| 【発明の名称】 |
サンドイッチ板の製造方法およびサンドイッチ板 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊田 憲彦
【氏名】岡村 将光
【氏名】高山 宏
【氏名】功刀 俊明
【氏名】川崎 正勝
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| 【要約】 |
【課題】インサートを内蔵するサンドイッチ板において、高品質かつ生産性の良いサンドイッチ板の製造方法を提供する。
【解決手段】一方の端部を先鋭にしたインサート1の他方の端部を、あらかじめ穴開けした表皮材2の内側に取り付ける第1工程(a)(b)、インサート1の一方の端部がコア材4を押し切るようにして、インサート1をコア材4に押し込む第2工程(c)、およびコア材4のインサート挿入側と反対側の面に表皮材2を取り付ける第3工程(d)を施すことにより、サンドイッチ板を製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板の製造方法において、一方の端部を先鋭にしたインサートの他方の端部を、あらかじめ穴開けした表皮材の内側に取り付ける第1工程、上記インサートの一方の端部が上記コア材を押し切るようにして、上記インサートを上記コア材に押し込む第2工程、および上記コア材のインサート挿入側と対向する側の面に表皮材を取り付ける第3工程を施すことを特徴とするサンドイッチ板の製造方法。 【請求項2】 インサートの一方の端部に、2つの面の交線を設けることにより先鋭にしたことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項3】 交線は、コア材に対して平行に当たるように設けられていることを特徴とする請求項2記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項4】 インサートの一方の端部を、円錐形状としたことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項5】 インサートの一方の端部の交線または円錐形状の頂点と、上記インサートの中心軸とは交差することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項6】 第1工程において、インサート自身を加熱した上で表皮材上に敷いたフィルム状接着剤に押しつけ、上記フィルム状接着剤の一部を溶かして上記インサートを上記表皮材に接着、固定したことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項7】 インサートの他方の端部に突起部を設け、第1工程において、表皮材に開けた穴と上記インサートの突起部とをはめあわせることにより、インサートの位置決めを行うことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項8】 インサートは、表皮材取り付け側に、一方の端部より径が小さい小径部を有し、第2工程の前に加熱により発泡する発泡性接着剤を上記小径部に巻き付け、第3工程において、上記発泡性接着剤を硬化するようにしたことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項9】 インサートの一方の端部と小径部とを別部品としたことを特徴とする請求項8記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項10】 インサートの小径部に段部または溝部を設け、発泡性接着剤を上記段部または溝部に回り込ませるようにしたことを特徴とする請求項8記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項11】 インサートの一方の端部に熱可塑性材料を使用し、第3工程で上記材料がインサートとコア材との空間を充填するようにしたことを特徴とする請求項1記載のサンドイッチ板の製造方法。 【請求項12】 一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板において、上記インサートは、穴開けした一方の表皮材の内側に取り付けられるとともに、表皮材取り付け側と反対側の端部を先鋭にし、上記端部により上記コア材を押し切って取り付けられていることを特徴とするサンドイッチ板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば人工衛星の構体、宇宙アンテナなどの機器を搭載するサンドイッチ板の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のサンドイッチ板の構造及び組立方法を図15及び図16により説明する。図15に示すサンドイッチ板は、最も一般的な製造工程により製作されたものの一例を示す図である。また、図16に示すサンドイッチ板は、特開平4−275930号公報に示されたものである。図15、図16において、2は表皮材、3はフィルム状接着剤、4はコア材、7はインサート、7aは上部フランジ、7bはネジ部、7cは下部フランジ、8は充填剤、9は接着剤、10ははめあい穴、11はインサート、11aはフランジ、11bはネジ部、12はトオシ穴、13はニガシである。 【0003】まず、サンドイッチ板に内蔵されているインサートの働きについて説明する。図15、16において、インサート7、11は、ネジ部7b、11bにネジ穴を有する。衛星構体として用いられるサンドイッチ板の表面には、図示していないが、通常なんらかの機器が搭載される。インサートは、この機器や機器の接地板を取り付けるためのネジ穴を役目を果たすのである。通常、機器は複数のネジで取り付けられるため、ネジピッチを精度良く確保しなければならない。また、図15を見れば分るように、インサート7の上面は表皮材2よりもいくぶん落ち込んだ位置になるように取り付けられる。これは、機器の放熱を効率よく行うのが目的である。すなわち、機器と表皮材2を密着させることで機器に発生する熱を表皮材2に伝え、更にサンドイッチ板に内蔵されているヒートパイプ(図示省略)により、熱を放熱部に導くのであるが、インサート7の上面が表皮材2よりも突出していると、機器と表皮材2の密着を妨げる。 【0004】次に、図15に示すサンドイッチ板の製造方法について説明する。まず、表皮材2にフィルム状接着剤3を付けたものを1対用意し、これらでコア材4を挟み込む。この状態で外側から圧力を加えながら熱を加え、接着剤3を硬化させる(以下、キュアすると記す)。こうしてできたサンドイッチ板に、エンドミル加工により、はめあい穴10を作る。はめあい穴10の内径は、インサート7の上部フランジ7a外径とはめあいの関係になっており、インサート7を位置決めする働きがある。 【0005】次に、はめあい穴10の底に接着剤9を塗布した上で、図示しない治具などにより、インサート7の高さを所望の位置に位置決めできるようにした上で、インサート7を供給し、接着剤9が硬化するのを待つ。接着剤9が硬化した後、インサート7の上部フランジ7aに設けられた穴(図示せず)などを通して、充填剤8を供給する。充填剤8をキュアすると、インサート7とコア材4とが強固に固定される。衛星打ち上げ時など、激しい振動が加わる場合、サンドイッチ板上の機器も振動するため、インサート7に大きな引抜き荷重が加わる。しかし、このような時でもサンドイッチ板が破壊されないのは、インサート7に作用する引抜き荷重が、充填剤8を介してコア材4に伝わるので、荷重が分散されるからである。 【0006】次に、図15で示したサンドイッチ板とは異なる構造及び製造方法について図16を用いて説明する。 【0007】インサート11は、図15のインサート7と同じ機能を有する。インサート7と大きく違うのは、サンドイッチ化の工程の前にインサート11を表皮材2の裏側に接着することと、充填剤8を使用しないことである。すなわち、サンドイッチ板に取り付く機器は、固定用のネジが通るトオシ穴12以外の部分で表皮材2と密着することができるということと、インサート11に加わる引抜き荷重は、大きな外径を持つ上部フランジ11aを介して表皮材2に伝えることで、荷重分散されるということが大きな特徴である。 【0008】次に、図16に示すサンドイッチ板の製造方法について述べる。まず、インサート11を取り付ける表皮材2にトオシ穴12を開ける。その後、インサート11をなんらかの方法で表皮材2に接着する。この時、別工程でコア材4に、インサート11がコア材4の内側に配置するための空間として穴13を予め設けておく(この工程をニガシ加工といい、穴をニガシと称する)。次工程では、インサート11を接着した表皮材2及びフィルム状接着剤3の上に、ニガシ13を加工したコア材4を位置決めして供給し、更に、反対側の表皮材2及びフィルム状接着剤3を供給する。この状態で、加圧、加熱して接着剤3をキュアするとインサート11を内蔵したサンドイッチ板ができる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記図15に示す従来構造のサンドイッチ板では、インサート上面が表皮材上面から突出しないよう、かつ、凹みすぎないように治具などを用いて注意しながら組み付ける必要があるだけでなく、内部に気泡が発生しないように充填剤を注入しなければならないため、インサート取付作業が、困難かつ時間のかかる作業になってしまうという問題があった。更に、インサートを取り付けるための穴は、接着剤をキュアした後のサンドイッチ板に加工する必要があるが、例えば、衛星構体に利用されるヒートパイプパネルのように、内部にヒートパイプを埋め込んでいるようなサンドイッチ板に機械加工を施すことは非常な危険を伴うという問題があった。すなわち、穴加工に不手際がありヒートパイプを傷つけてしまうと、劇物であるアンモニアが噴出してしまうのである。 【0010】また、従来構造で用いられていたインサートは、引抜き強度を十分確保するために固化した充填剤をひっかけるための下部フランジ部、はめあい穴とはめあうための上部フランジ部、及び充填剤が入り込むための空間であり、かつインサート自身の重量を軽くするための小径部分が必要であった。このため、削り代の大きい部品形状となり、部品単価が高くなるという問題があった。 【0011】一方、図16に示す従来構造のサンドイッチ板では、表皮材、コア材の両方をサンドイッチ化する前に穴開け、もしくはニガシ加工をする必要があるだけでなく、インサートを接着した表皮材とニガシ加工したコア材の位置決めをきちんとする必要があるため、生産性が悪いという問題があった。更に、コア材単体のニガシ加工においてはコアに横方向の力が加わるために、コアが変形しやすく、生産性がさらに悪いという問題があった。 【0012】また、インサートについても、重量をなるべく軽くすることと、セン断力を緩和するため表皮材と接触する部分の面積を大きくすることを両立させる必要があるため、やはり削り代が大きくなって、部品単価が高くなってしまっていた。 【0013】本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、インサートの形状及び取付方法を改善し、インサート取付工程の作業性を向上させると共に、インサート自身の製造単価も下げることにより、高品質かつ生産性の良いサンドイッチ板の製造方法を提供することを目的としたものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板の製造方法において、一方の端部を先鋭にしたインサートの他方の端部を、あらかじめ穴開けした表皮材の内側に取り付ける第1工程、上記インサートの一方の端部が上記コア材を押し切るようにして、上記インサートを上記コア材に押し込む第2工程、および上記コア材のインサート挿入側と対向する側の面に表皮材を取り付ける第3工程を施すものである。 【0015】また、本発明の第2の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、インサートの一方の端部に、2つの面の交線を設けることにより先鋭にしたものである。 【0016】また、本発明の第3の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第2の方法において、交線がコア材に対して平行に当たるように設けられているものである。 【0017】また、本発明の第4の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、インサートの一方の端部を、円錐形状としたものである。 【0018】また、本発明の第5の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第2ないし第4のいずれかの方法において、インサートの一方の端部の交線または円錐形状の頂点と、上記インサートの中心軸とが交差するものである。 【0019】また、本発明の第6の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、第1工程で、インサート自身を加熱した上で表皮材上に敷いたフィルム状接着剤に押しつけ、上記フィルム状接着剤の一部を溶かして上記インサートを上記表皮材に接着、固定したものである。 【0020】また、本発明の第7の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、インサートの他方の端部に突起部を設け、第1工程で、表皮材に開けた穴と上記インサートの突起部とをはめあわせることにより、インサートの位置決めを行うものである。 【0021】また、本発明の第8の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、インサートは、表皮材取り付け側に、一方の端部より径が小さい小径部を有し、第2工程の前に加熱により発泡する発泡性接着剤を上記小径部に巻き付け、第3工程で、上記発泡性接着剤を硬化するようにしたものである。 【0022】また、本発明の第9の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第8の方法において、インサートの一方の端部と小径部とを別部品としたものである。 【0023】また、本発明の第10の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第8の方法において、インサートの小径部に段部または溝部を設け、発泡性接着剤を上記段部または溝部に回り込ませるようにしたものである。 【0024】また、本発明の第11の方法によるサンドイッチ板の製造方法は、第1の方法において、インサートの一方の端部に熱可塑性材料を使用し、第3工程で上記材料がインサートとコア材との空間を充填するようにしたものである。 【0025】また、本発明のサンドイッチ板は、一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板において、上記インサートは、穴開けした一方の表皮材の内側に取り付けられるとともに、表皮材取り付け側と反対側の端部を先鋭にし、上記端部により上記コア材を押し切って取り付けられているものである。 【0026】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実施の形態1を図を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1によるサンドイッチ板を示す断面構成図、図2は本発明の実施の形態1に係わるインサートを示す斜視図、図3は本発明の実施の形態1によるサンドイッチ板の組立工程を説明する図である。図において、1はインサート、1aはネジ部、1bは切断部、1cは先鋭部、6は穴である。なお、本実施の形態1のサンドイッチ板について、従来のサンドイッチ板と同一または相当部分には従来のものと同一の符号を付して説明を省略する。 【0027】まず、図2により本実施の形態1に係わるインサート1の構造を説明する。インサート1は、ネジ穴を有するネジ部1aとコア材4を押し切るための先鋭部1cを有する切断部1bからなる。この構造のインサート1は、例えば、ネジ穴を通した丸棒の一端を斜めに切断するだけで製作することができる。もちろん、2個分の長さの丸棒を中央で斜めに切断してもよい。 【0028】次に、図3により本発明によるサンドイッチ板の組立方法を説明する。第1の工程として、図3(a)に示すように、インサート1を取り付ける表皮材2に、加熱により接着性を示すフィルム状接着剤3を常温で取り付ける。この時、もともとフィルム状接着剤3の両面に付いていた保護シート(図示省略)のうち、片面は残したままにしておく。その状態で、タレットパンチャ等により、必要十分な位置決め精度で穴6を加工する。この穴6の内径は、ネジ径よりも大きいが、特別な理由がなければ、サンドイッチ板に搭載される機器と表皮材2との接触面積をかせぐため、なるべく小さく設定するのが望ましい。なお、タレットパンチャによる穴加工は、保護シートの上からフィルム状接着剤3及び表皮材2を打ち抜くと、フィルム状接着剤3のはがれなどがなく、きれいに打ち抜ける。 【0029】第2の工程として、図3(b)に示すように、フィルム状接着剤3が上になるように、表皮材2及びフィルム状接着剤3を作業定盤の上に載せ、フィルム状接着剤3から図示しない保護シートを剥がした後、インサート1のネジ部1aを穴6の上に置く。この時、治具などを用いて位置決めしてもよい。また、インサート1を図示しない加熱治具で加熱しながら、フィルム状接着剤3に押しつけるようにすると、フィルム状接着剤3の一部が溶けるため、インサート1が表皮材2にしっかり固定される。 【0030】第3の工程として、図3(c)に示すように、コア材4を紙面上方から下方に向けて押し込む。本実施の形態では、アルミ製のハニカムコアを用いる場合について述べる。コア材4は、押し込まれた時にインサート1の先端部分に位置する先鋭部1cで押し切られ、切断部1bと当たる部分だけ切断・座屈される。コア材4は、もともと薄いアルミ箔を接着したものである。ハニカム形状を維持している間は圧縮力に対して大きな耐力を持つが、ひとたび、その形状が分断されるといとも簡単につぶれる。つまり、インサート1の切断部1bにより、インサート1周辺のコア材4がきれいに切断されると、その上部のコア材4は容易につぶれるため、非常に小さな力で、コア材4の押し込みを完了できるのである。また、押し込み完了後のスプリングバックも非常に小さい。逆に、切断されていない部分のコア材4は、剛性が非常に高いため、コア材4のつぶれが必要以上に広がるということはない。 【0031】第4の工程として、図3(d)に示すように、反対側のフィルム状接着剤3及び表皮材2を供給し、加圧・加熱して接着剤3をキュアすると、インサート1を内蔵したサンドイッチ板ができる。 【0032】このような方法で製造されるサンドイッチ板は、単純な作業で組立ができる上、サンドイッチとインサート取付の工程がまとめて出来るなど生産性が非常に高い。品質面では、切断されていない部分のコア材4の剛性は落ちることがないので、サンドイッチ板としての強度は十分である。また、表皮材2には、小径の穴6しかあいていないので、サンドイッチ板上に搭載される機器と表皮材2との接触面積が大きくなり、従来品よりも大きな伝熱効率が得られる。更に、インサート1の用途が衛星に搭載される機器とサンドイッチ板の接地である場合、サンドイッチ板上に搭載される機器と表皮材2との接触面積が大きくなり、電気抵抗が小さい良好な接地が行える。その結果、高品質なサンドイッチ板が生産性良く、安価に得られる効果がある。 【0033】なお、本実施の形態では、表皮材2の穴開けにタレットパンチャを用いたが、これは、発明者の実験によれば、表皮材2に貼られたフィルム状接着剤3の損傷を防ぐためにタレットパンチャが最も適していたからである。表皮材2の穴あけについては、レーザー加工機、ウォータージェット加工機などの加工機械で行うことも可能であり、ドリルやエンドミルによる穴開けでも構わないのは言うまでもない。 【0034】更に、本実施の形態では、ネジ穴がインサートを貫通している場合について述べたが、ハニカムコア押切り時に座掘したハニカムがネジ部に侵入しないように、ネジ穴を止まりにしてもよい。もちろん、通しのネジ穴に詰め物をしたり、シールなどでふたをしても構わない。 【0035】また、インサート1の切断部1bの形状は、コア材4を押し切る先鋭部1cを有する形状であればよく、例えば図4に示すような円錐状の凹部であってもよく、図5に示すような円柱状の凹部であっても構わない。また、先鋭部1cはコア材4を押し切ることがことができる程度の厚みをもたせてもよい。 【0036】実施の形態2.図6は本発明の実施の形態2によるサンドイッチ板で用いるインサートを示す正面図及び側面図である。インサート1は、丸棒の端面を少なくとも2回、異なる方向に斜めに切断し、これにより得られる2つの平面の交線(稜線)を先鋭部1cとするものである。この2つの平面の交差する角度は鋭角である。サンドイッチ板の製造工程は、実施の形態1と同工程であるが、稜線1cがあるので、第3の工程におけるコア4の押切りの際、より容易にコア4が切断されるため、より小さな押し込み力で作業が完了できる。なお、上記実施の形態では、2つの平面の交差する角度を鋭角としたが、必ずしも鋭角である必要はない。鋭角の場合は、コア材4を押し切る力が小さくてすむ効果がある。 【0037】実施の形態3.図7は本発明の実施の形態3によるサンドイッチ板で用いるインサートを示す正面図及び側面図である。インサート1は、丸棒を2回斜めに切断することにより得られるものであるが、インサート1は、コア材4に対して平行に当たるような稜線1cを有することが特徴である。サンドイッチ板の製造工程は、実施の形態1、2と同工程であるが、稜線1cがコア材4と水平に当るので、第3の工程におけるコア材4の押切りの際、インサート1とコア材4が水平に当るので、インサート1の倒れなどが少ない、より安定した状態で作業が完了できる。 【0038】実施の形態4.図8は本発明の実施の形態4によるサンドイッチ板で用いるインサートを示す斜視図である。これは、頂点が先鋭部1cとなる円錐状の切断部1dを持つ形状になったものである。コア材4が発泡体コアである場合、コア押し込み時の押し込み力を小さくすることができる。 【0039】実施の形態5.次に、図9〜図12により、本発明の実施の形態5について説明する。なお、本実施の形態のサンドイッチ板について、従来あるいは他の実施の形態のサンドイッチ板と同一または相当部分には従来あるいは他の実施の形態のものと同一の符号を付して説明を省略する。 【0040】図9は、本発明の実施の形態5によるサンドイッチ板を示す断面構成図、図10は本発明の実施の形態5に係わるインサートを示す斜視図、図11及び図12は、コア材、特にハニカムコアを押し切る様子を説明する模式図である。 【0041】まず、図10により、インサート1の構造を説明する。ネジ部1aは、その一端に切断部1b、他端に位置決め用突起1eを持つ。位置決め用突起1eは、表皮材2に開けられた穴6とはめあいの関係になるような寸法に仕上がっている。また、組みつけ時に、表皮材2の表面に突出しないように、突起1eの高さは表皮材2の肉厚よりも低くなっている。切断部1bの端部に、切断を施し形成した2つの面の交線である稜線1cがある。この稜線1cは、インサート1の対称となる軸線を通り、かつ、水平に設置されている。このとき、作業する定盤などから見て、稜線1cの両側にある2つの面は等しい傾斜を持つようにできている。また、切断部1bはネジ部1aよりも大きな外径になっている。 【0042】次に、組立工程について説明する。本実施の形態の組立工程も、実施の形態1とほとんど同様の組立工程である。実施の形態1と違うのは、第2の工程において、インサート1の位置決め用突起1eを穴6にはめ合うことで、インサート1の位置決めを行うことと、インサート1を表皮材2に取りつけた後、その胴体部に発泡性接着剤5を巻きつけることである。 【0043】すなわち、図示しない加熱治具により、インサート1を加熱し、シート状接着剤3の一部を溶かしすことで表皮材2に固定した後、図示しない加熱治具を取り去ると、インサート1は、すぐに常温になる。十分、温度が下がってから、発泡性接着剤5をインサート1のネジ部1a(小径部)の外径胴部に巻く。なお、発泡性接着剤5は加熱により発泡するものである。インサート1の切断部1bは、インサート1のネジ部1aよりも大きな外径を持つので、コア材4を押し切る時に、発泡性接着剤5をコア材4から保護する。 【0044】コア材4を押し切った後、反対側のフィルム状接着剤3及び表皮材2を供給し、加圧・加熱して接着剤3をキュアすると、インサート1を内蔵したハニカムサンドイッチコア板ができる。このキュアで、インサート1の胴体に巻いた発泡性接着剤5は発泡して広がり、インサート1のネジ部1aとコア材4を強固に接着する。 【0045】コア材4、特にハニカムコアを押し切る時にインサート1に作用する力について図11及び図12により説明する。まず、図11(a)に示すように、インサート1の稜線1cがコア材4と平行にあたらない場合、コア材押し切り時にインサート1は反力Fを受けることになる。これは、水平分力fhを含んでおり、インサート1を横ずれあるいは転覆させるように作用する。これに対し、図11(b)に示すようにコア材4と平行に当たるように設けておくと、コア材4押し切り時にインサート1に作用する反力F’が鉛直成分fvのみとなり、インサート1を横ずれあるいは転覆させるような力が作用しないことが分る。また、稜線1cがインサート1の対称軸を通らない場合、例えば、図12(a)のような場合、インサート1の切断面に作用する力f1、f2のアンバランスが大きいため、その合力Fはインサート1を横ずれあるいは転覆させるような水平成分の力が生ずる。しかし、稜線1cがインサート1の対称軸を通る場合、例えば、図12(b)のような場合は、インサート1の切断面に作用する力f1’、f2’の水平方向の力はほぼバランスし、その合力F’は水平成分をほとんど含まない。従って、コア材4押し切り時に、インサート1を横ずれあるいは転覆させるような力が作用しない。 【0046】また、図9に示すように、本実施の形態による方法で製造されるサンドイッチ板は、ネジ部1aに引抜き荷重が作用した時に、ネジ部1aよりも大きな径を持つ切断部1bが発泡性接着剤5をひっかけるので、その荷重を発泡性接着剤5を通してコア材4に分散させる。このため、本実施の形態におけるサンドイッチ板は、他の実施の形態で述べた特徴の他に、引抜き荷重に対する耐力が大きいという特徴がある。同様な特徴を得るために、従来のサンドイッチ板では、インサート取付け後、時間をかけて充填材を充填するなど、非常に手間がかかっていたことを考えると、本実施の形態のサンドイッチ板では、サンドイッチ工程の前に発泡性接着剤5をインサートに巻き付け、サンドイッチ工程時に上記接着剤をキュアしているので、インサートとコア材との固定が極めて容易にでき、生産性が飛躍的に向上している。 【0047】なお、図10では、稜線1cを、コア材4に平行に当り、かつ、インサート1の対称軸上に位置するように設けた一例を示したが、必ずしも図示した形状に限ることはない。また、インサート1を表皮材2に取り付けた後、発泡性接着剤5をインサート1の胴体部に巻き付けたが、予めインサート1の胴体部に発泡性接着剤5を巻き付けてから、このインサート1を表皮材2に取り付けてもよい。 【0048】実施の形態6.図13は本発明の実施の形態6によるサンドイッチ板を示す断面構成図、図14は本発明の実施の形態6に係わるインサートを示す側面図である。本実施の形態では、ネジ部1aと切断部1bは別部品であり、ネジ部1aには、断面凹状の溝部1fがある。図13を見ても分るように、切断部1bはネジ部1aの上に載っているだけである。これらの2部品同士は、サンドイッチ板組立の工程の中でリジッドに固定されている必要はなく、部品間にいくらかの余裕があってもよい。溝部1fがあるのは、発泡性接着剤5が溝部1fに入り込むことで、インサート1に作用する引き抜き荷重を発泡性接着剤5に伝達させるのが目的である。小径部であるネジ部1aを別部品にすることで、ネジ部1aを小径の素材から加工することができ、材料の歩留まりを良くすることができる。また、表皮材2にネジ部1aを加熱取付する際、部品の熱容量が小さくなるので、作業性が良くなる。尚、組立工程については、実施の形態5とほぼ同じであるので説明は省略する。 【0049】本実施の形態におけるネジ部1aと切断部1bは同じ材料で作っても構わないが、ネジ部1aはチタン、切断部1bはアルミ合金というように、材料を使い分けてもよい。また、この際、切断部1bに熱可塑性材料を使用し、サンドイッチ工程で上記切断部1bがインサート1とコア材4との空間を充填するようにしてもよい。 【0050】また、溝部1fだけでは、十分な引き抜き強度が得られない場合などは、切断部1bにオスネジ部を設けるなどの方法で、ネジ部1aと切断部1bの2部品を組立工程の中でお互いに結合させるようにしてもよい。 【0051】また、本実施の形態では溝部1fを設けたが、溝の代わりに段部を設け、小径部にさらに径の小さい部分を設けるようにしてもよい(図示せず)。 【0052】 【発明の効果】以上のように、この発明の第1の方法によれば、一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板の製造方法において、一方の端部を先鋭にしたインサートの他方の端部を、あらかじめ穴開けした表皮材の内側に取り付ける第1工程、上記インサートの一方の端部が上記コア材を押し切るようにして、上記インサートを上記コア材に押し込む第2工程、および上記コア材のインサート挿入側と対向する側の面に表皮材を取り付ける第3工程を施して、サンドイッチ板を製造したので、高品質なサンドイッチ板の生産性を向上させることができる効果がある。 【0053】また、第2の方法によれば、第1の方法において、インサートの一方の端部に、2つの面の交線を設けることにより先鋭にしたので、コア材、特にハニカムコアをきれいに切断できる効果がある。 【0054】また、第3の方法によれば、第2の方法において、交線は、コア材に対して平行に当たるように設けられているので、コア材、特にハニカムコアを押し切る時にインサートを横にずらそうとする力の発生を小さくすることができる効果がある。 【0055】また、第4の方法によれば、第1の方法において、インサートの一方の端部を、円錐形状としたので、コア材、特に発泡体コアをきれいに切断できる効果がある。 【0056】また、第5の方法によれば、第2ないし第4のいずれかの方法において、インサートの一方の端部の交線とインサートの中心軸とが交差するようにすれば、特にハニカムコアを押し切る時にインサートを横にずらそうとする力をバランスさせて、その合力を小さくすることができる効果がある。また、インサートの一方の端部の円錐形状の頂点とインサートの中心軸とが交差するようにすれば、特に発泡体コアを押し切る時に押し込み力を小さくすることができる効果がある。 【0057】また、第6の方法によれば、第1の方法において、第1工程で、インサート自身を加熱した上で表皮材上に敷いたフィルム状接着剤に押しつけ、上記フィルム状接着剤の一部を溶かして上記インサートを上記表皮材に接着、固定したので、インサートを表皮材に取り付ける作業が簡略化できる効果がある。 【0058】また、第7の方法によれば、第1の方法において、インサートの他方の端部に突起部を設け、第1工程で、表皮材に開けた穴と上記インサートの突起部とをはめあわせることにより、インサートの位置決めを行うので、インサートの位置決めを容易に行うことができる効果がある。 【0059】また、第8の方法によれば、第1の方法において、インサートは、表皮材取り付け側に、一方の端部より径が小さい小径部を有し、第2工程の前に加熱により発泡する発泡性接着剤を上記小径部に巻き付け、第3工程で、上記発泡性接着剤を硬化するようにしたので、生産性を損なうことなく、十分な引抜き強度が確保できる効果がある。 【0060】また、第9の方法によれば、第8の方法において、インサートの一方の端部と小径部とを別部品としたので、材料歩留まりが良くなる上、インサートを表皮材に加熱取付する際の熱容量が小さくなるので作業性が向上する効果がある。また、小径部と一方の端部で材料を使い分けることで全体の材料費を抑えつつ機能を向上させることもできる。 【0061】また、第10の方法によれば、第8の方法において、インサートの小径部に段部または溝部を設け、発泡性接着剤を上記段部または溝部に回り込ませるようにしたので、より大きな引抜き強度が確保できる効果がある。 【0062】また、第11の方法によれば、第1の方法において、一方の端部に熱可塑性材料を使用し、第3工程で上記材料がインサートとコア材との空間を充填するようにしたので、生産性を損なうことなく、十分な引抜き強度が確保できる効果がある。 【0063】また、本発明のサンドイッチ板は、一対の表皮材の間にコア材を設け、それに機器を搭載するためのインサートを取り付けたサンドイッチ板において、上記インサートは、穴開けした一方の表皮材の内側に取り付けられるとともに、表皮材取り付け側と反対側の端部を先鋭にし、上記端部により上記コア材を押し切って取り付けられているので、高品質で生産性のよいサンドイッチ板が得られる効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月22日(1999.7.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102439 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−32996(P2001−32996A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−207426 |
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