| 【発明の名称】 |
消音配管構造及び配管の施工方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 康治
【氏名】桑原 厚二
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| 【要約】 |
【課題】湾曲部分を有する配管構造において、内部に流体が流れるときに発生する騒音を好適に消音することができる消音配管構造を提供する。
【解決手段】例えば図1に示すように、不織布層13Aと再生ブチルゴムからなる基材層13Bとからなるシート部材13を、配管の直線部分に配置される直管11や、配管の湾曲部分12aに配置されるエルボ管12の周囲を巻いて覆うように設ける。また、予め、エルボ管12には下地層13Bbをさらに設けるとともに、直管11とエルボ管12との接合部分にはゴム層13Baをさらに設ける。上記構成によれば、配管の内部を流れる流体による騒音を好適に低減することができる。特に、エルボ管12や、直管11とエルボ管12との接合部分の騒音が発生しやすい部分においても、好適に騒音を低減することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給排水等の流体用の配管となる管と、該管の周囲に巻かれて消音材となるシート部材とを備えた消音配管構造であって、前記管には、配管の直線部分に配置される直管と、配管の湾曲部分に配置されるエルボ管とが備えられ、前記シート部材が前記管の周囲を巻いて覆うように設けられ、かつ、不織布からなる不織布層と、該不織布層の外周側の面を覆うように設けられ、かつ、弾性を有する基材層とを備え、前記シート部材の前記エルボ管と前記直管との接合部分に巻かれる部分においては、前記シート部材の外周側の面を覆うようにして、弾性を有する層または前記シート部材が設けられ、多層構造が形成されていることを特徴とする消音配管構造。 【請求項2】 請求項1記載の消音配管構造であって、前記基材層は、その成分として再生ゴムを含むことを特徴とする消音配管構造。 【請求項3】 請求項1または2記載の消音配管構造であって、前記エルボ管は、弾性を有する下地層が、前記エルボ管の周囲を巻いて覆うように設けられ、かつ、下地層の外周側の面を覆うように前記シート部材が設けられていることを特徴とする消音配管構造。 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一つに記載の消音配管構造を用いた配管の施工方法であって、予め、互いに接合される前の前記配管となる各管に、それぞれ、前記シート部材を前記管の外周を覆うように巻き付けるとともに、前記管のうちの前記エルボ管の前記直管との接合部分と、前記管のうちの前記エルボ管と接合される前記直管の前記エルボ管との接合部分との少なくとも一方においては、前記シート部材の外周側の面を覆うようにして、弾性を有する層または前記シート部材を設け、多層構造を形成しておいた後、前記シート部材に覆われた前記管同士を接合することにより配管の施工が行われることを特徴とする配管の施工方法。 【請求項5】 請求項4記載の配管の施工方法において、前記管同士を接合した後に、前記管同士の接合部分に、前記管同士に跨るように前記シート部材上からテープ部材を巻き付けることを特徴とする配管の施工方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内部を流れる流体により発生する騒音を低減する消音配管構造及び配管の施工方法に関する。 【0002】 【背景の技術】従来、給排水用の配管、ガス管、エア搬送で用いる配管など、内部に流体が流れる配管は、該配管の内部を流体が流れるときに、流体の流れに伴って騒音が発生する場合がある。 【0003】一般に、配管で発生する騒音は、異なる要因の複数の音が混ざり合って発生する。例えば、配管内部の流体が配管の内面と衝突して配管を振動させることに起因する放射音や、配管の振動が配管が接続されている躯体に伝播することにより発生する固体伝播音や、管内を流れる物質が衝突し、混合される時に生じる音が管を通過して発生する透過音などの音が混ざり合って発生する。従って、配管から発生する騒音を低減するためには、遮音や吸音の機能と制振の機能とが同時に要求されることになる。 【0004】そこで、上述のような騒音を低減するために、例えば、配管に騒音を遮断するための部材を備える構成とすることが知られている。例えば、特開平4−11130号公報においては、遮音シート(例えば、樹脂材料からなるシートに、鉛等の高比重金属を内在させたもの)とシート状軟質吸音材(例えば、スポンジなど)とを組み合わせるとともに、配管の周囲を覆うように配置することが開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、内部に流体が流れる配管は、例えば、湾曲部分を持たせて狭いスペースに収容する場合がある。この場合に、配管の湾曲部分においては、例えば、直管では流体の流れが規則的な層流状態であっても、湾曲部分では流体が管の内壁にぶつかることになるために、流体の流れが乱流状態に乱されることがある。そして、このような流体の流れが乱れることに伴って、湾曲部分では、局所的に騒音が引き起こされ易い部分となる。 【0006】しかしながら、上記公報の従来技術では、遮音材と吸音材からなる消音材で配管全体を被覆する形態の消音配管構造であり、必ずしも、局所的に騒音が発生する湾曲部分については、特別な考慮がなされているものとはなっていなかった。 【0007】本発明の課題は、湾曲部分を有する配管構造において、内部に流体が流れるときに発生する騒音を好適に消音することができる消音配管構造を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の消音配管構造10は、例えば図1に示すように、給排水等の流体用の配管となる管と、該管の周囲に巻かれて消音材となるシート部材13とを備えた消音配管構造10であって、前記管には、配管の直線部分に配置される直管11と、配管の湾曲部分に配置されるエルボ管12とが備えられ、前記シート部材13が前記管の周囲を巻いて覆うように設けられ、かつ、不織布からなる不織布層13Aと、該不織布層13Aの外周側の面を覆うように設けられ、かつ、弾性を有する基材層13Bとを備え、前記シート部材13の前記エルボ管12と前記直管11との接合部分に巻かれる部分においては、前記シート部材13の外周側の面を覆うようにして、弾性を有する層(ゴム層13Ba)または前記シート部材が設けられ、多層構造が形成されていることを特徴とする。 【0009】上記構成によれば、不織布は繊維同士の間に形成される多数の空気の層を内在しているために、不織布層13Aが主に吸音材として機能することができるとともに、基材層13Bが主に遮音材として機能することができる。従って、基材層13Bと不織布層13Aとからなる消音材となるシート部材13により、配管となる管の内部を流れる流体により発生する騒音を、好適に、低減することができる。また、不織布層13Aが、管の振動をある程度吸収することができるとともに、管の振動が大きく不織布層13Aで吸収しきれない場合には、弾性を有する基材層13Bが、不織布層13Aに伝えられた振動を吸収することができる。従って、シート部材13が、管の制振材として機能して騒音の低減に寄与することができる。 【0010】また、上記構成によれば、管の内部を流体が流れるときに騒音の発生部分となり易い湾曲部分12aを備えるエルボ管12と直管11との接合部分に、特に、弾性を有する層(ゴム層13Ba)またはシート部材を、シート部材13の外周側の面を覆うように設け、多層構造を形成するように配置することができる。従って、騒音の発生部分となり易い湾曲部分12aから発生する騒音を、好適に、低減することができる。なお、弾性を有する層とは、弾性を有するとともに、シート部材13の外周側の面を覆うように設けることができれば限定されるものではない。例えば、基材層13Bと同様なものを適用しても良い。 【0011】また、基材層13Bには弾性が付与されており、柔軟性や粘着性を持たせることができるので、広範な形状の管に容易に巻き付けて取り付けることができる。また、シート部材13を管に取り付ける場合には、弾性を有する基材層13Bが、管をしめつけることができるように、ある程度の張力を加えて取り付けることが好ましい。この場合には、より確実かつ容易に、シート部材13を管に取り付けることができる。なお、例えば、エルボ管12のように湾曲部分12aを備える管に取り付ける場合には、より確実にシート部材13を取り付けることができるように、接着剤等を併用しても良い。この場合には、接着剤の種類は限定されるものではないが、接着部分には管の振動などによる力が作用することになるために、固化したあとの接着剤がある程度の弾性を有することが好ましい。例えば、再生ゴムからなる接着剤などを好適に用いることができる。また、例えば、直管11のような比較的単純な形状の管に取り付ける場合には、接着剤等を用いたりすることなく、基材層13Bの弾性により、シート部材13を取り付けても良い。 【0012】なお、基材層13Bは、産業廃棄物の有効利用を図ることができるものとするために、例えば、ブチルゴムなどの再生ゴムを用いることが好ましい。 【0013】また、基材層13Bは、例えば、周知の発泡成形のように、弾性を有するとともに、内部に空間を持つように各種成形加工を施して得られるものを適用しても良い。この場合には、基材層13Bに、さらに、吸音効果を付与することができる。 【0014】また、基材層13Bとしては、弾性を有するシート状の部材であれば特に限定されるものではなく、例えば、周知の各種ゴム材料や熱可塑性エラストマーなど、弾性を有するゴムまたはゴム状物質からなるシート状成形品を用いても良い。また、基材層13Bは、例えば、シート状に成形することができる各種樹脂材料をバインダとして、内部に、ゴムまたはゴム状物質からなる弾性を有する分散材を分散させた構成としても良い。このような構成によれば、弾性を有する分散材により、基材層13Bに弾性を付与することができる。 【0015】また、流体とは、配管内部を移動することができる液体や気体などの意味であり、例えば、水、エア、ガスなどを含む。また、配管とは、限定されるものではなく、例えば、給水配管や排水配管、ガス管、エア搬送で用いる配管や、さらに給湯配管などに好適に適用することができる。 【0016】また、シート部材13は、工場等において、予め、配管を構成する直管11やエルボ管12に取り付けることが好ましい。また、シート部材13は、予め、不織布層13Aと基材層13Bとを一体に接着して形成しておくことが好ましい。このようにすれば、施工現場での施工の負荷を低減して、工期短縮を図ることができる。 【0017】また、一般に、遮音材はその比重により遮音効果が左右され、高比重の材料を用いた場合に遮音効果が高いために、遮音材として用いられる基材層13Bには、用途に応じて、比重を調整するための各種分散材を分散させた構成としても良い。なお、下地層13Bbやゴム層13Baについても、同様に、各種分散材を分散させた構成としても良い。この場合には、例えば、分散材として、一般の樹脂材料やゴム材料よりも比重が大きい硫酸バリウムを分散させれば、好適に、基材層13Bの比重を大きくすることができ、遮音効果を高めることができる。なお、分散材は基材内で均一に分散されていることが好ましい。また、分散材として基材よりもコストの安い配合材を添加すれば、基材層13Bのトータルコスト低減を図ることができる。 【0018】また、不織布層13Aとしては、各種中空繊維からなる不織布を用いても良い。この場合には、不織布の内部に、繊維同士の間に形成される空気層と、中空繊維の内部に存在する空気層とを内在させて、より多くの空気の層を内在させて、吸音効果を高めることができる。 【0019】また、管にシート部材13を取り付けるときに、用途に応じて、さらに、基材層13Aや不織布層13Bと同様なものを追加して多層構造を形成しても良い。この場合には、管とシート部材13との間に追加して設けても良いし、シート部材13の上面を覆うように追加して設けても良い。特に、騒音の発生部分となり易い湾曲部分12aを備えるエルボ管12などに、基材層13Aや不織布層13Bと同様なものを追加して設ける構成とすれば、より効果的に、騒音を低減することができる。 【0020】請求項2記載の消音配管構造は、請求項1記載の消音配管構造10であって、前記基材層13Bは、その成分として再生ゴムを含むことを特徴とする。 【0021】上記構成によれば、基材層13Bは再生ゴムを含んでいるので、産業廃棄物の有効利用を図り、リサイクル性を高めることができる。なお、再生ゴムとは、既に使い古して廃物となった各種ゴム製品など(加硫ゴム)を原料として、物理的又は化学的に処理して再び粘着性や可塑性を与えて、原料ゴムや未加硫ゴムと同様に利用することができるようにしたものである。例えば、ブチルゴムの再生ゴムを用いることができる。また、基材層13Bは再生ゴムを含むとともに、用途に応じて、他の成分を含ませても良い。 【0022】請求項3記載の消音配管構造10は、例えば図2(b)に示すように、請求項1または2記載の消音配管構造10であって、前記エルボ管12は、弾性を有する下地層13Bbが、前記エルボ管12の周囲を巻いて覆うように設けられ、かつ、下地層13Bbの外周側の面を覆うように前記シート部材13が設けられていることを特徴とする。 【0023】上記構成によれば、エルボ管12には、消音材となるシート部材13に加えて、さらに、弾性を有する下地層13Bbが設けられている。従って、騒音の発生部分となり易い、湾曲部分12aを備えるエルボ管12から発生する騒音を、好適に、低減することができる。なお、弾性を有する下地層13Bbとは、弾性を有するとともに、管の周囲を覆うように設けることができれば限定されるものではない。例えば、基材層13Bと同様なものを適用しても良い。 【0024】請求項4記載の配管の施工方法は、請求項1から3のいずれか一つに記載の消音配管構造10を用いた配管の施工方法であって、予め、互いに接合される前の前記配管となる各管に、それぞれ、前記シート部材13を前記管の外周を覆うように巻き付けるとともに、前記管のうちの前記エルボ管12の前記直管11との接合部分と、前記管のうちの前記エルボ管12と接合される前記直管11の前記エルボ管12との接合部分との少なくとも一方においては、前記シート部材13の外周側の面を覆うようにして、弾性を有する層(ゴム層13Ba)または前記シート部材を設け、多層構造を形成しておいた後、前記シート部材13に覆われた前記管同士を接合することにより配管の施工が行われることを特徴とする。 【0025】上記構成によれば、例えば工場等において、直管11やエルボ管12などの互いに接合することで配管を施工できる管に、シート部材13を、予め、備えておくことができる。従って、配管の施工現場においては、単に、直管11とエルボ管12とを互いに継ぎ合わせて接合するだけで消音配管構造10を施工することができ、作業負荷の低減と工期短縮を図ることができる。 【0026】請求項5記載の配管の施工方法は、請求項4記載の配管の施工方法において、前記管同士を接合した後に、前記管同士の接合部分に、前記管同士に跨るように前記シート部材上からテープ部材14を巻き付けることを特徴とする。 【0027】上記構成によれば、シート部材13を周囲に巻いた状態で備えた各管同士の接合部分には、各管同士に跨るようにテープ部材14が備えられているので、接合部分をより確実に接合することができる。また、各管同士の接合部分から音漏れなどすることなく、配管の内部を流れる流体による騒音を低減することができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、図1、2を参照して、本発明の実施の形態の消音配管構造10を詳細に説明する。消音配管構造10は、図1に示すように、湾曲部分12aを備えるとともに、直管11とエルボ管12とを互いに接合してなる配管に適用されたものである。直管11とエルボ管12の周囲には、シート部材13が巻いて覆うように設けられており、これにより、配管の全体に渡って、シート部材13が周囲を巻いて覆うように設けられている。 【0029】また、シート部材13は、図2(C)に示すように、不織布層13Aとシート状に成形された基材層13Bとが、予め、一体に接着されており、配管の外周面と不織布層13Aとが接するように配管に設けられている。そして、シート部材13が消音材として機能することにより、配管内部に流体が流れるときに発生する騒音を低減することができる。そして、シート部材13は、工場等において、ある程度の張力を加えて、直管11やエルボ管12に設けられて、基材層13Bの弾性により管を締め付けることができるようにして設けられている。 【0030】また、直管11とエルボ管12との接合部分には、テープ部材14が接合部分を覆うように巻き付けられている。これにより、直管11とエルボ管12との接合部分における音漏れを防ぐことができ、さらに効率的に騒音を低減することができる。 【0031】直管11は、配管の直線部分に配置される管であり、図2(a)に示すように、工場等において、予め、直管11の周囲を覆うようにしてシート部材13が設けられている。直管11の両端には、エルボ管12などの他の管を接合するための接合部が設けられている。また、エルボ管12との接合部分となる端部11aについては、シート部材13の上面から、さらに、基材層13Bと同様のゴム層13Baが巻かれている。これにより、直管11とエルボ管12とを端部11aにおいて接合したときに、接合部分において、シート部材13とゴム層13Baとからなる多層構造を形成することができる。なお、ゴム層13Baの部分には、例えば、シート部材13と同様のものを巻き付けても良い。また、直管11は一般的に用いられるものと同様の管を適用することができ、例えば、塩化ビニルなどの樹脂材料等からなる管を適用することができる。 【0032】エルボ管12は、配管の湾曲部分に配置される管であり、図2(b)に示すように湾曲部分12aを備えており、直管11と互いにつなぎ合わせることで、配管に湾曲部分12aを持たせることができる。エルボ管12は、工場等において、予め、エルボ管12の周囲を覆うようにして、基材層13Bと同様の下地層13Bbが設けられるとともに、該下地層13Bbの上面から周囲を覆うようにしてシート部材13が巻かれている。従って、騒音の発生部分となり易い湾曲部分12aを備えるエルボ管12には、シート部材13が設けられるとともに、下地層13Bbが追加して設けられており、好適に、騒音を低減することができる。 【0033】また、エルボ管12の外周面と下地層13Bbとの接触面と、該下地層13Bbとシート部材13との接触面とには、再生ゴムからなる接着剤が併用されて接着されており、湾曲部分12aを備えるエルボ管12の周囲により強固に設けられている。 【0034】基材層13Bは、既に加硫した状態のブチルゴムからなる製品等の廃物を、ゴム工業で行われているのと同様の方法で再生して得られる再生ブチルゴムを、シート状に成形したものである。これにより、産業廃棄物の有効利用を図ることができるとともに、リサイクル性を高めることができる。また、基材層13Bは、再生ブチルゴムを用いるとともに、従来からゴム工業で用いられている各種配合薬品を添加して用いることができる。 【0035】また、基材層13Bには、遮音性を高めるために、基材層13Bよりも比重が大きい分散材として硫酸バリウムを内部に分散した状態で含ませても良い。分散材としては、基材層13Bの比重を高めることができれば限定されるものではなく、ゴム工業一般で用いられている各種配合剤のうちから、基材層13Bよりも比重が大きい配合剤を適宜選択して用いることができる。例えば、硫酸バリウムは、一般的な樹脂材料やゴム材料よりも比重が大きいために、好適に、基材層13Bの分散材として用いることができる。 【0036】なお、基材層13Bとしては、例えば、再生ブチルゴムからなるとともに、内部に空間を持つような各種成形加工を施して得られるものを適用しても良い。例えば、気泡を内部に備えた発泡体に加工するとともに、シート状に成形したものを用いても良い。この場合には、基材層13Bとなる発泡体内部に存在する気泡により、さらに好適に吸音効果を高めることができる。なお、発泡体に加工する場合には、気泡が互いに連通した連続気泡に成形しても良いし、独立した気泡が多数分散した状態の多孔質体に成形しても良い。発泡体は、例えば、低沸点化合物を添加して成形したり、各種発泡剤を用いることで成形することができる。 【0037】また、基材層13Bとしては、シート形状を有するとともに弾性を有していれば、再生ブチルゴム以外で同様の性質を有する材質を適用しても良い。例えば、弾性を有する材質であれば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマー等を、単独もしくは併用して用いるとともに、ゴム工業で一般的に用いられている充填材や可塑剤等の各種配合剤を添加して混練するとともに、圧延してシート状に成形したもの等を用いることができる。 【0038】この場合において、各種ゴム材料とは、シート形状に成形して配管の周囲を覆うように備えることができれば限定されるものではなく、例えば、常温で固体のゴム材料の他に、常温で液状の粘弾性体を硬化させて得られる液状反応硬化物等を用いても良く、加硫または未加硫を問わず適用しても良い。この場合において、加硫とは、硫黄加硫に限定されるものではなく、例えば、ゴム工業一般に用いられている有機過酸化物、金属酸化物、有機多価アミンなどの各種架橋剤による架橋も含まれる。 【0039】また、常温で固体のゴム材料とは、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合体、クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレンーイソプレンースチレン、スチレンーブタジエンースチレン、ウレタンゴム等を、単独若しくは併用して用いたポリマーに対して、従来からゴム工業で用いられている、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の配合薬品を適宜配合したものが含まれる。 【0040】また、常温で液体のゴム材料とは、例えば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリコン、シリコン、ポリサルファイド等が含まれる。なお、これらの材料は、固体化させるための硬化剤を所定量添加して混合し、反応硬化させて用いることが好ましい。 【0041】また、基材層13Bとしては、弾性を有する各種分散材(例えば、上述の各種ゴム材料等を粉砕して得られるゴムチップ)を、バインダ(例えば、各種樹脂材料)を用いて一体に成形した、シート状成形物を用いても良い。このような構成によれば、内部に弾性を有する分散材が分散されているので、シート状成形物に、好適に弾性を付与することができる。また、バインダには、上述の弾性を有する各種分散材を含むとともに、多孔質体や発泡体、紙や繊維等を含ませても良い。この場合には、シート状成形体の内部に空気の層を取り入れることができるために、好適に吸音効果を高めることができる。 【0042】不織布層13Aは、周知の各種不織布からなる層であり、不織布を形成する各種繊維同士の間に多数の空気の層が存在していることにより、好適に、吸音層として機能することができるものとなっている。なお、用途に合わせて、厚み、密度、などを適宜選択しても良い。 【0043】なお、各種繊維を、綿状、マット状、フェルト状、筒状等の形状に加工して用いても良い。この場合においても、内部に空気の層を存在させることができるために、好適に、吸音層として機能することができる。 【0044】不織布層13Aの不織布を形成する繊維の材質は限定されるものではなく、各種繊維を用いることができる。例えば、グラスウール、ロックウール、炭素繊維等の無機質繊維、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属繊維、羊毛、絹等の動物繊維、綿、麻、パルプ等の植物性天然繊維、レーヨン、アセテート、キュプラ等の植物性天然繊維から得られる繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ビニロン等のポリビニル系繊維、アクリル系繊維、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリカーボネート系繊維、ポリテトラフルオロエチレン系繊維、ポリ尿素系繊維、等の合成繊維、等の各種繊維を用いても良い。 【0045】不織布層13Aの不織布を形成する繊維の形状についても限定されるものではなく、例えば、円形、三角や四角などの多角形、その他の種々の断面形状を持つ繊維を用いても良い。また、上記の各種繊維を、中空を持つように成形加工した中空繊維を用いても良い。この場合には、不織布を形成する繊維同士の間に形成される空間の他に、中空繊維内部に形成される空間とにより、好適に吸音効果を高めることができる。 【0046】なお、消音配管構造10を給湯配管へ適用する場合には、周知の各種断熱材を配管の周囲に被覆して、熱エネルギーのロスを好適に防止しても良い。また、さらに、防湿材を配管の周囲に設けても良い。この場合には、高湿時の結露防止や、冬季の凍結防止などを、好適に行うことができる。 【0047】次に、本発明の実施の形態の消音配管構造10の施工方法を説明する。始めに、例えば、工場等において、直管11やエルボ管12などの周囲を覆うように、周知の各種繊維からなる不織布層13Aと基材層13Bとが各種接着剤等により予め一体に接着してなるシート部材13を巻いた状態で設ける。このとき、シート部材13は、基材層13Bが管を締め付けることができるように、ある程度の張力を加えながら設ける。さらに、シート部材13は、例えば再生ゴムからなる接着剤などの各種接着剤や粘着剤等を併用して設けても良い。この場合に、エルボ管12には、下地層13Bbを設けた後に、該下地層13Bbの上面からシート部材13を設ける。また、直管11のうちエルボ管12と接合することになる端部11aには、図2(a)に示すように、ゴム層13Baをさらにシート部材13の上面から巻き付けておく。なお、配管の用途に合わせて、断熱材や防湿材等を設けても良い。 【0048】また、例えば以下のようにして、既に廃物となった各種ブチルゴム製品を再生した再生ブチルゴムを、シート状に成形して基材層13Bを得る。各種ブチルゴム製品などの既に加硫したゴム材料を、再生してシート状に成形するには、ゴム工業一般で行われているように、例えば、先ず、加硫ゴム材料を細かく粉砕して異物等を取り除いたのちに、高温で加熱分解する脱硫工程を経て、加硫ゴム材料に可塑性を与えることで、シート状に成形することができる。なお、脱硫工程の際に、加硫ゴム材料の再生を補助するための各種再生剤を併用しても良い。再生剤としては、例えば、軟化剤、可塑剤、膨潤剤などの、ゴム工業一般で用いられる各種化学薬品等を用いることができる。 【0049】次いで、配管を施工する現場に、上述のようにシート部材13を周囲に巻き付けた状態の直管11やエルボ管12などを搬送する。そして、施工現場において、直管11とエルボ管12などを互いに接合して消音配管構造10を施工する。この場合に、エルボ管12には、下地層13Bbがさらに設けられているとともに、直管11とエルボ管12との接合部分には、予め、ゴム層13Baが設けられているので、基本的に、直管11とエルボ管12とを接合するのみで、湾曲部分12aとその近傍の消音効果を高めて配管を施工することができる。また、直管11とエルボ管12と等の接合部分には、各管同士に跨るようにテープ部材14を巻き付ける。以上により、本発明の実施の形態の消音配管構造10を施工することができる。 【0050】以上の本発明の実施の形態の消音配管構造10によれば、主に吸音材として機能する不織布層13Aと、主に遮音材や制振材として機能する基材層13Bとからなるシート部材13により、配管の内部を流れる流体により発生する騒音を、好適に、低減することができる。特に、エルボ管12には下地層13Bbがさらに設けられるとともに、直管11とエルボ管12との接合部分とその近傍には、ゴム層13Baがさらに設けられているので、騒音の発生部分となり易い湾曲部分12aから発生する騒音を、好適に、低減することができる。 【0051】また、基材層13Bは再生ゴムを含んでいるので、産業廃棄物の有効利用を図り、リサイクル性を高めることができる。 【0052】また、配管の施工現場においては、基本的に、シート部材13に周囲を覆われた直管11とエルボ管12とを接合することで、消音配管構造10を施工することができるので、配管の施工の際の作業負荷の低減と工期短縮を図ることができる。また、各管同士の接合部分にはテープ部材14が設けられているので、接合部分をより確実に接合することができるとともに、接合部分から音漏れなどすることなく、配管の内部を流れる流体による騒音を低減することができる。 【0053】なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更可能であることは勿論である。例えば、以上の実施の形態においては、配管構造の湾曲部分に配置されるエルボ管12は、図1、2に示すように、90°エルボ管としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、45°エルボ管などに適用しても良い。また、T字型の配管に適用しても良いし、両端部で形が異なる異形の配管などに適用しても良い。すなわち、本発明の消音配管構造を適用できる配管は、特に限定されるものではなく、肉厚や径などの形状や、材質などについても任意であり、適宜に変更可能であることは勿論である。 【0054】 【発明の効果】請求項1記載の消音配管構造によれば、主に吸音材として機能する不織布層と、主に遮音材として機能するとともに制振材として機能する基材層と、からなるシート部材により、配管となる管の内部を流れる流体により発生する騒音を、好適に、低減することができる。また、管の内部を流体が流れるときの騒音の発生部分となり易い湾曲部分から発生する騒音を、好適に低減することができる。 【0055】また、基材層は弾性を有しているので、シート部材を管に巻き付けるときに管を締め付けるようにすることができ、容易に、管の周囲を覆うようにシート部材を取り付けることができる。 【0056】請求項2記載の消音配管構造によれば、基材層は再生ゴムを含んでいるので、産業廃棄物の有効利用を図り、リサイクル性を高めることができる。 【0057】請求項3記載の消音配管構造によれば、特に、騒音の発生部分となり易い、湾曲部分を備えるエルボ管から発生する騒音を、好適に低減することができる。 【0058】請求項4記載の配管の施工方法によれば、配管の施工現場においては、単に、シート部材に覆われた管同士を接合することで施工することができるので、配管の施工の際の作業負荷の低減と工期短縮を図ることができる。 【0059】請求項5記載の配管の施工方法によれば、各管同士の接合部分から音漏れなどすることなく、配管の内部を流れる流体による騒音を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000114086 【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社 【識別番号】593217409 【氏名又は名称】ミサワ東洋株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月1日(2000.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090033 【弁理士】 【氏名又は名称】荒船 博司
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| 【公開番号】 |
特開2001−214996(P2001−214996A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−24207(P2000−24207) |
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