| 【発明の名称】 |
センサ及び安全装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 孝志
【氏名】鷲崎 一郎
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| 【要約】 |
【課題】所望の領域の中でのみ人体の有無を検知することができるセンサ及び安全装置を提供する。
【解決手段】本発明によるセンサ22は、所定の間隙をおいて互いに対向配置された1対の電極板26,28と、前記間隙とは反対側の各電極板の対向位置に配置され、接地されたガード板30,32、シールド板30’,32’とを備えており、電極板間の静電容量の変化から電極板間に人体の一部が存在するか否か検知することができる。ガード板とシールド板の存在により電極板の裏面側には電界が形成されず、よって、検知領域は電極板間の領域に限られる。このため、誤検知がなくなり、このセンサを用いた安全装置24においては必須領域においてのみ確実に作動することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の間隙をおいて互いに対向配置された1対の電極板と、接地されたロール等の機器と、前記間隙とは反対側の前記電極板のそれぞれの対向位置に配置されたガード板と、接地されたシールド板とを備え、前記電極板間と、前記接地されたロール等の機器間の静電容量の変化から前記電極板間に特定の誘電体が存在するか否か検知するセンサ。 【請求項2】前記電極板間に人体の少なくとも一部が存在するか否かを検出する請求項1記載のセンサ。 【請求項3】所定の領域に人体の少なくとも一部が入ったことを検知して安全手段を作動させる安全装置において、前記領域を挟むように互いに対向配置された1対の電極板と接地されたロール等の機器と、前記領域とは反対側の前記電極のそれぞれの対向位置に配置されたガード板と、接地されたシールド板と、前記電極板間の静電容量を検出する手段と、前記静電容量検出手段により検出された静電容量の変化から前記領域における人体の一部の有無を検知する手段と、を備えることを特徴とする安全装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、所定領域に人体の一部又は全部が入ったことを検知するためのセンサ、及び、当該センサを用いた安全装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工作機械や加工装置、検査装置、搬送装置等の駆動機構を有する装置においては、駆動部が外部に露出しているものや、駆動部に外部から容易に接近することができるものがある。例えば、プラスチックチップから検査用の薄い試料片を作成するための圧延装置では、1対の圧延ロール間にチップを手で投げ入れる構成となっているため、手を容易に圧延ロールに近付けることができる。 【0003】通常、この種の機械装置には作業員の安全を確保するために安全装置が設けられており、駆動部に人体の一部が近付いたことをセンサにより検知し、駆動を停止する等の措置を採るようにしている。安全装置のセンサとしては、例えば特開昭63−216692号公報や特開平1−317987号公報等に記載されているように、静電容量型センサが提案されている。前記公報に記載の静電容量型センサは、互いに並設された1対の電極板から構成されており、これらの電極板間の静電容量の変化を検出することで、電極板間を人体の一部が横切ったか否かを検知するようになっている。この静電容量型センサは、人体が空気に比して相当に高い誘電率を有しているため、電極板間に人体の一部が置かれた場合に静電容量が大きく変化するという知見に基づいて為されたものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前述した静電容量型センサは、電極板間の領域を検知領域とするものであるが、実際には電気力線が一方の電極板間の裏面(検知領域とは反対側の面)から他方の電極板の裏面に延び、本来の検知領域の外にも電界が形成されている。このため、従来の静電容量型センサは、電極板の裏面側を人体の一部が通過しても静電容量が変化するため、人体が検知領域にあると誤って検知することがあった。また、このような静電容量型センサを用いた安全装置は、停止の必要のない状態であっても、誤検知により装置を停止させるおそれがあった。 【0005】そこで、本発明の目的は、所望の領域の中でのみ人体の有無を検知することができるセンサ、及び、そのようなセンサを用いた安全装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によるセンサは、所定の間隙をおいて互いに対向配置された1対の電極板と、前記間隙とは反対側の前記電極板のそれぞれの対向位置に配置されたガード板と、接地されたシールド板を備えており、前記電極板間と、前記接地されたロール等の機器間の静電容量の変化から前記電極板間に特定の誘電体、すなわち人体の少なくとも一部が存在するか否か検知するよう構成されている。 【0007】また、本発明は、所定の領域に人体の少なくとも一部が入ったことを検知して安全手段(例えば、駆動機構を有する機械装置にあっては、駆動機構の緊急停止機構)を作動させる安全装置であって、前記領域を挟むように互いに対向配置された1対の電極板と接地されたロール等の機器と、前記領域とは反対側の前記電極のそれぞれの対向位置に配置されたガード板と、接地されたシールド板と、前記電極板間の静電容量を検出する手段と、静電容量検出手段により検出された静電容量の変化から前記領域における人体の一部の有無を検知する手段とを備える安全装置を特徴としている。 【0008】かかる構成においては、シールド板の存在により電極板の裏面側には電界が形成されず、よって、検知領域は電極板の間の領域に限られることとなる。このため、誤検知がなくなり、安全装置においては必要領域においてのみ確実に作動することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。 【0010】図1及び図2は、本発明が適用された圧延装置を10を示している。この圧延装置10は、合成ゴム等のプラスチック材料のチップ12を圧延して検査用の試料片14を作るためのものであり、1対の圧延ロール16,18を有している。圧延ロール16,18は、図2の矢印A,Bで示すように、駆動系20により互いに相反する方向に回転される。従って、圧延ロール16,18間にチップ12を投入すると、チップ12はロール16,18間で押し潰され、試料片4となって下方に落下する。 【0011】図2から理解されるように、チップ12の投入は人手によるため、手を圧延ローラ16,18に過度に近づけることは好ましくない。このため、この圧延装置10には、本発明によるセンサ22を用いた安全装置24が設けられている。 【0012】図示のセンサ22は、所望の間隙をおいて互いに平行に対向配置された1対の電極板26,28を備えている。一方の電極板26は、圧延装置10の一側であって圧延ローラ16,18間の直上位置に配置され、他方の電極板28は、圧延装置10の他側であって圧延ローラ26,28間の直上位置に配置されている。これらの電極26,28間の空間は、人体の一部が存在するか否かを検知するための検知領域となるものであり、よって、図示実施形態では、圧延ローラ16,18間の真上のほぼ全ての領域が検知領域となっている。 【0013】各電極板26,28の裏面側、すなわち検知領域とは反対の面の側にはガード板30,32と接地されたシールド板30’,32’が配置されている。ガード板30,32とシールド板30’,32’は、比較的小さな間隙をもって、対応の電極板26,28に対して平行に対向配置されている。また、ガード板30,32とシールド板30’,32’はステンレス鋼、銅、アルミニウム等の良導体から成り、電極板26,28の全面を完全に覆うことのできる寸法形状を有している。 【0014】各側の電極板26,28及びガード板30,32、シールド板30’,32’は、圧延装置10のフレーム34に設けられた支持板36,38によって支持されている。より詳細には、支持板36,38にシールド板30’,32’が直接固定され、シールド板30’,32’に絶縁性のスペーサ40’を介して絶縁性のボルト等により固定され、電極板26,28は絶縁性のスペーサ40を介してガード板30,32に絶縁性のボルト等により固定されている。なお、図示の支持板36,38は、装置フレーム34に設けられた支持シャフト42に摺動可能に取り付けられており、その位置を調整できるようになっている。 【0015】このように構成されたセンサ22は、電極板26,28間に人体の一部が入ったことを静電容量の変化として検知するため、静電容量検出回路44に接続されている。すなわち、各電極板26,28は、同軸ケーブル46の中心導体48により検出回路44の入力端子50,52に接続されている。検出回路44は、いわゆるインピダンスブリッジを用いたもので、4辺ブリッジのうち2辺に測定用電源54,56が接続されている。また、4辺ブリッジの1辺は電極板26,28により構成されるキャパシタとなっており、残る1辺には平衡キャパシタ58が設けられている。測定用電源54,56間の端子60とキャパシタ26,28;58間の端子62との間には出力アンプ64があり、測定用電源54,56の端子50と50’は接地されている。また、各ガード板30,32と各シールド板30’,32’は同軸ケーブル46の外部導体46’と同軸ケーブル66の外部導体66’を介して接地されている。 【0016】図3の回路は、図2に示す静電容量検出回路44を、電極板26,28似寄り構成されるキャパシタやその他の部分でのキャパシタを含めた形で示した等価回路である。この図において、符号C0は、電極板26,28により規定される静電容量を示し、符号C1,C2はそれぞれ、各側の電極板26,28とロール16,18により規定される静電容量を示し、ガード板30,32との間、及び、同軸ケーブル46、66により規定される静電容量、更に符号CBは平衡キャパシタ58の静電容量を示すものである。また、符号Ze1,Ze2はそれぞれ測定用電源54,56の内部インピダンスであり、符号Ziは出力アンプ64の内部インピダンスである。 【0017】ここで、図3のみ示す回路の動作について説明する。電極板28とシールド32’間にガード板32を、電極板26とシールド板30’間にガード板30を配置した時に生ずる静電容量をそれぞれC5,C6とし、ブリッジの平衡を得易くするため、電極板28,26間にC3を、電極板28とシールド板30’間にCBをそれぞれ付加する。電極板28,26間に空気のみが存在している状態で、電源e1,e2を投入すると、電源e1からC0,C3の合成要領C03とインピーダスZiを流れる電流をi1とした時、電源e2からインピーダンスZiとC2,CBの合成容量C2Bを流れる電流i2がi1に等しく、位相差が180度の場合にインピーダンスZiの電流はゼロとなる。いま、電極板28,26間に誘電体が入り込むと、誘電体の比誘電率に応じた量だけ容量C0が減少する。この減少分をΔCとすると、電流はi1は、e1ωΔCだけ減少し、インピーダンスZiに電流が流れ、信号として出力される。 【0018】このように、図3に示す回路では、電極板26,28とガード板30,32、シールド板30’,32’との間で構成されるキャパシタや同軸ケーブル46,66のキャパシタ、その他の外乱の影響を受け難く、電極板26,28間の静電容量の変化を正確に検出することが可能である。 【0019】静電容量検出回路44のアンプ64から出力される信号は制御装置68に入力される。制御装置68は、入力された信号に応じて制御信号を圧延装置10の駆動系20に発し、圧延装置10の緊急停止を適時行うよう構成されている。 【0020】より詳細に述べるならば、制御装置68は、入力部70、出力部72、中央処理部(CPU)74及び記憶部76から構成されている。検出回路44から入力部70に入力された信号はデジタル信号に変換されて中央処理部74に送られる。中央処理部74では、入力信号から電極板26,28間の静電容量の変化量ΔCを認識する。誘電体として人体の一部が電極板26,28間に入った際の静電容量変化量の最低値Cminは予め記憶部にデータとして記憶されており、中央処理部74では、このデータCminと入力信号から認識した静電容量変化量ΔCとを比較し、ΔCがCminを超えていると判断した場合、電極板26,28間に人体が有ると検知し、緊急停止のための制御信号を出力部72から圧延装置10の駆動系20に発するようになっている。 【0021】以上から本発明による安全装置24の動作については理解されるであろうが、簡単に述べるならば、プラスチックチップ12を圧延ロール16,18間に投げ入れる際、手が電極板26,28間の外側に位置している場合には、電極板26,28間の静電容量は大きく変化せず、よって圧延装置10は駆動を続ける。勿論、チップ12が電極板26,28間を横切った際にも容量変化は生じるが、その変化量は微少であり、制御装置68の記憶部76に記憶した最低値Cminを超えることはない。そして、手が電極板26,28間に挿入されると、静電容量の変化が生じ、安全装置24は圧延装置10を緊急停止するように動作することとなる。この際、手の挿入量が極めて小さい場合には、記憶部76の最低値Cminを適宜設定しておくことで、危険状態でないと判断することもできる。また、手を挿入した後、すぐに引っ込めた場合も、静電容量の変化時間を考慮することで、緊急停止信号を発しないようにすることもできる。 【0022】更に、本発明の構成では、ガード板30,32と接地されたシールド板30’,32’が各電極板26,28の裏面側に離隔配置されているため、一方の電極板26の裏面側から他方の電極板28の裏面側に延びる電気力線は形成されない。従って、危険領域ではない電極板26,28の裏面側に手やその他の人体の一部が位置していたとしても、電気板26,28間の静電容量に変化は生じず、圧延装置10が不要な停止状態となることはない。 【0023】上記実施形態では、安全装置24の制御装置68からの信号により圧延装置10の駆動を停止するようにしているが、警報のみを発し、或は、警報と共に駆動を停止して安全を図るようにすることもできる。勿論、その他安全手段を動作させることも可能である。 【0024】また、安全装置24における静電容量検出回路44及び制御装置68の構成も上記実施形態のものに限られない。例えば、上記では検出回路44の接地位置が端子60となっているが、接地位置は端子50又は端子62の位置であってもよい。 【0025】更に、本発明を適用できる装置は、圧延装置に限られず、駆動部等の危険領域に人体が近付き得る装置ならば殆ど全てに適用可能である。例えば、プレス装置や断裁機、ペーパーシュレッダ、フィルム巻取機等にも適用可能である。また、適用装置の検知領域に応じて、電極板26,28とガード板30,32及びシールド板30’,32’の形状、寸法等は適宜変更し得るものである。 【0026】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、静電容量型のセンサにおいて電極板の裏面側にシールド板を配置することとしたので、電極板間の領域のみで人体の一部の有無を判断することができる。従って、誤検知が大幅に低減される。 【0027】また、このようなセンサを用いた安全装置は、センサの誤検知に基づいて警報を発したり機械装置の動作を停止したりするようなことはない。従って、安全を確保しつつ、無駄な作業停止を防止することができ、作業効率などの向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月25日(1999.8.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093285 【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−65789(P2001−65789A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月16日(2001.3.16) |
| 【出願番号】 |
特願平11−238540 |
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