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【発明の名称】 コルゲートチューブの取付方法および取付治具
【発明者】 【氏名】小竹 友治

【要約】 【課題】ワイヤハーネスの電線束へのコルゲートチューブの取り付けに際し、該コルゲートチューブのスリットの向きを規制して組立可能とする。

【解決手段】ワイヤハーネスの組立作業板15上に立設された電線保持具16に沿って電線束Wを布線し、コルゲートチューブ1のスリット1aに沿って挿入可能な案内板14を備えた取付治具11を、電線束Wにおけるコルゲートチューブ1の外装領域に対し所要方向から介入する。次いで、取付治具11の案内板14にスリット1aを沿わせるようにしてコルゲートチューブ1を電線束Wに外装し、この状態でコルゲートチューブ1の一端を電線束WにテープTにて固定する。しかる後、案内板14をスリット1aおよび電線束Wから退避させ、次いで、コルゲートチューブ1の他端を電線束WにテープTにて固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 拡開可能なスリットが軸方向に形成されたコルゲートチューブをワイヤハーネスの電線束に対し、上記スリットを所要方向に規制して外装するコルゲートチューブの取付方法であって、ワイヤハーネスの組立作業板上に立設された電線保持具に沿って電線束を布線し、上記コルゲートチューブのスリットに沿って挿入可能な案内板を備えた取付治具を、上記電線束におけるコルゲートチューブの外装領域に対し所要方向から介入させ、次いで、上記取付治具の案内板に上記スリットを沿わせるようにして上記コルゲートチューブを上記電線束に外装し、この状態で上記コルゲートチューブの一端を電線束にテープにて固定し、しかる後、上記案内板を上記スリットおよび電線束から退避させ、次いで、上記コルゲートチューブの他端を電線束にテープにて固定するようにしたことを特徴とするコルゲートチューブの取付方法。
【請求項2】 拡開可能なスリットが軸方向に形成されたコルゲートチューブをワイヤハーネスの電線束に対し、上記スリットを所要方向に規制して外装するための取付治具であって、ワイヤハーネスの組立作業板上に起伏可能に立設される支柱部と、該支柱部の上部に取り付けられると共に、上記コルゲートチューブのスリットに沿って挿入可能な案内板とからなり、上記支柱部の起立状態では上記組立作業板に布線される電線束および上記コルゲートチューブのスリットに上記案内板が挿入される一方、上記支柱部の倒伏状態では上記案内板が上記電線束およびコルゲートチューブから退避する位置関係に設定していることを特徴とするコルゲートチューブの取付治具。
【請求項3】 上記案内板は支柱部を中心とする平面上で回転可能に支持し、上記コルゲートチューブのスリットの規制方向を両側二方向に切り替え可能としている請求項2に記載のコルゲートチューブの取付治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コルゲートチューブの取付方法および取付治具に関し、詳しくは、ワイヤハーネスの電線束へのコルゲートチューブの取り付けに際し、該コルゲートチューブのスリットの向きを規制して組立可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】従来自動車に配索されるワイヤハーネスは、その配索部位に突起物やエッジ等の干渉物が存在する場合、これらとの干渉による電線束の損傷を防止するためコルゲートチューブを外装して保護するようにしていた。このコルゲートチューブ1は、図7に示すように、合成樹脂よりなると共に、長手方向に環状の凹凸部を繰り返す円筒体よりなり、軸方向には拡開可能なスリット1aを有している。このスリット1aは、電線束Wへの装着用の開口部となるが、コルゲートチューブ1が電線束Wに外装された状態でスリット1aが干渉物に対向して車体に配索されると、走行中の振動等によりスリット1aを通して干渉物が電線束Wと直接干渉するおそれがある。
【0003】そこで、電線束Wへのコルゲートチューブ1の取り付けに際し、スリット1aの方向を規制するようにしたコルゲートチューブ用治具が、特開平10−185000号公報に記載されている。このコルゲートチューブ用治具2は、図8に示すように、U字状の電線保持具3に、コルゲートチューブ1のスリット1aに挿入可能なプレート4a、4b、4cを三方に備えた指示具4を支軸5で回転させることで位置調整可能に取り付けるようにしたものである。従って、図8では、プレート4aをスリット1aに挿入することで、スリット1aの位置を一側方に規制してコルゲートチューブ1を電線束Wに外装することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コルゲートチューブ用治具2では、スリット1aの向きを規制するプレート4a、4b、4cは、電線保持具3に対し、定位置に固定された状態となっている。このため、電線束Wの布線時にプレート4a、4b、4cが邪魔となって布線作業がし難い。また、電線束Wへのコルゲートチューブ1の外装後におけるコルゲートチューブ1の固定のためのテープ巻き操作時においてもプレート4a、4b、4cが邪魔となるため作業性がわるい等の問題がある。
【0005】本発明は上記した問題に鑑みてなされたもので、電線束の布線時およびコルゲートチューブのテープ止め時に、その作業の邪魔にならない状態で、コルゲートチューブのスリットの方向を規制可能なコルゲートチューブ取付方法および取付治具を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、拡開可能なスリットが軸方向に形成されたコルゲートチューブをワイヤハーネスの電線束に対し、上記スリットを所要方向に規制して外装するコルゲートチューブの取付方法であって、ワイヤハーネスの組立作業板上に立設された電線保持具に沿って電線束を布線し、上記コルゲートチューブのスリットに沿って挿入可能な案内板を備えた取付治具を、上記電線束におけるコルゲートチューブの外装領域に対し所要方向から介入させ、次いで、上記取付治具の案内板に上記スリットを沿わせるようにして上記コルゲートチューブを上記電線束に外装し、この状態で上記コルゲートチューブの一端を電線束にテープにて固定し、しかる後、上記案内板を上記スリットおよび電線束から退避させ、次いで、上記コルゲートチューブの他端を電線束にテープにて固定するようにしたことを特徴とするコルゲートチューブの取付方法を提供している。
【0007】上記のようにすれば、電線束を布線した後に取付治具の案内板を電線束に介入するようにしているので、電線束の布線時に取付治具が邪魔にならず、しかも、布線後はコルゲートチューブのスリットの方向規制を伴なう外装操作の準備をすることができる。また、案内板にスリットを沿わせてコルゲートチューブを電線束に外装することで、スリットを所要方向に規制できると共に、この状態でコルゲートチューブの一端方をテープ止めすることにより、外装後のコルゲートチューブの位置ずれを防止できる。そして、コルゲートチューブの他端方のテープ止めに際しては、案内板を退避させることで、テープ巻き操作に支障をきたすこともない。
【0008】また、本発明では、拡開可能なスリットが軸方向に形成されたコルゲートチューブをワイヤハーネスの電線束に対し、上記スリットを所要方向に規制して外装するための取付治具であって、ワイヤハーネスの組立作業板上に起伏可能に立設される支柱部と、該支柱部の上部に取り付けられると共に、上記コルゲートチューブのスリットに沿って挿入可能な案内板とからなり、上記支柱部の起立状態では上記組立作業板に布線される電線束および上記コルゲートチューブのスリットに上記案内板が挿入される一方、上記支柱部の倒伏状態では上記案内板が上記電線束およびコルゲートチューブから退避する位置関係に設定していることを特徴とするコルゲートチューブの取付治具を提供している。
【0009】上記構成によれば、コルゲートチューブのスリットの方向を規制する案内板は、支柱部と共に倒伏可能であるため、規制が必要なときは起立操作する一方、電線束の布線、コルゲートチューブのテープ止め操作時には倒伏操作することで、それぞれの作業の邪魔になることがない。
【0010】上記案内板は支柱部を中心とする平面上で回転可能に支持し、上記コルゲートチューブのスリットの規制方向を両側二方向に切り替え可能としてもよい。このようにすれば、コルゲートチューブのスリットの規制方向が異なる設定のワイヤハーネスの組み立てに際し、取付治具自体を取り外すことなく、案内板を反対方向に回転操作するのみで、規制方向の切り替えを行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、コルゲートチューブの取付治具の第一実施形態を示し、取付治具11は、取付部12に対し起伏可能に支持された支柱部13と、該支柱部13の上端部に取り付けられた案内板14から構成している。
【0012】取付部12は、U字状の金具からなり、ワイヤハーネスの組み立て作業板15上の所要位置に固定される。支柱部13は、その下端部を取付部12に対しピン13aにより起伏可能に支持され、垂直状態の起立位置と組み立て作業板15の板面に沿った倒伏位置との二位置でノッチ機構等により位置決め可能とされている。案内板14は、コルゲートチューブ1のスリット1aに沿って挿入可能な薄板体からなり、案内板14の下面偏芯位置に支持棒14aを固定し、該支持棒14aを支柱部13に溶接またはネジ止めすることで案内板14を支柱部13に取り付けるようにしている。
【0013】次ぎに、上記構成からなる取付治具11を使用して、ワイヤハーネスの電線束Wにコルゲートチューブ1を外装する工程を説明すると、先ず、図2に示すように、組み立て作業板15上に立設された電線保持具16に沿って布線される電線束Wにおけるコルゲートチューブ1の外装領域の側方に対応して、取付治具11を組み立て作業板15上に取り付けておく。この場合、取付治具11は支柱部13を起立位置としたとき、案内板14の先端部がコルゲートチューブ1の外装領域に少し干渉し、倒伏位置では案内板14が外装領域から完全に退避するように、電線束Wの布線方向に対し直交する方向に支柱部13の回転平面を設定している。
【0014】そして、取付治具11を倒伏位置に位置決めした状態で、電線束Wを電線保持具16に沿って布線する。次いで、図3(A)に示すように、取付治具11を起立させると、案内板14の先端は図3(B)に示すように、布線された電線束Wに介入される。続いて、図4(A)に示すように、電線束Wにコルゲートチューブ1を外装するに際し、スリット1aに案内板14の先端を挿入させるようにして順次コルゲートチューブ1を電線束Wに沿って送り出すことで電線束Wにコルゲートチューブ1を外装する。このとき、コルゲートチューブ1は図4(B)に示すように、案内板14の先端部が挿入されることでスリット1aの向きが案内板14に対向する方向に規制される。
【0015】上記のようにして、コルゲートチューブ1の向きが規制された状態で、先ず、案内板14が邪魔にならない側のコルゲートチューブ1の一端にテープTを巻き付けることで電線束Wに対しコルゲートチューブ1を固定する。次いで、図5(A)(B)に示すように、取付治具11を倒伏位置に操作することでスリット1aから案内板14を抜き去り、スリット1aを閉じた状態でコルゲートチューブ1の他方の端部に同様にテープTを巻き付けて電線束Wに固定する。このようにすることで、電線束Wに対しスリット1aの方向を規制した状態でコルゲートチューブ1を外装することができる。
【0016】図6は取付治具21の第二実施形態を示し、支柱部23に対し案内板24が取り付けられた支持棒24aを回転可能に支持させ、案内板24によるスリット1aの規制方向を左右両側方の二位置に切り替え可能としたものである。案内板24は、コ字状に屈曲させた薄板材からなり、案内板24の先端部は、支持棒24aを電線束Wの中心下方に位置させたとき、コルゲートチューブ1の外装領域に少し干渉する程度の位置関係となるように突出寸法を設定している。支柱部23に支持棒24aを回転可能に支持させるには、例えば図示のように支持棒24aの下部に抜け止め用の係止リング24bを突設し、該係止リング24bを覆うようにして支柱部23にネジ付きのキャップ23bを装着するようにしている。
【0017】上記第二実施形態では、支柱部23を起立位置と左右両側方の倒伏位置の3位置で位置決め可能としている。そして、A側にコルゲートチューブ1のスリット1aの方向を規制するには、案内板24の先端をA側に位置させ、支柱部23を起立位置とA側の倒伏位置との間で操作する。逆にスリット1aをB方向に規制するには、支持棒24aを180°回転させることで案内板24の先端をB側に向け、支柱部23の倒伏位置もB側とする。なお、電線束Wの布線、コルゲートチューブ1の外装および取付治具21の倒伏操作工程の手順は、上記第一実施形態と同様である。
【0018】なお、上記実施形態において、支柱部13、23に対し案内板14、24を多種準備したものと取り換え可能とすることで、案内板14、24の設定高さ、大きさを調整可能とするようにしてもよい。また、取付治具11、21は、支柱部13、23を固定式として、支柱部13、23と支持棒14a、24aとの間で倒伏操作可能とするようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】以上の説明より明きらかなように、本発明のコルゲートチューブの取付治具を使用することで、電線束に外装すべきコルゲートチューブのスリットの向きを所要方向に規制することができる。そして、その際、電線束の布線およびコルゲートチューブを外装した後のコルゲートチューブのテープ止め操作時に取付治具が倒伏可能であるため、これらの操作の邪魔となることはなく、作業性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
【公開番号】 特開2001−200957(P2001−200957A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−7578(P2000−7578)