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【発明の名称】 ゴムホースおよびゴムホースの製法
【発明者】 【氏名】中野 好夫

【要約】 【課題】冷媒のバリア性と、ホースとしての柔軟性、振動吸収性および耐水分透過性を向上させることができるゴムホースを提供する。

【解決手段】内管4と、該内管4の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を設け、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルム5をスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層6と、該バリア層6の外側に設けた繊維補強層7と、該繊維補強層7の外側に設けた外皮ゴム8とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホース。
【請求項2】 単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けたゴム層と、該ゴム層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホース。
【請求項3】 前記アルミニウムラミネートフィルムのアルミニウム系合金の薄層と熱可塑性樹脂層が接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項4】 前記アルミニウムラミネートフィルムのアルミニウム系合金の薄層と熱可塑性樹脂層が加硫接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項5】 前記アルミニウムラミネートフィルムのアルミニウム系合金の薄層と熱可塑性樹脂層が互いに加硫接着剤により、予め加硫接着され、または、ホースを加硫するための加熱温度で加硫接着されてなる請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項6】 前記アルミニウムラミネートフィルムのオーバーラップ部分が加硫接着剤により、ホースを加硫するための加熱温度で互いに加硫接着されている請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項7】 前記アルミニウムラミネートフィルムの熱可塑性樹脂層がホースを加硫するための加熱温度で内管の単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層をもうけたものに加硫接着されてなる請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項8】 前記内管の樹脂層チューブがポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物により形成されてなる請求項1または2記載のホース。
【請求項9】 前記内管のゴム層が、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムおよびクロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムからなる請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項10】 前記アルミニウムラミネートフィルムに用いるアルミニウム薄層の肉厚が3〜50μmである請求項1または2記載のホース。
【請求項11】 前記アルミニウムラミネートフィルムに用いる熱可塑性樹脂層が200℃以上の融点を有するポリマーであることを特徴とする請求項1または2記載のホース。
【請求項12】 前記アルミニウムラミネートフィルムに用いる熱可塑性樹脂層の肉厚が5〜100μmである請求項1または2記載のゴムホース。
【請求項13】 前記アルミニウムラミネートフィルムの両面に用いる加硫接着剤がハロゲン化ポリマーに架橋剤を添加した加硫接着剤である請求項3記載のホース。
【請求項14】 前記アルミニウムラミネートフィルムのアルミニウム系合金の薄層と熱可塑性樹脂層の貼り合わせ接着に用いる接着剤がレゾール型フェノール樹脂とポリビニルアルコールのアルデヒド変性物との混合物を主成分とする加硫接着剤またはハロゲン化ポリマーに架橋剤を添加した加硫接着剤である請求項4記載のホース。
【請求項15】 単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を設け、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホースの製法であって、内管とバリア層とを、または、バリア層と繊維補強層とを加熱することにより相互に加硫接着するゴムホースの製法。
【請求項16】 単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を設け、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けたゴム層と、該ゴム層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホースの製法であって、内管とバリア層とを、または、バリア層とゴム層とを加熱することにより相互に加硫接着するゴムホースの製法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴムホースおよびゴムホースの製法に関する。さらに詳しくは、自動車などに使用される、たとえば冷媒の輸送に用いられるゴムホースおよびゴムホースの製法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来より、カーエアコン用冷媒ガスまたは炭酸ガス冷媒さらには、コンタクトフリーザー用冷媒ガスの輸送などに用いられる複合フレキシブルホースでは、一般に内管が樹脂層とゴム層の複合構造にされている。そして最内層に設けられる薄い樹脂層で耐ガス透過性を確保するとともに、外側のゴム層でホースとしての柔軟性、振動吸収性および耐水分透過性を確保している。
【0003】一般的に、カークーラーその他冷媒用複合ゴムホースの最内層を形成する樹脂としては、主にポリアミド(PA)系のものが多く使用されている。このポリアミドとしては、PA6、PA66、PA6とPA66の共重合体、PA11、PA12、PA11とPA12の共重合物、変性物、ブレンド物およびPAにオレフィンをブレンドしたものなどがある。また、内管の外側のゴムとしては、ブチルゴム、塩素化ブチルゴムまたは臭素化ブチルゴムなどがある。
【0004】しかしながら、これらの内管材料はいずれも高分子物であるため、高温雰囲気下でのバリア性が不充分である。このバリア性を向上させるものとして、特開平2−209224号公報、特開平2−209225号公報、特開平2−138586号公報、特開平2−113191号公報、特公昭63−13812号公報、特開平11−264488号公報、記載のものなどが提案されている。
【0005】前記特開平2−209224号公報と特開平2−209225号公報では、スパッタリングやイオンプレーティング法により、内管樹脂の外周に金属または金属化合物の薄膜を形成し、バリア性を向上させている。当該方法は真空チャンバーが必要であり、フィルム状のものであれば連続的に成膜できる。しかし、円筒状のものであれば工法上金属または金属化合物の薄膜を均一に成形することが困難であり、また、連続的に処理することも困難である。さらに、ドライメッキ膜の場合、膜そのものの柔軟性が不充分であり、ホースが振動またはホース内圧により内管チューブ径が膨れた場合の伸びに追随できず、き裂が発生しバリア性が損なわれる惧れがある。
【0006】また、特開平2−138586号公報では、内管、補強層および外管層からなっているホースの外周にアルミニウム薄層と繊維中間層と接着剤層とからなるアルミニウムラミネート層を設けるようにしているが、内管を透過してきた冷媒は補強層(繊維のあいだ)を通り両端のカシメ部からリークするため、最外層の外周に設けたバリア層の効果が少なくなる惧れがある。
【0007】また、特開平2−113191号公報では、第1バリア層にプラスチックフィルムと金属薄膜からなる積層シートを用いるとともに、アルミラミネート層のラップ部分からの漏洩を防止するために、第2のバリア層を設けている。しかし、内管チューブとアルミラミネート層が接着していないため、内部より透過してきた冷媒が内管チューブとアルミラミネート層とのあいだに滞留し、膨れが発生する惧れがある。
【0008】さらに特公昭63−13812号公報では、肉厚1.5mmのナイロンチューブの上に、低分子量ポリエチレンを両面に塗装したアルミラミネートテープを縦沿えに巻き付けた上に外層を押し出し、そしてその押出温度でオーバーラップ部分の接着およびナイロンチューブとポリエチレンの部分接着と外層の線状高分子との接着を同時に行なうようにしている。しかしナイロンチューブの肉厚が厚く柔軟性が著しくわるい。そこで柔軟性を確保するために、ナイロンチューブの肉厚を薄くした場合、オーバーラップ部分がチューブ円周上の一カ所にでき、ホースを曲げたときの柔軟性が曲げ方向により異なる惧れがある。また、アルミラミネートテープがポリエチレンの単なる塗装、いわゆる押出ラミネーションによる成形であるため、アルミニウムフィルムとナイロンとの接着およびアルミニウムフィルムとポリエチレンの接着が充分でなく、内部より透過してきた冷媒がポリエチレン層とアルミニウムフィルムとのあいだに滞留し、膨れが発生する惧れがある。
【0009】特開平11−264488号公報ではアルミラミネートフィルムをスパイラル巻きし、ゴムの加硫温度でフィルム間および内管ゴムとラミネートフィルムを溶融接着することが提案されているが、溶融接着ではゴムとの接着強度が低くホースの実使用温度レベルでは内面から透過してきたガスがラミネートフィルムと内管ゴムのあいだに滞留し膨れが発生する惧れがある。
【0010】また、熱分解開始温度の関係から、一般的なゴムの加硫温度は200℃以下で行われており、加硫温度での溶融接着が可能な樹脂材料(ヒートシール材)の融点は当然のことながら200℃以下となる。説明文の中で、PET樹脂による溶融接着も記述されているが、PET樹脂の融点は250〜260℃レベルであり、ゴムの加硫と同時の溶融接着は非常に困難である。
【0011】本発明は、叙上の事情に鑑み、冷媒のバリア性と、ホースとしての柔軟性、振動吸収性および耐水分透過性を耐熱性を向上させることができるゴムホースおよび該ゴムホースの製法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のゴムホースは、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなることを特徴とする。
【0013】また本発明のゴムホースは、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けたゴム層と、該ゴム層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなることを特徴とする。
【0014】本発明のゴムホースは、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層、好ましくは融点が200℃以上の熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからるゴムホース、または、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層、好ましくは融点が200℃以上の熱可塑性樹脂層を積層し、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けたゴム層と、該ゴム層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからるゴムホースであって、アルミラミネートフィルムのアルミニウム系合金の薄層と熱可塑性樹脂層が接着剤により接着されていることを特徴とする。
【0015】さらに本発明のゴムホースの製法は、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を設け、さらにその両面に加硫接着剤を塗布したアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホースの製法であって、内管とバリア層とを、または、バリア層と繊維補強層とを加熱することにより相互に加硫接着することを特徴とし、たとえば、アルミラミネートフィルムの両面に塗布された加硫接着剤層、または、アルミラミネートフィルムの各層間および両面に塗布された加硫接着剤層がホースを加硫するための温度で加硫接着することにより一体化することを特徴とする。
【0016】また本発明のゴムホースの製法は、単層ゴムチューブ、単層樹脂チューブ、または樹脂層チューブの外側にゴム層を設けたものからなる内管と、該内管の外側にアルミニウム系合金の薄層の両面に熱可塑性樹脂層を設けたアルミニウムラミネートフィルムをスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層と、該バリア層の外側に設けたゴム層と、該ゴム層の外側に設けた繊維補強層と、該繊維補強層の外側に設けた外皮ゴムとからなるゴムホースの製法であって、内管とバリア層とを、または、バリア層とゴム層とを加熱することにより相互に加硫接着することを特徴とし、たとえば、アルミラミネートフィルムの両面に塗布された加硫接着剤層、または、アルミラミネートフィルムの各層間および両面に塗布された加硫接着剤層がホースを加硫するための加熱温度で加硫接着することにより一体化することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発明のゴムホースおよびゴムホースの製法を説明する。
【0018】図1は本発明のゴムホースの一実施の形態を示す一部切欠斜視図、図2は図1におけるフィルムの断面図である。
【0019】図1に示すように、本発明の一実施の形態にかかわるゴムホース1は、樹脂層チューブ2の外側にゴム層3を設けた内管4と、該内管4の外側にアルミニウムラミネートフィルム(以下、単にフィルムという)5をスパイラル状または縦沿えに巻き付けたバリア層6と、該バリア層6の外側に設けた繊維補強層7と、該繊維補強層7の外側に設けた外皮ゴム8とから構成されており、内管4とバリア層6とを、または、バリア層6と繊維補強層7とを加熱することにより相互に加硫接着して製作することができる。
【0020】内管4とバリア層6と、または、バリア層6と繊維補強層7とは、加硫接着剤によりホースを加硫するための加熱温度で互いに加硫接着されることができる。ホースを加硫するための加熱温度は、通常130〜190℃程度、好ましくは150〜180℃程度である。加熱温度が低い場合、反応不足により接着強度が不充分になる傾向があり、高い場合、接着剤そのものの熱分解による強度不足あるいは耐久性が低下する傾向がある。
【0021】前記樹脂層チューブ2は、ポリアミド樹脂、またはポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物により形成するのが好ましい。ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物としては、たとえば、ポリアミド樹脂を60重量%以上含む樹脂組成物が好ましい。
【0022】ポリアミド樹脂としては、たとえば、ポリアミド−6(PA6)、ポリアミド−6,6(PA66)、ポリアミド−6,12(PA612)、ポリアミド−6,10(PA610)、ポリアミド−11(PA11)、ポリアミド−12(PA12)、ポリアミド−4,6(PA46)、ポリアミドMDX−6などを用いることができる。
【0023】ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物の残りの成分としては、たとえば、エチレン、αオレフィン、非共役ジエンゴム、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィンやジエンモノマーを単独または共重合したポリオレフィンに無水マレイン酸などの酸無水物をグラフト重合した変性ポリオレフィンなどを用いることができる。
【0024】ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物により樹脂層チューブ2を形成する場合、たとえば、ポリアミド樹脂を60重量%以上含み残りの成分として、エチレン・αオレフィン・非共役ジエンゴムとからなる樹脂組成物により形成するのが好ましい。
【0025】樹脂層チューブ2の肉厚は、通常50〜1000μm程度、好ましくは100〜500μm程度である。樹脂層チューブ2の肉厚が薄い場合、ガスのバリア性が劣る傾向があり、厚い場合、柔軟性が劣る傾向がある。
【0026】また前記ゴム層3としては、ブチルゴム(IIR)、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムおよびクロロプレンゴムよりなる群から選ばれた少なくとも1種のゴムから形成されているのが好ましい。
【0027】ゴム層3の肉厚は、通常0.3〜2mm程度、好ましくは0.5〜1.5mm程度である。ゴム層3の肉厚が薄い場合、押出し加工性が悪く、動的特性(内圧がかかったり、振動が加わったときにバリア層に加わる応力が緩和しにくい)が劣る傾向があり、厚い場合、柔軟性の低下、カシメ強度の低下などの傾向がある。
【0028】なお、本実施の形態では、内管が樹脂層チューブ2とゴム層3とから形成されているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、前記樹脂層チューブ2の外側にゴム層3を設けた内管に代えて、単層ゴムチューブまたは単層樹脂チューブの内管とすることができる。
【0029】単層ゴムチューブは、押出機により、押出し成形するのが好ましい。
【0030】単層樹脂チューブは、押出機により、押出し成形するのが好ましい。
【0031】前記フィルム5としては、図2に示すように、アルミニウム系合金の薄層5aの両面に熱可塑性樹脂層5bを積層しさらにその両面に加硫接着剤5cを塗布したものを用いることができる。
【0032】前記薄層5aと熱可塑性樹脂層5bとは、接着剤、好ましくは加硫接着剤により、事前に貼り合わせられているものを用いることができる。前記薄層5aと熱可塑性樹脂層5bとは、加硫接着剤により、予め加硫接着、または、ホースを加硫するための加熱温度で互いに加硫接着することができる。ホースの加硫温度は、通常130〜190℃程度、好ましくは150〜180℃程度である。加硫接着の温度が低い場合、反応不足により、接着強度が不充分になる傾向があり、高い場合、接着剤そのものの熱分解により、強度が不足したり、あるいは耐久性が低下する傾向がある。
【0033】前記薄層5aの肉厚は、3〜50μmであり、さらには7〜30μmであるのが好ましい。肉厚が3μmより薄いと、フィルムにピンホールが多数発生し、バリアー効果が低下する傾向があり、肉厚が50μmより厚くなるとフィルムの柔軟性が少なくなり、ホース製品の柔軟性を低下させる傾向がある。
【0034】前記薄層5aを形成するアルミニウム系合金としては、たとえば、JIS H4160に示す1085、1070、1050、1N30、1100、3003、3004があげられ、そのほか、8021材などを用いることができる。
【0035】前記フィルム5に用いる熱可塑性樹脂層5bは、200℃以上の融点を有するポリマーから形成されている。
【0036】熱可塑性樹脂層5bを形成するポリマーとしては、たとえば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
【0037】また、この熱可塑性樹脂層5bの肉厚は、実現性および柔軟性の面から5〜100μmであり、好ましくは20〜70μmである。さらに熱可塑性樹脂層の表面に、コロナ放電処理あるいはシラン処理など、接着性を向上させるための表面処理を施すこともできる。
【0038】前記内管4の外側にスパイラル状または縦沿えに巻き付けられてバリア層6を形成するフィルム5のオーバーラップ部分は、加硫接着剤により、ホースを加硫するための加熱温度で互いに加硫接着することができる。加熱温度が低い場合、反応不足により、接着強度が不充分になる傾向があり、高い場合、接着剤そのものの熱分解により、強度が不足したり、あるいは耐久性が低下する傾向がある。フィルム5の両面に加硫接着剤5cが塗布してある場合、フィルム5のオーバーラップ部分は、加硫接着剤5cにより、加硫接着することができる。
【0039】内管4とバリア層6とを加硫接着する加硫接着剤、前記薄層5aと熱可塑性樹脂層5bとを事前に張り合わせる加硫接着剤、前記加硫接着剤5cおよびフィルム5のオーバーラップ部分を加硫接着する加硫接着剤としては、たとえば、ハロゲン化ポリマーに架橋剤を添加した加硫接着剤などを用いることができる。
【0040】ハロゲン化ポリマーとしては、たとえば、塩素化ポリマー、臭素化ポリマーなどを用いることができる。ハロゲン化ポリマー(たとえば塩素化ポリマー)のポリマーとしては、たとえば、ポリオレフィンなどがある。ポリオレフィンは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、エチレン−プロピレン−ヘキサジエンターポリマー、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンターポリマーおよびエチレン−プロピレン−エチリデンノルボーネンターポリマーからなる群から選ぶことができる。
【0041】ハロゲン化ポリマーは、たとえば、さらにクロロスルホン化ポリエチレン、塩素化天然ゴム、ポリクロロプレン、塩素化ポリクロロプレン、塩素化ポリブタジエン、ブタジエン/ハロゲン化環状共役ジエン付加物、塩素化ブタジエンスチレン共重合体、臭素化ポリ(2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン)、α−ハロアクリルニトリルと2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの共重合体、ハロゲン化ポリビニルブチラール、塩素化ポリ塩化ビニル、およびそれらの混合物を含む塩素および臭素−含有合成ゴムからなる群から選ぶこともできる。
【0042】架橋剤としては、たとえば、芳香族ニトロソ化合物、芳香族ジオキシムおよび脂肪族ビス−ニトロソアミンを用いることができる。
【0043】通常、ハロゲン化ポリマーが5〜95重量%で架橋剤が10〜60重量%、好ましくはハロゲン化ポリマーが25〜70重量%で架橋剤が30〜40重量%とする。
【0044】前記薄層5aと熱可塑性樹脂層5bとを事前に張り合わせる加硫接着剤および前記加硫接着剤5cとしては、たとえば、さらに、レゾール型フェノール樹脂とポリビニルアルコールのアルデヒド変性物との混合物を主成分としたものを使用することもできる。ポリビニルアルコールのアルデヒド変性物としては、たとえば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などがあげられる。
【0045】レゾール型フェノール樹脂をA重量部とし、ポリビニルアルコールのアルデヒド変性物をB重量部として、通常B:A=75:25〜99:1、好ましくは85:15〜97:3とする。
【0046】前記繊維補強層7としては、繊維材料のポリエステル(PET)、ナイロン・アラミドなどの補強糸をプレートまたはスパイラル状に編組して補強された層を用いることができる。
【0047】繊維補強層7の肉厚は、通常0.3〜1.5mm程度、好ましくは0.5〜1mm程度である。繊維補強層7の打込量(投入量)が少ないと、耐圧強度が低くなる傾向があり、多すぎるとコストアップ、補強効率の低下によるムダが発生する傾向がある。
【0048】バリア層6の外側にゴム層を設け、該ゴム層の外側に繊維補強層7を設けることもできる。バリア層6の外側にゴム層を設けることによって、振動、屈曲などにより生じる補強繊維との摩擦によるバリア層6の劣化を防ぐことができる。
【0049】バリア層6の外側のゴム層の肉厚は、通常0.3〜1.5mm程度、好ましくは0.5〜1mm程度である。バリア層6の外側のゴム層の肉厚が薄い場合、摩擦防止効果が少ない傾向があり、厚い場合、コストアップおよびその外側にくる編組径が大きくなり、同じ打込み量のとき、耐圧性が低下する傾向がある。
【0050】バリア層6の外側のゴム層としては、たとえば、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、EPDM、CRなどを用いることができる。
【0051】前記外皮ゴム8としては、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、ブチルゴム、塩化ブチルゴムまたは臭素化ブチルゴムなどを用いることができる。外皮ゴム8の肉厚は、通常1〜2mm程度、好ましくは1〜1.5mm程度である。
【0052】たとえば、加硫接着させる前の状態のゴムホース(積層体)を、加硫するための加熱温度(通常は130〜190℃程度、好ましくは150〜180℃程度)に制御した加硫缶(たとえば蒸気加硫缶)内に、通常は20〜90分間程度、好ましくは30〜50分間程度保持することによって加硫接着させることができる。加硫缶内では加熱蒸気の作用により加硫接着剤が加硫接着される。
【0053】つぎに本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
【実施例】実施例1〜2表1に示すように、内管樹脂(ポリアミドと酸無水物変性ポリオレフィンをアロイ化して得られる変性ポリアミド)を押出機により厚さ0.5mmで押出したのち、内管ゴム層(ブチルゴム:IIB)を押出被覆し、内管を2本作製した。なお、内管ゴム層に用いるゴム材料には接着成分として臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびフェノール樹脂・メチロールメラミンを練り込み、内管樹脂層とのあいだに接着剤層を設ける必要のない仕様とした。
【0055】ついで、厚さ12μmのアルミニウム系合金(8021材)の薄層の両面に厚さ25μmまたは20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート:融点260℃)を形成し、さらにその両面にハロゲン化ポリマー(クロロスルホン化ポリエチレン)に架橋剤(ジニトロソベンゼン)を添加したタイプの加硫接着剤を塗布したアルミラミネートフィルムを各内管にスパイラル状にオーバーラップさせて巻き付け、バリア層を形成した。
【0056】ついで、この表面にポリエステル繊維を用いて編組機により編組して繊維層(厚さ1.0mm)を作製した。つぎに、EPDMゴムを押出成形機により押出して外皮ゴム層(厚さ1.45mm)を形成し、5層からなる積層体を得た。
【0057】さらに、この5層からなる積層体を蒸気加硫缶内において160℃で40分間かけて加熱して加硫を行ない、2本のゴムホースを作製した。ガスバリア性、水分透過性および柔軟性を調べるために、つぎの評価を行なった。その結果を表1に示す。
【0058】ガスバリア性試験:SAE J 51 MAY85(AUTOMOTIVEAIR CONDITIONING HOSE)に準じてCO2の透過量を測定した。
【0059】柔軟性試験:ホースの一端を固定し、直径100mmのドラムに180度U字形に巻き付けてその状態を繊維するのに必要な力をプッシュプルーゲージ(AE−300アルコーエンジニアリング(株)製)を用いて測定し、バネ図りが示す引張力(曲げ力)を測定した。
【0060】水分透過性:ホース内に内容積の80%の水を封入したホース試料3本と未封入のホース試料1本を100℃の恒温槽に168時間放置し、初期重量から168時間後の試料の重量減を測定し、水分透過量とした。なお、水を封人していない試料の重量減をブランクとしてデータの補正値とした。
【0061】
【表1】

【0062】比較例1〜2表1に示すように、実施例1〜2におけるバリア層を形成しない2本のゴムホースを作製した。得られたゴムホースの性能を実施例1〜2と同様に調べた。その結果を表1に示す。
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、冷媒のバリア性と、ホースとしての柔軟性、振動吸収性および耐水分透過性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【公開番号】 特開2001−241572(P2001−241572A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−4128(P2000−4128)