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【発明の名称】 多孔管路及びそれに用いる波付け管
【発明者】 【氏名】矢吹 朗

【氏名】吉野 充男

【要約】 【課題】複数本の波付け管を並べて構成された多孔管路で、管の配置が崩れにくく、施工が比較的簡単な多孔管路を提供する。

【解決手段】互いに隣り合う波付け管10を、波形の山部14と谷部12を噛み合わせた状態で配置する。各々の波付け管10の山部14の外周には90°間隔で凹部16が形成されている。互いに隣り合う波付け管10を前記凹部16に隣の波付け管10の谷部12の外周の一部が入り込むように組み合わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数本の波付け管(10)を並べて構成された多孔管路であって、互いに隣り合う波付け管(10)が波形の山部(14)と谷部(12)を噛み合わせた状態で配置されていることを特徴とする多孔管路。
【請求項2】各波付け管(10)の山部(14)の外周には周方向に所定の間隔をおいて凹部(16)が形成されており、互いに隣り合う波付け管(10)が前記凹部(16)に隣の波付け管(10)の谷部(12)の外周の一部が入り込むように組み合わされていることを特徴とする請求項1記載の多孔管路。
【請求項3】複数本の波付け管を並べて構成される多孔管路用の波付け管であって、波形の山部(14)と谷部(12)が隣の波付け管の山部と谷部と互いに噛み合い可能な形に形成されており、各山部(14)の外周には周方向に所定の間隔をおいて、隣の波付け管の谷部の外周に沿う形の凹部(16)が形成されていることを特徴とする多孔管路用波付け管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本のケーブルを個別に引き込むのに好適な多孔管路と、それに好適な波付け管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔管路には、(1) 複数本の電線管を立体的に又は平面的に並べて地中に埋設したもの、(2) 複数本の孔があいたブロックを多数連結したもの(実公平4−53151号公報)、(3) 複数本の電線管を管台で挟んで並列配置したもの(特開平9−105479号)等があるが、構造的に最も単純で、資材費が安価なのは前記(1) の多孔管路である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし(1) の多孔管路は、電線管の並びが崩れやすく、施工に手間がかかるという問題がある。(1) の多孔管路を構成する場合には、まず地面に溝を堀り、そこに電線管を落とし込んでいく。電線管としては、可とう性があり施工しやすいプラスチック製波付け管が広く使用されている。波付け管は通常断面円形であるので、多段に積み重ねることができない。このため施工は次のような手順で行われる。まず溝底に1段目の波付け管を複数本並べて布設した後、それらの管が埋まる程度に土砂を埋め戻し、表面を転圧して平らにする。次にその上に2段目の波付け管を布設して同様の作業を行う。このような作業を必要な段数だけ繰り返し行い、最後に溝の残りの部分を元の状態にまで埋め戻す。
【0004】(1) の多孔管路はこのようにして施工されるため、手間がかかり工事費が高くなるという問題がある。また転圧が不十分であると、その段の管が撓んでしまい、蛇行した状態で埋設されることになるため、あとで管内にケーブルを引き込むときに、張力が増大し、作業性が悪化するだけでなく、最悪の場合、ケーブルの損傷を招き、管路を掘り返して再布設しなければならないこともある。
【0005】一方、布設したときに位置ずれが起きにくい波付け管として、波形の谷部の断面を円形とし、山部の断面を方形とした方形波付け管も提案されている(特開平9−280430号公報)。この方形波付け管で多孔管路を構成すれば、断面円形の波付け管を使用した場合より、管を並べたり積み上げたりするときの位置の安定性はよくなると考えられるが、この場合でも個々の管は互いに位置が拘束されているわけではなく、相対的に長手方向、横方向あるいは上下方向にスライド可能であるため、管を多条多段に配置して土砂を埋め戻すときに、土圧で管の配置が崩れやすいという問題がある。
【0006】本発明の目的は、以上のような問題点に鑑み、管の配置が崩れにくく、施工が比較的簡単な多孔管路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、複数本の波付け管を並べて構成された多孔管路において、互いに隣り合う波付け管を、波形の山部と谷部を噛み合わせて配置したことを特徴とするものである。
【0008】このような構成にすれば、互いに隣り合う波付け管の相対的な位置ずれが起きにくくなるので、波付け管の配置が崩れにくくなる。したがって従来のように波付け管を1段ずつ布設して埋設、転圧する必要がなくなり、一括埋設が可能となるため、施工時間を大幅に短縮できる。また複数本の波付け管が山部と谷部の噛み合いにより互いに拘束されているので、土砂を埋め戻す際にも管の配置が崩れにくく、土圧による管の蛇行の発生が少なくなることから、ケーブルの引込みも支障なく行うことができる。加えて、この多孔管路は、より狭い場所に布設できる利点もある。
【0009】本発明の多孔管路は、好ましくは、各波付け管の山部の外周には周方向に所定の間隔をおいて凹部が形成されており、互いに隣り合う波付け管が前記凹部に隣の波付け管の谷部の外周の一部が入り込むように組み合わされている構成とするとよい。
【0010】このようにすると隣り合う波付け管の位置ずれがさらに発生しにくくなり、波付け管を横に並べたり積み上げたりする作業が容易になると共に、土砂を埋め戻す際の管の配置の安定性をさらに向上させることができる。
【0011】本発明はまた上記のような多孔管路に好適な波付け管を提供するもので、その構成は、波形の山部と谷部が隣の波付け管の山部と谷部と互いに噛み合い可能な形に形成されており、各山部の外周には周方向に所定の間隔をおいて、隣の波付け管の谷部の外周に沿う形の凹部が形成されていることを特徴とするものである。このような波付け管を使用することにより、管の配置が安定した多孔管路を容易に構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔実施形態1〕図1は本発明に係る多孔管路の一実施形態を示すもので、(a)は側面図(平面図も同じ)、(b)は(a)のB−B線断面図である。この実施形態は4本の波付け管10を2条ずつ2段に並べた場合であるが、段数と各段の条数(本数)は任意である(以下の実施形態も同じ)。
【0013】各波付け管10は図2(a)〜(c)のような構造である。すなわち、管壁が一定ピッチの波形になっており、波形の谷部12の断面が(b)に示すように円形で、山部14の断面が(c)に示すように正方形の外周に90°間隔で円弧状の凹部16を形成した形となっているものである。(a)に示すように谷部12の深さは山部14の高さと同じかそれより若干深くなっており、谷部12の幅は山部14の幅と同じかそれより若干広くなっている。これにより、この波付け管10を複数本並べたときに隣り合う波付け管の山部と谷部が互いに噛み合い可能となっている。また山部14の外周に形成された凹部16の曲率半径は谷部12の外周面の曲率半径と同じかそれより若干大きくなっている。つまり凹部16は波付け管10を複数本並べたときに隣の波付け管の谷部の外周に沿う形となっている。
【0014】図1の多孔管路は、上記のような波付け管10を、互いに隣り合う波付け管10の山部14と谷部12が噛み合うように、かつ各波付け管10の山部14の凹部16に、隣の波付け管の谷部12の外周の一部(ほぼ1/4周)が入り込むように組み合わせて並べたものである。
【0015】このようにすると各波付け管10の位置が山部14と谷部12の噛み合いにより拘束され、かつ谷部12の外周の一部が隣りの波付け管の凹部16に入り込んでいるため、各波付け管10の位置の安定性が高く、外力がかかっても管の配置は崩れ難い。このため土砂を埋め戻す際に管の配置が崩れにくく、施工が容易であり、また管の蛇行が発生しにくくなるので、ケーブルの引込みも支障なく行うことができる。また隣り合う波付け管10の間に空間がほとんど出来ないため、波付け管10の間に埋め戻した土砂が入り込むことがなく、このため埋め戻し後の土砂の流動による地盤沈下や陥没を高度に防止できる。
【0016】〔実施形態2〕図3は本発明に係る多孔管路の他の実施形態を示すもので、(a)は側面図(平面図も同じ)、(b)は(a)のB−B線断面図である。各波付け管10は図4(a)〜(c)のような構造である。すなわち、管壁が一定ピッチの波形になっており、波形の谷部12の断面が(b)に示すように円形で、山部14の断面が(c)に示すように角に丸みを持たせた四角形となっているものである。(a)に示すように谷部12の深さは山部14の高さと同じかそれより若干深くなっており、谷部12の幅は山部14の幅と同じかそれより若干広くなっている。これにより、この波付け管10を複数本並べたときに隣り合う波付け管の山部と谷部が互いに噛み合い可能となっている。図3の多孔管路は、上記のような波付け管10を、互いに隣り合う波付け管10の山部14と谷部12が噛み合うように並べたものである。
【0017】このようにすると各波付け管10の位置が山部14と谷部12の噛み合いにより拘束され、かつ断面円形の谷部12の外周が断面四角形の山部14の辺に当接するため、各波付け管10の位置の安定性がよく、外力がかかっても管の配置が崩れるおそれが少ない。このため土砂を埋め戻す際に管の配置が崩れにくく、施工が容易であり、また管の蛇行が発生しにくくなるので、ケーブルの引込みも支障なく行うことができる。また隣り合う波付け管10の間の空間が少ないため、波付け管10の間に埋め戻した土砂が入り込むおそれが少なく、このため埋め戻し後に土砂の流動による地盤沈下や陥没が発生するおそれも少なくなる。
【0018】〔実施形態3〕図5は本発明に係る多孔管路のさらに他の実施形態を示すもので、(a)は側面図(平面図も同じ)、(b)は(a)のB−B線断面図である。各波付け管10は、管壁が一定ピッチの波形になっており、(b)に示すように波形の谷部12も山部14も断面は円形である。谷部12の深さは山部14の高さと同じかそれより若干深くなっており、谷部12の幅は山部14の幅と同じかそれより若干広くなっている。図5の多孔管路は、このような波付け管10を、互いに隣り合う波付け管10の山部14と谷部12を噛み合わせて並べたものである。
【0019】このようにすると各波付け管10の位置が山部14と谷部12の噛み合いにより拘束されるため、外力がかかっても管の配置が崩れにくくなる。このため土砂を埋め戻す際に管の配置が崩れにくく、施工が容易になり、また管の蛇行が発生しにくくなるので、ケーブルの引込みも支障なく行うことができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複数本の波付け管が山部と谷部を噛み合わせた状態で並べられているので、波付け管の配置が崩れにくく、地中への埋設が簡単になり、工事費を削減することができる。また複数本の波付け管が山部と谷部の噛み合いにより互いに拘束されているので、波付け管が蛇行するおそれも少なく、ケーブルの引込みを支障なく行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
【出願日】 平成12年1月13日(2000.1.13)
【代理人】 【識別番号】100078329
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 広志
【公開番号】 特開2001−200953(P2001−200953A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−4360(P2000−4360)