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【発明の名称】 合成樹脂製管継手
【発明者】 【氏名】加藤 雅史

【氏名】瀬尾 透

【要約】 【課題】チーズ、エルボ等の合成樹脂製管継手における分岐部,屈曲部の内側部分への応力の集中を、製品重量の増加を最小限に抑えながら回避することができる合成樹脂製管継手を提供する。

【解決手段】継手の受口奥部に設けられている接続管端部当接用ストッパー16における分岐部,屈曲部の内側部分17の段差21を、分岐部,屈曲部の外側部分18の段差22より高く形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チーズ、エルボ等の分岐部,屈曲部を有する合成樹脂製管継手において、該継手の受口奥部に設けられている接続管端部当接用ストッパーにおける分岐部,屈曲部の内側部分の段差を、分岐部,屈曲部の外側部分の段差より高く形成したことを特徴とする合成樹脂製管継手。
【請求項2】 前記分岐部,屈曲部の内側部分の段差は、分岐部,屈曲部の外側部分の段差の4倍以下の高さ寸法であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製管継手に関し、詳しくは、分岐部を有するチーズや、屈曲部を有するエルボのような合成樹脂製管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】図4及び図5は、従来の合成樹脂製管継手の一例を示すもので、図4は断面正面図、図5は側面図である。この合成樹脂製管継手は、いわゆるチーズと呼ばれる分岐管継手10であって、直管状本体部11の両側には、主配管接続用の受口12,12がそれぞれ設けられており、本体部11の側方には、分岐管接続用の受口13が設けられている。
【0003】各受口12,13の奥部には、受口と同軸の小径部14が設けられており、この小径部14と受口12,13との間の段部に、接続する配管15の先端が当接するストッパー16がそれぞれ形成されている。このストッパー16おける段差は、前記小径部14を受口12,13と同軸に設けていることから、全周にわたって同一高さとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような分岐管継手10を、圧力が高い流体、例えば水道用の配管に用いると、水道水の圧力が受口12と受口13とを開くように作用して分岐部内側部分17に応力が集中し、他の部分に比べて大きな応力が発生する。さらに、ウォーターハンマーによって大きな応力がかかると、応力の集中によって分岐部内側部分17が破壊されてしまうおそれもあった。
【0005】このため、ストッパー16における段差を高くして小径部14の肉厚を増加し、全体の強度を高めることも行われているが、この場合でも、分岐部内側部分17への応力集中は回避することができず、他の部分に比べて疲労度合いが大きいことは変わらない。しかも、製品重量が増加するため、製造コストに影響を及ぼすことになる。このようなことは、屈曲部を有するエルボにおいても同様であり、その対策が求められていた。
【0006】そこで本発明は、チーズ、エルボ等の合成樹脂製管継手における分岐部,屈曲部の内側部分への応力の集中を、製品重量の増加を最小限に抑えながら回避することができる合成樹脂製管継手を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の合成樹脂製管継手は、チーズ、エルボ等の分岐部,屈曲部を有する合成樹脂製管継手において、該継手の受口奥部に設けられている接続管端部当接用ストッパーにおける分岐部,屈曲部の内側部分の段差を、分岐部,屈曲部の外側部分の段差より高く形成したことを特徴とし、特に、分岐部,屈曲部の内側部分の段差を、分岐部,屈曲部の外側部分の段差の4倍以下の高さ寸法としたことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の合成樹脂製管継手の一形態例を示す側面図、図2は従来品と本形態例品とを比較して示す要部の断面図である。なお、以下の説明において、前記従来例の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0009】この合成樹脂製管継手は、前記図3及び図4に示した管継手と同じチーズと呼ばれる分岐管継手10であって、直管状本体部11の両側に主配管接続用の受口12を、本体部11の側方に分岐管接続用の受口13をそれぞれ設けたものである。
【0010】このような分岐管継手10において、本形態例では、ストッパー16における主配管接続用受口12と分岐管接続用の受口13との間の分岐部内側部分17の段差21を、分岐部外側部分18の段差22よりも高くして分岐部内側部分17における小径部14の肉厚を厚く形成している。
【0011】分岐部内側部分17の段差21の高さ寸法は、両受口12,13のそれぞれの径や肉厚等に応じて設定すればよく、通常は、分岐部外側部分18の段差22の高さに対して4倍以下、好ましくは2〜3倍が適当であり、段差21をこれ以上高くしても、全体的な強度から見て無意味であり、製品重量が増加してコストアップとなってしまう。
【0012】このように、ストッパー16の段差の一部を高くする場合、分岐部内側部分17の近傍だけを内周側に突出させるようにしてもよいが、他の段差部分から滑らかな曲線を描くようにして次第に段差寸法を高くしていくことにより、応力を継手全体に平均的に分散させることができる。このとき、段差寸法を高くしていく範囲は、受口12,13の径等に応じて適宜に設定することができるが、通常は、受口13の軸線に対する両方向への開き角度をそれぞれ45度ずつ、すなわち受口13の軸線を中心とした開き角度αが90度程度が応力分散や製品重量の点で好ましい。
【0013】また、上記範囲以外の部分の段差、例えば分岐部外側部分18の段差22の高さは、従来のものと同じとしてもよく、規格の範囲内でできるだけ小さくしておくこともできる。すなわち、分岐部外側部分18の段差22を規格内での最小の高さ寸法、側方部分の段差23の高さを従来と同程度とし、分岐部内側部分17の段差21の高さを、応力集中が回避できる程度の高さ寸法にしておくことにより、製品重量の増加を抑えながら必要十分な応力分散効果を得ることができる。
【0014】例えば、図2(A)に示す従来品の全周の段差24が約1mmであった場合、図2(B)に示す本形態例品では、分岐部内側部分17の段差21の高さを約2.5mmとし、前記開き角度αを90度として段差の高さを1mmから2.5mmに滑らかに増加させることにより、従来品に対して本形態例品では、分岐部内側部分17への応力を20%程度軽減して全体に分散させることができるとともに、製品重量の増加を数%以下に抑えることができる。
【0015】なお、本形態例では、主配管接続用の受口12の部分で説明したが、分岐管接続用の受口13の部分についても同様である図3は、本発明の合成樹脂製管継手の他の形態例を示す断面図であって、本発明をエルボに適用したものである。このような屈曲部を有するエルボ30においても、屈曲部内側部分31の段差32を、屈曲部外側部分33の段差34より高く形成しておくことにより、屈曲部内側部分への応力集中を回避することができ、製品全体の強度を向上させることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成樹脂製管継手によれば、製品重量の増加を抑えながら、分岐部,屈曲部の内側部分への応力集中を回避することができ、継手全体の強度を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000006172
【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社
【出願日】 平成11年12月22日(1999.12.22)
【代理人】 【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦 (外1名)
【公開番号】 特開2001−173868(P2001−173868A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−364530