| 【発明の名称】 |
配管制振装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】猫本 善続
【氏名】伊藤 智博
【氏名】松木 一博
|
| 【要約】 |
【課題】分岐配管が分岐する配管の管台取付け部の剛性および減衰比を増大することにより管台近傍の配管の振動を抑制する配管制振装置を提供する。
【解決手段】分岐配管11は配管10から管台12を介して分岐する。管台は配管に溶接付けされている。配管の管台取付け部には配管剛性増強部材31、32が設置されている。配管剛性増強部材は、例えば鉛(又はゴム)製の減衰材の上に設置されるそれぞれが半円形の1組のバンドであり、配管の周囲に例えばボルト、ナットで取り付けられる。配管の管台近傍の減衰比は減衰材により、剛性はバンドにより増大し、管台近傍の配管の振動が抑制される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管台を介して分岐する分岐配管を有する配管に適用する配管制振装置であって、前記配管の管台の両近傍に配置される剛性増強手段を具備する配管制振装置。 【請求項2】 前記剛性増強手段が、前記配管の外周に沿って巻回される帯状の減衰材と、前記減衰材を外側から締め付ける締め付け部材と、から構成される請求項1に記載の配管制振装置。 【請求項3】 前記剛性増強手段が、前記配管の外周に沿って前記配管を締め付ける制振鋼板製の締め付け部材で構成される請求項1に記載の配管制振装置。 【請求項4】 前記剛性増強手段が、両端に相互に締結可能な留め具を有する一本のワイヤであって、前記配管の管台の両近傍にそれぞれ数回巻回された後に留め具が締結されたワイヤである請求項1に記載の配管制振装置。 【請求項5】 前記剛性増強手段が、両端に相互に締結可能な留め具を有する一本のワイヤであって、前記配管の管台の両方の近傍の前記防振材材の上にそれぞれ数回、さらに前記分岐配管に数回巻回された後に、留め具が締結されたワイヤである請求項1に記載の配管制振装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は配管制振装置に係わり、管台取付け部の剛性を増加することにより分岐配管を有する配管の振動を抑制する制振装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図1は従来の典型的な配管系の斜視図であって、配管10から小口径の分岐配管11が管台12および弁13を介して直角に分岐している。管台12と配管10は溶接によって接続され、管台12と弁13、および弁13と分岐配管11は、それぞれフランジ(図示せず)によって接続される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配管10の肉厚と直径の比率は小である、即ち直径に対して肉厚は薄いことが一般的であるため、配管10がポンプ(図示せず)等の振動を発生する機器に接続された場合には配管10に振動が発生することは避けることができない。 【0004】特に、配管10から分岐配管11が分岐している場合には、配管10の振動は分岐配管11に伝搬し、分岐配管11が比較的大きい振幅で振動する。このため、配管10の振動の振幅は管台取付け部(図1の破線部分)で局部的に増大する。図2は管台取付け部の振動の説明図であって、(イ)に示すように配管10の軸方向(X方向)に垂直方向(Z方向)の振動が発生する場合、(ロ)に示すように配管10の軸直角方向(Y方向)に垂直方向(Z方向)の振動が発生する場合、および両方向(X方向およびY方向)に振動が同時に発生する場合が想定されるが、いずれの場合も振動により管台取付け部に亀裂を発生させるおそれがある。 【0005】本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、管台取付け部の振動の振幅の増大は管台取付け部の部分の剛性および減衰比の低下に起因するものと見做すことができることから、管台取付け部の剛性および減衰比を増加することにより配管の振動を抑制することの可能な配管制振装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】第1の発明に係る配管制振装置は、管台を介して分岐する分岐配管を有する配管に適用する配管制振装置であって、管台の両近傍に配置される剛性増強手段を具備する。本発明にあっては、管台の両近傍に剛性増強手段を設置することにより、配管の管台取付け部の見かけ上の剛性および減衰比が増大される。 【0007】第2の発明に係る配管制振装置は、剛性増強手段が、配管の外周に沿って巻回される帯状の減衰材と、減衰材を外側から締め付ける締め付け部材と、から構成される。本発明にあっては、減衰材により管台取付け部の見かけ上の減衰比が、締め付け部材により管台取付け部の見かけ上の剛性が増大される。 【0008】第3の発明に係る配管制振装置は、剛性増強手段が、配管の外周に沿って配管を締め付ける制振鋼板製の締め付け部材で構成される。本発明にあっては、制振鋼板製の締め付け部材により管台取付け部の見かけ上の減衰比および剛性が増大される。第4の発明に係る配管制振装置は、剛性増強手段が、両端に相互に締結可能な留め具を有する一本のワイヤであって配管の管台の両近傍にそれぞれ数回巻回された後に留め具が締結されたワイヤである。 【0009】本発明にあっては、ワイヤにより管台取付け部の見かけ上の減衰比および剛性が増大される。第5の発明に係る配管制振装置は、剛性増強手段が、両端に相互に締結可能な留め具を有する一本のワイヤであって配管の管台の両方の近傍の防振材材の上にそれぞれ数回さらに分岐配管に数回巻回された後に留め具が締結されたワイヤである。 【0010】本発明にあっては、ワイヤにより管台取付け部の見かけ上の減衰比および剛性が増大されるとともに、ワイヤにより分岐配管の振動の振幅が低減される。 【0011】 【発明の実施の形態】図3ならびに図4は本発明に係る配管制振装置の第1の実施形態の斜視図ならびに正面図および側面図であって、分岐配管11が接続される管台12の両側の配管10上に配管剛性増強部材31および32が設置される。図5は第1の配管剛性増強部材の分解斜視図であって、配管剛性増強部材31(又は32)は、配管10の周囲に巻かれた鉛帯(又はゴム帯)311、2つの半円形のバンド312、313、ならびにバンド312および313を締結する2組のボルトおよびナット314、315で構成される。 【0012】即ち、第1の実施形態では、まず配管10の管台取付け部両側に配管10の減衰比を増加するための減衰材として帯状の鉛(又はゴム)311を巻く。次に、帯状の鉛(又はゴム)311の上から2つの半円形のバンド312、313を置き、その後2つの半円形のバンド312、313を2組のボルト314およびナット315で締結して、配管10の管台取付け部の剛性を増加する。 【0013】なお、ボルトおよびナットをスプリング(又はスプリングワッシャ)316を介して締結することにより、配管の振動あるいは熱膨張によりゆるみが生じてもバンド312および313の締結力の低減を防止し、剛性が低下することを抑制することが可能となる。しかし、第1の実施形態では、バンドの内側に配管10の減衰を増すために鉛帯(又はゴム帯)311を巻く必要があるので、配管10が高温になる場合には適用できない。 【0014】図6は第2の配管剛性増強部材の分解斜視図であって、配管10の外周に制振鋼板製のバンド312、313が直接設置される。第2の実施形態では、配管10が高温となる場合にも適用できるように、バンド自体を減衰比の大きい制振鋼板で製造することによって、バンドの締結だけで配管10の減衰比および剛性を増加することが可能となる。 【0015】図7は本発明に係る配管制振装置の第3の実施形態の正面図および側面図であって、管台12に関して配管10の管台取付け部の両側および分岐配管11にロープ70が巻回される。即ち、両端に止め具71が取付けられた一本のロープ70を、配管10の管台取付け部の上流側で数回巻回し、下流側で数回巻回し、さらに分岐配管11で数回巻回して止め具71を締結してロープ70に張力を与える。 【0016】なお、ロープ70を小口径配管11に巻回するのは分岐配管11の振動を積極的に抑制するためであって、管台取付け部の両側にロープ70を巻回するだけでもよい。また、ロープ70は細い鋼糸を縒って製造されており制振鋼板と同じく大きい減衰比を有するため、減衰材を設置する必要はない。 【0017】 【発明の効果】第1の発明に係る配管制振装置によれば、剛性増強手段により管台取付け部の両側の剛性および減衰比を局部的に増大して、管台と配管の溶接部の損傷を防止することが可能となる。第2の発明に係る配管制振装置によれば、減衰材により配管の減衰比を増加し、バンドにより配管の剛性を増加することが可能となる。 【0018】第3の発明に係る配管制振装置によれば、制振鋼板製のバンドにより配管の減衰比および剛性を増加することが可能となる。第4の発明に係る配管制振装置によれば、ロープを配管に巻回することにより配管の減衰比および剛性を増加することが可能となる。第5の発明に係る配管制振装置によれば、ロープを配管に巻回することにより配管の減衰比および剛性を増加することが可能となるとともに、ロープを分岐配管に巻回することにより分岐配管の振動の振幅を低減することが可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−173871(P2001−173871A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363106 |
|