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【発明の名称】 高サイクル振動による損傷防止配管サポート
【発明者】 【氏名】小谷 貴彦

【氏名】久恒 眞一

【氏名】折谷 尚彦

【要約】 【課題】配管の高サイクル振動により、サポートとプレートの間に摩擦が生じ摩耗粉が発生し、配管の振動と摩耗粉によりフレッティング疲労が生じ、サポートにき裂が生じる。

【解決手段】発電プラントにおける配管の高サイクル振動による問題を解決する施工法として、配管とプレートとの間に振動吸収材を挿入する施工方式及び、一体型クランプに振動吸収材を挿入する施工方式を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発電プラントの配管サポートにおいて、U字ボルトとプレートにより配管を拘束する構造として、配管と接触するプレート取付け部位にフレッティング疲労を防止可能とした振動吸収材を用いる配管サポート。
【請求項2】 発電プラントの配管サポートにおいて、一体型にて製造されたクランプに振動吸収材を挿入する配管サポート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラントの高サイクル振動が発生する配管のサポート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、原子力発電プラントの配管サポートにおいては、配管の自重や軸直角方向の振動を拘束する目的でスプリングハンガやU字ボルトなどのサポートが用いられている。これらの施工方法にはU字ボルトなどのサポートを直接配管に施工し拘束する場合と、配管との間にプレートと呼ばれている金属の板を設置し施工するものがある。
【0003】原子炉で生成された主蒸気をタービンへ送る主蒸気リード配管やポンプやモータ、タービンなどに接続される配管は、高サイクル振動という環境下にさらされている。そのため、配管とサポートとの間にプレートをあてることで配管とサポートとの直接の接触を回避して設置されている。しかし、プレートをあてたサポートにおいても高サイクル振動の影響によりU字ボルトにき裂が発生するなどの事象が発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高サイクル振動による損傷は、配管の振動によりサポートとプレートが接触している間に振動の摩擦により摩耗粉が生じ、この摩耗粉の影響によりフレッティング疲労が生じ、サポートにき裂が生じるものである。この現象は硬く拘束された接触面が極めて微小振幅の繰返し相対運動を行なうときに生じるものであり、原子力発電プラントにおいては主蒸気リード配管やポンプやモータ、タービンなどに接続される配管がこれに当たる。
【0005】本発明の目的は、配管とプレートとの間に振動吸収材を挿入することにより高サイクル振動による損傷を防止する配管サポートの施工方式を提供すること及びき裂が発生しにくい一体型クランプに振動吸収材を挿入する施工方式を提供し、配管サポートの信頼性を向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため本発明では、発電プラントの高サイクル振動を発生する配管の損傷防止対策として配管サポートを施工する場合、■〜■の施工形態により下記のように施工を行う。
【0007】■配管とプレートとの間に振動吸収材が挿入される場合第1施工方式として、配管とプレートとの接触面に振動を吸収できる構造を有する振動吸収材を用いる。尚、この振動吸収材と接触することにより振動エネルギーを吸収し熱エネルギーに変換することを可能とした構造を用いることができる。
【0008】■一体型クランプに振動吸収材が挿入される場合第2施工方式として、応力が集中する形状がないことで一体型のクランプ用いることにより、振動によるき裂が発生しにくい上に、クランプ自体が安価のため今後の主流になると思われる。尚、このクランプに第1施工法同様に振動吸収材を挿入することにより絶大な効果を発揮することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の適用配管を説明するため、原子力発電プラントの系統を図3により要約し、原子力発電プラントにおける発電の仕組を説明する。
【0010】原子力発電プラントにおける発電の熱源は原子炉格納容器(9)に収められている原子炉圧力容器(8)内での核反応である。核反応により生成された熱は炉水を沸騰させる。ここで発生した蒸気は主蒸気配管(10)を通り高圧タービン(12)、低圧タービン(13)へと運ばれる。そこで熱エネルギーは運動エネルギーに変換され発電機(14)を稼動し電気エネルギーへと変換される。その後エネルギーを失った蒸気は復水器(15)に運ばれ水に戻される。このとき蒸気の冷却に用いられるのが循環水系(16)であり配管内部の海水により蒸気の冷却を行っている。蒸気は水に戻された後再び低圧給水加熱器(17)、高圧給水加熱器(18)の順で加熱され、原子炉給水ポンプ(19)により給水系配管(11)を通り再び原子炉圧力容器(8)内へ運ばれる。これが一連の流れであるが、他にも、緊急時の原子炉の冷却系統である残留熱除去系(24)、ポンプなどの補機を冷却するタービン補機冷却系(21)などの冷却系統がある。これら冷却系統は冷却対象部位により加熱されるため他系統により熱交換器(25)で冷却される。残留熱除去系(24)は残留熱除去海水系(23)により、タービン補機冷却系(20)はタービン補機冷却海水系(21)によりそれぞれ冷却される。熱交換を終えた海水は海(22)へと戻される。
【0011】本発明の対象配管は高サイクル振動により発生する配管である。例えば、原子炉格納容器(9)と高圧タービン(12)との間の主蒸気系配管(10)(MSリード管)に用いられている。
【0012】本発明を発電プラントの高サイクル振動が発生する配管の施工に適した実施例を図1、図2を用いて説明する。
【0013】図1よりU字ボルト振動吸収材挿入タイプについての構成としては、配管をU字ボルト(1)にて拘束するためにU字ボルト(1)と配管の間にプレート(3)を挟みプレート(3)と配管との間に振動吸収材(2)(使用する振動吸収材は、引っ張り強さの高いステンレスワイヤーをヤスリ状に編み、扁平に波付けした後、所定の形状・密度となるように金型内で圧縮成形した弾性体であり、メッシュばねは、ワイヤーの摩擦によって減衰を得ることができ、振動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、高周波微振動を絶縁することができる)をプレート(3)に接着し挿入することにより構成される。
【0014】図2よりクランプ本体(5)に振動吸収材(4)とパット(7)を接着し、振動吸収材(4)とパット(7)のずれ及び脱落を防止する為にクランプ本体(5)にガイド(6)を溶接することにより配管を拘束する構成となっている。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、U字ボルト振動吸収材挿入タイプ、一体型クランプ振動吸収材挿入タイプ共に高サイクル振動によるU字ボルトへの損傷を防止する効果がある。また、一体型クランプ振動吸収材挿入タイプの場合、応力が集中する形状がないことから高サイクル振動による熱影響部のき裂損傷を防止できる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成12年2月28日(2000.2.28)
【代理人】 【識別番号】100075096
【弁理士】
【氏名又は名称】作田 康夫
【公開番号】 特開2001−241568(P2001−241568A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−55962(P2000−55962)