| 【発明の名称】 |
管端部の防食構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保 俊裕
【氏名】清水 嘉平
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| 【要約】 |
【課題】粘着材を介した管端部への熱収縮チューブの装着を容易に行うことができるようにするとともに、管が寸法公差を有することにもとづき粘着材が管の内面から内方へはみ出すことがあっても、水流により変形や脱落が起きないようにする。
【解決手段】管端部に被せられる収縮チューブ5の内面と管1の端面3との間に装着部材11を設ける。この装着部材11は、管1の端面3に粘着する粘着材12と、この粘着材12を管1の端面3との間に挟み込む樹脂製のバックアップ部材13とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管端部に被せられる収縮チューブの内面と管の端面との間に、前記管の端面に粘着する粘着材と、この粘着材を管の端面との間に挟み込む樹脂製のバックアップ部材とを設けたことを特徴とする管端部の防食構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は管端部の防食構造に関する。 【0002】 【従来の技術】ダクタイル鋳鉄管などの鉄管は、防食のために表面に塗装が施されるのが通例である。ところが配管現場では管を所望の長さに切断して使用することがあり、その場合は切断により生じた新たな管端面は鉄部が露出することになる。また切断の際には、その切断端面のみならずその切断部の近傍の管表面の塗膜も損傷を受けることがあり、それにより鉄部が露出することもある。 【0003】このように露出した鉄部の防食を図るため、従来においては、切管の端部に樹脂製の熱収縮チューブを被せるなどの対策がとられている。その際に、特に切管の端面は、鉄部を確実に被覆して防食の完全を期するために、ブチルゴムなどの粘着材を貼り付けたり、ブチルゴムなどの粘着材が塗布されたゴムリングを前記粘着材を介して装着したりしたうえで、熱収縮チューブを被せることが行われている。 【0004】図6および図7は、このような従来の手法のうち、切管の端面に粘着材としてのブチルゴムを貼り付けたものの例を示す。ここで1はダクタイル鋳鉄管で、図示は省略するが、その表面には防食のための塗装が施されている。2は切管部で、その切断端面3は鉄部が露出した状態となっている。このような切管部2の防食を図るために、図6に示すように粘着性を有したブチルゴム4を管1の切管部2の切断端面3に貼り付け、そのうえで図示のように切管部2に熱収縮チューブ5を被せ、このチューブ5を熱収縮させている。これにより、図7に示すように、チューブ5が、切管部2の外周に密着するとともに粘着材としてのブチルゴム4を介して切断端面3を覆い、その結果、所期の防食が図られる。 【0005】図8および図9は、切管の端面に、粘着材としてのブチルゴムが塗布されたゴムリングを、このブチルゴムを介して装着したものの例を示す。すなわち、図示のように、ブチルゴム4が塗布されたゴムリング6を、このブチルゴム4を切管部2の切断端面3に粘着させることによって、この切断端面3に装着している。そして、同様にチューブ5を熱収縮させてこの部分を覆っている。この場合は、ゴムリング6と切断端面3との間がブチルゴム4によってシールされ、またチューブ5が熱収縮してゴムリング6に張り付くことによって、このゴムリング6とチューブ5との間がシールされる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】図6および図7に示すものでは、図6に示すように切断端面3にブチルゴム4を貼り付けた状態の切管部2にチューブ5を被せるときに、ブチルゴム4が粘着性を有し、しかも柔らかいために、その作業に困難を伴いやすいという技術的課題がある。 【0007】また、図8および図9に示すものでは、図9に示すように公差の関係でゴムリング6が管1の内面から内方へはみ出す場合があり、その場合には、ブチルゴム4が柔らかいために、管1の内部に水流を通した場合に、この水流によってブチルゴム4が変形したり流れ出したりするおそれがある。すなわち、水流によりゴムリング6とブチルゴム4との粘着部の一点が剥がれ、そうすると、そこを起点として周りが剥がれ、遂にはブチルゴム4が脱落して水流とともに流れ出すおそれがある。 【0008】この対策として、管1の内面から内方へはみ出した部分を切断して対処することが可能であるが、その切断作業が困難である。そこで本発明は、このような課題を解決して、粘着材を介した管端部への熱収縮チューブの装着を容易に行うことができ、また管が寸法公差を有することにもとづき粘着材が管の内面から内方へはみ出すことがあっても、水流により変形や脱落が起きないようにすることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、管端部に被せられる収縮チューブの内面と管の端面との間に、前記管の端面に粘着する粘着材と、この粘着材を管の端面との間に挟み込む樹脂製のバックアップ部材とを設けたものである。このような構成であると、バックアップ部材によって粘着材がこのバックアップ部材と管の端面との間に挟み込まれるため、その後に収縮チューブを管端部に被せる作業を容易に行うことができる。また管が寸法公差を有することなどにもとづき粘着材が管の内面から内方へはみ出すことがあっても、それにともなってバックアップ部材も同様にはみ出して粘着材をバックアップするため、水流によって粘着材が変形したり脱落したりすることを確実に防止できる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態の管端部の防食構造を示す。ここで11は装着部材で、管1の切管部2の切断端面3に装着されるように構成されている。この装着部材11において、12は粘着材としてのブチルゴムで、管1の切断端面3と、この切断端面3に隣接した管端部の内周面7とに粘着されて、これら切断端面3と内周面7とを覆うように横断面L字形に形成されている。13はバックアップ部材であり、ポリエチレンなどの所定以上の強度を有する樹脂によって形成されており、管1の切断端面3に対応したブチルゴム12の端面を覆う径方向部14と、管1の内周面7に対応したブチルゴム12の内周面を覆う軸心方向部15と、径方向部14の外周縁部より管1から離れる軸心方向に突出する突出部16とを一体に有して、横断面がZ形になるように形成されている。また、突出部16と径方向部15とによって環状の段部17が形成されており、この段部17にはシール用ゴム18が装着されている。このシール用ゴム18は、スチレンブタジエンゴムやブチルゴムなどによって矩形の横断面を有するテープ状に形成されたものであり、接着などによって段部17に取り付けられている。このシール用ゴム18は、この取り付け状態において、バックアップ部材13の突出部16の端面19と面一になるように形成されている。 【0011】次に装着部材11の寸法関係について説明する。図2において、Dは装着部材11すなわちバックアップ部材13の外径であるが、その寸法は、この装着部材11を装着すべき管1における寸法公差を含んだ最小外径に対応するように設定されている。また図2において、dはバックアップ部材13の軸心方向部15の外径であるが、その寸法は、管1におけるライニング厚や寸法公差を含んだ最小内径に対応するように設定されている。 【0012】このような構成において、管1の切管部2の切断端面3の防食を図る場合には、図2に示すようにバックアップ部材13にブチルゴム12とシール用ゴム18とが取り付けられた装着部材11を図1に示すように端面3に装着し、バックアップ部材13によってバックアップされた状態のブチルゴム12を管1の端面3と内周面7とに粘着状態で密着させる。このとき、バックアップ部材13の軸心方向部15が管1の内周部に入り込むため、装着部材11は管1に対し芯出しされた状態で装着される。また、図2に示すように装着部材11の外径Dが管1の最小外径に対応して設定されているため、この装着部材11は、図1に示すように、管1の外周よりも径方向に突出することなく、管1の外面とほぼ面一の状態で装着される。 【0013】図1においてはバックアップ部材13の軸心方向部15と管1の内周面7との間にブチルゴム12が充填されているが、寸法公差などによって管1の内径が小さくなった場合には、この管1の内周面7がバックアップ部材13の軸心方向部15に接近することがある。その場合は、ブチルゴムを充填しないこともある。また、内周面7が軸心方向部15に接近していない場合にも、ブチルゴム12は管1の端面3に沿った部分のみに配置することにして、この内周面7と軸心方向部15との間にはブチルゴム12を配置しないようにしてもよい。 【0014】次に、管1の切管部2にチューブ5を被せ、このチューブ5を熱収縮させれば、図1に示すようにチューブ5が切管部2の外周に密着するとともに装着部材11の外周および端面に密着して、所期の防食が図られる。チューブ5と装着部材11の端面との間は、このチューブ5がシール用ゴム18に密着することによってシールされる。このとき、ブチルゴム12は管1の端面3とバックアップ部材13との間に挟み込まれ、このブチルゴム12にバックアップ部材13が被さるようにしてバックアップが行われているため、ブチルゴム12の表面が露出せず、したがってその後にチューブ5を被せる作業を容易に行うことができる。 【0015】このような防食構造の管1を上水道の用途に供したは、図1に示す防食部に水流21が作用するが、管内に露出したブチルゴム12の部分はバックアップ部材13の軸心方向部15と径方向部14とによる横断面L字状の部分でバックアップされる。このため、たとえ管1の内径が公差などによって大きくなって装着部材11の内周部が管内に突出した状態となっていた場合でも、ブチルゴム12の脱落などが生じることを確実に防止できる。 【0016】図3は、本発明の第2の実施の形態の管端部の防食構造を示す。ここでは、シール用ゴム18として、円形断面の環状体によってOリング状に形成されたものが使用されている。そしてこの場合は、バックアップ部材13の径方向部14の端面に、このシール用ゴム18を収容するための環状溝22が形成され、かつ突出部16は形成されていない。 【0017】このような構成であると、同様にOリング状のシール用ゴム18に熱収縮チューブ5が密接することで、この熱収縮チューブ5と装着部材11との間がシールされる。その他の作用は図1および図2に示した者と同様である。図4は、本発明の第3の実施の形態の管端部の防食構造を示す。ここでは、装着部材11のバックアップ部材13には、図1〜図3に示すような軸心方向部15は形成されておらず、それに代えて、径方向部14の内周端からさらに内周方向に突出する薄肉の環状の径方向突出部24が一体に形成されている。バックアップ部材13と管1の切断端面3との間のブチルゴム12は、径方向部14の表面のみならず、径方向突出部24の表面にも設けられて、図1〜図3のものと同様に、このバックアップ部材13によって水流に対しバックアップされている。径方向突出部24の内径d1は、前述の軸心方向部15の外径dと同様に、管1におけるライニング厚や寸法公差を含んだ最小内径に対応するように設定されている。なお、ここでは図3のものと同様にOリング状のシール用ゴム18を用いたものを図示しているが、図1〜図2のものと同様にバックアップ部材13の突出部16と矩形断面のシール用ゴム18とを用いた構成とすることも可能である。 【0018】図4は、このような構成の装着部材11を管1の切断端面3に装着したときの状態を示す。この図4の管1は、鉄部の内周に粉体塗装による塗膜25が形成されたものであり、この塗膜25は比較的薄いものである。このため、管1の内径が大きく、径方向突出部24の内周側部分26がブチルゴム12とともに管内に突出した状態となる。そこで、この内周側部分26を切り取って除去する。すなわち、バックアップ部材13の径方向突出部24は、この切り取りができるように上述のように薄肉に形成されている。 【0019】図5は、図4に示した装着部材11をセメントモルタルライニング管に適用した場合を示す。ここでは、管1は鉄部の内周にセメントモルタルライニング層27が形成されたものであり、図4に示した内径d1を有する径方向突出部24およびブチルゴム12によって、鉄部とセメントモルタルライニング層27とが過不足なく覆われている。したがって、この場合は、径方向突出部24を切断することなく使用することができる。 【0020】 【発明の効果】以上のように本発明によると、管端部に被せられる収縮チューブの内面と管の端面との間に、前記管の端面に粘着する粘着材と、この粘着材を管の端面との間に挟み込む樹脂製のバックアップ部材とを設けたため、バックアップ部材によって粘着材がこのバックアップ部材と管の端面との間に挟み込まれて、その後に収縮チューブを管端部に被せる作業を容易に行うことができる。また管が寸法公差を有することなどにもとづき粘着材が管の内面から内方へはみ出すことがあっても、それにともなってバックアップ部材も同様にはみ出して粘着材をバックアップするため、水流によって粘着材が変形したり脱落したりすることを確実に防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年12月20日(1999.12.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068087 【弁理士】 【氏名又は名称】森本 義弘
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| 【公開番号】 |
特開2001−173883(P2001−173883A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−360066 |
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