| 【発明の名称】 |
水素供給装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森島 信悟
【氏名】寺尾 公良
【氏名】真船 利宏
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| 【要約】 |
【課題】冷間始動時においても、十分な水素を安定的に供給する。
【解決手段】定常時モードにおいては、定常時用タンク(第2〜5吸蔵タンク)102〜105から始動用タンク(第1吸蔵タンク)101に水素を導きつつ、その導かれた水素の一部が始動用タンク101内の吸蔵材110に吸蔵させる。これにより、始動用タンク(第1吸蔵タンク)101内の吸蔵材110に十分な量の水素を吸蔵させることができるので、水素を常時、安定的に供給することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、前記水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、外部への水素供給を開始した時から所定時間が経過した後は、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち一の吸蔵材タンク(101)内に、その他の吸蔵材タンク(102〜105)にて解離した水素を導いて、前記一の吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給し、かつ、前記一の吸蔵材タンク(101)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧を、前記その他の吸蔵材タンク(102〜105)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧より低くすることを特徴とする水素供給装置。 【請求項2】 前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)内に収納された前記水素吸蔵材(110)それぞれは、水素吸蔵特性が等しいものであることを特徴とする請求項1に記載の水素供給装置。 【請求項3】 水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、前記水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)内それぞれに、水素吸蔵特性が異なる水素吸蔵材(110)を収納し、同一温度に対する解離平衡圧が低い前記水素吸蔵材(110)が収納された前記吸蔵材タンク(105)から順に並ぶように、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)間を順次連通させて、同一温度に対する解離平衡圧が低い前記水素吸蔵材(110)が収納された前記吸蔵材タンク(105)から順次に、同一温度に対する解離平衡圧が高い前記水素吸蔵材(110)が収納された前記吸蔵材タンク(101)に水素を移動させ、さらに、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち、同一温度に対する解離平衡圧が最も高い前記水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給することを特徴とする水素供給装置。 【請求項4】 前記水素吸蔵材(110)の温度を調節する温度調節手段(160〜163)を設け、前記温度調節手段(160〜163)は、水素流れにおいて、隣り合う前記吸蔵材タンク(101〜105)内の前記水素吸蔵材(110)の温度を相違させるとともに、その相違する温度の高低差を周期的に逆転させることを特徴とする請求項3に記載の水素供給装置。 【請求項5】 水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、前記水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、外部への水素供給を開始した時から所定時間が経過した後は、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち一の吸蔵材タンク(101)内に、その他の吸蔵材タンク(102〜105)にて解離した水素を導いて、前記一の吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給し、かつ、前記一の吸蔵材タンク(101)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧を、少なくとも前記一の吸蔵材タンク(101)と隣り合う吸蔵材タンク(102)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧より低くすることを特徴とする水素供給装置。 【請求項6】 前記吸蔵材タンク(101〜105)間を連通させる水素通路には、前記複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち外部に水素を供給する吸蔵材タンク(101〜105)側に向けて水素が流通することのみを許容する逆止弁(144、154)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の水素供給装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(水素吸蔵合金)を有し、水素吸蔵材に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置に関するもので、水素を燃料として発熱する燃焼式ヒータの燃料供装置に適用して有効である。 【0002】 【従来の技術】水素供給装置として、例えば特開平8−115732号公報に記載の発明では、低温時においても安定的に水素を供給するために、複数個の水素吸蔵材が収納された吸蔵材タンクのうち、少なくとも1つの吸蔵材タンク内に水素吸蔵材を加熱する発熱体を配設している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記載の発明では、発熱体が配設された吸蔵材タンク内の水素吸蔵材に十分な量の水素が吸蔵されている場合には、発熱体により水素吸蔵材を加熱すれば、十分な水素を供給することができるものの、仮に、発熱体が配設された吸蔵材タンク内の水素吸蔵材に十分な量の水素が吸蔵されていない場合には、十分な水素を供給することができないという問題がある。 【0004】本発明は、上記点に鑑み、十分な水素を安定的に供給することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、外部への水素供給を開始した時から所定時間が経過した後は、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち一の吸蔵材タンク(101)内に、その他の吸蔵材タンク(102〜105)にて解離した水素を導いて、一の吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給し、かつ、一の吸蔵材タンク(101)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧を、その他の吸蔵材タンク(102〜105)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧より低くすることを特徴とする。 【0006】これにより、水素を外部に供給する一の吸蔵材タンク(101)内の吸蔵材(110)に十分な量の水素を吸蔵させることができるので、水素を常時、安定的に供給することができる。 【0007】なお、請求項2に記載の発明のごとく、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)内にそれぞれに水素吸蔵特性が等しい水素吸蔵材(110)を収納してもよい。 【0008】請求項3に記載の発明では、水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)内それぞれに、水素吸蔵特性が異なる水素吸蔵材(110)を収納し、同一温度に対する解離平衡圧が低い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(105)から順に並ぶように、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)間を順次連通させて、同一温度に対する解離平衡圧が低い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(105)から順次に、同一温度に対する解離平衡圧が高い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(101)に水素を移動させ、さらに、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち、同一温度に対する解離平衡圧が最も高い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給することを特徴とする。 【0009】これにより、水素を外部に供給する同一温度に対する解離平衡圧が最も高い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(101)内の吸蔵材(110)に十分な量の水素を吸蔵させることができるので、水素を常時、安定的に供給することができる。 【0010】また、水素を外部に供給する同一温度に対する解離平衡圧が最も高い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵タンク(101)には、高圧の水素が供給されるので、始動時において、外気温度が低く吸蔵タンク内の圧力が低下しているときでも、高圧の水素を確実に供給することができる。 【0011】また、圧縮機等のポンプ手段を用いることなく、高圧の水素を供給することができるので、水素供給装置100の部品点数及び構造を簡便なものとすることができ、水素供給装置100の製造原価低減を図ることができる。 【0012】なお、同一温度に対する解離平衡圧が低い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(105)から順次に、同一温度に対する解離平衡圧が高い水素吸蔵材(110)が収納された吸蔵材タンク(101)に水素を移動させるには、請求項4に記載の発明のごとく、水素吸蔵材(110)の温度を調節する温度調節手段(160〜163)を設け、温度調節手段(160〜163)は、水素流れにおいて、隣り合う吸蔵材タンク(101〜105)内の水素吸蔵材(110)の温度を相違させるとともに、その相違する温度の高低差を周期的に逆転させることが望ましい。 【0013】請求項5に記載の発明では、水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(110)が収納された複数個の吸蔵材タンク(10)を有し、水素吸蔵材(110)に蓄えられた水素を解離させることにより水素を供給する水素供給装置であって、外部への水素供給を開始した時から所定時間が経過した後は、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち一の吸蔵材タンク(101)内に、その他の吸蔵材タンク(102〜105)にて解離した水素を導いて、一の吸蔵材タンク(101)内の水素を供給水素として外部に供給し、かつ、一の吸蔵材タンク(101)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧を、少なくとも一の吸蔵材タンク(101)と隣り合う吸蔵材タンク(102)内の水素吸蔵材(110)の解離平衡圧より低くすることを特徴とする。 【0014】これにより、水素を外部に供給する一の吸蔵材タンク(101)内の吸蔵材(110)に十分な量の水素を吸蔵させることができるので、水素を常時、安定的に供給することができる。 【0015】また、吸蔵材タンク(101〜105)間を連通させる水素通路には、請求項6に記載の発明のごとく、複数個の吸蔵材タンク(101〜105)のうち外部に水素を供給する吸蔵材タンク(101〜105)側に向けて水素が流通することのみを許容する逆止弁(144、154)が設けることが望ましい。 【0016】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0017】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、本発明に係る水素供給装置を車両用暖房装置の燃料(水素)供給装置に適用したものであって、図1は本実施形態に係る車両用暖房装置の模式図である。 【0018】図1中、100は本実施形態に係る水素供給装置であり、200は水素供給装置100から供給される水素を燃料として発熱する燃焼式ヒータ(以下、ヒータと略す。)であり、300はヒータ200にて加熱された熱媒体(本実施形態では、水にエチレングリコール系の不凍液を混合した流体)を熱源として車室内に吹き出す空気を加熱する暖房用熱交換器(ヒータコア)である。 【0019】400はヒータコア300から流出した熱媒体を冷却するラジエータであり、ラジエータファン(冷却用送風機)410の送風量を調節することにより、ラジエータ400から流出する熱媒体の温度を所定温度まで低下させている。 【0020】なお、420は熱媒体を循環させるポンプであり、430は水素供給装置100から流出した熱媒体が水素供給装置100内に逆流することを防止する逆止弁である。 【0021】次に、本実施形態に係る水素供給装置100について述べる。 【0022】図2において、101〜105は水素を吸蔵・解離する水素吸蔵材(以下、吸蔵材と略す。)110が収納された第1〜5水素吸蔵材タンク(以下、吸蔵タンクと略す。)であり、これら第1〜5水素吸蔵材タンク101〜105は、図3に示すように、吸蔵材110と熱媒体とを熱交換する熱交換器120、並びに吸蔵材110及び熱交換器120を収納するケーシング130等からなるものである。 【0023】因みに、熱交換器120は、熱媒体が流通する複数本のチューブ121、チューブ121の長手方向両端側に配設されて複数本のチューブ121に連通するヘッダタンク122、及び各チューブ121間に配設されて熱媒体と吸蔵材110との熱交換を促進するフィン123等からなる、いわゆるマルチフロー型の熱交換器である。そして、吸蔵材110が充填された熱交換120を水素吸蔵コアと呼ぶ。 【0024】ところで、吸蔵材110は、周知のごとく、吸蔵材自身の温度に対して一義的に解離平衡圧が決定されるが、吸蔵材の種類毎に、同一温度に対する解離平衡圧が相違しており、本明細書では、同一温度に対する解離平衡圧が相違していることを「水素吸蔵特性が相違している」と言い、同一温度に対する解離平衡圧が等しいことを「水素吸蔵特性が等しい」と言う。そして、本実施形態では、第1〜5吸蔵タンク101〜105内に収納された吸蔵材110は、全て水素吸蔵特性が等しい同種の吸蔵材である。 【0025】また、図2の一点鎖線は、各吸蔵タンク101〜105内の熱交換器120(水素吸蔵コア)に循環させる熱媒体が流通する熱媒体回路140を示しており、141は熱媒体回路140(各吸蔵タンク101〜105)に高温の熱媒体(ラジエータ400にて冷却されていない熱媒体)を循環させる場合と、低温の熱媒体(ラジエータ400にて冷却された熱媒体)を循環させる場合とを切換制御する三方式の切換弁であり、142は第2〜5吸蔵タンク102〜105(の熱交換器120)を循環する熱媒体を制御する制御弁である。 【0026】また、図2の太い実線は、第2〜5吸蔵タンク102〜105内にて解離した水素(水素ガス)を集合回収して、その回収した水素を第1吸蔵タンク101内に導く水素配管(水素通路)143である。このため、本実施形態に係る水素供給装置100では、第1吸蔵タンク101内の水素が供給水素として、外部(本実施形態では、ヒータ200)に供給される。 【0027】なお、水素配管143のうち各吸蔵タンク101〜105間には、外部に水素を供給する第1吸蔵材タンク101側に向けて水素が流通することのみを許容し、第1吸蔵タンク101側から第5吸蔵タンク105側に向けて水素が流通することを阻止する逆止弁144が設けられている。 【0028】次に、本実施形態の作動を述べる。 【0029】1.始動時モードこのモードは、水素吸蔵装置100にて水素の供給を開始する時に行うモードであり、図4に示すように、切換弁141を作動させて第1吸蔵タンク101に高温の熱媒体を循環させるとともに、制御弁142を閉じて第2〜5吸蔵タンク102〜105への熱媒体の循環を停止させる。 【0030】これにより、第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110の温度が上昇して解離平衡圧が上昇するので、第1吸蔵タンク101内の圧力が解離平衡圧となるように吸蔵材110から水素が解離放出され、水素がヒータ200に供給される。 【0031】2.定常時モードこのモードは、外部(ヒータ200)への水素供給を開始した時から所定時間が(始動モードが所定時間)経過した後に実行されるモードである。なお、所定時間とは、第1吸蔵タンク101から解離放出される水素量が低下し、第1吸蔵タンク101内の圧力が所定圧力以下となるまでの時間等に基づいて適宜選定されるものである。 【0032】そして、このモードでは、図5に示すように、切換弁141を作動させて第1吸蔵タンク101に低温の熱媒体を循環させるとともに、制御弁142を開いて高温の熱媒体を第2〜5吸蔵タンク102〜105に循環させる。 【0033】これにより、第2吸蔵タンク102〜105内の吸蔵材110の温度が上昇して解離平衡圧が上昇するので、第2〜5吸蔵タンク101〜105内の圧力が解離平衡圧となるように吸蔵材110から水素が解離放出されるとともに、その解離放出された水素が第1吸蔵タンク101内に導かれる。 【0034】一方、第1吸蔵タンク101には低温の熱媒体が供給されるので、第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110の解離平衡圧が第2〜5吸蔵タンク102〜105内の吸蔵材110の解離平衡圧より低下し、第1吸蔵タンク101内の圧力がその低下した解離平衡圧となるように、第2〜5吸蔵タンク102〜105から導かれた水素を吸蔵する。 【0035】しかし、第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110にて吸蔵される水素量より、第2〜5吸蔵タンク102〜105から第1吸蔵タンク101に導かれた水素量の方が多いので、第2〜5吸蔵タンク102〜105から第1吸蔵タンク101に導かれた水素の一部が第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110に吸蔵され、その他は、外部(ヒータ200)に供給される。 【0036】そこで、本実施形態では、第1吸蔵タンク101を始動用タンクと呼び、第2〜5吸蔵タンク102〜105を定常時用タンクと呼ぶ。 【0037】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0038】本実施形態によれば、定常時モードにおいては、定常時用タンク(第2〜5吸蔵タンク)102〜105から始動用タンク(第1吸蔵タンク)101に水素が導かれるとともに、その導かれた水素の一部が始動用タンク101内の吸蔵材110に吸蔵されるので、始動用タンク101内の吸蔵材110に十分な量の水素を吸蔵させることができ、水素を常時、安定的に供給することができる。 【0039】また、本実施形態では、始動用タンク101の体積を定常用タンク102〜105の体積より小さくして、始動用タンク101の内圧(水素ガス圧)が低下することを抑制しつつ、内圧を昇圧し易くしている。 【0040】(第2実施形態)図6は本実施形態に係る水素供給装置100の模式図であり、本実施形態では同一温度に対する解離平衡圧(以下、この解離平衡圧を温度解離平衡圧と呼ぶ。)が最も低い吸蔵材が第5吸蔵タンク105に収納され、最も温度解離平衡圧が高い吸蔵材が第1吸蔵タンク101に収納されるように、温度解離平衡圧の順に各吸蔵タンク101〜105を並べる。 【0041】そして、隣り合う吸蔵タンク101〜105間を2本の水素配管151、152にて連通させるとともに、一方の水素配管151には、隣り合う吸蔵タンク101〜105間(第1吸蔵タンク101と第2吸蔵タンク102間は除く。)の圧力高低差(内圧高低差)が所定圧となるように調節するレギュレータ153が配設され、他方側の水素配管152には、第1吸蔵材タンク101側に向けて水素が流通することのみを許容し、第1吸蔵タンク101側から第5吸蔵タンク105側に向けて水素が流通することを阻止する逆止弁154が設けられている。 【0042】なお、第1吸蔵タンク101と第2吸蔵タンク102間の水素配管151には、水素配管151の連通状態を制御する制御弁155が設けられ、156は第2〜5吸蔵タンク102〜105(の熱交換器120)を循環する熱媒体を制御する制御弁である。 【0043】また、160は各吸蔵タンク101〜105に熱媒体を供給する熱媒体回路であり、161〜163は、各吸蔵タンク101〜105に供給する熱媒体を切り換えて、隣り合う吸蔵材タンク101〜105内の吸蔵材110の温度を相違させるとともに、その相違する温度の高低差を周期的に逆転させる第1〜3切換弁である。そして、これら切換弁161〜163及び熱媒体回路160により吸蔵材110の温度を調節する温度調節手段が構成されている。 【0044】次に、本実施形態の作動を述べる。 【0045】1.始動時モードこのモードは、水素吸蔵装置100にて水素の供給を開始する時に行うモードであり、図7に示すように、第1切換弁161をを作動させて第1吸蔵タンク101に高温の熱媒体を循環させるとともに、制御弁156を閉じて第2〜5吸蔵タンク102〜105への熱媒体の循環を停止させる。 【0046】これにより、第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110の温度が上昇して解離平衡圧が上昇するので、第1吸蔵タンク101内の圧力が解離平衡圧となるように吸蔵材110から水素が解離放出され、水素がヒータ200に供給される。 【0047】2.定常時モードこのモードは、外部(ヒータ200)への水素供給を開始した時から所定時間が(始動モードが所定時間)経過した後に実行されるモードであり、図8に示すように、第1切換弁161を作動させて第1吸蔵タンク101に低温の熱媒体を循環させるとともに、制御弁156を開いて熱媒体を第2〜5吸蔵タンク102〜105に循環させる。 【0048】このとき、第2〜5吸蔵タンク102〜105に循環させる熱媒体は、隣り合う吸蔵材タンク101〜105内の吸蔵材110の温度を相違させるように、隣り合う吸蔵材タンクに温度の異なる熱媒体を循環させるとともに、高温の熱媒体を循環させる場合と低温の熱媒体を循環させる場合とを周期的に切り換えることにより、その相違する温度の高低差を周期的に逆転させている。 【0049】具体的には、第3、5吸蔵タンク103、105に高温の熱媒体を循環させる場合(以下、この場合を第1定常時と呼ぶ。)には、第2、4吸蔵タンクに102、104に低温の熱媒体を循環させ、一方、第2、4吸蔵タンク102、104に高温の熱媒体を循環させる場合(以下、この場合を第2定常時と呼ぶ。)には、図9に示すように、第3、5吸蔵タンクに103、105に低温の熱媒体を循環させる。 【0050】これにより、第1定常時には、図10に示すように、第3、5吸蔵タンク103、105内の吸蔵材110の解離平衡圧が上昇し、第3、5吸蔵タンク103、105内の吸蔵材110から水素が解離放出される。一方、第3、5吸蔵タンク103、105と隣り合う第2、4吸蔵タンク102、104内の吸蔵材110の解離平衡圧が低下し、第2、4吸蔵タンク102、104内の吸蔵材110は水素を吸蔵する。 【0051】このため、隣り合う吸蔵タンク102〜105間に内圧差が生じるため、第2吸蔵タンク102には、水素配管152介して第3吸蔵タンク103から水素が供給され、第4吸蔵タンク104には、水素配管152介して第5吸蔵タンク105から水素が供給される。 【0052】このとき、逆止弁154が水素配管152に設けられているので、水素配管152を介して第3吸蔵タンク103から第4吸蔵タンク104に水素が流通することはない。 【0053】また、水素配管151には、レギュレータ155が設けられているので、仮に、第3吸蔵タンク103にて解離した水素量が第2吸蔵タンク102にて吸蔵する水素量より多い場合には、その余剰水素は、レギュレータ155にて第4吸蔵タンク104の内圧まで減圧されて第4吸蔵タンク104に供給される。 【0054】また、第2定常時においては、図10に示すように、第2、4吸蔵タンク102、104内の吸蔵材110の解離平衡圧が上昇し、第2、4吸蔵タンク102、104内の吸蔵材110から水素が解離放出される。一方、第2、4吸蔵タンク102、104と隣り合う第3、5吸蔵タンク103、105及び第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110の解離平衡圧が低下し、第1、3、5吸蔵タンク101、103、105内の吸蔵材110は水素を吸蔵する。 【0055】このため、隣り合う吸蔵タンク間に内圧差が生じるため、第1吸蔵タンク101には、水素配管152介して第2吸蔵タンク102から水素が供給され、第3吸蔵タンク103には、水素配管152介して第4吸蔵タンク105から水素が供給される。 【0056】したがって、第1定常時と第2定常時とを周期的に繰り返せば、第5吸蔵タンク105の吸蔵材110に吸蔵されていた水素は、第2〜4吸蔵タンク102〜104を介して順次、第1吸蔵タンク101に導かれることとなる。同様に、第4吸蔵タンク104の吸蔵材110に吸蔵されていた水素は、第2〜3吸蔵タンク102〜103を介して順次、第1吸蔵タンク101に導かれ、第3吸蔵タンク103の吸蔵材110に吸蔵されていた水素は、第2吸蔵タンク102を介して第1吸蔵タンク101に導かれることとなる。 【0057】また、第1〜4吸蔵タンク101〜105に収納された吸蔵材110のうち、第1吸蔵タンク101に収納された吸蔵材110の温度解離平衡圧が最も高いので、第1吸蔵タンク101に導かれた水素は、図10から明らかなように、第1吸蔵タンク101に向かうほど、圧力が高くなる。そこで、本実施形態では、第1吸蔵タンク101を始動用タンクと呼び、第2吸蔵タンク102を高圧用タンクと呼び、第3吸蔵タンク103を中圧用タンクと呼び、第4吸蔵用タンク104を低圧用タンクと呼び、第5吸蔵タンク105を定常時用タンクと呼ぶ。 【0058】このとき、第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110にて吸蔵される水素量より、第2〜5吸蔵タンク102〜105から第1吸蔵タンク101に導かれた水素量の方が多いので、第2〜5吸蔵タンク102〜105から第1吸蔵タンク101に導かれた水素の一部が第1吸蔵タンク101内の吸蔵材110に吸蔵され、その他は、外部(ヒータ200)に供給される。 【0059】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0060】定常時モードにおいては、定常時用タンク(第5吸蔵タンク)105から高圧タンク(第2吸蔵タンク)102に向けて順次昇圧しながら、始動用タンク(第1吸蔵タンク)101に水素が導かれるとともに、その導かれた水素の一部が始動用タンク101内の吸蔵材110に吸蔵されるので、始動用タンク101内の吸蔵材110に十分な量の水素を吸蔵させることができ、水素を常時、安定的に供給することができる。 【0061】また、始動用タンク101には高圧の水素が供給されるので、始動時において、外気温度が低く始動用タンク101内の圧力が低下しているときでも、高圧の水素を確実に供給することができる。延いては、始動時においても、ヒータ200が要求する水素量を確実、かつ、瞬時にレスポンス良く供給することができる。 【0062】また、圧縮機等のポンプ手段を用いることなく、高圧の水素を供給することができるので、水素供給装置100の部品点数及び構造を簡便なものとすることができ、水素供給装置100の製造原価低減を図ることができる。 【0063】なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、始動用タンク101の体積を高圧タンク102、中圧タンク103、低圧タンク104及び定常用タンク105の体積より小さくして、始動用タンク101の内圧(水素ガス圧)が低下することを抑制しつつ、内圧を昇圧し易くしている。 【0064】(第3実施形態)本実施形態は、図11に示すように、始動用タンク101より水素供給対象(本実施形態では、ヒータ200側)に、吸蔵材110を用いず、単純に水素を蓄える予備(高圧)タンク101aを設け、かつ、予備タンク101aと始動タンク101とを繋ぐ水素配管に開閉バルブ101bを設けるとともに、水素供給を停止する際には、開閉バルブ101bを閉じるようにしたものである。 【0065】これにより、水素供給の停止時に各タンク101〜105内の吸蔵材110の温度が低下して水素が吸蔵材110に吸蔵されても、予備タンク101a内に蓄えられた水素を供給することができるので、低温始動時においても、確実に水素を供給することができる。 【0066】なお、図11は第2実施形態に係る水素供給装置に本実施形態を適用した例であったが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、第1実施形態に係る水素供給装置にも適用することができる。 【0067】(その他の実施形態)上述の実施形態では、暖房用のヒータ200に水素を供給する水素供給装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、水素と酸素とを化学反応させて電力を起こす燃料電池の水素供給装置等その他の水素供給装置に適用してもよい。 【0068】また、第1実施形態では、温度解離平衡圧が等しい吸蔵材110が各吸蔵タンク101〜105に収納されていたが、温度解離平衡圧が相違する吸蔵材110を各吸蔵タンク101〜105に収納してもよい。 【0069】また、第2実施形態では、温度解離平衡圧が相違する吸蔵材110を用いたが、温度解離平衡圧が等しい吸蔵材110を各吸蔵タンク101〜105に収納させるとともに、各吸蔵タンク101〜105に供給する高温及び低温の熱媒体の温度を、吸蔵タンク毎に相違させることにより、解離する水素の圧力を順次、昇圧して第1吸蔵タンク101に導いてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年12月22日(1999.12.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−173899(P2001−173899A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−365039 |
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