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【発明の名称】 ガス燃料充填装置における潤滑装置
【発明者】 【氏名】岸田 肇

【氏名】猿田 雅己

【氏名】河村 新一

【要約】 【課題】ガス燃料をレシプロ式圧縮機により圧縮して燃料タンクに充填させるとき、この充填されるガス燃料に、圧縮機用の潤滑装置における潤滑油が混入しないようにし、もって、潤滑油が無駄に消費されないようにすると共に、燃料タンクに充填されたガス燃料の燃焼において、燃焼ガスの性状が良好に保たれるようにする。

【解決手段】圧縮機8で圧縮されたガス燃料3を燃料タンク4に向って導出可能とするガス燃料導出通路47と、上記圧縮機8の被潤滑部の潤滑後にこの圧縮機8から導出される潤滑油67を貯留可能とする油溜め部68と、この油溜め部68の潤滑油67を吸入する一方、この潤滑油67を上記圧縮機8の被潤滑部に供給する油ポンプ70とを備える。上記ガス燃料導出通路47の中途部に介設される油分離器80と、この油分離器80で分離された潤滑油67を上記油ポンプ70の吸入側に戻す油戻し通路81とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス燃料供給源から導入されるガス燃料を圧縮可能とするレシプロ式圧縮機と、この圧縮機で圧縮されたガス燃料を定置式もしくは車載の燃料タンクに向って導出可能とするガス燃料導出通路と、上記圧縮機の被潤滑部の潤滑後にこの圧縮機から導出される潤滑油を貯留可能とする油溜め部と、この油溜め部の潤滑油を吸入する一方、この潤滑油を上記圧縮機の被潤滑部に供給する油ポンプとを備えたガス燃料充填装置における潤滑装置において、上記ガス燃料導出通路の中途部に介設される油分離器と、この油分離器で分離された潤滑油を上記油ポンプの吸入側に戻す油戻し通路とを備えたガス燃料充填装置における潤滑装置。
【請求項2】 上記油戻し通路を開閉自在とする油開閉弁を設け、上記圧縮機の吐出側におけるガス燃料の圧力が所定値以上であるとき、上記油開閉弁を閉じるようにした請求項1に記載のガス燃料充填装置における潤滑装置。
【請求項3】 上記油戻し通路を開閉自在とする油開閉弁を設け、上記圧縮機が作動を停止したとき、上記油開閉弁を閉じるようにした請求項1、もしくは2に記載のガス燃料充填装置における潤滑装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ガス燃料供給源から導入されるガス燃料を圧縮機により圧縮し、このガス燃料を定置式もしくは車載の燃料タンクに充填させるようにしたガス燃料充填装置に関し、より詳しくは、上記圧縮機においてガス燃料に混入した潤滑油を上記ガス燃料から分離させるようにしたガス燃料充填装置における潤滑装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ガス燃料充填装置における潤滑装置には、従来、次のように構成されたものがある。
【0003】即ち、上記ガス燃料充填装置における潤滑装置が、定置式のガスタンクなどのガス燃料供給源から導入されるガス燃料を圧縮可能とするレシプロ式圧縮機と、この圧縮機で圧縮されたガス燃料を定置式もしくは車載の燃料タンクに向って導出可能とするガス燃料導出通路と、上記圧縮機の被潤滑部の潤滑後にこの圧縮機から導出される潤滑油を貯留可能とする油溜め部と、この油溜め部の潤滑油を吸入する一方、この潤滑油を上記圧縮機の被潤滑部に供給する油ポンプとを備えている。
【0004】上記圧縮機を作動させれば、この圧縮機により圧縮させられたガス燃料が上記ガス燃料導出通路を通り上記燃料タンクに向って導出させられ、この燃料タンクに充填させられる。
【0005】上記燃料タンクに充填されたガス燃料は、車両の走行駆動用など種々の目的で、燃焼に供される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の技術では、上記圧縮機の被潤滑部に供給された潤滑油の一部は、上記圧縮機のシリンダ内周面と、この内周面に摺接するピストンとの間の隙間を通り抜け、上記圧縮機で圧縮されるガス燃料に混入しがちとなる。
【0007】このため、上記潤滑油が、潤滑以外に無駄に消費されることとなって好ましくなく、また、上記燃料タンクのガス燃料が燃焼に供されたときには、これに混入されている潤滑油の不完全燃焼により、その燃焼ガスの性状を悪化させるおそれを生じる。
【0008】本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、ガス燃料をレシプロ式圧縮機により圧縮して燃料タンクに充填させるとき、この充填されるガス燃料に、圧縮機用の潤滑装置における潤滑油が混入しないようにし、もって、潤滑油が無駄に消費されないようにすると共に、燃料タンクに充填されたガス燃料の燃焼において、燃焼ガスの性状が良好に保たれるようにすることを課題とする。
【0009】また、上記潤滑装置による圧縮機の潤滑が、この圧縮機により圧縮されたガス燃料によって邪魔されることがないようにして良好な潤滑が維持されるようにし、かつ、上記潤滑装置を小形にできるようにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のガス燃料充填装置における潤滑装置は、次の如くである。
【0011】請求項1の発明は、ガス燃料供給源2から導入されるガス燃料3を圧縮可能とするレシプロ式圧縮機8と、この圧縮機8で圧縮されたガス燃料3を定置式もしくは車載の燃料タンク4に向って導出可能とするガス燃料導出通路47と、上記圧縮機8の被潤滑部の潤滑後にこの圧縮機8から導出される潤滑油67を貯留可能とする油溜め部68と、この油溜め部68の潤滑油67を吸入する一方、この潤滑油67を上記圧縮機8の被潤滑部に供給する油ポンプ70とを備えたガス燃料充填装置における潤滑装置において、【0012】上記ガス燃料導出通路47の中途部に介設される油分離器80と、この油分離器80で分離された潤滑油67を上記油ポンプ70の吸入側に戻す油戻し通路81とを備えたものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記油戻し通路81を開閉自在とする油開閉弁82を設け、上記圧縮機8の吐出側におけるガス燃料3の圧力が所定値以上であるとき、上記油開閉弁82を閉じるようにしたものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記油戻し通路81を開閉自在とする油開閉弁82を設け、上記圧縮機8が作動を停止したとき、上記油開閉弁82を閉じるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0016】図1,2において、符号1はガス燃料充填装置で、このガス燃料充填装置1は、定置式のガスタンクなどのガス燃料供給源2から導入されるガス燃料3を圧縮し、この圧縮したガス燃料3を定置式もしくは車載の燃料タンク4に向って導出し、この燃料タンク4に充填可能とさせるものである。
【0017】上記ガス燃料充填装置1は、上記ガス燃料供給源2のガス燃料3を導入させる導入管装置7と、この導入管装置7により導入されるガス燃料3を圧縮可能とするレシプロ式圧縮機8と、この圧縮機8で圧縮されたガス燃料3を上記燃料タンク4に向って導出可能とする導出管装置9と、上記圧縮機8を駆動させる駆動手段であって上記ガス燃料3を燃料とする内燃機関10と、上記圧縮機8を潤滑する潤滑装置11と、上記圧縮機8と内燃機関10とを水冷却させる冷却装置12と、上記ガス燃料充填装置1の各構成部品を電子的に制御する制御装置13と、これら7〜13を全体的に収容するハウジング14とを備えている。
【0018】上記導入管装置7は、パイプ材の内孔で成形されるガス燃料導入通路16を備えている。このガス燃料導入通路16の一端部(上流端部)は上記ガス燃料供給源2にカプラ17を通して連通させられ、他端部(下流端部)は上記圧縮機8の吸入側に連通させられている。また、上記導入管装置7は、上記ガス燃料導入通路16の上記一端部から他端部に至る中途部に順次介設される流量調整弁18、一方向弁19、除湿器20、およびフィルター21を備え、これら16〜21を通して上記ガス燃料供給源2のガス燃料3が上記圧縮機8に導入される。
【0019】図2において、前記圧縮機8は、固定台24に支持されるクランクケース25と、このクランクケース25内のクランク室26に収納されると共にほぼ水平な軸心27回りに回転自在となるよう上記クランクケース25に支承されるクランク軸28と、上記クランクケース25に突設される4つ(複数)の第1〜第4シリンダ29〜32とを備えている。これら各シリンダ29〜32は、上記軸心27の周方向でほぼ等角度に配置され、かつ、この軸心27をほぼ中心としてその径方向の外方に向うよう上記クランクケース25から放射状に突出させられている。前記導入管装置7のガス燃料導入通路16の他端部は上記クランク室26に連通させられている。
【0020】上記各シリンダ29〜32は、それぞれ上記クランクケース25から突出させられたシリンダ本体34と、このシリンダ本体34内のシリンダ孔に軸方向に摺動自在に嵌入されたピストン35と、このピストン35を上記クランク軸28に連動連結させる連接棒36と、上記シリンダ本体34の突出端側とピストン35とで囲まれた圧縮室37と、この圧縮室37とその外部とを連通させる吸入用一方向弁38および吐出用一方向弁39とを備えている。上記第1〜第4シリンダ29〜32は、この順序でボア径が漸減することとされ、また、各ピストン35のストロークは互いにほぼ同じとされている。
【0021】また、上記圧縮機8は、上記クランク室26を吸入用一方向弁38と協同して第1シリンダ29の圧縮室37に連通させる第1燃料通路41と、上記第1シリンダ29の圧縮室37を吐出用一方向弁39および第2シリンダ30の吸入用一方向弁38と協同してこの第2シリンダ30の圧縮室37に連通させる第2燃料通路42と、上記第2シリンダ30の圧縮室37を吐出用一方向弁39および第3シリンダ31の吸入用一方向弁38と協同してこの第3シリンダ31の圧縮室37に連通させる第3燃料通路43と、上記第3シリンダ31の圧縮室37を吐出用一方向弁39および第4シリンダ32の吸入用一方向弁38と協同してこの第4シリンダ32の圧縮室37に連通させる第4燃料通路44とを備え、上記各連通路41〜44はいずれもパイプ材の内孔で成形されている。また、上記クランク室26が所定の圧力以上にならないように安全弁45が設けられている。
【0022】図1,2において、前記導出管装置9は、パイプ材の内孔で成形されるガス燃料導出通路47を備えている。このガス燃料導出通路47の一端部(上流端部)は、上記第4シリンダ32の圧縮室37に吐出用一方向弁39を通して連通させられ、他端部(下流端部)は前記燃料タンク4にカプラ48を通して連通させられている。また、上記導出管装置9は、上記ガス燃料導出通路47の一端部から他端部に至る中途部に介設される一方向弁49と、上記圧縮機8の吐出側であるガス燃料導出通路47の中途部を通るガス燃料3の温度および圧力を検出する温度検出センサー50および圧力検出センサー51とを備えている。
【0023】上記圧縮機8が作動するとき、上記クランク室26内のガス燃料3は、上記各吸入用一方向弁38、吐出用一方向弁39、および燃料通路41〜44を通して第1〜第4シリンダ29〜32の各圧縮室37に順次受け継がれながら昇圧させられ、上記ガス燃料3が上記第4シリンダ32の圧縮室37に達したとき、十分に高圧に圧縮される。また、この第4シリンダ32の圧縮室37のガス燃料3は、上記ガス燃料導出通路47、一方向弁49、およびカプラ48を通し上記燃料タンク4に向い導出されて、この燃料タンク4に充填させられる。
【0024】図1において、前記内燃機関10は、上記圧縮機8のクランク軸28を連動連結させる他のクランク軸53を有する内燃機関本体54と、この内燃機関本体54の吸入側に連通する吸気通路55と、この吸気通路55の上流端に連通させられるエアクリーナ56と、上記吸気通路55の中途部に介設されるスロットル弁57と、このスロットル弁57を所望のスロットル開度にさせるアクチュエータ58とを備えている。なお、このアクチュエータ58は空気圧、油圧、電動、電磁式などいずれのものであってもよく、下記する各アクチュエータも同様である。
【0025】また、上記内燃機関10は、上記ガス燃料供給源2のガス燃料3を上記吸気通路55内に供給可能とする燃料供給手段59を備えている。この燃料供給手段59は、上記吸気通路55に連通する燃料供給通路60を備え、この燃料供給通路60の上流端部はカプラ61を通し上記ガス燃料供給源2に連通させられている。また、上記燃料供給通路60の中途部には流量調整弁62が介設され、この流量調整弁62を所望の開度にさせるアクチュエータ63が設けられている。
【0026】上記内燃機関10が駆動するとき、ハウジング14の外部の空気が上記エアクリーナ56、吸気通路55、およびスロットル弁57を通して内燃機関本体54に吸入されると共に、上記カプラ61、燃料供給通路60、および流量調整弁62を通してガス燃料3が上記内燃機関本体54に吸入され、上記空気と共に燃焼に供される。この燃焼により生じたエネルギーにより上記クランク軸53から駆動力が出力され、上記圧縮機8が作動させられる。
【0027】図1において、前記潤滑装置11は、上記圧縮機8のクランク室26側から導出される潤滑油67を貯留可能とする油溜め部68と、この油溜め部68を上記圧縮機8の軸受部など被潤滑部に連通させる油供給油路69と、この油供給油路69の中途部に介設されこの油供給油路69を通し上記油溜め部68の潤滑油67を吸入する一方、この潤滑油67を上記圧縮機8の被潤滑部に供給する油ポンプ70と、上記油供給油路69の中途部に介設される流量調整弁71および一方向弁72と、上記油溜め部68の潤滑油67の貯留量を検出する油面センサー73とを備えている。
【0028】上記油溜め部68は、上記クランクケース25の内底部に形成される油溜め凹部74と、上記クランクケース25とは別体として上記油供給油路69の中途部に介設される油タンク75とを備え、この油タンク75に上記油面センサー73が設けられている。また、上記油ポンプ70は、上記油供給油路69を通し上記油溜め凹部74の潤滑油67を上記油タンク75に供給する第1ポンプ76と、上記油供給油路69を通し上記油タンク75の潤滑油67を上記圧縮機8の被潤滑部に供給する第2ポンプ77とを備えている。
【0029】また、上記潤滑装置11は、前記導出管装置9のガス燃料導出通路47の中途部に介設される油分離器80と、この油分離器80の内底部を上記油ポンプ70の吸入側である上記クランク室26内に連通させるパイプ材の内孔で成形される油戻し通路81と、この油戻し通路81を開閉自在とする油開閉弁82と、この油開閉弁82を開閉弁動作可能とさせるアクチュエータ83とを備えている。前記温度検出センサー50は上記ガス燃料導出通路47において上記油分離器80よりも上流側に配設され、圧力検出センサー51は上記ガス燃料導出通路47において上記油分離器80よりも下流側に配設されている。
【0030】上記油ポンプ70の第1、第2ポンプ76,77を駆動させれば、上記油溜め部68の油溜め凹部74と油タンク75の各潤滑油67が上記圧縮機8の被潤滑部に供給されて、所定の潤滑がなされる。この潤滑後の潤滑油67はクランク室26を通り、上記油溜め凹部74に貯留され、以下、上記潤滑作用が繰り返される。
【0031】ここで、上記圧縮機8の被潤滑部に供給された潤滑油67の一部は、上記圧縮機8のシリンダ本体34におけるシリンダ孔の内周面と、この内周面に摺接するピストン35との間の隙間を通り抜けて、この圧縮機8の圧縮室37で圧縮されるガス燃料3に混入する。
【0032】その後、上記圧縮機8で圧縮されたガス燃料3が上記導出管装置9のガス燃料導出通路47を通り燃料タンク4に向けて導出させられるとき、上記ガス燃料3に混入させられていた潤滑油67は、上記油分離器80により捕捉されてガス燃料3から分離させられ、上記油分離器80の内底部から油戻し通路81と油開閉弁82とを通り上記クランク室26に戻され、再び潤滑に供される。
【0033】上記構成によれば、潤滑装置11は、ガス燃料導出通路47の中途部に介設される油分離器80と、この油分離器80で分離された潤滑油67を上記油ポンプ70の吸入側に戻すよう案内する油戻し通路81とを備えているため、上記圧縮機8でガス燃料3が圧縮されるとき、このガス燃料3に圧縮機8の潤滑用の潤滑油67の一部が混入したとしても、この潤滑油67は上記油分離器80で捕捉されて、ガス燃料3から分離され、燃料タンク4に充填されるガス燃料3への潤滑油67の混入が抑制される。
【0034】また、上記のように分離された潤滑油67は上記油戻し通路81を通って上記油ポンプ70の吸入側に戻され、再び、潤滑に供される。
【0035】よって、上記潤滑油67が無駄に消費されることは防止されると共に、上記燃料タンク4のガス燃料3が燃焼に供されるとき、この燃料タンク4におけるガス燃料3への潤滑油67の混入が抑制された分、この潤滑油67の不完全燃焼の発生が回避されて、その燃焼ガスの性状が良好に保たれる。
【0036】また、前記したように、油ポンプ70は、クランクケース25に形成された油溜め凹部74内の潤滑油67を油タンク75に供給する第1ポンプ76を備えており、このため、上記油タンク75の配置の自由度が向上する。
【0037】なお、上記油戻し通路81の下流端部は、油溜め凹部74、油タンク75、もしくは第1、第2ポンプ76,77の吸入部のいずれに連通させてもよい。また、上記第1ポンプ76はなくてもよい。
【0038】図1,2において、前記冷却装置12は、前記第1〜第4シリンダ29〜32の各シリンダ本体34に形成される第1〜第4冷却水ジャケット86〜89と、上記内燃機関10の内燃機関本体54に形成される冷却水ジャケット90と、互いに別体とされて上記クランクケース25に支持された第1、第2熱交換器92,93とを有したインタークーラー94と、冷却水を空冷するラジエータ95と、上記内燃機関10により駆動されて上記ラジエータ95に冷却風を送る空冷ファン96とを備えている。
【0039】また、上記冷却装置12は、上記ラジエータ95の下流側を上記第1熱交換器92に連通させる第1水通路98と、上記第1熱交換器92の第1水通路98側を順次第4冷却水ジャケット89、第1熱交換器92、第3冷却水ジャケット88、第2熱交換器93、第2冷却水ジャケット87、第2熱交換器93、および第1冷却水ジャケット86に順次連通させる第2水通路99と、上記第1冷却水ジャケット86を上記内燃機関10の冷却水ジャケット90に連通させる第3水通路100と、上記内燃機関10の冷却水ジャケット90を上記ラジエータ95の上流側に連通させる第4水通路101とを備え、上記各冷却水ジャケット86〜89、インタークーラー94の第1、第2熱交換器92,93、ラジエータ95、および第1〜第4水通路98〜101によって、閉回路の冷却水回路104が形成されている。
【0040】また、上記冷却装置12は、上記冷却水回路104に沿って、上記ラジエータ95で冷却された冷却水をこのラジエータ95の下流側から上記圧縮機8の冷却水ジャケット86〜89、内燃機関10の冷却水ジャケット90、およびインタークーラー94に向って流動させると共に、上記ラジエータ95の上流側に戻すよう上記冷却水を循環させる水ポンプ105を備えている。この水ポンプ105は上記第3水通路100の中途部に介設され、上記内燃機関10により変速手段106を介し駆動させられるようになっている。また、上記変速手段106を所望の変速比にさせるアクチュエータ107が設けられている。
【0041】上記第1熱交換器92において、上記ラジエータ95で十分に冷却された直後の冷却水により、上記第4燃料通路44と導出管装置9のガス燃料導出通路47とを通る各ガス燃料3がそれぞれ冷却される。また、上記第2熱交換器93において、冷却水により上記第2燃料通路42と第3燃料通路43とを通る各ガス燃料3がそれぞれ冷却され、燃料タンク4への充填密度が高められる。更に、上記各冷却水ジャケット86〜90を通る冷却水により、上記圧縮機8の各シリンダ29〜32と、内燃機関10とがそれぞれ冷却され、これら圧縮機8と内燃機関10のそれぞれの円滑な作動が確保される。
【0042】図1において、上記冷却装置12は、両端部がそれぞれ上記冷却水回路104に連結されて上記ラジエータ95を迂回する水迂回通路109と、上記ラジエータ95と水迂回通路109とをそれぞれ流動する冷却水の水量をそれぞれ調整自在とするリニア三方弁である水量調整弁110と、この水量調整弁110を弁駆動させて上記各水量を所望の水量とさせるアクチュエータ111とを備えている。
【0043】また、上記冷却装置12は、両端部がそれぞれ上記冷却水回路104に連結されて上記内燃機関10の内燃機関本体54の冷却水ジャケット90を迂回する他の水迂回通路113と、この水迂回通路113を開閉する水開閉弁114と、この水開閉弁114を所望開度にさせるアクチュエータ115とを備えている。
【0044】図3において、前記制御装置13には、上記内燃機関10により駆動される発電機117から電力が供給される。また、上記制御装置13には、温度検出センサー50、圧力検出センサー51、および油面センサー73の各検出信号が入力されるようになっており、また、これら検出信号により、上記各アクチュエータ58,63,83,107,111,115が制御されて所望の作動がさせられるようになっている。
【0045】図4は、上記制御装置13についてのフローチャートを示し、図中(P‐1)〜(P‐8)はプログラムの各ステップを示している。
【0046】図1,4において、内燃機関10が始動し(P‐2)、これに連動して圧縮機8が作動させられると、上記導入管装置7を通しガス燃料供給源2から圧縮機8のクランク室26に導入されたガス燃料3が上記圧縮機8の各シリンダ29〜32で順次圧縮され、この圧縮されたガス燃料3が上記導出管装置9のガス燃料導出通路47を通り燃料タンク4に向って導出されて、この燃料タンク4に充填される。
【0047】上記の場合、圧縮機8の吐出側である上記ガス燃料導出通路47内のガス燃料3の圧力が前記圧力検出センサー51により検出され、この検出信号が上記制御装置13に入力される。
【0048】上記制御装置13により、圧縮機8の吐出側のガス燃料3の圧力が所定値未満であると判断されれば(P‐3)、上記油開閉弁82は開弁状態のままに保持され(P‐4)、上記油分離器80の内底部に溜まろうとする潤滑油67は上記油戻し通路81と油開閉弁82を通ってクランク室26に戻され、ここから上記油ポンプ70により再び潤滑に供される。
【0049】一方、上記(P‐3)で、圧縮機8の吐出側のガス燃料3の圧力が所定値以上であると判断されれば、上記アクチュエータ83が駆動させられて上記油開閉弁82が閉弁(全閉)させられる(P‐5)。
【0050】このため、上記した所定値以上の圧力の高いガス燃料3が上記油戻し通路81を通り、油ポンプ70に作用するということが防止されて、この油ポンプ70による圧縮機8の良好な潤滑が維持される。
【0051】また、上記内燃機関10の駆動停止などにより、上記圧縮機8の作動が停止させられたときにも(P‐6)、上記アクチュエータ83が駆動させられて上記油開閉弁82が閉弁(全閉)させられるようになっている(P‐7)。
【0052】ここで、上記圧縮機8の作動停止時には、この圧縮機8の被潤滑部に供給されていた潤滑油67は上記圧縮機8から導出させられて上記油溜め部68に多量に溜まろうとするが、上記したように圧縮機8の停止時には、上記油開閉弁82が閉弁させられるため、上記油分離器80で分離された潤滑油67が上記油ポンプ70の吸入側や油溜め部68に向って流動するということは防止される。
【0053】よって、上記油分離器80からの潤滑油67が上記油溜め部68に流入しない分、上記油溜め部68の容量を小さくでき、潤滑装置11を小形にできる。
【0054】図5は、ガス燃料充填装置1の潤滑装置11についての他の実施の形態を示している。
【0055】これによれば、油ポンプ70は第2ポンプ77を備え、この第2ポンプ77は内燃機関10により駆動されるようになっており、その分、潤滑装置11の構成が簡単とされている。
【0056】また、上記内燃機関10に連動する圧縮機8の作動(回転数)に応じて、上記油ポンプ70により潤滑油67が圧縮機8に供給されるため、この圧縮機8の潤滑がより適正に行われる。
【0057】他の構成や作用は前記実施の形態と同様であるため、共通の符号を付して、その説明を省略する。
【0058】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0059】請求項1の発明は、ガス燃料供給源から導入されるガス燃料を圧縮可能とするレシプロ式圧縮機と、この圧縮機で圧縮されたガス燃料を定置式もしくは車載の燃料タンクに向って導出可能とするガス燃料導出通路と、上記圧縮機の被潤滑部の潤滑後にこの圧縮機から導出される潤滑油を貯留可能とする油溜め部と、この油溜め部の潤滑油を吸入する一方、この潤滑油を上記圧縮機の被潤滑部に供給する油ポンプとを備えたガス燃料充填装置における潤滑装置において、【0060】上記ガス燃料導出通路の中途部に介設される油分離器と、この油分離器で分離された潤滑油を上記油ポンプの吸入側に戻す油戻し通路とを備えている。
【0061】このため、上記圧縮機でガス燃料が圧縮されるとき、このガス燃料に圧縮機の潤滑用の潤滑油の一部が混入したとしても、この潤滑油は上記油分離器で捕捉されて、ガス燃料から分離され、燃料タンクに充填されるガス燃料への潤滑油の混入が抑制される。
【0062】また、上記のように分離された潤滑油は上記油戻し通路を通って上記油ポンプの吸入側に戻され、再び、潤滑に供される。
【0063】よって、上記潤滑油が無駄に消費されることは防止されると共に、上記燃料タンクのガス燃料が燃焼に供されるとき、この燃料タンクにおけるガス燃料への潤滑油の混入が抑制された分、この潤滑油の不完全燃焼の発生が回避されて、その燃焼ガスの性状が良好に保たれる。
【0064】請求項2の発明は、上記油戻し通路を開閉自在とする油開閉弁を設け、上記圧縮機の吐出側におけるガス燃料の圧力が所定値以上であるとき、上記油開閉弁を閉じるようにしてある。
【0065】このため、上記した所定値以上の圧力の高いガス燃料が上記油戻し通路を通り、油ポンプに作用するということが防止されて、この油ポンプによる圧縮機の良好な潤滑が維持される。
【0066】請求項3の発明は、上記油戻し通路を開閉自在とする油開閉弁を設け、上記圧縮機が作動を停止したとき、上記油開閉弁を閉じるようにしてある。
【0067】ここで、上記圧縮機の作動停止時には、この圧縮機の被潤滑部に供給されていた潤滑油は上記圧縮機から導出させられて上記油溜め部に多量に溜まろうとするが、上記したように圧縮機の停止時には、上記油開閉弁が閉弁させられるため、上記油分離器で分離された潤滑油が上記油ポンプの吸入側や油溜め部に向って流動するということは防止される。
【0068】よって、上記油分離器からの潤滑油が上記油溜め部に流入しない分、上記油溜め部の容量を小さくでき、潤滑装置を小形にできる。
【出願人】 【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】 【識別番号】100084272
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 忠雄
【公開番号】 特開2001−65792(P2001−65792A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−239914