| 【発明の名称】 |
構造体の構造部材及び構造部材の組立方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鵜原 治
【氏名】吉崎 圭典
【氏名】井上 明典
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| 【要約】 |
【課題】特別な金型及び装置、作業者(職人)を必要とせずに、曲率を有する構造体の構成が容易にできる構造部材を提供すること、および、構造体の容易な組立方法の提供にある。
【解決手段】2つの直交する面、第1の面11と第2の面13を有する構造部材10、例えば2つの面は長手方向に端縁で直交して断面L字型となっている構造部材10の少なくとも一面にスリット15を入れる構成とすることにより、力F方向への曲げ加工を容易としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 構造体の組立に用いられる構造部材であって、直交する少なくとも2つの面を有し、少なくとも1面にはスリットが形成されてなる構造体の構造部材。 【請求項2】 構造体の組立てに用いられる構造部材であって、直交する少なくとも2つの面を有し、少なくとも1面にはスリットが形成されると共に、該スリットは構造体の曲率を有する個所に組み立てられたとき、被組立面の曲率の中心を含む面に配設されてなる構造体の構造部材。 【請求項3】 構造体の組立てに用いられる構造部材であって、直交する少なくとも2つの面を有し、少なくとも1面にはスリットが形成されれると共に、該スリットは構造体の曲率を有する個所に組み立てられたとき、被組立面の曲率の中心を含む面に直交する面に配設されてなる構造体の構造部材。 【請求項4】 構造体の組立てに用いられる構造部材であって、直交する複数の面を有し、少なくとも2面にはスリットが形成されると共に、該スリットは構造体の曲率を有する個所に組み立てられたとき、構造部材のスリットは、被組立面の曲率の中心を含む面および被組立面の曲率の中心を含む面に直交する面に配設されてなる構造体の構造部材。 【請求項5】 構造部材は長手方向に端縁で直交している請求項1乃至4の何れかの項に記載の構造体の構造部材。 【請求項6】 構造部材は長手方向に中央部分で直交している請求項1乃至4の何れかの項に記載の構造体の構造部材。 【請求項7】 構造部材は曲げ加工時の曲率の中心方向への変形をスリットの間隙変化により吸収してなる請求項1乃至6の何れかの項に記載の構造体の構造部材。 【請求項8】 取付面以外のスリット形成面に補強部材を配設してなる請求項1乃至6の何れかの項に記載の構造体の構造部材。 【請求項9】 構造体と構造部材の組立方法において、構造部材は少なくとも構造体への取付面とスリット形成面を有し、構造体の被組立面の曲率に合わせて構造部材を曲げ加工する曲げ加工工程と、構造部材を構造体の被組立面に取り付ける取付工程を備え、曲げ加工工程において、構造部材は曲率の中心方向への変形をスリットの間隙の変化により吸収してなる構造部材の組立方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、機器の構造体の組立に用いる構造部材、および構造体の組立方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の板金製の構造体の組立、あるいは構造体の組立方法としては、構造部品と構造部品とをスポット溶接して組み立てていた。しかし、断面形状をL字型、コ字型、Z字型、H字型、又はこれらを組み合わせた形状からなる構造部品を曲率をもたせて組み立てる場合、先ず、これらの断面形状の構造部材を曲げるための金型を製作し、金型プレスによって曲げる方法、火造りにより人手によって曲げる方法、クラフトフォーマーによって曲げる方法等により、各構造部材を曲げ、それから組み立てていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来技術において、構成部材を金型により曲げる方法は金型の製作費が高価であり、非量産品の製造には適さなかった。また、火造りでの曲げ方法においては、特殊な技術をもった職人を必要とする作業として制約されていた。更にクラフトフォーマでの曲げにおいては装置の値段が高く、経済面での負担が大きかった。 【0004】そこで、本発明は、前記不都合を解決すべく、特別な金型及び装置、作業者(職人)を必要とせずに、曲率を有する構造体の構成が容易にできる構造部材を提供すること、および、構造体の容易な組立方法の提供にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の構造部材、および構造体への構造部材の組立方法は、2つの直交する面を有する構造部材、例えば2つの面は長手方向に端縁で直交している断面L字型、コ字型、Z字型の部材、あるいは長手方向に中央部分で直交している、断面形状H字型の部材、またはそれらを組み合わせた構造部材の少なくとも一面にスリットを入れる構成とすることにより、曲げ加工を容易としている。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により詳述する。 実施例1図1は構造部材として断面L字型の構造部材を示し、図2はその構造部材による構造体の組立を示している。この実施例では構造体として鉄道車両用空調装置を示している。 【0007】構造部材10はアルミ、鉄、ステンレス、プラスチック樹脂などの板材よりなり、断面をL字型とする長尺体である。構造部材10は板体を直角に折り曲げ第1の板11と第2の板13を形成している。そして、第2の板13にはスリット15が等間隔に形成されている。スリット15の開口幅は、幅15aとしている。 【0008】このように構成される構造部材10を鉄道車両用空調装置の外枠体の組立に適用した例を説明する。・・図2、図3、図4参照空調装置20の外枠体21の屋根部21aと側壁部21bとの端縁部分に構造部材10を取り付ける。空調装置の屋根部21aは、上方に突出する曲率を有する湾曲形状となっている。構造部材10は、第1の板体11の上面を力Fで押圧することにより、曲率の中心を中心Oとして湾曲する。このとき、スリット15は曲率の中心Oを含む面に、曲率中心O方向に平行して形成されている。構造部材10は第2の板体13の先端が自由端となっているので、隣接する第2の板体13aと第2の板体13bは移動して力Fを吸収する。第2の板体13aと第2の板体13bの移動により、スリット15は、スリット15の第1の板体11連結部の開口幅15aに対して、先端部分の開口幅は幅15bと狭く(幅15a>幅15b)なる。 【0009】この第2の板体13の移動により構造部材10の曲げ加工は小さな力で加工できる。そして、湾曲形成加工された構造部材10を空調装置20の外枠体21に取り付ける。先ず、第1の板体11を空調装置外枠21の屋根部21aの端縁に載置し、第2の板体13を外枠側壁21bに合致させる。このとき、第1の板体11の曲率と屋根部21aの曲率が合致しない部分は、局部的に第1の板体11を曲率の中心方向に押圧することにより、屋根部21aの曲率に合わせることができる。その後、第2の板体13と空調装置の外枠21の側壁21bをスポット溶接25などの固着手段により固着させる。 【0010】このように、構造部材10は構造体(空調装置)への取付面である第1の板体11に対して、第1の板体11が曲げ加工される曲率の中心を含む面(第2の板体13)にスリット15が形成されているので、構造部材10は小さな力で曲げ加工ができる。 【0011】ここで、取付面の曲率の大きさにより第2の板体13に形成するスリット15の数、およびスリット15の形成ピッチを変更することにより、より適切な曲げ加工に対応できる。以下に示す実施例においても同様に取付面の曲率に対応できる。 【0012】実施例2図5は構造部材として断面コ字型の構造部材を示し、図6はその構造部材による構造体の組立を示している。この実施例では、構造体として機器の仕切り板を示している。構造部材30はアルミ、鉄、ステンレス、プラスチック樹脂などの板材よりなり、断面をコ字型とする長尺体である。構造部材30は板体の幅方向両端を直角に折り曲げ、中央板体31と、中央板体31を挟んで第1の側板33aと第2の側板33bを形成する。第1の側板33a,第2の側板33bには等間隔にスリット35を形成している。 【0013】このように構成される構造部材30を構造体の仕切り板の組立に適用した例を説明する。・・図6参照仕切り板40は曲率の中心を中心Oとする湾曲面となっている。この仕切り板40の内壁面に構造部材30を取り付ける。構造部材30は、中央板体31の上面を力Fで押圧することにより湾曲する。両側板33a,33bは曲率の中心Oを含む面に、曲率中心O方向に平行したスリット35が形成されている。中央板体31の上面から力Fが加わると、両側板33a,33bの先端の自由端は移動して力Fを吸収する。そして、実施例1の場合と同様に、両側板33a,33bの移動によりスリット35は、スリット35の先端部分の開口幅を狭くした状態となる。 【0014】そして、湾曲形成加工された構造部材30を仕切り板40の内壁面に取り付ける。先ず、構造部材30の中央板31を仕切り板40内壁面に重合する。このとき、構造部材30の曲率と仕切り板40の曲率が合致しない部分は、局部的に構造部材30を押圧することにより、曲率を変更させることができる。その後、構造部材30の中央板31と仕切り板40とをスポット溶接25などの固着手段により固着させる。 【0015】このように、構造部材30は構造体(仕切り板)への取付面である中央板31に対して、両側板33a,33bが曲げ加工される曲率の中心Oを含む面にスリット15が形成されているので、構造部材10は小さな力で曲げ加工ができる。 【0016】実施例3図7は構造部材として断面Z型の構造部材を示し、図8はその構造部材による構造体の組立を示している。この実施例における構造体は車体を示している。構造部材50はアルミ、鉄、ステンレス、プラスチック樹脂などの板材よりなり、断面をZ字型とする長尺体である。構造部材50は板体の幅方向両端を互いに反対方向へ直角に折り曲げ、中央板体51と、中央板体51を挟んで上部側板53aと下部側板53bを形成する。上部側板53a,下部側板53bには等間隔にスリット55を形成している。 【0017】このように構成される構造部材50を車両構体60の屋根65の組立に適用した例を説明する。・・図8参照車両構体60の屋根65は曲率の中心を中心Oとする湾曲面となっている。この実施例は、構造部材50の下部側板53bを屋根65への取付面として、構造部材50を屋根65に取り付ける場合を示している。構造部材50の中央板体51を力F(曲率の中心方向)で押圧することにより、中央板体51の板面の延長線に曲率の中心(中心O)を有する、湾曲部材が形成される。この構造部材50においては、上部側板53a,下部側板53bは曲率の中心O方向に直交する面となり、曲率中心O方向に直交するスリット55a,55bが形成されている。そして、上部側板53a,下部側板53bの先端の自由端は移動して力Fを吸収するが、上部側板53aのスリット55aは拡開し、下部側板53bのスリット55bは閉塞する。 【0018】このように、湾曲形成加工された構造部材50を屋根65に取り付ける。先ず、構造部材50の下部側板53bを屋根65に重合し、スポット溶接などの固着手段で取り付ける。このとき、構造部材50の曲率と屋根65の曲率が合致しない部分は、構造部材50を曲率中心方向に押圧することにより、局部的に曲率を変更させることができる。この構成部材50にように、取付面以外にスリットが形成されている場合は、図9に示すように、スリットが形成されている上部側板53aに補強板57を重合して、強度を補充する。 【0019】このように、中央板体51に対して、上部側板53a,下部側板53bに形成されるスリット55a,55bが曲げ加工される曲率の中心Oを含む面に直交して形成されている部材は、中央板体51の曲げ加工時、スリットは拡開、あるいは閉塞(収縮)して対応するので、構造部材50は小さな力で曲げ加工ができる。 【0020】また、断面Z型の構造部材50は、図10に示すように、中央板体51を取付面とすることもできる。構造部材50は下部側板53bを構造体70にスポット溶接などにより固着して構造体70と組合わせる。この場合、スリットは構造部材50の曲率の中心を含む面に形成されるので、下部側板53bはスリットを閉塞して曲げ力を吸収する。また、上部側板53aのスリットは拡開するので、強度的に問題が有りあるが、補強板570を上部側板53aの取付面に連結する面、あるいは半対面に取り付けることにより、対応することができる。 【0021】実施例4この実施例では、上記構造部材の他の形状を有する構造部材を説明する。構造部材80・・図11参照。この構造部材80は板体を中央板81の両側を直角に折り曲げて側壁部83を形成し、側壁83の端縁を外側に直角に折り曲げて鍔部84を形成している。そして、側壁83から鍔部84に連続してスリット85を形成している。この構造部材80も、スリット85が拡開、あるいは収縮して曲率中心方向への力Fを吸収するので、小さな力で曲げ加工ができる。 【0022】構造部材90・・図12参照。この構造部材90は、中央板91と中央板91の両側を側壁板93で挟持した形状、断面H字型をなしている。この構造部材90の側壁板93には、中央板を介してスリット95が形成されている。この構造部材90も、スリット95が拡開、あるいは収縮して曲率中心方向への力Fを吸収するので、小さな力で曲げ加工ができる。 【0023】構造部材100・・図13参照この構造部材100は、断面L字型の第1の構造部材100Aと第2の構造部材100Bとにより構成されている。第1の構造部材100Aは第1の板体110Aと第2の板体130A,第2の板体130Aに形成されるスリット150Aを有し、第2の構造部材100Bは第1の板体110Bと第2の板体130B,第2の板体130Bに形成されるスリット150Bを有している。そして、第1の構造部材100Aを曲率の中心を中心Oとする湾曲面に形成し、第2の構造部材100Bも第1の構造部材100Aと同一の曲率を有する構成部材に形成する。そして、第1の構造部材100Aに第2の構造部材100Bを、第2の板体130Aと第2の板体130Bが重合するように組み合わせる。この構成の構造部材100はスリット形成面がなくなり、強い構成部材となる。 【0024】 【発明の効果】本発明は、特別な金型、設備(クラフトフォーマー)、作業者(火造り職人)を必要とせずに特に薄板の場合は、人力により曲げ作業が容易に出来る。又、非量産部品のように極少量の部品製作において、部品を正確に早く曲げ及び接合、組み立て作業ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成11年9月14日(1999.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095913 【弁理士】 【氏名又は名称】沼形 義彰 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−82687(P2001−82687A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−259961 |
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