| 【発明の名称】 |
ヒーター付きユニオン |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 慎一
【氏名】内藤 実成
【氏名】菱田 隆行
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、氷結による流体通路の閉塞を防止できる構造が簡単でコストの安価なフィルムヒーター付きユニオンの提供を目的とするものである。
【解決手段】本発明は、樹脂ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2をインサート成形したことを特徴とするヒーター付きユニオンである。また、前記のフィルムヒーター2は、電極層2c、導電性機能を付与するために導電性インキペーストやエポキシ樹脂からなる所定のパターンで構成されたヒーターパターン層2bおよびベースフィルム2aが順次積層形成されると共に前記電極層2cには電源接合部3、4が電気的に接合されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】流体の配管接続部として用いられる樹脂ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2をインサート成形したことを特徴とするヒーター付きユニオン。 【請求項2】前記、樹脂ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2と樹脂または金属からなる絶縁体10とをインサート成形もしくは同時一体成形したことを特徴とするヒーター付きユニオン。 【請求項3】フィルムヒーター2は、電極層2c、導電性機能を付与するためにニッケルクロム、銀、カーボングラファイトなどからなる導電性インキペーストやエポキシ樹脂からなる所定のパターンで構成されたヒーターパターン層2bおよびベースフィルム2aが順次積層形成されると共に前記電極層2cには電源接合部3、4が電気的に接合され、この電源接合部3、4を含めて電極層2cの表面に接着層2dが貼り付けられたものである請求項1および請求項2記載のヒーター付きユニオン。 【請求項4】フィルムヒーター2端部の電源接合部3から製品外側に引き出された端子先端部3a、4a部分を延長して、インサート一体樹脂成形をしてコネクタ6を形成したことを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載のヒーター付きユニオン。 【請求項5】フィルムヒーター2の非ヒーターパターン部端部に、複数個の孔2fを設けた事を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3および請求項4記載のヒーター付きユニオン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、流体の配管接続部として用いられる樹脂ユニオンに、電源接合部付きのフイルムヒーターをインサート成形したヒーター付きユニオンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、各種の分野で配管内の流体が凍結するのを防止するため装置が提案されている。その一例として、内燃機関(エンジン)のブローバイガス通路構造について説明する。一般の車両には、内燃機関のシリンダとピストンの隙間から吹き抜けるガスを大気中に放出せずに、再び吸気マニホールドを通してエンジンに導いて再燃焼させるブローバイガス還元装置(PCV;Positive Crankcase Ventilation)が設けられている。ブローバイガスを再燃焼させることにより、HCの低減が可能となる。 【0003】図8は、従来のブローバイガス還元装置を示す断面図である。このブローバイガスには、燃焼で発生した水分を多量に含んでいるため、冬期において外気温が氷点下になった場合、ホース7を流れてきたブローバイガス8が吸気管9内に放出される箇所で氷結し、ホース7を閉塞させてしまうという問題があった。例えば、寒冷地等において、高速走行時に車風速で冷やされて、ホース7と吸気管を繋ぐユニオン1に水分が付着して氷結し、やがて氷結部が成長してホース7を閉塞し、エンジン内の圧力が上昇し、オイルレベルゲージの抜出しやオイル飛散,クランクオイルシール部(図示せず)からのオイル洩れ等の問題が発生してしまう。このような凍結を防ぐために、従来から各種の方法が用いられている。第一の方法として、図9に示すような、吸気管9との接続部のユニオン1内壁D1 を予め大きめの内径に設定し、高速走行時に車風速により冷やされ、ユニオン内壁に霜が発生し凍結成長しても、空気、ブローバイガスの循環を阻害せず、エンジン性能に悪影響を及ぼさないように、凍結による弁閉塞分を見越した、内壁部内径D1 、D2 としたユニオンが用いられている。 【0004】次に、第二の方法として、ユニオンを樹脂製から熱伝導性のよい金属製に変更し、エンジンからの熱伝導により、部品凍結を制御している(図示しない)。 【0005】第三の方法としては、予め成形されたユニオンの内壁部または外壁部に、ニクロム導線などの発熱導線を巻き付けてコイル状のヒーターを形成させ、次に、コイル状のヒーターとの導通性を持たせるためにコイル状のヒーターの端末とリード線端部をハンダにて接合させ、形成させるというものであった(図示しない)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した方法はいずれも次のような欠点を有するものである。第一の方法では、ユニオン自体が大型化され、周辺締結相手部品の形状変更が必要で、これはそれぞれの部品の大型化につながり、ブローバイガス還元装置システム全体をみるとコストアップ、重量アップになり、システム配管が複雑になるといった好ましい対応ではない。 【0007】第二の方法でも、吸気管など取り付け相手物が、熱伝導のよい金属または鋳物部品に組付いていないと熱が伝わらない制約があり、かえって金属などは着水性が強い為、多少のエンジン振動では剥離されず、次第に成長してしまう。更に樹脂製から金属による重量増になり、エンジン全体も重量増の方向となって行く。 【0008】第三の方法では、導線を巻き付けてなるコイル状のヒーター形成と部品点数が多いだけでなく、コイル状のヒーター加工や、はんだ付けなど生産工程も煩雑で生産効率、信頼性の点で問題があった。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために発明されたものであり、樹脂製ユニオンの内壁面に電源接合部付のフィルムヒーターをインサート成形することにより、氷結による流体通路の閉塞を防止できる構造が簡単でコストの安価なフィルムヒーター付きユニオンを提供することにある。 【0010】すなわち、第1の発明は、流体の配管接続部として用いられる樹脂製ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2をインサート成形したことを特徴とするヒーター付きユニオンである。 【0011】また、第2の発明は、樹脂ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2と樹脂または金属からなる絶縁体10とをインサート成形もしくは同時一体成形したことを特徴とするヒーター付きユニオンである。 【0012】また、第3の発明は、前記のフィルムヒーター2は、電極層2c、導電性機能を付与するためにニッケルクロム、銀、カーボングラファイトなどからなる導電性インキペーストやエポキシ樹脂からなる所定のパターンで構成されたヒーターパターン層2bおよびベースフィルム2aが順次積層形成されると共に前記電極層2cには電源接合部3、4が電気的に接合され、この電源接合部3、4を含めて電極層2cの表面に接着層2dが貼り付けられたものである請求項1および請求項2記載のヒーター付きユニオンである。 【0013】また、第4の発明は、フィルムヒーター2端部の電源接合部3から製品外側に引き出された端子先端部3a、4a部分を延長して、インサート一体樹脂成形をしてコネクタ6を形成したことを特徴とする請求項1、請求項2および請求項3記載のヒーター付きユニオンである。 【0014】また、第5の発明は、フィルムヒーター2の非ヒーターパターン部端部に、複数個の孔2fを設けた事を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3および請求項4記載のヒーター付きユニオンである。 【0015】 【実施例】以下、本発明のヒーター付きユニオンを自動車のブローバイガス還元装置に適用させた実施例を図1、図3及び図5を参照して説明する。図1は、本実施例によるユニオン1を示す断面図であり、図3は電極接続部の構成を示す断面図である。図5は、フイルムヒーターであり、(a)は展開状態図を示し、(b)は斜視図を示している。 【0016】本発明のブローバイガス還元装置は、ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2をインサート成形したものである。前記のフィルムヒーター2は、図3に示すように、まず、ベースフィルム2aがあり、このベースフィルム2aは、例えば、PETフィルム(ポリエステルフィルム)、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム等より構成されている。上記ベースフィルム2a上には、所定のパターンで構成されたヒーターパターン2bが設けられている。このヒーターパターン2bは、例えば、ニッケルクロムや銀、カーボングラファイトなどからなる導電性インキペーストを印刷することにより、箔状のものとして得られる。このヒーターパターン2b上には、電極層2cが設けられている。 【0017】また、前記のフィルムヒーター2は、インサート成形に際して接着を強固なものにするために、好ましくは前記電源接合部3、4を含めて電極層2cの表面に接着剤を塗布或いは貼り付けて接着層2dを形成させておくとよい。 【0018】また、前記のフィルムヒーター2は、図5(a)に示すように、ヒーターパターン2bが取除かれたベースフイルム2aの上方部分には射出成形樹脂を入り込ませるための複数個の孔2eが設けられている。この孔2eの存在により、フィルムヒータ2をインサート成形する際に、フィルムヒーター2の、射出成形時の位置ずれ防止や、ユニオン1とフィルムヒーター2の密着性向上等を図ることができる。また、前記ヒーターパターン層2bの両端部に外部電源との接続のために電源接合部3、4が形成されている。 【0019】更には、高い耐熱性能が必要とされる90°C以上の場合は、図2に示す様な、樹脂ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2と樹脂または金属からなる絶縁体10と結合させた後、インサート成形することにより、フイルムヒータ2をインサート成形する際に、フイルムヒーター2の、射出成形時の位置ずれ防止、挿入性を向上させ、生産性を更に向上させることができる。また、絶縁体10によりフイルムヒーター2を保護する働きがあるので、ヒーター付きユニオンの耐熱特性が向上し更には、配管を流れるイレギュラーなブローバイガス等が発生した場合には、フイルムヒーターを保護することもできる。 【0020】また、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2と樹脂または金属からなる絶縁体10との結合方法は、予め形成された樹脂または金属からなる絶縁体10を、前記電源接合部3、4を含めて電極層2cの表面に接着剤を塗布、或いは貼り付けて接着層2dを形成させて貼り付けたり、更に絶縁体10が樹脂製の場合は、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2とを予め一体成形するか、ユニオン内壁部の樹脂成形部1aの表面に、電源接合部3、4付のフィルムヒーター2と樹脂製の絶縁体10を同時一体成形してもよい。 【0021】また、電源接合部3、4とフィルムヒーター2を電気的に結合するのは、図3に示すように、ベースフィルム2aに対して銅箔などの導電箔の電極を介して、ハトメ5a、ピンなどによるカシメにより形成されている。また、図4に示すように、電源接合部3、4にバーリング加工5bを施した後に、ベースフィルム2aに対して銅箔などの導電箔の電極を介して、バーリングの先端部を機械的に折り返してバーリング折り返し部5cを形成させることにより、接合用のピンを廃止でき、部品点数が省略できる。 【0022】図7は、インサート成形によりユニオンにコネクタ6が一体的に形成されたユニオンの斜視図である。 【0023】上述したように、本実施例によると次のような効果を得ることができる。まず、インサート成形によりユニオン1にフィルムヒーター2を内蔵したので、従来品のようなヒーター加工や、はんだ付けを必要とせず、安価なコストでブローバイガス中の水分の凍結を防止し得ることができる。次に、ユニオン外側において、外部コネクタ一体的に設けたので、フィルムヒーター2の表面側においては、その全面において発熱面を確保し、熱効率を損ねることなく均一な加熱ができるようになった。したがって、ユニオン表面にフィルムヒーター2を密着させた状態で配置することができ、効率的で均一な加熱が可能になった。又、絶縁体10を追加した場合は、フイルムヒーター2を保護する働きがあるので、耐熱信頼性をさらに高め且つ、配管を流れるイレギュラーなブローバイガス等に対して耐久信頼性を向上させ、ヒーター付きユニオンの製品信頼性を向上させることができ、生産面でも射出成形時の位置ずれ防止、挿入性を向上させ、生産性を更に向上させることができる。又、フィルムヒーター2の電源接合部3、4のハトメ5a又はバーリング5bを、その接続部における機械的強度の低下が懸念される場合は、インサート一体成形し固定するようにしているので、高い機械的強度を得ることができる。 【0024】上記の実施例においては、本発明のユニオンをブローバイガス還元装置に用いた例を説明したが、必ずしも用途を限定するものでない。また、フィルムヒータ2に代えてマイカヒータ等の面状ヒータについても同様に適用できるのは言うまでもない。 【0025】 【発明の効果】以上、本発明によれば、ガス管路の吸気管との接続部における氷結を防止でき、ブローバイガス環流機能を保全できるという優れた効果を発揮する。つまり、フィルムヒータによる効率的な発熱が可能となったことにより、ユニオンや周辺締結相手部品の大型化が防止出来、循環システム全体をみるとコストダウンや、重量軽減、に貢献し、更にシステム配管を簡素し、性能向上に役立つなど、極めて付加価値の高い部品である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204033 【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月17日(2000.5.17) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−214995(P2001−214995A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月10日(2001.8.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−145026(P2000−145026) |
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