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【発明の名称】 パイプとホース若しくはパイプとを接続する方法
【発明者】 【氏名】アンドレアス ザウスナー

【要約】 【課題】本発明は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース、或いはパイプとパイプとをクランプ接続するための方法を提案し、該方法では、圧縮接続の品質に対する構成要素の寸法公差の影響が著しく低減される。

【解決手段】本発明に従って、圧縮工具及び圧縮スリーブの間の押圧力、並びに、圧縮工具を進行させる距離が適切に決定され且つ評価される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮スリーブ(5)を用いてパイプ(1)とホース(3)若しくは別のパイプとの圧縮接続を形成する方法において、圧縮工具(9)が圧縮スリーブ(5)に対して半径方向に作用するように圧縮工具(9)を進めるステップと、圧縮工具(9)と圧縮スリーブ(5)との間の半径方向の力(F)を決定するステップと、半径方向の力(F)の所定設定値(a)が達せられた後で残りの圧縮距離(SR)だけ圧縮工具(9)を進めるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】 圧縮スリーブ(5)を用いてパイプ(1)とホース(3)若しくは別のパイプとの圧縮接続を形成する方法において、圧縮工具(9)が圧縮スリーブ(5)に対して半径方向に作用するように圧縮工具(9)を進めるステップと、圧縮工具(9)と圧縮スリーブ(5)との間の半径方向の力(F)を決定するステップと、圧縮工具(9)の半径方向の距離(s)を決定するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の一次導関数(dF/ds)を計算するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の一次導関数(dF/ds)の所定設定値(b)が達せられた後で残りの圧縮距離(SR)だけ圧縮工具(9)を進めるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】 圧縮スリーブ(5)を用いてパイプ(1)とホース(3)若しくは別のパイプとの圧縮接続を形成する方法において、圧縮工具(9)が圧縮スリーブ(5)に対して半径方向に作用するように圧縮工具(9)を進めるステップと、圧縮工具(9)と圧縮スリーブ(5)との間の半径方向の力(F)を決定するステップと、圧縮工具(9)の半径方向の距離(s)を決定するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の二次導関数(d2F/ds2)を計算するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の二次導関数(d2F/ds2)のピーク数が所定設定値(c)に等しいときに、残りの圧縮距離(SR)だけ圧縮工具(9)を進めるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】 圧縮スリーブ(5)を用いてパイプ(1)とホース(3)若しくは別のパイプとの圧縮接続を形成する方法において、圧縮工具(9)が圧縮スリーブ(5)に対して半径方向に作用するように圧縮工具(9)を進めるステップと、圧縮工具(9)と圧縮スリーブ(5)との間の半径方向の力(F)を決定するステップと、圧縮工具(9)の半径方向の距離(s)を決定するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の一次導関数(dF/ds)を計算するステップと、距離(s)に対する半径方向の力(F)の二次導関数(d2F/ds2)を計算するステップと、半径方向の力(F)の所定設定値(a)が達せられた後か、距離(s)に対する半径方向の力(F)の一次導関数(dF/ds)の所定設定値(b)が達せられた後か、距離(s)に対する半径方向の力(F)の二次導関数(d2F/ds2)のピーク数が所定設定値(c)に等しくなった後の少なくとも1つの場合に、残りの圧縮距離(SR)だけ圧縮工具(9)を進めるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】 前記進めるステップ中で他の設定値が達せられないときにはエラーメッセージが発生されることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】 前記残りの圧縮距離(SR)は、0.6mmより小さく、特に、0.45mmより小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】 前記ピーク数の設定値(c)の値は、4に等しいことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】 最初のピークが正の値、次のピークが負の値、次に続くピークが正の値であることを特徴とする請求項3から7のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース、或いはパイプとパイプとをクランプ接続する方法に基づく。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】圧縮スリーブを用いて製造されるパイプ及びホース間の接続は、例えば、自動車両の制動システムや液圧装置等に要求される。これらの接続箇所が極めて大量に製造され、それらがシステムの安全に密接に関係する構成要素を取り扱うので、高い品質及び安全の基準が信頼性を充足するようでなければならないし、このような圧縮接続構造を製造するためのコストは低くされねばならない。
【0003】ホースの外側を囲う圧縮スリーブに対して半径方向に作用する圧縮工具を用いて、圧縮スリーブによってホースとパイプとをクランプすることは公知である。圧縮工具のジョーが或る位置に到達した瞬間にクランプが停止する。このことは、パイプとホースと圧縮スリーブとが或る程度一緒にプレス加工された、ということを意味する。この場合において、パイプ及びホースの直径や壁厚の変動、並びに、圧縮スリーブの製造公差は、考慮されない。上記3つの構成要素の各々は、相対的に大きな製造公差を有しているので、パイプとホースと圧縮スリーブが一緒にプレス加工される際の力、従って、パイプ及びホース間の接続品質は、様々である。
【0004】これにより、高価な品質保証の手段が要求され、排除部品のために、相対的に高いコストが帰結される。
【0005】本発明は、容易に実施でき、その上、極めて高品質な基準のパイプ及びホース間の接続を保証する、圧縮スリーブを用いてパイプとホース、或るいはパイプとパイプをクランプ接続するための方法を利用可能にすることに向けられている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従い、上記課題は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース或いはパイプと別のパイプとをクランプ接続するための方法によって達成され、該方法では、圧縮工具は、該圧縮工具が圧縮スリーブに対して半径方向に作用するように進められ、圧縮工具と圧縮スリーブとの間の半径方向の力Fは、決定され、圧縮工具は、半径方向の力Fの所定設定値aが達せられた後で残りの圧縮距離SRだけ進められる。
【0007】この方法は、パイプとホースと圧縮スリーブの寸法公差から独立して、残りの圧縮距離SRだけ圧縮工具が進められる前に、圧縮工具及び圧縮スリーブの間の或る半径方向の力が常に作用する、という利点を提供する。残りの圧縮距離SRは、パイプの既定の変形を確実化するのに役立ち、圧縮スリーブとホースとパイプの間の既定のクランプが、圧縮工具の取り除いた後で、達成される。従って、圧縮スリーブとホースとパイプの間の押圧力は、パイプとホースと圧縮スリーブの寸法公差から殆ど独立している。この結果として、品質における明確な改善や低拒絶率、従って、より好適な製造コストがもたらされる。
【0008】本発明に従い、上記課題は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース若しくは別のパイプとをクランプ接続するための方法によって達成され、該方法では、圧縮工具は、該圧縮工具が圧縮スリーブに対して半径方向に作用するように進められ、圧縮工具と圧縮スリーブとの間の半径方向の力Fは、決定され、圧縮工具の半径方向の距離sは、決定され、半径方向の力Fの一次導関数dF/dsは、距離sに対して計算され、圧縮工具は、距離sに対する半径方向の力Fの一次導関数dF/dsの所定設定値bが達せられた後で、残りの圧縮距離SRだけ進められる。
【0009】この方法は、残りの圧縮距離SRだけ圧縮工具を進める前に、進行距離sに対する半径方向の力Fの一次導関数dF/dsのステップ様の進み具合のために、圧縮接続の状態がより良好に決定できる、という利点を提供する。
【0010】本発明に従い、上記課題は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース若しくは別のパイプとをクランプ接続するための方法によって達成され、該方法では、圧縮工具は、該圧縮工具が圧縮スリーブに対して半径方向に作用するように進められ、圧縮工具と圧縮スリーブとの間の半径方向の力Fは、決定され、圧縮工具の半径方向の距離sは、決定され、半径方向の力Fの二次導関数d2F/ds2は、距離sに対して計算され、圧縮工具は、距離sに対する半径方向の力Fの二次導関数d2F/ds2のピーク数が所定設定値cに等しくなりさえすれば、残りの圧縮距離SRだけ進められる。
【0011】二次導関数d2F/ds2は、本質的に幾つかのピークを含み、他の部分では概ねゼロに等しい。従って、要求される総てのことは、圧縮済みの圧縮スリーブとホースとパイプの圧縮程度を確かめるために、ピーク数を決定することである。例えば、パイプが変形し始めることが決定されるや否や、圧縮工具は、残りの圧縮距離SRだけ進められる。このことは、パイプとホースと圧縮スリーブの間の既定の圧縮が圧縮工具取り除き後に達成されることをこの方法が確実化させる、ということを意味する。
【0012】本発明に従い、上記課題は、圧縮スリーブを用いて、パイプとホース若しくは別のパイプとをクランプ接続するための方法によって達成され、該方法では、圧縮工具は、該圧縮工具が圧縮スリーブに対して半径方向に作用するように進められ、圧縮工具と圧縮スリーブとの間の半径方向の力Fは、決定され、圧縮工具の半径方向の距離sは、決定され、半径方向の力Fの一次導関数dF/dsは、距離sに対して計算され、半径方向の力Fの二次導関数d2F/ds2は、距離sに対して計算され、圧縮工具は、半径方向の力Fの所定設定値aが達せられた後か、距離sに対する半径方向の力Fの一次導関数dF/dsの所定設定値bが達せられた後か、距離sに対する半径方向の力Fの二次導関数d2F/ds2のピーク数が所定設定値cに等しくなった後の少なくとも1つの場合に、残りの圧縮距離SRだけ進められる。
【0013】この方法は、圧縮スリーブとホースとパイプの間の圧縮接続の進み具合が3つの異なる形式で計測される、という利点を提供する。従って、余計な情報も利用可能である。このような冗長さは、aやbやcの値の決定中に可能的な孤立値等を排除するのに使用できる。
【0014】この方法の別の態様に従い、aとbとcの3つの値のうちの2つが達せられたときに、残りの圧縮距離だけ圧縮工具が進められ、これにより、圧縮接続の状況が優れた確実性の下で決定される。
【0015】本発明に係る方法の1つの変更例において、前記進めるステップ中で他の設定値が達せられないときにはエラーメッセージが発生される、ということが提案される。このエラーメッセージは、圧縮スリーブとホースとパイプの間の圧縮接続が明細書関連部分に従って実施され得なかった、ということを示している。従って、この方法は、圧縮プロセス中に最初の品質管理を実施する機会(この最初の品質試験を通過しなかったパイプ及びホースの間の接続体(箇所)を取り除くために)を提供する。次に、例えば、これらの拒絶済み接続体につき、該接続体が実際のところ不完全か適切かを決定するために特に詳細な品質管理にさらすことが可能である。
【0016】本発明は、残りの圧縮距離SRが0.6mmより小さく、特に、0.45mmより小さい、ということを提案する。この方法のために、例えば、自動車両の制動システムにおけるパイプ及びホースの接続時に、最適な接続が確実に遂行される。
【0017】本発明の1つの変更例において、c=4であり、従って、残りの圧縮距離SRだけ進められる前において、圧縮スリーブの中心位置決めと、圧縮スリーブの塑性変形と、ホース若しくはその外側カバーの圧縮は、確実に完了される。
【0018】本発明は、最初のピークが正の値、次のピークが負の値、次に続くピークが正の値である、ということを提案する。従って、負の値のピークによって、圧縮スリーブの中心位置決めが完了されたということを確実に認識できる。
【0019】本発明の他の利点及び有益な実施態様は、図面、明細書、請求項から明らかになろう。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、一実施態様の、圧縮処理前の圧縮スリーブ5、ホース3、パイプ1を示す。この図は、圧縮状況下の圧縮スリーブ5若しくはホース3とパイプ1との間の確実な嵌合接続を改善するためにパイプ1の直径が位置(異径部)7で異なることを示す。パイプ1、ホース3、及び、圧縮スリーブ5は、図解的に描いた圧縮工具9によって、矢印Sの方向に相互に向かって圧縮工具9のジョー(顎状部)を動かすことにより圧縮される。圧縮工具9のジョーは、パイプ1の異径部7に対応する凹部11を含む。圧縮工具9による、圧縮スリーブ5、ホース3、及びパイプ1における、これら3つの構成要素の圧縮中に生じる半径方向の力Fは、矢印Sの方向に働く。
【0021】図2は、圧縮状況下の別の実施態様を示す。ホース3は、2層から構成され、従って、ホースは、外径上のファブリック(fabric)13を特徴とする。図2は、パイプ1、ホース3、圧縮スリーブ5の間の確実な嵌合接続が異径部7のために圧縮状況下において達成されることを明確に示している。
【0022】図3(A)は、距離sに対する半径方向の力Fの動きを示している。距離sは、異なる部分I〜Vに分割できる。I部分では、圧縮工具9のジョーは、圧縮スリーブ5に未だ接触していない、即ち、半径方向の力Fは未だ生じていない。II部分では、圧縮スリーブ5は、変形し、従って、ホース3及びパイプ1に対して中心位置決めされる。III部分では、圧縮スリーブ5の塑性変形が起きる。圧縮スリーブ5の材料が変形し始めるので、III部分の半径方向の力Fの増加はII部分よりも小さく、その間において主として弾性変形が起きる。
【0023】IV部分は、圧縮スリーブ5の塑性変形に加えて、ホース3(適切ならば、ファブリック13も)の圧縮が起きる、ということを特徴とする。減圧スリーブ5の塑性変形に加えて、ホース3(適切ならば、ファブリック13も)の減圧が起きるので、IV部分の半径方向の力Fの増加は、III部分よりも大きい。V部分は、圧縮スリーブ5の塑性変形と、ホース3(適切ならば、ファブリック13も)の減圧に加えて、パイプ1の変形がおきる、ということを特徴とする。従って、V部分の半径方向の力Fの増加は、先に記載したI〜IV部分よりも大きい。
【0024】上記I〜IV部分は、図1に係るパイプ1、ホース3、圧縮スリーブ5の各圧縮プロセスの間において起きる。圧縮接続の品質に関して、IV部分の完了後に残りの圧縮距離SRだけ圧縮工具9が進められることが重要である。これが一度起きれば、ホース3及びパイプ1の間の接続は所望の品質を確実に有することができる。
【0025】他の圧縮接続、例えば、2つのパイプの間では、圧縮プロセスをI〜V部分に分割できないが、他の部分に分割できよう。この場合、a、bの値及び/又はcの値の決定は、調和するように適合されねばならない。
【0026】固定した進める距離が決定されるような公知の方法と比較して、本発明に係る方法によれば、圧縮のためにパイプ1の変形が実際に起きることが高信頼性の下で保証され得る。この事情の実質的な理由は、圧縮スリーブ5、ホース3、及びパイプ1の寸法公差が追加されるまでには及ばない、ということである。
【0027】図3(B)は、距離に対する半径方向の力Fの一次導関数dF/dsを示す。I〜V部分の各々に対して特定の値が指定され得ることが明確に理解できよう。圧縮工具9がIV部分を越えて進められるや否や、半径方向の力Fの一次導関数dF/dsは、進行距離sの後で相当高い値を有する。一次導関数dF/dsのこの値は、残りの圧縮距離SRの開始を決定するために用いることができる。
【0028】図3(C)は、距離sに対する半径方向の力Fの二次導関数d2F/ds2を示す。図3(C)は、I〜V部分の1つから次の部分までの移動がピーク15、17、19、21で特徴付けられることを明確に示している。残りの圧縮距離SRの開始は、ピーク15、17、19、21を数えることによって極めて容易且つ確実に決定できる。図3(C)において、第2のピーク17は、負の記号付きの値であり、他方、他のピーク15、19、21は、正の記号付き値である。値における記号のこの変化は、残りの圧縮距離SRの開始を決定するために用いることができる。このことは、例えば、ピーク検出後で残りの圧縮距離SRだけ圧縮工具が進められる前に2つの別のピーク19、21が検出されねばならない、というように理解することができる。
【0029】上記説明及び請求の範囲並びに図面に記載された総ての特徴は、個別でも任意の組み合わせでも本発明にとって本質であり得る。
【出願人】 【識別番号】597076152
【氏名又は名称】アイティーティー マニュファクチュアリング エンタープライズィズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ITT Manufacturing Enterprises Inc.
【住所又は居所原語表記】1105 North Market Street Suite 1217 Wilmington Delaware 19801 United States of America
【出願日】 平成12年12月15日(2000.12.15)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外2名)
【公開番号】 特開2001−200962(P2001−200962A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−381188(P2000−381188)