| 【発明の名称】 |
変位吸収配管継手 |
| 【発明者】 |
【氏名】阿部 洋一
【氏名】亀田 昭一
【氏名】萩原 克彦
【氏名】川端 俊二
【氏名】大嶋 孝文
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| 【要約】 |
【課題】複数の構造体を端面同士を対向させて路盤上に連設配置する際に、温度変化等による構造体の膨張収縮や、荷重等の外部応力等によって構造体間の位置関係が相対的に変位することにより、隣接し合う構造体の接続端面間を貫通配置される管体、ケーブル等がせん断力によって損傷を受ける不具合を解消する。
【解決手段】一方の構造体の接続端面に埋設固定される固定ユニットと、固定ユニットによって該接続端面の面方向に沿って変位可能に支持される可動ユニットと、を有し、固定ユニットに一方の構造体の内部に配管された管体を連通接続すると共に、可動ユニットに他方の構造体の内部に配管された他の管体を連通接続することにより、固定ユニット内において両管体を連通状態に保持し、両構造体の接続端面が相対的に面方向へ変位するとき両管体に加わるストレスを、可動ユニットの面方向への変位動作により吸収除去した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 隣接し合いかつ接続端面同士が相対的に変位する2つの構造体の内部に夫々埋設された管体の端部同士を、両構造体の接続端面にて連通接続する配管継手であって、前記配管継手は、一方の構造体の接続端面に前端面側を露出した状態で埋設固定される固定ユニットと、該固定ユニットによって該接続端面の面方向に沿って変位可能に支持される可動ユニットと、を有し、前記固定ユニットに前記一方の構造体の内部に配管された管体を連通接続すると共に、前記可動ユニットに他方の構造体の内部に配管された他の管体を連通接続することにより、固定ユニット内において両管体を連通状態に保持し、両構造体の接続端面が相対的に面方向へ変位することにより両管体に加わる応力を、固定ユニットに対して相対的に変位する可動ユニットの面方向への変位動作により吸収除去したことを特徴とする変位吸収配管継手。 【請求項2】 前記固定ユニットは、後面に管体を着脱自在に接続する管体接続部を有すると共に前面が開放した中空箱形のケースと、該ケースの開放した前面を閉止するために板状パッキンを介してケース前面に固定される表面板と、前記板状パッキン及び表面板に夫々貫通形成された長穴と、を有し、前記可動ユニットは、前記板状パッキンにより閉止されたケースの内部に前記面方向に沿って移動可能に配置されるとともに連結パイプの一端を固定するために貫通形成された螺着穴を有したスライドベースと、スライドベースを板状パッキンの内面に弾性的に圧接させるためにスライドベースとケース内底面との間に配置されたベアリング付き弾性付勢部材と、前記スライドベースの螺着穴に一端を螺着固定されることにより他端を前記各長穴を貫通して前方へ突出させた前記連結パイプと、該連結パイプ外周のネジ部に螺着されることにより表面板に形成した長穴を封止する封止プレートと、該封止プレートを固定するために連結パイプ外周に螺着されるナットと、を有していることを特徴とする請求項1記載の変位吸収配管継手。 【請求項3】 前記中空箱形のケースの開放した前面を前記板状パッキンを介して表面板により閉止することにより、表面板とケース内底面との間に空所を形成し、前記ケースの管体接続部内から前記空所を経て前記連結パイプ内に線材を挿通配線したときに、前記空所が、固定ユニットに対して可動ユニットが相対的に変位したときの断線防止のための緩衝作用を発揮することを特徴とする請求項2記載の変位吸収配管継手。 【請求項4】 前記構造体は、コンクリート製舗装版のみならずあらゆる構造体の接合部に対応可能であることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の変位吸収配管継手。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複数のコンクリート舗装版を端面同士を対向させて隣接配置する際に、温度変化による膨張収縮や外部応力等によってコンクリート舗装版間の位置関係が相対的に変位することにより、隣接し合うコンクリート舗装版の接続端面間を貫通配置される管体、ケーブル等が損傷を受ける不具合を解消することができる変位吸収配管継手に関する。 【0002】 【従来の技術】飛行場の滑走路、誘導路及びエプロン、道路等のコンクリート構造物、或は建築物等のコンクリートやアスファルト製の大型構造物は、所要形状を有した舗装版等の構造体を複数連設することにより構築されることが多い。これらの大型構造物を構成する個々の舗装版等の構造体は、熱による膨張収縮や外部応力等によって隣接し合う構造体の接続端面間に位置ずれ、変位が発生し易い為、位置ずれ等に起因した内部配管、配線へのダメージ発生を防止する手段が講じられている。例えば空港の滑走路を構築する際には、例えば幅7.5m,長さ100m、所定厚を有したPC舗装版を現場の基層部(路盤等)上に複数個隣接して配列する作業が行われる。即ち、現場の基層部上に矩形の型枠を配置した上で、型枠内にコンクリート等の材料を充填後、硬化させる舗装版製造工程を舗装版毎に順次実施することによって複数の舗装版を隣接配置した大型構造物(滑走路)を完成する。ところで、滑走路の内部にケーブル等の線材を配線する場合には、予め各舗装版内にケーブル配線用の保護管体を配管(埋設)しておき、隣接し合う各舗装版の接続端面に露出した管体の端部同士を連通接続する。その後、各管体内にケーブルを通線することにより配線を完了する。図10(a) は滑走路を構成する舗装版の連設状態を示す斜視断面図、(b) (c)は舗装版間の接続端面における配管構造を示す図であり、路盤等の基層部1上には平面形状が長方形の舗装版2が隣接配置されている。各舗装版の上面には例えば埋込み型灯器3が埋設され、各灯器3に電力を供給するためのケーブル5は、各舗装版2の内部に埋設配管された管体4の内部に通線されている。管体4としては、主として配管経路を任意に選定できるという利点からステンレス、鋼材等の金属材料から成る蛇腹形状のフレキシブル管体が用いられる。舗装版2同士の接続端面(目地)2aにて管体4同士を連結する際には、例えば各接続端面2aに露出した各管体4の端部開口4a同士を直接連結する。図11に示すように個々の舗装版2は、基層部1の上面に型枠6を固定した状態で型枠6内にコンクリートを充填し、硬化させることにより完成するが、コンクリート充填前に管体4と、灯器3の基台部分を所定箇所に位置決めした上で、コンクリートを充填する作業が行われる。 【0003】ところで、フレキシブル管体4は、舗装版に加わる荷重や応力に対して主として軸方向に若干伸縮変形することにより、荷重等を僅かに吸収緩和して内部のケーブル5を保護する機能を発揮し得るが、図10(b) に示した接続端面2aにおいてはフレキシブル管体4同士を単に接続しているに過ぎないので、(c) に示すように隣接し合う舗装版2が矢印で示す接続端面の面方向に相対的位置ずれを起こした場合、両端部開口4a同士が面方向へ位置ずれを起こす為、管体内部に配線されたケーブル5が両接続端面2aによるせん断力を受けて断線し易い。また、フレキシブル管体4の端部ではなく、蛇腹部分が2つの舗装版の接続端面2aにまたがるように配管する場合も、図10に示した場合と同様に2つの接続端面2a同士の相対移動によるせん断力により、フレキシブル管体及び内部のケーブルが切断され易くなる。或はフレキシブル管体が切断されない場合には、フレキシブル管体を支持するコンクリート部分が管体に引きずられて破損する事態が発生する。これまで、2つの構造体の接続端面にまたがって配管される管体を、接続端面間に発生するせん断力等によるダメージから保護する機能を備えた継手は開発されておらず、従って接続端面にまたがる管体及びケーブルは比較的短期間に劣化し、交換作業を頻繁に行う必要があった。また従来、劣化した配管は、舗装版の目地部分を掘削することにより部分的に露出させた上で補修を行うという手法によって修復するしか方法が無く、この修復方法は手数とコストを伴う作業となる為、この点の改善が求められていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする課題は、例えば飛行場の滑走路を構築するために複数のコンクリート舗装版を端面同士を対向させて路盤上に連設配置する際に、温度変化等に起因した舗装版の膨張収縮や、荷重等の外部応力等によってコンクリート舗装版間の位置関係が相対的に変位することにより、隣接し合うコンクリート舗装版の接続端面間を貫通配置される管体、ケーブル等がせん断力によって損傷を受ける不具合を解消することができる変位吸収配管継手を提供することにある。特に、本発明の配管継手は、コンクリート舗装版等のコンクリート構造体に限らず、2つの構造体間にまたがって配管される管体、或は管体内に挿通されるケーブル等の線材を構造体間の相対変位により発生するせん断力から保護する場合一般に使用することができる。更に、本発明の配管継手は、コンパクトな形状でありながら、構造体の変位量に対応した2つの管体の可動量を大きく確保することができるようにするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1の発明は、隣接し合いかつ接続端面同士が相対的に変位する2つの構造体の内部に夫々埋設された管体の端部同士を、両構造体の接続端面にて連通接続する配管継手であって、前記配管継手は、一方の構造体の接続端面に前端面側を露出した状態で埋設固定される固定ユニットと、該固定ユニットによって該接続端面の面方向に沿って変位可能に支持される可動ユニットと、を有し、前記固定ユニットに前記一方の構造体の内部に配管された管体を連通接続すると共に、前記可動ユニットに他方の構造体の内部に配管された他の管体を連通接続することにより、固定ユニット内において両管体を連通状態に保持し、両構造体の接続端面が相対的に面方向へ変位することにより両管体に加わるストレスを、固定ユニットに対して相対的に変位する可動ユニットの面方向への変位動作により吸収除去したことを特徴とする。このように構成したので、相対的に変位する2つの構造体の接続端面にまたがって配置される各管体は、構造体の変位に追随して夫々独立して従動変位することができるので、構造体の変位に管体が柔軟に追随できないことに起因して発生する管体等へのダメージを有効に防止できる。このようなダメージ発生防止構造を実現する為に、本発明では、一方の構造体に固定ユニットを埋設すると共に、他方の構造体に可動ユニットを支持し、更に両ユニットを夫々対応する管体と接続したので、簡単な構成でありながら、管体の劣化防止という優れた効果を発揮することができる。請求項2の発明は、前記固定ユニットは、後面に管体を着脱自在に接続する管体接続部を有すると共に前面が開放した中空箱形のケースと、該ケースの開放した前面を閉止するために板状パッキンを介してケース前面に固定される表面板と、前記板状パッキン及び表面板に夫々貫通形成された長穴と、を有し、前記可動ユニットは、前記板状パッキンにより閉止されたケースの内部に前記面方向に沿って移動可能に配置されるとともに連結パイプの一端を固定するために貫通形成された螺着穴を有したスライドベースと、スライドベースを板状パッキンの内面に弾性的に圧接させるためにスライドベースとケース内底面との間に配置されたベアリング付き弾性付勢部材と、前記スライドベースの螺着穴に一端を螺着固定されることにより他端を前記各長穴を貫通して前方へ突出させた前記連結パイプと、該連結パイプ外周のネジ部に螺着されることにより表面板に形成した長穴を封止する封止プレートと、該封止プレートを固定するために連結パイプ外周に螺着されるナットと、を有していることを特徴とする。このように構成したので、極めて簡単な構成でありながら、隣接し合う2つの構造体に夫々埋設される管体を接続端面にて相対移動可能に接続することができ、両構造体の接続端面が面方向に変位した場合に各管体を当該変位に追随させて変位させることによって管体及び管体内に配線される線材を保護することができる。 【0006】請求項3の発明は、前記中空箱形のケースの開放した前面を前記板状パッキンを介して表面板により閉止することにより、表面板とケース内底面との間に空所を形成し、前記ケースの管体接続部内から前記空所を経て前記連結パイプ内に線材を挿通配線したときに、前記空所が、固定ユニットに対して可動ユニットが相対的に変位したときの断線防止のための緩衝作用を発揮することを特徴とする。このように構成したので、隣接し合う2つの構造体内に埋設された各管体は、直接連結されるのではなく、空所を介して連通接続されることとなり、各管体にまたがって挿通される線材は、空所内において広い可動スペースを確保することができる。各管体内に配線される線材の可動範囲は、管体の内径寸法と線材の外径寸法との関係により決定されるが、本発明では両管体の端面間に空所が介在しており、しかもこの空所は2つの構造体の接続端面の相対的変位面に位置しているので、接続端面間の変位面に沿って線材は大きな可動範囲を確保することとなり、接続端面の変位に起因したせん断力を受けなくなる。請求項4の発明は、前記構造体は、コンクリート製舗装版のみならずあらゆる構造体の接合部に対応可能であることを特徴とする。本発明の配管継手の適用範囲は、接続端面同士が隣接し合いかつ互いに相対変位する複数の構造体に関するものであるが、この構造体としてコンクリート製舗装版を選択した場合には、空港の滑走路、誘導路、エプロンや、道路等のコンクリート製構造物において、2つの隣接する構造物間にまたがって配管される管体、及び線材を両構造体の上下左右及び斜め方向の相対移動に起因したダメージから有効に保護することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施形態により詳細に説明する。本発明の変位吸収配管継手の構造について詳述する前に、個々のコンクリート舗装版に本発明の変位吸収配管継手を埋設し、隣接する舗装版内に埋設される管体と変位吸収配管継手とを接続する手順について図1、図2に基づいて説明する。まず、図1(a) (b) に示すように、路盤等の基層部1上に平面形状が矩形枠体状の型枠6の裾部をボルト10にて固定した上で、隣接する他の舗装版との接続端面(目地)2Aをカバーする側枠6の側板6aの内側に予めボルト11等を用いて本発明の変位吸収配管継手20を固定し、更に変位吸収配管継手20の後部に管体21を接続する。管体21の他端は舗装版上面に埋設される灯器3の有底筒状の基台に接続される。このように埋設部材を型枠6内の所要位置に位置決めした状態で型枠6内にコンクリートを充填し固化させたあとで、ボルト11を側板6aから除去し、ボルト10を型枠の裾部から除去した上で型枠6を基層部1上から撤去することにより、第1の舗装版2−1が完成する。次に、図2は第1の舗装版2を基層部1上に完成した後で、順次他の舗装版を構築する手順を説明しており、第1の舗装版2−1を完成した後は、隣接する第2の舗装版2−2の構築に先立って、第3の舗装版2−3を型枠を用いて図1にて説明したのと同様の手順により構築する。次いで、第2の舗装版2−2を構築する作業を行うが、この際、第1の舗装版2−1の右側接続端面と第3の舗装版2−3の左側接続端面を型枠の長尺側板6aの代わりに利用することができるので、舗装版が存在しない前後の面だけを夫々図示しない板材により閉止した上で、両舗装版2−1、2−3と、2枚の板材により包囲された空間内にコンクリートを充填することによって第2の舗装版2−2を構築する。なお、第2の舗装版を構築する為のコンクリートを充填するに先立って、両舗装版2−1、2−3間の空間内に管体22を配設する。この際、管体22の一端は第1の舗装版2−1の右端接続端面に露出した変位吸収配管継手20の外側と接続することにより、第1の舗装版2−1内部の管体21と連通接続され、該管体22の他端は第3の舗装版2−3の左端接続端面に固定した変位吸収配管継手20の前部と接続される。この状態で、コンクリートを充填することにより、第2の舗装版2−2が完成する。なお、本発明の変位吸収配管継手を適用する対象となる構造体は、舗装版等のコンクリート構造体に限らず、あらゆる材料から成る構造体を含むものである。 【0008】次に、図3等に基づいて本発明の変位吸収配管継手について詳細に説明する。なお、図3(a) 乃至(d) は本発明の配管継手の一例の斜視図、該配管継手を順次分解した状態を示す斜視図、図4は本発明の配管継手の分解斜視図である。更に、図5(a) 及び(b) は本発明の配管継手の正面図、及び背面図、図6(a) 及び(b) は配管継手の上面図、及び右側面図、図7(a) 及び(b) は配管継手の上面縦断面図である。本発明の変位吸収配管継手(以下、配管継手、と称する)20は、隣接し合う2つの構造体、例えばコンクリート舗装版を基層部1上に隣接配置した場合に、両舗装版の接続端面が面方向に相対変位することにより、両舗装版の接続端面を貫通して配置される管体、ケーブル等がせん断力によって切断される事態の発生を有効に防止する手段である。その概略構成は次のとおりである。即ち、この配管継手20は、一方の舗装版2−1の接続端面2Aに前端面側を露出した状態で埋設固定される固定ユニット30と、該固定ユニット30によって該接続端面2Aの面方向に沿って変位可能に支持される可動ユニット50と、を有する。固定ユニット30の後部(舗装版2−1内部)を舗装版2−1内の管体21の端部と接続する一方で、可動ユニット50を第2の舗装版2−2の内部の管体22と接続することにより、両管体21、22を舗装版間の面方向変位に対応して柔軟に変位させることが可能となり、管体及び管体内に配線されたケーブルの切断、損傷を防止することが可能となる。つまり、この配管継手20は、固定ユニット30に一方の舗装版2−1の内部に配管された管体21を連通接続すると共に、可動ユニット50に他方の舗装版2−1の内部に配管された他の管体22を連通接続することにより、固定ユニット30内において両管体21、22を連通状態に保持し、隣接し合う2つの舗装版の各接続端面が相対的に面方向へ変位することにより両管体に加わるストレスを、固定ユニット30に対して相対的に変位する可動ユニット50の面方向への変位動作により吸収除去するように構成した点が特徴的である。 【0009】続いて、配管継手20の詳細な構成を説明する。まず、固定ユニット30は、後面に管体21の一端を着脱自在に接続する管体接続部31aを有すると共に前面が開放した中空箱形のケース31と、該ケース31の開放した前面を閉止するために板状パッキン32を介してケース前面に固定される表面板33と、板状パッキン32及び表面板33に夫々貫通形成された長円形、楕円形等の長穴32a,33aと、を有する。また、ケース31内部の長手方向両端部には夫々雌螺子穴34aを有した固定ナット34が固定されており、板状パッキン32及び表面板33に設けた穴32b,33bから挿通したボルト35の雄螺子部を固定ナット34の雌螺子穴34aに螺着することにより、板状パッキン32及び表面板33はケース31の前面に固定され、ケースの前面開口を閉止する。なお、筒状の管体接続部31aはケース31の後面に設けた穴31bに対して着脱可能に螺着するように構成してもよい。管体接続部31aの内面或は外面にはネジ部31a’を形成し、管体21のネジ部21aを螺着結合する。表面板33の長手方向端部はケース31の端部よりも突出しており、この突出部には固定穴33cが形成されている。この固定穴33cは、図1に示したボルト11を挿通して型枠側面に固定するための穴であり、配管継手20を型枠側面に固定する際に使用する。板状パッキン32としては、摩擦抵抗の少ないテフロン(登録商標)等の薄板を使用する。この板状パッキン32はケース31の前面開口側の端縁と表面板33との間の気密性、水密性を確保するための手段であるとともに、後述するスライドベースの移動を円滑化する役割を果たす。なお、板状パッキン32を除いた全ての部品は十分な剛性を備えた金属材料にて構成する。なお、固定部を構成するケース31を初めとした各構成要素の形状、サイズ等は、適用対象となる舗装版の形状、サイズ等に応じて種々変形可能であり、図示した例は一例に過ぎない。このことは後述する可動部についても同様に当てはまる。 【0010】次に、可動ユニット50は、板状パッキン32により前面開口を閉止されたケース31の内部空所内に面方向に沿って移動可能に配置されるとともに連結パイプ52の一端を固定するために貫通形成された螺着穴51aを有したスライドベース51と、スライドベース51を板状パッキン32の内面に弾性的に圧接させるためにスライドベース51とケース内底面31Aとの間に配置されたベアリング付き弾性付勢部材53と、スライドベース51の螺着穴51aに一端を螺着固定されることにより他端を各長穴32a,33aを貫通して前方へ突出させた前記連結パイプ52と、該連結パイプ外周のネジ部52aに螺着されることにより表面板33に形成した長穴33aを封止する封止プレート54と、該封止プレート54を固定するために連結パイプ外周に螺着されるナット55とを有している。また、連結パイプ52の内周に形成したネジ部52bには管体22の一端を連結する。この結果、管体21と管体22とは、固定ユニット30の中空内部(空所S内部)と可動ユニット50の連結パイプ52とを介して連通した状態となり、気密連通路が形成される。この気密連通路内をケーブルCを挿通することができる。径の狭い2つの管体21、22の間に位置する縦横幅の広い空所S内をケーブルCが通過することにより、隣接する2つの舗装版2−1、2−2が相対的に変位したときの管体21、22間の位置ずれによってケーブルがダメージを受ける可能性が大幅に低減される。各管体としては、通常のリッジッドな構成を有したパイプであってもよいし、フレキシブル管体であってもよい。可動ユニット50は、スライドベース51と一体化された連結パイプ52が、長穴32a,33aの開口スペース内で上下左右に移動可能な範囲内で、固定ユニット30に対して相対的に移動することができる。ベアリング付き弾性付勢部材53はスライドベース51を板状パッキン32の内面に常時圧接することにより、スライドベース51と板状パッキン32との密着を促進し、板状パッキンによる気密性を高めている。ベアリング付き弾性付勢部材53は、図8(a) に示すように、先端面に設けた凹所内にボールベアリング60を一部突出させて転動自在に支持した支持部61aと、支持部61aの底面から突出した軸部61bとから成る本体と、軸部61bの外周に嵌合して本体を軸方向へ付勢するコイルバネ62とを有する。このベアリング付き弾性付勢部材53は、図8(b) に示すようにスライドベース51の底面に設けた凹所65内に軸部61bを嵌合させることによりコイルバネ62によって支持部61aをケース31の内底面に向けて付勢する構成を有している。ベアリング60がケースの内底面31Aに沿って転動することにより、可動ユニット50の面方向への動作がスムーズになる。なお、軸部61bを支持する手段として、凹所65の代わりに、スライドベース51の底面に図示しない円筒状の支持部材を突設し、この支持部材内に軸部61bを嵌合させて支持するようにしてもよい。 【0011】封止プレート54はステンレス等の金属薄板であり、連結パイプ52の外周面のネジ部52aに螺着する雌螺子穴54aを有すると共に、固定ユニット30に対して可動ユニット50が相対的に変位した場合においても長穴33aを封止し続けることができるように広い面積、形状に設定されている。この結果、配管継手内の空所S内に雨水、ゴミ等が侵入することを確実に防止することができる。ナット55は図9(a) (b) に示すように、内径に雌螺子部55aを有し、この雌螺子部55aを連結パイプ外周のネジ部52aに螺着するように組み付けることにより、ダブルナットの原理により封止プレート54を連結パイプ52に対して強固に固定することができる。封止プレート54を連結パイプに対して手作業により螺着固定することにより、現場での作業が容易となる。また、ナット55は、封止プレート54との接触面側に段差55bを有しているため、接触端面55cは薄肉となっている。このため、薄肉端面55cを封止プレート54に圧接させたときに、薄肉端面55cが封止プレート54を矢印で示す方向へ付勢する力を発揮する。つまり、封止プレート54の端縁は表面板33と圧接する方向へ常時付勢されていることとなるので、何らかの外力が封止プレート54の端縁を表面板33から剥離する方向へ変形させようとしても、ナット55からの圧力によって封止プレート54が表面板33に密着し続ける力が増強されているので、封止プレート端部の剥離変形に起因したゴミの侵入という不具合がなくなる。なお、封止プレート端部が表面板33から離間するとしてもμm単位の間隔に過ぎないため、ナット55による押付け力は剥離防止力として十分有効に作用する。また、連結パイプ52と他の部材、特にスライドベース51との締結部にはガスケットを介在させて十分な気密性、水密性を確保する。更に、管体21が接続管体31aと接続される部分や、管体が連結パイプ52と締結される部分には常法通り気密シール剤を塗る等の気密処置を施す。 【0012】図1、図2にて説明した如き手順によって配管継手20を舗装版2−1を製造するための型枠6の側板6aの内側に固定し、型枠6内に位置決めした灯器3から延びる管体21の端部をケース31の管体接続部31aに接続した状態で型枠6内にコンクリートを充填し、コンクリートの硬化後にボルト11等をはずして型枠を除去することにより第1の舗装版2−1が完成するが、この際舗装版2−1に固定されているのは固定ユニット30と、可動ユニット50の一部(スライドベース51、及び弾性付勢部材53)のみである。従って、可動ユニット50を構成する残りの部品である連結パイプ52、封止プレート54、及びナット55は舗装版の硬化後、隣接する第2の舗装版2−2を製造する際に取り付けることとなる。即ち、完成した第1の舗装版2−1の接続端面に露出する連結パイプ52に対して、封止プレート54、ナット55を順次螺着固定し、連結パイプ52の他端部に管体22を連結した後で、第1と第3の舗装版2−1、2−3の接続端面と、図示しない前後板材により形成される空所内にコンクリートを充填することによって第2の舗装版を製造する。なお、第3の舗装版2−3は、第2の舗装版に先立って既に完成しており、しかも第3の舗装版2−3の両接続端面2Aにはいずれも本発明の配管継手20が固定されている為、第2の舗装版2−2に埋設する管体22をコンクリート充填前に第3の舗装版2−3に固定した配管継手20に連結しておき、その後コンクリートを充填することにより、第2の舗装版2−2内の管体22に対する第1、第3の舗装版内の管体21、23の接続が完了する。 【0013】次に、舗装版2−1に固定された配管継手20の固定ユニット30は、当該舗装版2−1内の管体21の端部と一体的に連通固定されている一方で、固定ユニット30により接続端面の面方向に移動可能に支持された可動ユニット50は隣接する第2の舗装版2−2内の管体22の端部と連通状態で固定されている。このため、隣接し合う2つの舗装版2−1、2−2が接続端面の面方向に沿って上下左右に相対移動したとしても、固定ユニット30及び可動ユニット50はいずれも当該移動に追随して自由に変位できる。固定ユニット30に対して可動ユニット50が面方向へ変位可能な範囲は、連結パイプ52の径と、長穴32a,33aの径との関係によって決定されるが、この変位可能な範囲を、通常予測される舗装版間の変位量に見合うように予め設定しておくことにより、管体内を通線されたケーブルの断線を防止することができる。即ち、管体接続部31a内と連結パイプ52内を挿通されたケーブルの断線は、固定ユニット30側の管体接続部31aと、可動ユニット50側の連結パイプ52との相対的位置関係が図7(a) に示した如き同軸関係の状態から、図7(b)のように左右、或は上下方向にずれを起こした時に、両者31a,52の端部間に発生するせん断力により発生するが、本発明ではケース31の内底面31Aとスライドベース51との間に十分な空所Sが存する為に、上記せん断力は作用しない。特に、ケーブルの径に対する管体接続部31aと連結パイプ52の各内径を十分に大きく確保すると共に、固定ユニット30に対する可動ユニット50の可動範囲を予め十分に大きく確保しておくことにより、通常想定される舗装版間の位置ずれによってケーブル断線が発生する虞れは皆無となる。即ち、本発明では、隣接し合う2つの構造体、即ち2つの舗装版内に埋設された各管体21、22は、その端部同士を直接連結されるのではなく、空所Sを介して連通接続されることとなり、各管体にまたがって挿通される線材Cは、空所S内において広い可動スペースを確保することができる。各管体内に配線される線材の可動範囲は、各管体の内径寸法と線材の外径寸法との関係により決定されるが、本発明では両管体の端面間に空所Sが介在しており、しかもこの空所は2つの舗装版の接続端面の相対的変位面近傍に位置しているので、接続端面間の変位面に沿って線材は大きな可動範囲を確保することとなり、接続端面の変位に起因したせん断力を受けにくくなる。滑走路等の構築に使用される舗装版は数十m〜百数十m程度の長尺であるため、温度変化等に起因した膨張収縮量が多くなる為、本発明の配管継手を用いることにより、舗装版間の変位に起因した管体へのダメージを有効に防止することが可能となる。管体内にケーブル等の線材が配線されている場合は、当該線材も保護されることとなる。 【0014】以上の実施形態についての説明は、主としてコンクリート製舗装版に関するものであるが、これは一例に過ぎず、本発明の配管継手はあらゆる材質の構造体を複数個隣接配置しつつ、構造体間の接続端面間に管体を貫通配置する場合に、構造体間の相対的変位に起因して接続端面に位置する管体がせん断力等によってダメージを受ける事態の発生を防止する手段に対して拡大適用することができる。従って、管体内にケーブル等の線材を通線する場合に限らず、液体、気体等を搬送する為の管体自体を保護する場合にも適用することができる。更に、上記実施の形態では2つの構造体の2つの接続端面がほぼ垂直な面である場合について説明したが、これは一例に過ぎない。従って、2つの接続端面が水平な面であったり、傾斜した面である場合も本発明の配管継手を適用して両面の相対変位に起因した不具合を解消することができる。また、接続端面は必ずしも平坦面である必要はなく、2つの対向し合う非平坦形状の端面同士の相対的変位に起因して両面を貫通する管体等が受けるダメージ一般を防止する手段としても本発明は有効に機能するものである。 【0015】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、例えば飛行場の滑走路、道路等のコンクリート構造物を構築するために複数のコンクリート舗装版の端面同士を対向させて路盤上に連設配置する際に、温度変化等による舗装版の膨張収縮や、荷重等の外部応力等によってコンクリート舗装版間の位置関係が相対的に変位することにより、隣接し合うコンクリート舗装版の接続端面間を貫通配置される管体、ケーブル等がせん断力によって損傷を受ける不具合を解消することができる。また、本発明の配管継手は、コンクリート舗装版等のコンクリート構造体に限らず、2つの構造体間にまたがって配管される管体、或は管体内に挿通されるケーブル等の線材を構造体間の相対変位により発生するせん断力から保護する場合一般に使用することができる。更に、本発明の配管継手は、コンパクトな形状でありながら、構造体の変位量に対応した2つの管体の可動量を大きく確保することができるので、被保護対象物としての管体、線材等を確実に保護することができる。また、構造体のサイズに対応して、配管継手のサイズ、形状を種々変更可能であるため、あらゆるタイプの構造体に適用して、構造体間の変位に起因したストレス、特にせん断力から被保護対象物としての管体、線材等を有効に保護することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593180088 【氏名又は名称】新東京国際空港公団
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| 【出願日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085660 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 均
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| 【公開番号】 |
特開2001−200967(P2001−200967A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月27日(2001.7.27) |
| 【出願番号】 |
特願2000−7190(P2000−7190) |
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