| 【発明の名称】 |
凹んだ掛金フィンガを備えた急速連結リテイナ |
| 【発明者】 |
【氏名】ティモシー・ジェイ・スチュアート
【氏名】ジェイミー・ティー・ウェイナート
|
| 【要約】 |
【課題】従来の急速連結リテイナがモールド成形において直面していた問題を克服する、急速コネクター用の改良されたリテイナを提供する。
【解決手段】1対の角を成して配列された掛金フィンガ36,38を有する急速連結リテイナ。掛金フィンガ36,38は一対の脚部18,20に接続する環状カラー26,28から径方向内方に延びており、この脚部は環状基部12から軸の方向に延びている、前記急速連結リテイナは、径方向内面に形成された凹部を有している。この凹部は、各掛金フィンガへの、これらの互いに向かい合う端部間の横断面の厚みを実質上一定にし、通風外端部を形成してモールド成形された部分の相補的突出部を交合させ、前記リテイナをモールド成形する際に鋳型半体が分離されている間、前記掛金フィンガ36,38を所定位置に維持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの導管の結合に使用されるリテイナであって、前記導管は、通し穴と通じた一列に並ぶ横断開口部を備えたハウジングを備えており、また、この導管の一方は、他方の導管を支持する前記ハウジングに形成された穴の中に挿入可能な一方の端から離れ、径方向に延びる環状フランジを有しており、また前記リテイナは、一方の導管の端部を収容するための開口部を有する環状の基部と、この基部から軸方向に延びており、各対がカラーにより他端部で結合された複数対の脚部と、このカラーの怪方向内方の端部に向かって、各カラーから角度を成して延びている掛金フィンガとを具備し、この掛金フィンガの一端部は、前記リテイナが前記ハウジングに装着されたときに、前記導管と前記ハウジングとを固定結合するように、前記導管の環状フランジと係合可能な当接面を形成し、また、このリテイナは、各掛金フィンガの内面に形成され、他方の掛金フィンガの凹部に対向する凹部を、具備する前記リテイナ。 【請求項2】 前記凹部は、多角形の形状を有する、請求項1のリテイナ。 【請求項3】 前記凹部は、正方形の形状を有する、請求項1のリテイナ。 【請求項4】 前記凹部は、径方向内方の端部から径方向外方の端部に向かって、各掛金フィンガの厚みで部分的に延びている、請求項1のリテイナ。 【請求項5】 各凹部が、掛金フィンガ夫々の前縁部に隣接する端壁から、前記掛金フィンガの径方向内面に隣接する他端部へと傾斜している、請求項1のリテイナ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、急速コネクター、特に、急速コネクターに使用されるリテイナに関する。 【0002】 【従来の技術】スナップ係合即ち急速コネクターは、特に、自動車並びに工業上の適用での流体輸送導管の結合のため等、広い範囲で使用されている。標準的な急速コネクターにおいては、リテイナは、雌型コネクター構成部品であるハウジングの開口部内に固定するように装着される。このリテイナは、径方向に延びる複数の掛金フィンガを有し、これら掛金フィンガは、ハウジングの開口部の長軸に向かって内方に延びている。前記雌型コネクター構成部品の開口部にシールするように装着される管、即ち取り付け部品は、径方向折曲部、即ちフランジを有する。このフランジの後面部は、前記リテイナ掛金フィンガの内周面に当接する。ベアリング、即ち最上部と同様に、シール部材、並びにスぺーサー部材は、代表的には、前記リテイナの前方の開口部に装着されて、この結果、前記管が前記リテイナ掛金フィンガと固定的に係合されている時に、前記ハウジングと前記管の間にシールを形成する。 【0003】上記した従来技術のリテイナの前記掛金フィンガは、弓状結合脚に結合された前記掛金フィンガの端部において、代表的には拡大された横断面を、また、リテイナの環状基部、即ち前記リテイナのカラーから離れた反対側他端部において、比較的狭い、即ち小さい横断面を有している。対をなす掛金フィンガの通常片持ちの形状は、2つの鋳型半体により一般に構成された複雑な鋳型前記リテイナの内部空間並びに前記掛金フィンガの内面を形成する滑動部とにより一般に構成された複雑な鋳型を必要とする。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】代表的なモールド成形においては、プラスチック材が前記鋳型に注入されて、前記リテイナを形成した後、前記鋳型半体は分離されて、前記滑動部から前記リテイナが取り外されるのを可能にする。しかし、前記掛金フィンガの薄い性質とこれらの片持ち構成とにより、前記鋳型半体が開かれるとき、前記掛金フィンガは前記鋳型半体に度々付着される(STICKされる)。このことは、前記掛金フィンガの型崩れを生じさせて、使い物にならないリテイナとする。 【0005】更に、前記掛金フィンガの一端部から他端部までの厚みは、ほぼ均一でない。弓状結合脚に装着するポイントである前記掛金フィンガの比較的厚い端部は、モールド成形するのが困難で、モールド成形された部材に、度々発泡や空隙の発生を招き、この為使い物にならない、廃物化したリテイナを生み出す結果となる。 【0006】このように、従来の急速連結リテイナが直面していた諸問題を克服する、急速連結リテイナ用の掛金フィンガ構造を提供することが、望まれている。また、前記鋳型半体が開かれるときに、この鋳型半体に前記掛金フィンガが付着されるのを防止する、急速連結リテイナ用の掛金フィンガ構造を提供することもまた、望まれている。前記鋳型半体が開かれるときに、使い物にならない廃物化したリテイナを減少させる為に、前記掛金フィンガの型崩れを最小限に抑える、急速連結リテイナ用の掛金フィンガ構造を提供することもまた、望まれている。各フィンガの長さ全体に沿った壁の厚みと傾斜をより均一に保つ、急速連結リテイナ用の掛金フィンガ構造を提供することもまた、望まれている。従来の掛金フィンガまたは/もしくはリテイナ構造に重要な設計変更を行わずにより高い目的を果たすことができる、急速連結リテイナ用の掛金フィンガ構造を提供することも、望まれている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、先に提案されている急速連結リテイナがモールド成形において直面していた問題を克服する、急速コネクター用の改良されたリテイナである。 【0008】本発明のリテイナは、2つの導管のうち一方の一端部を収容するための開口部を備えた環状の基部を有している。2対の脚部は、前記基部から軸の方向に延びている。各対の脚部は、カラーにより基部の反対側他端部で互いに結合されている。掛金フィンガは、各脚部の一端部から径方向内方を向いた内端部へと角度を成して延びており、この内端部は、導管の環状フランジに係合可能な当接面を形成して、前記リテイナが前記ハウジング中に装着されたときに、2つの導管を固定的に結合する。 【0009】凹部が、各掛金フィンガの内面に形成され、対向した掛金フィンガの凹部と面している。この凹部は、掛金フィンガが充分に固形化されるまで所定位置に留まることを保証するように前記モールド成形されたリテイナから前記鋳型半体が分離される間、前記リテイナの中空内部を形成するのに使用されるスライドなどの鋳型部分の相補的突出部に係合可能である。これで、前記鋳型半体が分離される間に、前記掛金フィンガが前記鋳型半体に差し込まれることで従来は起こっていたリテイナの廃物化が最小限に抑えられる。 【0010】また、前記凹部により、各掛金フィンガの向かい合った端部間の横断面の厚さをより一定にすることが可能になる。この結果、各掛金フィンガの最適なモールド成形が確実になり、従来リテイナの廃物化を招いてきたフィンガの空隙の発生、即ち発泡の領域を最小限に抑えられる。本発明の様々な態様、効果並びに他の使用法は、後述する詳しい説明を参照することにより、もっと明らかになるだろう。 【0011】 【発明の実施の形態】図面、特に図1乃至図5を参照すると、一般の流体性急速コネクターでの使用に適するリテイナ10が示されている。 【0012】従来通り、米国特許No5,626,371号により詳細が説明されているように、前記リテイナは、環状リング、即ち基部12を有し、この基部には、管状の導管即ち筒の一端部を摺動可能に収容するようなサイズに作られ、基部を貫通した開口部14が備えられている。前記基部12の前縁部16は、上記米国特許No5,626,371号に説明されたような雌型ハウジング内の段状開口部に形成された肩部に乗っている。この米国特許の内容は参照として組み入れられる。 【0013】2つの対を成すように配列された複数の脚部18,20は、基部12の開口部14を貫通した長軸にほぼ平行になるようにして、基部12から軸方向に突出している。これら脚部18、20は、それぞれに、ベース12に接続された一端部とは反対側の外端部22、24へと突出して片持ち梁を形成している。 【0014】弓状カラー26、28が、1対の脚部18の端部22相互、並びに1対の脚部20の端部24相互をそれぞれ連結している。これらカラー26、28は、ほぼ弓状の形状を有している。隆起された、即ち拡大された部分(突出部)30が、カラー26、28に形成されており、リテイナ10の長軸から径方向外方に突出している。これら突出部30は、これらと、全体を通して参照符号36、38によってそれぞれ示された1対の掛金フィンガの一端部34とによってカラー26、28の外面に形成され、隣接している凹部32の上方で、径方向外方に延びている。 【0015】前記掛金フィンガ36、38は、一例のみに従うと、ほぼ弓状に形成された内面と、相補的な弓状外面とを有する。各掛金フィンガ36、38は、各カラー26、28の外面において凹んだ溝部32から、弓状カラー26、28に対してリテイナ10の長軸に向かって径方向内方に位置された各前縁部40、42へと、内方に所定の角度をなして突出している。前記前縁部40、42は、管状の部材に形成された径方向に拡大した一端部、即ち径方向外方に延びた環状フランジの一側、即ち後面に係合するよう適合されている。この管状の部材は、前記リテイナ10の基部12の開口部14を通って、雌型ハウジングの段状開口部即ち従来のようなコネクター部分の中に、挿入されている。 【0016】前記2対の脚部18、20は、前記雌型ハウジングの段状開口部の一端部中に前記リテイナ10を挿入できるように、径方向内方に偏向可能になっている偏向可能な片持ち脚部を、対応した弓状の前記カラー26、28と共に、形成して(define)いる。各カラー26、28の外面の、隆起部(突出部)30と前記掛金フィンガ36、38の隣接、隆起した端部34との間に形成された前記凹んだ溝部32は、前記ハウジング中に前記リテイナ10を着脱可能な形で装着するように、前記雌型ハウジングの対応した端部の中にスナップ係合するように適合されている。前記拡大部(突出部)30は、前記リテイナ10を前記ハウジングから分離できるように、前記導管が前記雌型ハウジングから取り外された後には、再び径方向内方に偏向され得る。 【0017】本発明の独特の態様に係われば、各掛金フィンガ36、38の内面には、図1及びより詳しくは図2乃至図6に示されているように、凹部50が形成されている。この凹部50は、多数の異なった形状からひとつを選択し得るが、一例にのみ従うと、ほぼ多角形もしくは正方形の形状に形成されており、向かい合う1対の側壁52、54並びに1つの端壁56によって形成されている。これら側壁52、54は、各掛金フィンガ36、38の内面に隣接している端部から、端壁56の一端部とで角を形成した他端部の比較的高い位置へと、傾斜している。 【0018】前記凹部50は、前記前縁部40、42へと掛金フィンガ36、38の各内面の全長に沿って切れ目なく形成されるばかりでなく、他の断面形状を有することもできる。 【0019】本発明の前記リテイナ10を形成する際に、1対の対応した鋳型半体60、62には、鋳型キャビティ64、66がそれぞれ設けられており、これらの内面は、前記リテイナ10の様々な部材に合わせた形状を有している。前記リテイナ10の開口した、即ち中空内部を維持するために、移動可能なスライド、即ちピン68が設けられている。前記鋳型半体60、62は、スライド68が延ばされた位置にある時、このスライド68の周囲で閉じる。次に、溶融したプラスチックが、前記鋳型キャビティ64、66の内部、並びにスライド68の周囲に注入され、これら鋳型キャビティ64,66と、前記スライド68の外面との形状に、前記リテイナ10を形成する。 【0020】図6に示されたように、前記スライド68は、1対の突出部70、72を備えるように形成されている。これら突出部70、72は、ほぼ、図1に示されるような前記凹部50の形状を有している。このようにして、開口部が、鋳型半体60、62内の前記鋳型キャビティ64、66の隣接している内面と前記突出部70、72との間に形成され、前記掛金フィンガ36、38を形成する。これら掛金フィンガ36、38が形成されると、掛金フィンガ36、38の各内面は前記突出部70、72により形成された凹部50を有するようになる。 【0021】溶融プラスチックが固形化状態になるまで冷却された後、前記鋳型半体60、62は分離される。従来は、前記掛金フィンガ36、38が、こうした分離により前記スライド68の外面から引き離されるということが度々起きていた。これは、鋳型半体60、62の内面64、66に付着してしまう為である。この結果、前記掛金フィンガ36、38は型崩れし、通常はリテイナが廃物化即ち不良品化された。 【0022】しかし、各掛金フィンガ36、38に形成されたこれら凹部(Notches)50は、前記鋳型半体60、62が分離される間、前記スライド68の前記突出部70、72と共に通風面を形成するので、前記掛金フィンガ36、38は、前記スライド68の前記突出部70、72と係合して所定位置に保持される。前記鋳型半体60、62が完全に分離されると、前記リテイナ10は前記スライド68から分離され得る。 【0023】前記掛金フィンガ36、38の両端部間の夫々の長さに沿ってほぼ傾斜した横断面前記凹部(Notches)50は、比較的均一、即ち一定になるのが、前記凹部50の他の効果である。このことで、弓状カラー26、28に結合している前記掛金フィンガ36、38の厚い端部分を回避できる。この結果、リテイナの廃物化を引き起こすもう一方の原因が起こり得る可能性を最小限に抑えられる。これは、前記溶融プラスチックが、大きい厚みの形成により前記掛金フィンガ36、38の一端部に空隙が生み出されるとき、発泡する傾向を有するためである。 【0024】要約すると、ここで開示されてきた流体コネクター用の独特のリテイナは、内面に凹部を持つ掛金フィンガ形状を有し、この凹部は、前記リテイナのモールド成形を単純化し、前記掛金フィンガの長さに沿った横断面の厚さをより一定化させるのと同時にリテイナの廃物化と不良品化を最小限に抑えるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】596029797 【氏名又は名称】アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド
|
| 【出願日】 |
平成12年11月6日(2000.11.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−173864(P2001−173864A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−338101(P2000−338101) |
|