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【発明の名称】 循環式定量吐出噴霧潤滑方法とその定量吐出噴霧潤滑装置
【発明者】 【氏名】伊藤 晴夫

【要約】 【課題】使用する潤滑油の種類によって、供給空気圧力、空気流量、周囲温度、油温度等の条件等が同じであっても、霧化率が異なってしまう。

【解決手段】フィルタ/レギュレータ1と、空気切換弁2と、該空気切換弁2の一方側の通路3に連通される油霧発生装置Bと前記空気切換弁2の他方側の通路4に配設される定量油供給ポンプ12とを備える。油霧発生装置Bは、油滴下監視用のサイトドーム6と、ベンチュリ機構5と、加圧油槽8の底部に溜まった油を、再度、前記ベンチュリ機構5に還流せしめる油還流ライン15とを備え、圧縮空気がベンチュリ機構5を流れることで発生する負圧力を利用して加圧油槽8の底部に貯留する油を油還流ライン15で強制的に吸い上げて還流油流入室5bに戻し、再度、ベンチュリ機構5を通過させることで、霧化が連続して行われ、加圧油槽内に貯留油がある限り、油霧を供給し続けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する少なくとも2ポート以上の空気切換弁の下流側を二つに分岐した後、その一方をベンチュリ機構に、他方を定量油供給ポンプにそれぞれ供給する工程と、圧縮空気がベンチュリ機構を通過する際に、サイトドーム室を負圧にして加圧油槽に流入する工程と、潤滑油が定量油供給ポンプから定量油供給ラインを経てサイトドームに供給された後、サイトドーム室からベンチュリ機構の中心部に滴下する工程と、斯かる滴下油をベンチュリ機構を流れる圧縮空気と混合させて油霧化する工程と、加圧油槽内へ噴霧される際に、比較的粒径の大きな油霧が油霧衝突機構で凝結されて加圧油槽の下部に滴下する工程と、油霧衝突機構を通過した油霧が油霧選別空間に流入し、この空間内に滞留中に油粒の大きな油霧のみを自重で降下させて加圧油槽の下部に貯留する工程と、微細な油霧を潤滑装置から吐出させて潤滑目的に噴霧する工程とを有する定量吐出噴霧潤滑方法において、加圧油槽の下部に貯留する油を、前記ベンチュリ機構の負圧力を利用して、加圧油槽の底部に開口した油還流ラインから前記ベンチュリ機構の還流油流入室内に強制的に戻しながら連続的に霧化することを特徴とする循環式定量吐出噴霧潤滑方法。
【請求項2】空気切換弁の下流側で分岐した他方の圧縮空気を、プランジャポンプ作動用の3ポート電磁弁に導入し、3ポート電磁弁のオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させた後、油槽から油槽内に設けられた油用フィルタで清浄された定量の油を吸い上げる工程と、定量油供給ラインを経てサイトドーム室に一定量の油を送給する工程と、サイトドーム室をベンチュリホルダの頂面により還流油流入室と区分せしめ、かつ、同頂面に少なくとも一以上の油通路を介してサイトドーム室に滴下する潤滑油を還流油流入室に流下させる工程と、還流油流入室に流下する油と油還流ラインからの還流油とを合流させる工程とを有する請求項1に記載の循環式定量吐出噴霧潤滑方法。
【請求項3】濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気をオン/オフする少なくとも2ポート以上の空気切換弁と、該空気切換弁の一方側の支流に配設される油霧発生装置と、同空気切換弁の他方側の支流に配設される定量油供給ポンプとを備えてなり、かつ、前記油霧発生装置は、加圧油槽の上位に取り付けられた油滴下監視用のサイトドームと、該サイトドームの下位に取り付けられたベンチュリ機構と、前記加圧油槽の底部に溜まった油を、再度、前記ベンチュリ機構に還流せしめる油還流ラインとを備えてなることを特徴とする循環式定量吐出噴霧潤滑装置。
【請求項4】前記ベンチュリ機構は、サイトドーム室内に連通する少なくとも一以上の油通路を有するベンチュリホルダと、前記油通路に連通すべく同ベンチュリホルダ内に形成された還流油流入室と、該還流油流入室の下位に組み付けられたベンチュリ本体と、前記還流油流入室と油還流ラインとを連通せしめるベンチュリ上部通路とを備えてなることを特徴とする請求項3に記載の循環式定量吐出噴霧潤滑装置。
【請求項5】前記定量油供給ポンプは、油槽と連通されたプランジャポンプと、空気切換弁に連通された3ポート電磁弁とからなり、該3ポート電磁弁のオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させ、油槽から油槽内に設けられた油用フィルタで清浄された定量の油を吸い上げ、定量油供給ラインを経てサイトドームに一定量の油を供給することを特徴とする請求項3に記載の循環式定量吐出噴霧潤滑装置。
【請求項6】前記加圧油槽には、レベルスイッチ及び/又は油排出弁機構が付設されていることを特徴とする請求項3に記載の循環式定量吐出噴霧潤滑装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種軸受け、歯車、スライド等の機械要素の摺動、転動部への潤滑油を霧化して供給する噴霧潤滑装置の改良に関し、更に詳しくは、微量の油霧を単位時間当たり一定量を長期間に亘って供給し続けることができる有用な循環式定量吐出噴霧潤滑方法とその定量吐出噴霧潤滑装置に存する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、噴霧装置からの給油点への油霧の搬送、分配は、図3に示すように、配管21及び分岐端末22に取り付けられたノズル23によって行われるが、配管途中での油霧の凝結(ウエットアウト)をできるだけ少なく、かつ、分岐点での油霧の分配(配管先端の各ノズル径に応じて油霧量が分配される)が適正に行われるためには、噴霧装置24から吐出される油霧を微細な粒径(例えば直径2μm以下)の油霧だけを選択し吐出する必要がある(選択式噴霧循環装置)。
【0003】この選択式噴霧潤滑装置における霧化機構としては、例えば、図4に示すものが周知である。この霧化機構は、圧縮空気が圧縮空気流入口25に導入されると、ベンチュリ機構(霧化機構)5を通過時にサイトドーム室6a内を負圧にし、油槽9より吸い上げられる油がサイトドーム6内よりベンチュリ機構5の中央部に滴下する。
【0004】次いで、ベンチュリ機構5の中央部で、圧縮空気と混合霧化されて下方に噴出するが、その際、噴き出し方向に油霧衝突機構7が配置されているため、比較的粒径の大きい油霧は、衝突板7aに衝突して同衝突板7aに付着し、油槽9内に油滴として落下する。
【0005】次いで、油霧衝突機構7を通過した油霧は、油槽9上部の油霧選別空間8aに滞留し、その間に更に油粒の大きいものが自重により降下して油槽9に戻り、油霧選別空間8aに浮遊し続けた微細油霧のみが空気流によって微細油霧吐出口14aから流出する構造になっている。
【0006】而して、斯かる選択式の噴霧潤滑装置(霧化機構)にあっては、■使用する潤滑油の種類によって、供給空気圧力、空気流量、周囲温度、油温度等の条件が同じであっても、霧化率(サイフォンチューブ27より吸い上げられベンチュリ機構5へ供給される油量に対する微細油霧として装置から吐出される油量の比)が異なることが欠点として挙げられる(図7参照)。
【0007】その原因は、潤滑油としての性能向上を目的として各潤滑油メーカーが種々の添加剤、例えば、油性向上剤、酸化安定剤、極圧添加剤、消泡剤等を配合、市販しており、かつ、これらの中には特に霧化特性に大きく影響を与える高分子物質なども含まれているためと考えられる。
【0008】また、使用されている添加剤の種類及び配合量も潤滑油メーカーの企業秘密として公表されることはなく、同一油脂であっても、性能向上のために随時添加剤の配合内容が変更される可能性もある。
【0009】従って、このような選択式噴霧潤滑装置においては、潤滑油の霧化率を事前に確認しておく必要があり、更に、同一潤滑油に対しても定期的(又は不定期)に霧化率の評価が必要になるなどの煩わしさが残っている。
【0010】更に、使用する潤滑油が特定され、一定期間、潤滑装置が稼動した後においても霧化率の変動をもたらす種々の要因がある。例えば、■噴霧潤滑装置の作動条件(供給圧力、油霧搬送ラインへのエアバイパスからの空気混入量、朝夕又は季節による周囲及び油の温度など)の変化又は変更が発生した場合には、霧化率も変化してしまう。
【0011】また、■噴霧潤滑装置を長期間作動した後に惹起する経時的変化(圧縮空気中に含まれるコンプレッサ油のオイルべーパや塵埃などのコンタミナントによるベンチュリ、給油箇所近くに取り付ける先端ノズル等の詰まりなど)によっても霧化率は変化する。
【0012】また、上述した■の技術的課題が原因として、噴霧潤滑装置から吐出される油霧中に含まれる単位時間当たり油の絶対量制御が困難となっている。すなわち、■サイトドーム6への供給油量は、油供給ライン中に定量ポンプを設置して一定量を供給することは可能であるが、霧化率が変化してしまえば吐出される油量も変動してしまうといった問題を有する。
【0013】その結果、噴霧潤滑装置24から吐出される油の絶対量を知るには、油槽9内の油面変化により、換算、算出することになるが、通常、単位時間当たりの油面変化量は非常に少なく、有効な情報を得るためには長い時間の経過が必要であり、実用上の不便さが残っている。
【0014】また、斯かる技術的課題及び問題点を解決する方策として、例えば、(A)特開平10−19192号公報並びに(B)実用新案登録第2580280号公報に開示された定量吐出噴霧潤滑装置が従来例として周知である。
【0015】この従来例における先例の(A)特開平10−19192号公報は、図5に示すように、噴霧潤滑装置Bの作動条件(供給圧力、油霧搬送ラインへのエアバイパスからの空気混入量、周囲温度或いは油温度等)の変化又は使用潤滑油による霧化率及び油霧搬送ライン14における油霧濃度の変化を油霧搬送ライン14中に設置した油霧センサ28により検知し、所定の濃度を保つべくベンチュリ機構(霧化機構)5への油供給量を制御するものである。
【0016】また、後例の(B)実用新案登録第2580280号公報は、図6に示すように、上部に潤滑油滴下監視用のサイトドーム6を備えると共に、噴霧用エア供給路25を備えたベンチュリ機構5と加圧油槽8とからなる噴霧給油装置であって、前記ベンチュリ機構5の噴射側に噴霧したフォグ又はミストを衝突させるための衝突機構7を設け、該衝突機構7にゴミを含むフォグ又はミストを衝突させることでゴミと成長した油滴を滴下させると共に、加圧油槽8内に沈降、貯留されたゴミの含有率が高くて微細油霧化しにくい油を加圧油槽8の底部及び油排出ポンプ26の吸引側ラインに各々設置した油濾過用フィルタ11により浄化し、油排出ポンプ26より油槽9に戻すことにより、安定した霧化率を得ようとするものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した(A)特開平10−19192号公報に開示されている定量吐出噴霧潤滑装置にあっては、油霧センサ28及び油量制御演算システム(図5(b)参照)が高価であるため、特別な場合以外は用いられるのが希である。
【0018】また、(B)実用新案登録第2580280号公報に開示されている噴霧給油装置にあっては、油定量吐出ポンプ12を使用して供給油量を一定にし、かつ、空気及び油中に含まれるコンタミナントを除去することにより、霧化時の油霧粒子の微細化を図り霧化率の向上と安定を得ようとするものであるが、前述した課題■の全てを未だ解決するものではない。
【0019】本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、使用する潤滑油の種類や噴霧潤滑装置の作動条件等に一切左右されることなく、微量の油霧を単位時間当たり一定量を長期間に亘って供給し続けることができる低廉な循環式定量吐出噴霧潤滑方法とその定量吐出噴霧潤滑装置の提供を目的としたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とする構成は、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する少なくとも2ポート以上の空気切換弁の下流側を二つに分岐した後、その一方をベンチュリ機構に、他方を定量油供給ポンプにそれぞれ供給する工程と、圧縮空気がベンチュリ機構を通過する際に、サイトドーム室を負圧にして加圧油槽に流入する工程と、潤滑油が定量油供給ポンプから定量油供給ラインを経てサイトドームに供給された後、サイトドーム室からベンチュリ機構の中心部に滴下する工程と、斯かる滴下油をベンチュリ機構を流れる圧縮空気と混合させて油霧化する工程と、加圧油槽内へ噴霧される際に、比較的粒径の大きな油霧が油霧衝突機構で凝結されて加圧油槽の下部に滴下する工程と、油霧衝突機構を通過した油霧が油霧選別空間に流入し、この空間内に滞留中に油粒の大きな油霧のみを自重で降下させて加圧油槽の下部に貯留する工程と、微細な油霧を潤滑装置から吐出させて潤滑目的に噴霧する工程とを有する定量吐出噴霧潤滑方法において、加圧油槽の下部に貯留する油を、前記ベンチュリ機構の負圧力を利用して、加圧油槽の底部に開口した油還流ラインから前記ベンチュリ機構の還流油流入室内に強制的に戻しながら連続的に霧化する循環式定量吐出噴霧潤滑方法に存する。
【0021】また、延いては、空気切換弁の下流側で分岐した他方の圧縮空気を、プランジャポンプ作動用の3ポート電磁弁に導入し、3ポート電磁弁のオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させた後、油槽から油槽内に設けられた油用フィルタで清浄された定量の油を吸い上げる工程と、定量油供給ラインを経てサイトドーム室に一定量の油を送給する工程と、サイトドーム室をベンチュリホルダの頂面により還流油流入室と区分せしめ、かつ、同頂面に少なくとも一以上の油通路を介してサイトドーム室に滴下する潤滑油を還流油流入室に流下させる工程と、還流油流入室に流下する油と油還流ラインからの還流油とを合流させる工程とを有する循環式定量吐出噴霧潤滑方法に存する。
【0022】一方、この方法を実施するための循環式定量吐出噴霧循環装置は、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気をオン/オフする少なくとも2ポート以上の空気切換弁と、該空気切換弁の一方側の支流に配設される油霧発生装置と、同空気切換弁の他方側の支流に配設される定量油供給ポンプとを備えてなり、かつ、前記油霧発生装置は、加圧油槽の上位に取り付けられた油滴下監視用のサイトドームと、該サイトドームの下位に取り付けられたベンチュリ機構と、加圧油槽の底部に溜まった油を、再度、前記ベンチュリ機構に還流せしめる油還流ラインとを備えるのが良い。
【0023】また、前記ベンチュリ機構は、サイトドーム室内に連通する少なくとも一以上の油通路を有するベンチュリホルダと、前記油通路に連通すべく同ベンチュリホルダ内に形成された還流油流入室と、該還流油流入室の下位に組み付けられたベンチュリ本体と、前記還流油流入室と油還流ラインとを連通せしめるベンチュリ上部通路とで構成するのが良い。
【0024】更に、前記定量油供給ポンプは、油槽と連通されたプランジャポンプと、空気切換弁に連通された3ポート電磁弁とからなり、該3ポート電磁弁のオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプを作動させ、油槽から油槽内に設けられた油用フィルタで清浄された定量の油を吸い上げ、定量油供給ラインを経てサイトドームに一定量の油を供給するのが良く、延いては前記加圧油槽にレベルスイッチ及び/又は油排出弁機構を付設するのが良い。
【0025】このように構成される本発明の循環式定量吐出噴霧潤滑方法及び定量吐出噴霧潤滑装置は、圧縮空気がベンチュリ本体内を流れることで発生する負圧力を利用して、加圧油槽の底部に貯留している油(以下、単に貯留油という)を油還流ラインで吸い上げて還流油流入室に戻し、再度、ベンチュリ本体の中央に通過させることにより、霧化が連続して行われることになり、加圧油槽内に貯留油がある限り、油霧を供給し続けることとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る循環式定量吐出噴霧潤滑方法について説明する。まず、濾過及び/又は圧力調整後の圧縮空気を供給する少なくとも2ポート以上の空気切換弁の下流側を二つに分岐した後、その一方をベンチュリ機構に、他方を定量油供給ポンプにそれぞれ供給する。
【0027】具体的には、図1及び図2に示すように、空気源からの圧縮空気をフィルタ・レギュレータ1を通過させることにより、空気の濾過と圧力調整を行い、然る後、2ポート電磁弁等の空気切換弁2より二つの通路3,4に分岐させるのが良い。
【0028】また、フィルタ/レギュレータ1は、エアの濾過供給と圧力調整をなすもので、インポートから供給される清浄な圧力エアを、適宜圧力(MPa)に調圧するものであることは云うまでもない。
【0029】次に、圧縮空気をベンチュリ機構に通過させることにより、サイトドーム室を負圧にし、加圧油槽に流入させる。具体的には、前記一方の通路3を霧化装置のベンチュリ機構5に直接的に連通し、斯かる通路3から送給される圧縮空気を後述する狭路のベンチュリ本体5cに通過させることにより、その空気流速が増加する結果、サイトドーム室6a内を負圧にするものである。
【0030】次に、潤滑油は、定量油供給ポンプ、定量油供給ラインを介してサイトドームに供給させた後、サイトドーム室からベンチュリ機構の中心部に滴下させる。換言すれば、油槽9内の潤滑油(オイル)10は、定量油供給ポンプ12から定量油供給ライン13を経てサイトドーム6に供給させ、サイトドーム6の頂部からベンチュリ本体5cの中心部に滴下させるのが良い。
【0031】定量油供給ポンプとしては、例えば、3ポート電磁弁のオン/オフ操作による圧縮空気で作動するプランジャポンプが挙げられる。
【0032】また、油槽からの定量油は、プランジャポンプ12aが作動することにより、油槽9内に設けられた油用フィルタ11を介して清浄された油10のみを定量に吸い上げ、配管17、定量油供給ポンプ12、定量油供給ライン13を経てサイトドーム6に供給できるようにシステム化するのが良い。
【0033】次に、サイトドーム室に滴下する油をベンチュリ機構を流れる圧縮空気と混合させることにより油霧に変性する。ベンチュリ本体5cを流れる圧縮空気と効率よく混合させることが大事であり、油霧としてダイレクトに加圧油槽8内に噴霧させるのが良い。
【0034】次に、加圧油槽内へ噴霧される際に、比較的粒径の大きな油霧が油霧衝突機構で凝結されて加圧油槽の下部に滴下させる。具体的には、比較的粒径の大きな油霧は、ベンチュリ機構5の下部に形成されている油霧衝突機構7で凝結させた上で、加圧油槽8の下部に滴下させるのが良い。
【0035】次に、油霧衝突機構を通過した油霧が油霧選別空間に流入し、この空間内に滞留中に油粒の大きな油霧のみを自重で降下させて加圧油槽の下部に貯留させる。具体的には、油霧衝突機構7を通過した油霧を油霧選別空間8aに流下させ、この空間8a内に滞留中に油粒の大きな油霧を自重で降下せしめて加圧油槽8の下部に貯留させるのが良い。
【0036】次に、加圧油槽の下部に貯留する油を、前記ベンチュリ機構の負圧力を利用して、加圧油槽の底部に開口した油還流ラインから前記ベンチュリ機構の還流油流入室内に強制的に戻しながら連続的に霧化する。
【0037】例えば、加圧油槽8の下部に貯留された油10aを、圧縮空気がベンチュリ機構5内を流れることで発生する負圧力により、加圧油槽8の底部に向けて開口した油還流ライン15、メタリングオリフィス16、ベンチュリ上部通路5dの順で吸い上げるのが良い(還流油)。
【0038】尚、前記メタリングオリフィス16は、ベンチュリ5の吸引能力に応じたオリフィスサイズであるが、このオリフィス(小孔)に限らず、内径の小さなチューブであっても可能である。
【0039】そして、斯かる還流油をベンチュリ上部通路5dを経て還流油流入室5bへと強制的に戻し、再びベンチュリ本体5cの中央を通過させることで、無駄なく連続的に霧化するのが良い(図2参照)。
【0040】また、サイトドーム室6aは、ベンチュリホルダ5aの頂面(上蓋)により還流油流入室5bと区分し、同頂面に複数個の油通路5a1 ,5a1 を設け、サイトドーム室6aに滴下する潤滑油は、斯かる油通路5a1 ,5a1 を経て還流油流入室5bに流下し、還流油と合流してベンチュリ本体5c内に流入、霧化される。
【0041】その結果、定量油供給ライン13から供給された潤滑油は、噴霧潤滑装置Bの運転条件、又は油固有の霧化率等に関係なく100%霧化され、2次側へと吐出されるのである。
【0042】従って、ベンチュリ機構5が正常に作動している限り、潤滑対象に送り込まれる潤滑油の単位時間当たりの油量(油吐出量の絶対量)は、定量油供給ポンプ12からの供給量に等しいことになる。
【0043】因に、定量油供給ポンプ12の作動が正常であるか否かは、サイトドーム6内を滴下する油滴をセンサ(光センサ)等の常套手段により容易に監視できることは云うまでもない。
【0044】更に、油通路5a1 ,5a1 は、下端側がベンチュリ本体5cの中心に向かうように傾斜させることにより、サイトドーム室6aに滴下する潤滑油が、斯かる油通路5a1 ,5a1 を経て還流油流入室5bに流下し、還流油と効率良く合流すべくベンチュリ本体5cの中心に案内される。
【0045】また、一度、定量油供給ライン13を経てサイトドーム6内に供給された潤滑油は、前述のような循環通路(油還流ライン15、メタリングオリフィス16、ベンチュリ上部通路5d)により(加圧油槽8内に吸い上げる油がある限り)、霧化が連続的に行われるのである。
【0046】次に、微細な油霧のみを潤滑装置から吐出させて潤滑目的に噴霧する。前記油霧選別空間8a内では、微細な油霧だけが空気流によって潤滑装置の微細油霧吐出口14aから吐出され、潤滑目的へと供給される。
【0047】このように構成される本発明方法では、圧縮空気がベンチュリ本体5c内を流れることで発生する負圧力を利用して、加圧油槽8の底部に貯留している油を油還流ライン15で強制的に吸い上げて還流油流入室5bに戻し、再度、ベンチュリ本体5cの中央を通過させる還流方式で、霧化が連続して行われることになり、加圧油槽内に貯留油がある限り、油霧を供給し続けることができるなど、従来法の如く潤滑油の種類や噴霧潤滑装置の作動条件等に一切左右されることがなく、安定した霧化率を得ることができるのである。
【0048】また、ベンチュリ機構5の吸引能力又は霧化能力の低下を早期に発見できる。蓋し、ベンチュリ機構5の負圧発生能力(吸引能力)及び/又は霧化能力が低下すると、加圧油槽8の底部に油が溜まり始めるからである。
【0049】尚、加圧油槽8を透明材料とするか又は底部に油面検出用レベルスイッチ18を設けて潤滑油の溜まり具合を容易に目視又は検出し、ベンチュリ機構5の能力低下を感知することができる。
【0050】次に、本発明に係る循環式定量吐出噴霧潤滑装置の実施の一例を図1〜図2を参照しながら説明する。尚、理解を容易にするため、前述した従来例並びに本発明方法と同一部分は同一符号で示し、構成の異なる処のみを新たな番号を付して以下に説明する。
【0051】図中Aは、本発明に係る循環式定量吐出噴霧潤滑装置であり、この循環式定量吐出噴霧潤滑装置Aは、図1に示すように、空気を濾過及び圧力調整するフィルタ/レギュレータ1と、圧縮空気をオン/オフする2ポート電磁弁等の空気切換弁2と、該空気切換弁2の一方側の通路3に連通される油霧発生装置Bと、前記空気切換弁2の他方側の通路4に配設される定量油供給ポンプ12とを備えている。
【0052】フィルタ/レギュレータ1は、前述したように、エアの濾過供給と圧力調整をなすもので、インポートから供給される清浄な圧力エアを、適宜圧力(MPa)に調圧するものである。
【0053】油霧発生装置Bは、加圧油槽8の上位に取り付けられた油滴下監視用のサイトドーム6と、該サイトドーム6の下位に取り付けられたベンチュリ機構5と、前記加圧油槽8内の底部に取り付けられたレベルスイッチ18と、加圧油槽8の底部に溜まった油を、再度、前記ベンチュリ機構5に還流せしめる油還流ライン15とを備えている。
【0054】また、前記ベンチュリ機構5は、図2に拡大して示すように、サイトドーム室6a内に連通する少なくとも一以上の油通路5a1 ,5a1 を有するベンチュリホルダ5aと、前記油通路5a1 ,5a1 に連通すべく同ベンチュリホルダ5a内に形成された還流油流入室5bと、該還流油流入室5bの下位に組み付けられたベンチュリ本体5cと、前記還流油流入室5bと油還流ライン15とを連通せしめるベンチュリ上部通路5dとを備えている。
【0055】更に、前記定量油供給ポンプ12は、油槽9と連通されたプランジャポンプ12aと、空気切換弁2に連通された3ポート電磁弁12bとからなり、該3ポート電磁弁12bのオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプ12aを作動させ、油槽9から油用フィルタ11を介して清浄された定量の油10を吸い上げ、定量油供給ライン13を経てサイトドーム6に一定量の油を供給するものである。
【0056】また、前記加圧油槽8には、レベルスイッチ18及び油排出弁機構20が付設されており、潤滑油の溜まり具合を容易に検出することができ、ベンチュリ機構5の能力低下を感知することができる。
【0057】また、ベンチュリ機構5に供給される圧縮空気の一部は、分岐してエアバイパス調整ニードル19に導かれ、潤滑対象の冷却及び潤滑対象がハウジングに収納されているような場合は、コンタミナント、切削液、冷却水等の侵入防止を目的として圧縮空気流量を調整した上で油霧搬送ライン14に混入されるのである。
【0058】尚、本発明の循環式定量吐出噴霧潤滑装置Aは、本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。
【0059】例えば、微細油霧とならなかった油は、加圧油槽8内の底部に溜まり、前記油還流ライン15にて強制的に循環霧化されるが、油定量吐出ポンプ12からは予め設定された頻度で油が供給されるため、ベンチュリ機構5の霧化能力を上回る油が供給された場合、例えば、ベンチュリ機構5で霧化しない油を使用した場合及び/又はベンチュリ機構5の霧化能力が低下した場合など、油は加圧油槽8内に増加していくため(この事は当初の潤滑条件を満たしていないことになり)、警報を出す必要がある。
【0060】具体的には、一定以上の油量となった場合、加圧油槽8を透明にしておくことで一定以上の油が溜まったことを監視し、透明な加圧油槽8に警告レベル( MAX.OIL LEVEL )を印刷しておくことで判定条件にすることができ、また、前述したように加圧油槽8内にレベルスイッチ18を設置することにより、外部に警報として出力することができる。
【0061】尚、警報が出力した場合、原因を調査して対策を講じることになるが、加圧油槽8内に溜まった油を外部へ排出する必要があり、この場合、前記油排出弁機構(バルブ機構)20を設けることで解決できることは云うまでもない。
【0062】また、油定量吐出ポンプ12から供給される油は、油還流ライン15と合流する前に(油のみで空気との混入が無い状態で)サイトドーム室6aで滴下するため、このサイトドーム6に滴下検出用センサ(図示せず)を設置することで、油定量吐出ポンプ12の作動を確認しても良い。
【0063】
【発明の効果】本発明は上述のように構成され、圧縮空気がベンチュリ内を流れることで発生する負圧力を利用して、加圧油槽の底部に貯留している油を油還流ラインで強制的に吸い上げて還流油流入室に戻し、再度、ベンチュリの中央を通過させる還流方式で、霧化が連続して行われることにより、加圧油槽内に貯留油がある限り、油霧を供給し続けることができるといった優れた効果を奏するものである。
【0064】特に、油還流ラインは、通常の使い方では油と空気が混じり合った状態で流れるため、滴下検出するのは困難な状態であるが、本発明の循環式定量吐出噴霧潤滑装置では加圧油槽に溜まる油を循環使用するため、一度油通路を経て還流油流入室に入った油は100%霧化、吐出されるため、油還流ラインの油流入量を検出する必要もなく、また、油槽への戻り配管が不要となり、ポンプ機構が一つでも良いといった利点を有するものである。
【0065】このように本発明の循環式定量吐出噴霧潤滑方法及び定量吐出噴霧潤滑装置は、循環通路(油還流ライン、メタリングオリフィス、ベンチュリ上部通路)により、加圧油槽内に吸い上げる油がある限り、霧化が連続して行われ油霧を供給し続けることができるなど、使用する潤滑油の種類や噴霧潤滑装置の作動条件等に左右されることがなく、また、構成が単純であるため大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に提供できるなど、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
【出願人】 【識別番号】000219989
【氏名又は名称】タコ株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82685(P2001−82685A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−257259