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【発明の名称】 配管支持部材
【発明者】 【氏名】青山 茂

【要約】 【課題】エンジンに燃料を供給するフューエルパイプ等を、パイプ内の流動音等を車室内に伝播させずに支持する配管支持部材を提供する。

【解決手段】配管支持部材を配管保持部材13、ゴム部材14および係止部材15から構成し、配管保持部材13の挿通孔13aにフランジ19を備えたゴム部材14および荷重受けフランジ23を備えた係止部材15を一体に設け、荷重受けフランジ23を叩いて車体のスタッドボルト7に係止部材15を嵌着し、配管支持部材5をフロアに固定するようにした。車体側構成を変更することなく、従来通り組付け作業が行え、しかも、ゴム部材14によりフューエルパイプ1を支持する配管支持部材5をフロアからフローティングすることができる。この結果、ビビリ音や脈動音等の異音発生を防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配管胴部を径方向から着脱可能に係着する配管保持部材に、配管と直交する方向に挿通孔を形成し、該挿通孔に開口縁面と孔の内壁とに当接する筒状の弾性部材を介装し、該弾性部材に、車体の係合部材に係止される係止部材を嵌着したことを特徴とする配管支持部材。
【請求項2】 配管保持部材は複数の配管を横並びに係着させ、弾性部材および係止部材を装着する挿通孔を配管の並びに対して並列に形成したことを特徴とする請求項1記載の配管支持部材。
【請求項3】 弾性部材は挿通孔の開口縁面に当接するフランジを形成しており、係止部材は一端に弾性部材のフランジと圧接可能な荷重受けフランジを形成し、係止部材の他端は弾性部材の端面より内側に位置する長さに形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の配管支持部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のフューエルパイプ等の配管支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前置きエンジンの自動車では、フューエルタンクを車体後部に設置したとき、この間をフューエルパイプで連絡して燃料を供給するようになっている。図5に示すように、フューエルパイプ1はフューエルタンク2に設けられたフューエルポンプ3に連結され、また、フューエルパイプ1はフューエルフィルタ4を介してエンジン側に接続されている。フロアに沿って延長したフューエルパイプ1は複数の合成樹脂製のフロアクランプ5により支持し、エンジン側のダッシュパネルの位置に延長されたフューエルパイプ1はダッシュクランプ6によって支持される。これらのクランプ5,6はボディパネルに配設されたスタッドボルト7によって固定される。なお、以下、ダッシュクランプ6はフロアクランプ5の説明を持って省略する。
【0003】図6(a),(b)に示すように、フロアクランプ5の外形は略直方体に収まり、フューエルパイプ1の胴部を支持するための円弧状部(半円状)8が複数横並びに設けられ、一つの円弧状部8に対して区画板9が延長されその端部から円弧状部8に臨んで抜止片10が設けられている(特開平8−303647号、実開平7−41179号参照)。抜止片10はフューエルパイプ1の胴部を押し入れるときに湾曲し、円弧状部8にフューエルパイプ1が当接すると弾性によって元に戻り、フューエルパイプ1設置後は抜止片10が胴部に突き当たるようになるので、フロアクランプ5はフューエルパイプ1(配管)を支持することができる。なお、抜止片10を区画板9に押し付けることによってフューエルパイプ1を取り出すことができる。
【0004】また、フロアクランプ5には配管(フューエルパイプ1)と直交する方向に挿通孔11が形成され、挿通孔11の内部には戻り防止用の突起12が形成されている。そして、車体フロアに間隔をあけて設けたスタッドボルト7にフロアクランプ5の挿通孔11を合わせ、フロアクランプ5を押し付けることで配管が所定位置に支持されることになる。フロアクランプ5の固定手段としては、スクリュウによる締め付けもあるが、フロアクランプ5の成形時において車体取付用の係合片を一体に成形し、係合片を車体の装着部に嵌合させる手段もある(実開平6−63977号参照)。また、配管支持用のクランプの固定部と支持部とを硬質の合成樹脂で分離し、それぞれの2ヶ所に軟質樹脂を介在させ防振を施す構造も提案されている(特開平9−250517号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フューエルパイプ1は車両後方のフューエルタンク2から車両前方のエンジンまで延長され、延長したフューエルパイプ1は車両のフロアの複数箇所に固定するため、フロアクランプ5の圧入固定作業が煩雑になり、フロアとの当接面によってビビリ音の発生の虞がある。また、フューエルパイプ1で供給される燃料の脈動音や流動音は固定した硬質のフロアクランプ5を介して車体に伝わる可能性があり、車室内において異音として聞こえてくる虞がある。
【0006】本発明は、エンジンに燃料を供給するフューエルパイプ等の内部音を車室内に伝播させないための配管支持部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、請求項1の発明は、配管胴部を径方向から着脱可能に係着する配管保持部材に、配管と直交する方向に挿通孔を形成し、該挿通孔に開口縁面と孔の内壁とに当接する筒状の弾性部材を介装し、該弾性部材に、車体の係合部材に係止される係止部材を嵌着したことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は請求項1の発明において、配管保持部材は複数の配管を横並びに係着させ、弾性部材および係止部材を装着する挿通孔を配管の並びに対して並列に形成したことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は請求項1の発明において、弾性部材は挿通孔の開口縁面に当接するフランジを形成しており、係止部材は一端に弾性部材のフランジと圧接可能な荷重受けフランジを形成し、係止部材の他端は弾性部材の端面より内側に位置する長さに形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1に示すように、車体フロアに取り付けるフロアクランプ(配管支持部材)5は合成樹脂によって略直方体に収まる形状に製作された配管保持部材13と、配管保持部材13の挿通孔13aに装着される筒状の一対のゴム部材(弾性部材)14および係止部材15から構成されている。図2(a),(b)に示すように、配管保持部材13は配管胴部を支持する円弧状部16が横並びに複数設けられ、円弧状部16の側方から区画板17が突出しその端部から抜止片18が円弧状部16に臨んで設けられている。また、配管保持部材13の略中央部には、配管と直交する方向に挿通孔13aが形成されている。
【0011】図3(a),(b)に示す一対のゴム部材14は、挿通孔13aの前後方向に対して対称形にされ、各ゴム部材14の一端には開口縁面に当接するフランジ19が形成されている。さらに、筒内孔14aの壁面においてフランジ側面の対向位置に一対の溝20が形成され、この溝20は係止部材15(図4参照)の先端外周面に形成した爪21と係合するようになっている。また、ゴム部材14の外周面は挿通孔13aの内壁と当接する。また、筒状の一対のゴム部材14を装着するときは、挿通孔13aの両開口から嵌入することになる。なお、一対のゴム部材14どうしは挿通孔13aの内部において接触していなくても良い(筒部分が短くても良い。)。
【0012】図4(a),(b)に示すように、筒状のゴム部材14の筒内孔14aに装着する係止部材15は、車体に設けたスタッドボルト(係合部材)7を挿通する孔15aが形成され、孔15aには戻り防止用の突起22が形成されている。また、係止部材15は一端にゴム部材14のフランジ19と圧接可能な荷重受けフランジ23が形成されている。また、係止部材15の長さは、図1に示すように、配管保持部材13に装着したゴム部材14の端面より内側にその先端が位置するように調節したものである。ただし、係止部材15の爪21とゴム部材14の溝20は装着時に係合して抜け止めが防止される。
【0013】以上説明したように、配管支持部材を配管保持部材13、ゴム部材14および係止部材15から構成し、配管保持部材13の挿通孔13aにゴム部材14および係止部材15を一体に設けることにより、従来の車体側のスタッドボルト7を変更することなく、従来通り組付け作業が行え、しかも、ゴム部材14によりフューエルパイプ1を支持する配管支持部材5をフロアからフローティングすることができる。また、配管支持部材5の形状は略直方体に収まる形状であるので扱い易く、係止部材15の荷重受けフランジ23が叩き易い形状になっており、ゴム部材14が緩衝の役目をするので、ハンマー等の使用により煩雑な組付け作業が容易になる。この結果、ビビリ音や脈動音等の異音発生を防止することができる。また、ゴム部材14の変更が容易であり、発生音の周波数に対してゴム硬度を変更することができ、最適な設定が可能となる。
【0014】
【発明の効果】本発明は以上述べた通りであり、請求項1に記載の発明では、フューエルパイプ等を支持する配管支持部材は、その挿通孔に弾性部材と係止部材を嵌着させたので、従来通り、車体の係合部材に配管支持部材を固定することができ、弾性部材によって配管支持部材をフローティングするので、燃料供給時の脈動音等の車内への伝達を防ぐことができる。
【0015】請求項2に記載の発明では、配管保持部材は複数の配管を横並びに支持すると共に、フロア固定用の挿通孔部分も配管の並びに対して並列に形成したので、取付スペースを大きくしないですみ、配管およびクランプを突設することなく、従来通りの作業が行えて、異音の発生を防止することができる。請求項3に記載の発明では、弾性部材のフランジと係止部材の荷重受けフランジが重なり合った構成となり、係止部材の長さが配管支持部材よりも十分短いので、組付け時に係止部材の荷重受けフランジを殴打するのみで固定され、殴打する力が強すぎる場合は弾性部材が吸収するので、配管支持部材を傷つけることもなく固定できる。
【出願人】 【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
【出願日】 平成12年2月28日(2000.2.28)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
【公開番号】 特開2001−241569(P2001−241569A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−51369(P2000−51369)