| 【発明の名称】 |
低温タンク壁面の断熱層施工法及びその施工装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】西崎 丈能
【氏名】中谷 元彦
【氏名】鎌田 文男
【氏名】園 淳生
【氏名】三好 智運
【氏名】奥藤 真史
【氏名】下野 孝彦
【氏名】内橋 康明
【氏名】古田 俊彦
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| 【要約】 |
【課題】ウレタンの現場発泡のみでガラスメッシュとの一体成型が可能で工数、施工費用の著しい削減及び作業環境の大幅な改善が図れ、しかも厚み精度の飛躍的な向上並びに壁面全域に亘り平滑かつ均一な仕上がりの断熱層を施工できるようにする。
【解決手段】低温タンクの断熱施工壁面Wに予め直線的に貼付けたスペーサー9の表面にローラー10を押し当てた状態で、断熱施工壁面Wに対向する押え板12及びウレタン注入ヘッド16等を備えた施工装置Aをスペーサー9に沿って上昇走行させつつ、ガラスメッシュ6を順次繰り出すと同時に、ガラスメッシュ6と断熱施工壁面Wの間にウレタン原液を注入し発泡させることでPUF5とガラスメッシュ6とが一体成型された単位施工区域の断熱層7A-1を施工し、この施工を繰り返すことで壁面Wの全域に亘って断熱層7を施工する。施工後は目地部用ガラスメッシュ18をオーバーラップ状態に貼付け施工する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低温タンクの壁面に、硬質ウレタンフォームとこの硬質ウレタンフォームの表面を補強する表面補強材とからなる断熱層を現場施工する低温タンク壁面の断熱層施工法であって、上記低温タンクの断熱施工壁面に硬質ウレタンフォームと同一厚み及び同等の断熱特性を持つ既製のスペーサーを所定間隔を隔てて互いに平行状態で、かつ、断熱施工壁面の上下方向に向けて直線的に貼付け施工した後、隣接する一対のスペーサーの表面に押し当て可能なローラー及び隣接する一対のスペーサーの対向面間に入り込んで断熱施工壁面との間に硬質ウレタンフォームの仕上がり厚さに相当する空間を形成可能な押え板をスペーサーの長手方向下端からスペーサーの長手方向上端に向けて走行させつつ、上記空間の押え板側に表面材を順次繰り出すと同時に、その繰り出し表面補強材と断熱層設置壁面との間に硬質ウレタン原液を注入し発泡させて隣接する一対のスペーサー間に硬質ウレタンフォームと表面補強材とが一体成型された単位施工区域の断熱層を施工し、しかる後、各スペーサーの表面に、それの両側に隣接する単位施工区域の断熱層の表面補強材の端部表面をオーバーラップする状態で目地部用表面補強材を貼付け施工することを特徴とする低温タンク壁面の断熱層施工法。 【請求項2】 上記スペーサーが、注入発泡により形成される硬質ウレタンフォームと同一のウレタン材料から作製されている請求項1に記載の低温タンク壁面の断熱層施工法。 【請求項3】 上記単位施工区域の断熱層における表面補強材及びスペーサー表面に貼付けられる目地部用表面補強材としては、共にガラスメッシュを使用し、そのうち単位施工区域の断熱層における表面補強材として用いられるガラスメッシュの表面側にはウレタンに対して非接着性もしくは難接着性の剥離紙が貼付されており、単位施工区域の断熱層の施工後にはその剥離紙を剥離除去する請求項1または2に記載の低温タンク壁面の断熱層施工法。 【請求項4】 施工対象となる低温タンクの壁面が、内外二重壁の低温タンクの外壁の内面である請求項1ないし3のいずれかに記載の低温タンク壁面の断熱層施工法。 【請求項5】 低温タンクの壁面に、硬質ウレタンフォームとこの硬質ウレタンフォームの表面を覆う表面補強材とからなる断熱層を現場施工する際に用いられる低温タンク壁面の断熱施工装置であって、上記低温タンクの断熱施工壁面に沿って昇降自在に吊持されるゴンドラに、低温タンクの断熱施工壁面に所定間隔を隔てて互いに平行状態で、かつ、断熱施工壁面の上下方向に向けて直線的に貼付け施工された硬質ウレタンフォームと同一厚み及び同等の断熱特性を持つ一対の既製スペーサーの表面に押し当て走行可能な押し当てローラーと、隣接する一対のスペーサーの対向面間に入り込んで断熱施工壁面との間に硬質ウレタンフォームの仕上がり厚さに相当する空間を形成可能な押え板と、スペーサーの長手方向下端からスペーサーの長手方向上端に向かうゴンドラの上昇走行時に上記空間の押え板側に表面補強材を順次繰り出し可能な表面補強材供給装置と、この表面補強材供給装置から繰り出される表面補強材と断熱施工壁面との間に硬質ウレタン原液を注入するウレタン注入ヘッド及びそのトラバーサーとを装備させてなることを特徴とする低温タンク壁面の断熱施工装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)などの低温タンクの外壁、特に内外二重壁の外壁の内面に硬質ウレタンフォーム(以下、単に硬質ウレタンと称する)による断熱層を現場施工によって形成するための低温タンク壁面の断熱層施工法及びその施工に用いられる低温タンク壁面の断熱施工装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】低温タンクの壁面に硬質ウレタンによる断熱層を形成するにあたっては、低温の熱衝撃や温度勾配に起因した温度応力による断熱層な有害なひび割れ発生とその進展を防ぐ表面補強、表面保護及び外観仕上げのために、硬質ウレタンの表面にガラス繊維織物、つまり、ガラスメッシュなどを表面補強材として貼付ける手段を採用するのが一般的である。 【0003】上記のように硬質ウレタンとその表面に貼付けられるガラスメッシュ等の表面補強材とにより低温タンク壁面に所定の断熱層を現場施工するに際して、従来では、硬質ウレタンを直接、壁面に所要厚みに吹付け発泡する工法が採用されていた。詳述すると、図7(A)に示すように、低温タンク壁面Wに沿って昇降可能および水平移動可能なゴンドラ30に乗り込んだ作業者Mが携行しているブラスト装置31により壁面Wに向け粒子をブラストして該壁面Wを研掃した後、図7(B)に示すように、研掃後の壁面Wに手塗りローラ32等を用いてプライマーを塗布する。 【0004】続いて、図7(C)のように、上記ゴンドラ30に硬質ウレタン吹付け用スプレー33をセットし、ゴンドラ30の昇降および水平移動によって上記プライマー処理後の壁面Wに硬質ウレタンPUFをスプレー33から吹付けて発泡させたのち、そのウレタンPUFからなる断熱層37の表面を図7(D)のように、特殊なハンドカッター34などを用いて厚さが一定になるように切削し、このとき発生する切削屑などの粉塵は掃除機35を使用して吸引させる。 【0005】しかる後、図7(E)のように、上記ゴンドラ30に乗った作業者Mが手に持った吹付けガン36によってウレタンPUFからなる断熱層37の表面に接着剤40を塗布した上、図7(F)のように、複数の作業者Mの協働によってガラスメッシュ等の表面補強材38を上記断熱層37の表面に順次接着する。そして最後に、図7(G)のように、ドライヤー39などを用いて上記表面補強材38の上から加熱することにより接着剤40を硬化させて表面補強材38をウレタンPUFからなる断熱層37の表面に固定一体化させる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の低温タンク壁面の断熱層施工法による場合は、図7(A)〜(G)に示すように、多くの工程を必要とするだけでなく、各工程のほとんどが作業者による人為作業であり、特に硬質ウレタン表面の切削は機械化が困難で手作業となるために、全体として膨大な工数および費用を要するという問題がある。また、硬質ウレタンの吹付け時に発生するミスト及び硬質ウレタン表面の切削時に発生する切削屑などの粉塵によって作業環境が悪化することは避けられず、殊に内外二重壁の外壁の内面の断熱施工の場合は、閉じられた狭い空間内での作業が強いられるために、ミストや粉塵による作業環境の悪化は顕著である。 【0007】加えて、施工された断熱層の表面を平滑にし、かつ、その厚みを壁面全域に亘ってばらつきのないように仕上げるためには、ウレタンの吹付けから表面の切削工程の中で断熱層の厚みを揃えることが必要となるが、このような厚み精度の良否は現場作業者の経験と熟練度に依存することになり、厚み精度の向上にも自ずと限界がある。また、面積的に非常に大きいタンク壁面の全域を断熱施工するには、壁面をある幅で複数の施工区域に分割し、それら分割された単位施工区域毎に硬質ウレタンを順次吹付け発泡させる区分け施工が行なわれるが、その際、厚みの基準となるものが存在しないために、各施工区域における断熱層の厚みにばらつきが多く生じるのみならず、隣接する断熱層端部同士の接続箇所となる目地部に段差が発生したり、境界面に凹凸や微少な隙間が発生したりして仕上がりが非常に悪いものになるという問題があった。 【0008】本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、硬質ウレタンの現場発泡だけで表面補強材との一体成型を可能にして、施工工数、施工費用の著しい削減及び作業環境の大幅な改善を図ることができ、かつ、高所ゴンドラ作業などの危険性の高い作業の量を大幅に削減でき、しかも厚み精度を飛躍的に向上させることができるとともに、壁面全域に亘って表面平滑で、かつ均一な仕上がりの断熱層を施工することができる低温タンク壁面の断熱層施工法及びその施工装置を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る低温タンク壁面の断熱層施工法は、低温タンクの壁面に、硬質ウレタンフォームとこの硬質ウレタンフォームの表面を補強する表面補強材とからなる断熱層を現場施工する低温タンク壁面の断熱層施工法であって、上記低温タンクの断熱施工壁面に硬質ウレタンフォームと同一厚み及び同等の断熱特性を持つ既製のスペーサーを所定間隔を隔てて互いに平行状態で、かつ、断熱施工壁面の上下方向に向けて直線的に貼付け施工した後、隣接する一対のスペーサーの表面に押し当て可能なローラー及び隣接する一対のスペーサーの対向面間に入り込んで断熱施工壁面との間に硬質ウレタンフォームの仕上がり厚さに相当する空間を形成可能な押え板をスペーサーの長手方向下端からスペーサーの長手方向上端に向けて走行させつつ、上記空間の押え板側に表面補強材を順次繰り出すと同時に、その繰り出し表面補強材と断熱層設置壁面との間に硬質ウレタン原液を注入し発泡させて隣接する一対のスペーサー間に硬質ウレタンフォームと表面補強材とが一体成型された単位施工区域の断熱層を施工し、しかる後、各スペーサーの表面に、それの両側に隣接する単位施工区域の断熱層の表面補強材の端部表面をオーバーラップする状態で目地部用表面補強材を貼付け施工することを特徴とするものである。 【0010】また、本発明に係る低温タンク壁面の断熱施工装置は、低温タンクの断熱施工壁面に沿って昇降自在に吊持されるゴンドラに、低温タンクの断熱施工壁面に所定間隔を隔てて互いに平行状態で、かつ、断熱施工壁面の上下方向に向けて直線的に貼付け施工された硬質ウレタンフォームと同一厚み及び同等の断熱特性を持つ一対の既製スペーサーの表面に押し当て走行可能な押し当てローラーと、隣接する一対のスペーサーの対向面間に入り込んで断熱施工壁面との間に硬質ウレタンフォームの仕上がり厚さに相当する空間を形成可能な押え板と、スペーサーの長手方向下端からスペーサーの長手方向上端に向かうゴンドラの上昇走行時に上記空間の押え板側に表面補強材を順次繰り出し可能な表面補強材供給装置と、この表面補強材供給装置から繰り出される表面補強材と断熱施工壁面との間に硬質ウレタン原液を注入するウレタン注入ヘッド及びそのトラバーサーとを装備させてなることを特徴とするものである。 【0011】上記のような構成の断熱施工装置を用いる本発明の低温タンク壁面の断熱施工法によれば、低温タンクの断熱施工壁面に予め互いに平行で、かつ、壁面の上下方向に向けて直線的に貼付けたスペーサーの表面にローラーを押し当てるとともに、押え板を隣接するスペーサーの対向面間に入り込ませた状態でゴンドラを介してローラー及び押え板をスペーサーの長手方向下端から上端に向けて上昇走行させつつ、押え板と壁面との間に連続的に形成される空間の押え板側に表面補強材を順次繰り出すと同時に、その繰り出した表面補強材と壁面との間の空間に硬質ウレタン原液を注入し発泡させるといった一連の工程により、隣接するスペーサー間に硬質ウレタンと表面補強材とが一体成型された単位施工区域の断熱層を施工することが可能である。このように硬質ウレタンの注入発泡とその硬質ウレタン表面への表面補強材の貼付けとの連続一体成型によって、両者を接着するための特別な接着剤の使用及び接着剤の塗布作業が不要となり、施工工数及び施工コストの削減が図れる。また、硬質ウレタン表面の切削作業も不要であり、切削に伴う粉塵の発生がないばかりか、ウレタン原液の注入発泡でよく従来の吹付け発泡でみられるようなミストの発生もないために、作業環境の大幅な改善が図れる。 【0012】その上、壁面に先行して貼付けられるスペーサーが注入発泡により施工しようとする硬質ウレタンフォームと同一の厚みを持つものであるから、先行して貼付けされたスペーサーを厚みの基準にして押え板の押え荷重及び面積、硬質ウレタンの発泡特性を考慮した原液の注入量、施工装置の上昇走行速度などをコントロールし、かつ、注入発泡状態を目視管理することによって、特別な経験や高度な熟練を要さずとも、硬質ウレタンフォーム及び表面補強材からなる断熱層の厚み精度を大幅に向上させることが可能である。さらに、壁面に貼付けられたスペーサーが、隣接する一対のスペーサー間に形成される単位施工区域に注入された液状あるいはゲル状ウレタンが隣接する施工区域へ流出することを防止する堰止め機能を発揮することになり、これによって、所定の原液注入量の下での発泡により形成される単位施工区域の断熱層間の厚みにばらつきが生じることを防止するとともに、スペーサー自体が単位施工区域の断熱層端部同士の接続箇所の目地材となり、壁面全域に亘り段差や偏肉などのない表面平滑で、均一な厚みの断熱層を施工することが可能である。 【0013】本発明に係る低温タンク壁面の断熱層施工法において使用するスペーサーとしては、硬質ウレタンフォームと同等な断熱特性を持つものであればよいが、特に現場での注入発泡により形成される硬質ウレタンフォームと同一のウレタン材料から作製したものを使用することによって、壁面全域に亘って均等な断熱効果及び強度を有する断熱層を形成することができる。 【0014】また、上記した低温タンク壁面の断熱施工法に使用する単位断熱層における表面補強材及びスペーサー表面に貼付けられる目地部用表面補強材としては、冷熱衝撃や温度応力に対して優れた抵抗性を有して断熱層にクラックなどの損傷が生じることを非常に少なくできるガラスメッシュの使用が好ましい。特に、単位施工区域の断熱層における表面補強材として用いられるガラスメッシュの表面側にウレタンに対して非接着性もしくは難接着性の剥離紙が貼付されたものを使用することによって、ウレタン原液の注入発泡時における漏れ出しを防止するとともに、テンションを付与しにくい性質のガラスメッシュに剥離紙を介して十分にテンションを付与して表面に皺などを発生せず、かつ、外観的にも仕上がりのよい断熱層を施工することができながら、施工後は剥離紙のみを簡単に剥離除去して表面補強材による補強効果を確実に発揮させることができる。 【0015】さらに、本願発明は、低温タンクにおける内外二重壁の外壁の内面を施工対象とすることによって、内外二重壁間の狭い空間内での施工性の著しい改善が図れるとともに、粉塵の発生がないことによる作業環境の改善効果を一層高めることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。図1は本発明に係る低温タンク壁面の断熱施工装置の概略構成及び断熱施工状況の概要を示す側面図、図2はその正面図である。この断熱施工装置Aは、図3に明示するように、LNG等を貯蔵する低温タンクにおける内槽1とこの内槽1の外周を取り囲むようにプレキャストコンクリート(PC)から構築されている外槽(外壁)2との間の環状空間3に設置されて、外槽2内面のスチールライナ面4に冷熱抵抗緩和材として、硬質ウレタンフォーム(以下,PUFと称する)5とこのPUF5の表面を覆い補強する表面補強材の一例としてのガラスメッシュ6とがウレタンの現場発泡により一体成型された断熱層7を施工するように用いられるものである。 【0017】上記断熱施工装置Aは、図1及び図2に示すように、内外槽1,2間の頂部に設置されたトロリービーム(図示省略する)に取り付けられて空間3内を施工対象面であるスチールライナー面4に沿って昇降自在に吊持されるゴンドラ8を備え、このゴンドラ8に断熱層7を一体成型するための設備が装備されている。 【0018】上記ゴンドラ8に装備されている一体成型設備は、上記スチールライナー面4に予め所定の等間隔Lを隔てて互いに平行状態で、かつ、スチールライナー面4の上下方向に向けて直線的に貼付け施工される一対の既製スペーサー9,9(詳細は後述する)の表面に押し当てられゴンドラ8の昇降に伴い上下に走行可能な押し当てローラー10と、この押し当てローラー10の下部に配置されて一対のスペーサー9,9の対向面間に入り込んでスチールライナー面4との間にPUF5の仕上がり厚みtに相当する空間11を形成可能な矩形状の押え板12と、ゴンドラ8内の下部に配置されてガラスメッシュ6を該ガラスメッシュ6の表面側に微粘着力で貼付された剥離紙13と共にロール状に巻回保持するとともにゴンドラ8の上昇走行に伴い案内ローラー14及び上記押し当てローラー10を経て上記空間11の押え板12側に順次繰り出し可能なガラスメッシュ供給装置15と、ゴンドラ8内の上部に配置されてガラスメッシュ供給装置15から繰り出される剥離紙13付きのガラスメッシュ6とスチールライナー面4との間にウレタン原液を注入するウレタン注入ヘッド16及びその注入ヘッド16を横方向に往復移動させるためのトラバーサー17とから構成されている。 【0019】なお、スペーサー9は、スチールライナー面4に注入発泡成型されるPUF5と同一の硬質ウレタン材料を使用してPUF5の仕上がり厚みtと同一厚みに成型されている。また、剥離紙13はウレタンに対して非接着性もしくは難接着性の粘着剤を介してガラスメッシュ6の表面側に微粘着されており、断熱層7の施工後はガラスメッシュ6の表面から簡単に剥離除去可能である。 【0020】次に、上記のような構成の断熱施工装置Aを用いて低温タンクにおける外槽2内面のスチールライナー面4に対する断熱層施工要領について、図4〜図6を参照しながら列記説明する。 (1)スチールライナー面4の埃、付着物、浮き錆等を除去したのち、必要に応じてサンドペーパー等を用いて面荒らしする下地処理を行なう。 (2)下地処理後のスチールライナー面4にローラー刷毛等を用いて無溶剤プライマーを塗布する。 (3)上述した一体成型設備をゴンドラ8に装備させた断熱施工装置Aを内外槽1,2間の空間3に搬入し組立てるとともに、発泡機室や高圧発泡機、コンプレッサーなどを低温タンクにおける外槽2の外部グランド面に設置する。 (4)スチールライナー面4のうち側壁上部WU及び側壁下部・底部コーナー部WDを除く側壁部Wに対する断熱施工を行なう。 (5)側壁上部WU及び側壁下部・底部コーナー部WDに対する断熱施工を行なう。 【0021】以上(1)〜(5)の順番で行なわれる断熱施工のうち、本発明に係る断熱層施工法の特徴は、(4)に示す側壁部Wの断熱施工であり、この側壁部Wの具体的な施工手順は次の通りである。 ■側壁部Wのスチールライナー面4に水平横方向に所定ピッチ幅でマーキングを行なう。 ■マーキング位置に合わせてウレタン系接着剤を用いて複数の既製スペーサー9を所定間隔Lを隔てて互いに平行で、かつ、上下方向に向けて直線的に貼付ける。 ■断熱施工装置Aの押し当てローラー10を隣接する一対のスペーサー9,9の表面に押し当てるとともに、押え板12を一対のスペーサー9,9の対向端面間に入り込ませて該押え板12とスチールライナー面4との間に施工予定のPUF5の仕上がり厚みtに相当する空間11を形成させた状態でゴンドラ8を上昇させて断熱施工装置Aの全体をスペーサー9,9の長手方向下端から上端に向けて走行させる。この走行に伴って、図1に示すように、ガラスメッシュ供給装置15にロール状に巻回保持されている剥離紙13付きのガラスメッシュ6が案内ローラー14及び押し当てローラー10を経て上記空間11の押え板12側に順次繰り出されると同時に、その繰り出された剥離紙13付きのガラスメッシュ6とスチールライナー面4との間の空間11にトラバーサー17を介し横方向に往復移動されるヘッド16からウレタン原液が注入され発泡する。このように空間11に注入され発泡したウレタン原液はゲル状〜半硬化を経て硬化し、図5に示すように、隣接する一対のスペーサー9,9間にPUF5とその表面のガラスメッシュ6とが一体成型された所定厚みtの単位施工区域の断熱層7A-1を施工する。 ■単位施工区域の断熱層7A-1の施工が終わると、スペーサー9,9の表面上にはみ出した注入ウレタンをカットした上、断熱施工装置Aを次に隣接する一対のスペーサー9,9間に移行セットして、上記■の場合と同様な手順で単位施工区域の断熱層7A-2を施工する。このような単位施工区域の断熱層7A-1〜7A-nをスチールライナー面4の全面に亘って複数回繰り返し施工することにより、側壁部W全域に及ぶ断熱層7を施工する。 ■断熱層7の施工後は、各スペーサー9の表面上にはみ出た注入ウレタンを綺麗に除去した上、各スペーサー9の表面に接着剤を塗布して目地部用ガラスメッシュ18を貼付ける。この目地部用ガラスメッシュ18は、各スペーサー9の表面だけでなく、図6に示すように、各スペーサー9の左右両側に隣接する単位施工区域の断熱層7A,7Aの端部表面をオーバーラップするように貼付け施工される。 【0022】なお、上記(5)に示す側壁上部WUは、PUFを所要厚みに吹付け発泡し、その表面にガラスメッシュをタッカーで張付けるとともに、そのガラスメッシュ上に再びPUFを所定厚みに吹付けて側壁部Wの断熱層7と同一厚みの断熱構造とする。また、側壁下部・底部コーナー部WDは、PUFを所要厚みに吹付け発泡し、その表面に接着剤を介してガラスメッシュを貼付けて側壁部Wの断熱層7と同一厚みの断熱構造とする。これら断熱構造についての施工手順の詳細は省略する。 【0023】また、側壁部Wの断熱層7を施工する際にガラスメッシュ6の表面に微粘着されている剥離紙13は、PUF5を成型するためのウレタン原液の注入発泡時にウレタン原液やゲル状発泡ウレタンの外部漏れ出しを防止するとともに、テンションを付与しにくい性質のガラスメッシュ6に十分なテンションを付与して表面に皺などを発生させないために用いられるが、断熱層7の施工後はガラスメッシュ6から剥離除去することにより、ガラスメッシュ6による所定の補強効果を確実に発揮させることができる。 【0024】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低温タンクの断熱施工壁面に予め直線的に貼付けたスペーサーの表面に沿って押し当てローラー及び押え板を上昇走行させながら、表面補強材の繰り出しと硬質ウレタン原液の注入発泡といった一連の工程を行なうだけで、隣接するスペーサー間に硬質ウレタンフォームと表面補強材とが一体成型された単位施工区域の断熱層を連続施工することができる。したがって、硬質ウレタンフォームと表面補強材と接着するための特別な接着剤の使用及び接着剤の塗布作業が不要で、施工工数及び施工コストを大幅に削減することができる。特に、硬質ウレタンフォーム表面の切削作業が不要であり、切削に伴う粉塵の発生がないばかりか、ミストの発生がないウレタン原液の注入発泡でよいために、作業環境の大幅な改善も図ることができる。 【0025】しかも、断熱施工壁面に先行して貼付けられるスペーサーを注入発泡により成型される硬質ウレタンフォームの厚みの基準にして押え板の押え荷重及び面積、硬質ウレタンの発泡特性を考慮した原液の注入量、施工装置の上昇走行速度などをコントロールしやすく、かつ、注入発泡状態も目視管理することが可能であるから、特別な作業経験や高度な熟練を要さずとも、硬質ウレタンフォーム及び表面補強材からなる断熱層の厚み精度を飛躍的に向上させることができる。加えて、壁面に貼付けられたスペーサーが液状あるいはゲル状ウレタンの流出防止用の堰止め機能を発揮するために、所定の原液注入量の下での発泡により形成される単位施工区域の断熱層間の厚みをばらつきなく均一化できるとともに、スペーサー自体が単位施工区域の断熱層端部同士の接続箇所の目地材となり、壁面全域に亘って段差や偏肉などのない表面平滑で、かつ、目地部の仕上がりのよい断熱層を施工することができるという効果を奏する。 【0026】特に、単位施工区域の断熱層における表面補強材として用いられるガラスメッシュの表面側にウレタンに対して非接着性もしくは難接着性の剥離紙が貼付されたものを使用することによって、ウレタン原液の注入発泡時における漏れ出し防止と、テンションを付与しにくい性質のガラスメッシュに剥離紙を介して十分にテンションを付与して表面に皺などを発生せず、かつ、外観的にも仕上がりのよい断熱層の施工を可能としながら、施工後に剥離紙のみを簡単に剥離除去することでガラスメッシュによる所定の補強効果を確実に発揮させることができる。 【0027】また、本願発明は、低温タンクにおける内外二重壁の外壁の内面を施工対象とすることによって、内外二重壁間の狭い空間内での施工性の著しい改善が図れるとともに、粉塵の発生がないことによる作業環境の改善効果を一層高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社 【識別番号】000000549 【氏名又は名称】株式会社大林組 【識別番号】000003148 【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072338 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−173894(P2001−173894A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363014 |
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