を挿入させた状態で締結されており、挿入部(55)の先端はポート部材(4)の基底部(41)近傍に達しており、挿入部(55)を受け入れるポート部材(4)の首部(42)に位置する内筒(2)の内面を平滑加工面としたことを特徴とする。 【0009】すなわち、上記の耐圧容器において、ポート部材は、容器本体の端部において内筒と外套の間に基底部が埋設され、基底部から略垂直に立上げられた首部によって容器本体の内筒の突出部分を補強する様になされているため、容器本体の内筒の突出部分がガスの内圧によって拡径する方向へ変形するのを防止する。また、ポート部材の首部の奥まで深く挿入部を挿入させた容器弁取付部材または容器弁の締結構造は、ポート部材に容器弁取付部材を締結した際、挿入部が首部内側の内筒を覆う構造となるので流動帯電によるアークの発生が防止される。しかも首部(42)の内筒(2)の内面を平滑に切削加工してあるので、挿入部(55)の挿入が良好に行なわれる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明に係る耐圧容器の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の耐圧容器における端部の構造を示す部分的な縦断面図である。図2は、ポート部材と容器弁取付部材の他の態様を示す部分的な縦断面図である。図3は、ポート部材と容器弁取付部材の更に他の態様を示す部分的な縦断面図である。図4、図5は切削加工装置の一例の説明図である。なお、図1〜図5中、従来の耐圧容器と同様の構成は図6と同様の符号で示す。 【0011】本発明の耐圧容器は、液化ガス又は圧縮ガスを充填するための略円筒状の耐圧容器であり、図1に示す様に、ガスバリア性を有する合成樹脂製の内筒(2)及び耐圧強度を発揮する合成樹脂製の外套(3)から成る多層構造の容器本体(1)と、当該容器本体の端部に設けられた金属製のポート部材(4)と、当該ポート部材に装着された金属製の容器弁取付部材(5)又は容器弁とから主に構成される。 【0012】内筒(2)は、例えば、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート等のガスバリア性を有する樹脂によって構成される。また、内筒(2)は、成形性に優れたポリエチレンとガスバリア性に優れたポリアミド樹脂または金属などを組合せることにより、内筒自体が多層に構成されていてもよい。更に、強度を高めるため、上記の様なガスバリア性の樹脂や金属と繊維強化プラスチック(FRP)を組合せて構成されていてもよい。 【0013】外套(3)は、軽量化を図り且つ必要な耐圧強度を得るため、通常、繊維強化プラスチックで構成される。繊維強化プラスチックに適用される樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ−4−メチルペンテン−1,ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。 【0014】補強繊維としては、炭素繊維糸、ガラス繊維糸、有機高弾性率繊維(たとえばポリアラミド繊維)糸などの高強度、高弾性率の繊維が好適である。また、これらの補強繊維糸の中では、屈曲による応力集中を小さくし、ボイドの発生を少なくするという観点から、開繊性に優れる無撚繊維糸、典型的には炭素繊維糸が好ましい。炭素繊維糸を使用した場合は、比強度、比弾性率に優れ、成形時のワインディングの際の糸切れや毛羽の発生がほとんどなく、しかも、耐衝撃性能に優れ、生産性も向上し得る。 【0015】容器本体(1)の構成材料としては、上記の様な材料を適宜に組合せることができるが、軽量化を図り且つ製造コストを低減すると言う観点から、容器本体(1)の内筒(2)は、合成樹脂によって構成され、外套(3)は、繊維強化プラスチックによって構成されるのが好ましい。 【0016】また、容器本体(1)は、後述する製造方法により作製されるが、所要の耐圧強度を得るため、円筒状の胴部の両端を半球状に形成される。そして、容器本体(1)の一端には、金属製のポート部材(4)が取り付けられる。ポート部材(4)には、容器弁(図示省略)を直接取り付けることもできるが、ガスの種類や使用態様に応じて容器弁を選択し得る様に、しかも、容器弁の保守を容易にするため、一般的には容器弁の取付マウントとしての容器弁取付部材(5)が取り付けられる。また、容器本体(1)の他端には、通常、前記と同様のポート部材および封止用の盲プラグが取り付けられるか、前記とほぼ同じ構造ではあるが開孔の設けられていないポート部材が取り付けられる。 【0017】ポート部材(4)及び容器弁取付部材(5)は、気密性、耐久性に優れ且つより高い成形精度が得られる点において、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン等の合金、これらの複合材またはクロム・モリブデン合金などの金属によって構成されるのが好ましい。特に、アルミニウムは、軽量で且つ成形性に優れ、製造コストを低減できるので好ましい材料である。 【0018】ポート部材(4)は、略円環状に拡張され且つ容器本体(1)の一端において内筒(2)と外套(3)の間に埋設された基底部(41)と、外套(3)を貫通する高さまで基底部(41)から略垂直に立上げられた首部(42)と、当該首部の外周側に付設された締結手段としてフランジ(43)とを備えている。 【0019】具体的には、ポート部材(4)は、凡そ鍔状の基底部(41)及びフランジ(43)が円筒状の首部(42)の両端に張出された形状になされている。しかも、フランジ(43)の背面側には、首部(42)を幾分拡径させた拡径部(45)が設けられる。大径の鍔として形成された基底部(41)は、容器本体(1)の内筒(2)及び外套(3)の間に埋設され、そして、くびれ部としての首部(42)が貫通する外套(3)の開口縁部は、基底部(41)と拡径部(45)によって挟み込まれた構造になされている。これにより、ポート部材(4)は、容器本体(1)に対して強固に一体化される。 【0020】一方、上記の容器本体(1)の内筒(2)は、容器本体(1)の一端において、ポート部材(4)の基底部(41)内面から首部(42)の内面および先端面、すなわち、フランジ(43)の上端面を覆う状態に連続して形成される。内筒(2)は、容器本体(1)の端部に突出し、ポート部材(4)のフランジ(43)の上端面において張出部(24)を形成している。これにより、容器本体(1)の端部とポート部材(4)との取合部分における気密性が保持される。 【0021】本発明においては、ポート部材(4)の首部(42)の内筒(2)がガスの流動帯電によって生ずるアークで穿孔されるのを防ぐため容器弁取付部材(5)は、ポート部材(4)の首部(42)のほぼ全長さにわたって挿入される円筒状の挿入部(55)を有していることが重要である。具体的には、図2に示す様に、容器弁取付部材(5)は、容器弁取付用の雌ねじが中心に穿孔され且つフランジ(43)に締結される被締結手段としてのフランジ(53)が張出された部材であり、その内側端面の中心には、前記の雌ねじに連続する長尺の円筒体としての挿入部(55)が突設される。 【0022】挿入部(55)の突出長さは、ポート部材(4)の首部の長さ全域、すなわち基底部(41)の近傍に達していることが、ガスの流速が一番早い首部(42)内でのアークの発生を防止するのに有効となる。勿論、装着に支障がない限り、挿入部(55)の長さは、ポート部材(4)を貫通する様な長さであってもよい。 【0023】そして、容器弁取付部材(5)は、ポート部材(4)に対し、首部(42)の先端面に露出する内筒(2)の張出部(24)との間に挿入されたシール材(6)を介し且つ首部(42)へ挿入部(55)を挿入させた状態で締結される。シール材(6)は、締付操作を容易にし且つシール材事態の変形を防止するため、容器弁取付部材(5)の内側端面に予め設けられた溝(54)に配置され、容器弁取付部材(5)は、フランジ(53)とフランジ(43)を複数のボルト・ナット(7)で締め付けることにより締結される。 【0024】なお、シール材(6)としては、例えば、天然ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、4フッ化エチレン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステルなどの樹脂、ステンレスやアルミニウム、銅、チタンなどの金属によって構成された所謂Oリングや環状のパッキンが使用される。 【0025】また、図1に示す様に、本発明においては、容器弁取付部材(5)を締結した際、首部(42)の先端面に露出する内筒(2)の張出部(24)が潰れて変形しない様に、張出部(24)は、首部(42)の先端面に没入しているのが好ましい。すなわち、張出部(24)は、首部(42)の先端面に予め低く形成された円環状の扁平な浅溝に嵌め込まれた状態に配置される。首部(42)の先端面に対する張出部(24)の没入の深さは、内筒(2)が配置された状態において、首部(42)の先端面全体が略平坦面となる様な深さが好ましい。 【0026】本発明の耐圧容器は、予め成形した内筒(2)の外周を外套(3)で覆うことにより、ポート部材(4)が一体化された容器本体(1)を作製し、次いで、ポート部材(4)に容器弁取付部材(5)を締結して製造される。合成樹脂の内筒(2)は、圧縮成形法、ブロー成形法、射出成形法、FRP成形法などの公知の成形技術によって製造される。斯かる成形法によって製造する場合は、予め成形金型にポート部材(4)を固定してブロー成形または射出成形することにより、内筒(2)にポート部材(4)を一体的に結合できる。 【0027】特に、樹脂の内筒(2)を成形するには、回転金型内に供給した溶融樹脂を遠心力によって成形する回転成形法が好適である。回転成形法によって内筒(2)を製造する場合は、ポート部材(4)を予め回転成形用金型の所定位置に固定して成形するインサート回転成形法により、内筒(2)にポート部材(4)を一体的に結合できる。更に、回転成形法によって内筒(2)を多層に構成するには、ポリエチレンなどの層を形成した後に、ガスバリア性に優れたポリアミド樹脂などを回転金型に供給して内側層を形成する。また、ガスバリア層を形成するには、回転成形法で製造した内筒(2)の表面に金属メッキによって被膜を形成してもよい。 【0028】繊維強化プラスチックで外套(3)を成形するには、樹脂が含浸された補強繊維糸の巻層をフィラメントワインディング法やテープワインディング法によって内筒(2)の外側に形成し、次いで、樹脂を加熱溶融した後に硬化させる。外套(3)の強度および厚さは、容器の形状、内容積、充填するガスの種類、常用圧力などを勘案して設定される。 【0029】本発明の耐圧容器は、上記の様に、容器本体(1)の一端に設けられたポート部材(4)に容器弁取付部材(5)を締結して構成され、容器弁取付部材(5)に容器弁などを装着し、所定のガスを時融点して使用される。斯かる耐圧容器において、ポート部材(4)は、容器本体(1)の一端において内筒(2)と外套(3)の間に基底部(41)が埋設され、基底部(41)から略垂直に立上げられた首部(42)によって内筒(2)の突出部分を補強し、ガスの内圧によって内筒(2)の突出部分が拡径する方向へ変形するのを防止する。従って、本発明の耐圧容器は、ポート部材(4)の首部(42)の先端面におけるシール性を維持できる。 【0030】また、ポート部材(4)の首部(42)へ挿入部(55)を深く挿入させた容器弁取付部材(5)の締結構造は、ガスを充填する際のガスの流動帯電によるアーク発生及びこのアーク発生による首部(42)内の内筒の穿孔を防止する。すなわち、本発明の耐圧容器においては、ポート部材(4)におけるシール性をより高めることが出来る。 【0031】更に、図1に示す様に、内筒(2)の張出部(24)が首部(42)の先端面に没入した構造になされている場合には、容器弁取付部材(5)を締結した際、張出部(24)の外周縁がポート部材(4)の浅溝によって支持されており、潰れることがないため、張出部(24)の平坦度を維持でき、シール性をより一層高めることが出来る。しかも、本発明の耐圧容器は、容器検査などにおいて、容器弁取付部材(5)を取り外すことによって内部検査や耐圧検査を簡単に実施でき、シール材(6)も容易に交換できる。 【0032】また、本発明の耐圧容器は、図2に示す様に構成されていてもよい。図2に示す耐圧容器において、ポート部材(4)の首部(42)の先端には、フランジ(43)の端面よりも突出する突出部(47)が形成され、内筒(2)の張出部(24)は、突出部(47)を覆う状態に連続して形成され、また、容器弁取付部材(5)の内側端面には、挿入部(55)の外周に突出部(47)が嵌合する溝が設けられる。 【0033】シール材(6)は、突出部(47)と溝の嵌合部分において気密を保持する様に、突出部(47)の先端、すなわち、容器弁取付部材(5)の内側端面の溝の奥端に配置される。その他の構成は図1の態様と同様である。図2に示す耐圧容器は、図1の態様と比べて形状が幾分複雑ではあるが、容器弁取付部材(5)の装着の際、ポート部材(4)に対して自動的に軸合わせでき、保守作業が容易である。そして、斯かる耐圧容器においても、前述の態様と同様に、ポート部材(14)の変形を低減でき、シール性を高めることが出来る。 【0034】更に、本発明の耐圧容器は、図3に示す様に構成されていてもよい。図3に示す耐圧容器において、ポート部材(4)の締結手段は、首部(42)の外周の雄ねじ(46)によって構成され、容器弁取付部材(5)は、外周が例えば6角形に形成され且つ内周に雌ねじ(56)が設けられたキャップ状の本体と、その内端面の中心に突設された挿入部(55)から成る。シール材(6)は、容器弁取付部材(5)の本体の内端面とポート部材(4)の首部(42)の先端面に露出する張出部(24)との間に介装される。 【0035】容器弁取付部材(5)は、レンチ等の工具を使用してポート部材(4)の首部(42)に締付けられることによりポート部材(4)に締結される。なお、図6に示す耐圧容器においては、ポート部材(4)の固定強度を高めるため、基底部(41)との間で外套(3)を挟み込む補強リング(57)が首部(42)の外周に螺着される。その他の構成は図1の態様と同様である。図3に示す耐圧容器も、容器弁取付部材(5)の装着が簡単であり、保守作業が容易である。そして、斯かる耐圧容器においても、前述の態様と同様に、ポート部材(4)の変形を低減でき、シール性を高めることが出来る。 【0036】なお、本発明の耐圧容器においては、容器弁取付部材(5)に代え、ポート部材(4)の首部(42)に挿入可能に構成された上記の挿入部(55)と同様の円筒状の挿入部を有し且つ補強機能を発揮する容器弁が直接取り付けられてもよい。 【0037】本発明の耐圧容器は上述のような構成とされるが、更に、首部(42)の内筒(2)の内面をドリル等により平滑に切削加工される。首部(42)の内筒(2)の表面を切削等により平滑とすることにより挿入部(55)の挿入が容易となるし、内筒(2)と挿入部(55)との密着性もしくはクリアランスが一定となり、アークの発生防止に役立つ。内筒(2)の表面を切削するための装置の一例を図4、図5に示した。切削装置は基本的にはテーパー治具(60)と握持治具(61)とドリル(62)とからなる。 【0038】図4と図5の装置構造は若干異なるが基本的には同じである。図5の装置で説明すると、まず、内筒(2)とポート部材(4)とが一体化された耐圧容器部品を用意する。耐圧容器部品は外套(3)を設けたものであっても良い。用意した耐圧容器部品を図5の装置にセットする。セットは支持部材(63)に少なくとも3本取付けられた握持治具(61)の一端に接触するテーパー治具(60)を後退(図では下方に移動)させることによりバネ(64)で付勢された握持治具(61)の他端を開き、この中に耐圧容器部品のポート部材(4)を位置させることにより行なわれる。次いで、テーパー治具(60)を前進(図では上方に移動)させ、握持治具(61)の先端部分を閉じ、ポート部材(4)を中心位置に固定する。この状態で芯合わせされたドリル(62)を回転させつつ前進(図では上方に移動)させることにより、ポート部材(4)の首部(42)の内側の内筒(2)の表面を切削し平滑加工面とする。ドリル(62)の中心部には図に示すように開孔を設けておき、減圧として切削クズを吸引除去するようにすれば切削クズが容器内に残ることはない。 【0039】 【発明の効果】本発明の耐圧容器によれば、ポート部材に容器弁取付部材を締結した際、ポート部材の首部へ挿入部を挿入させた容器弁取付部材または容器弁の特定の締結構造がポート部材の首部内の流動帯電によるアーク発生を防止するため、ポート部材におけるアークによる穿孔等がなくシール性をより高めることが出来る。また、内筒の張出部が首部の先端面に没入した構造になされている場合には、容器弁取付部材を締結した際、張出部が潰れることがないため、シール性をより一層高めることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005968 【氏名又は名称】三菱化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月3日(2000.2.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103997 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 曉司
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| 【公開番号】 |
特開2001−214998(P2001−214998A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−25852(P2000−25852) |
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