| 【発明の名称】 |
口金具 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 安英
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| 【要約】 |
【課題】破壊強度を高め、気密性を確保するとともに、一定の品質を保ち、かつ低コストで製造できる口金具を得る。
【解決手段】口金具10の円筒頭部12と円筒首部16とは一体成形されているので、円筒頭部12と円筒首部16とを別々に成形してそれぞれ組付ける場合と比較して、破壊強度及び気密性を高めることができる。また、ホース挿入部20に接合孔22を形成し、この接合孔22に円筒首部16を挿入する構成とすることにより、接合孔22の長さlを長く設定できる。このため、円筒首部16とホース挿入部20との接合強度を高めることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】配管が挿入される挿入部と、油圧機器に連結される連結部と、前記挿入部と前記連結部とを接続する接続部と、を有し、前記配管内部を流れてきた流体を前記挿入部、前記接続部及び前記連結部に形成された流通孔に通して前記油圧機器に送り込む口金具であって、前記連結部と前記接続部とを一体成形し、該接続部を前記挿入部に形成された接続孔に接続したことを特徴とする口金具。 【請求項2】前記連結部と前記接続部は、塑性加工により一体成形したことを特徴とする請求項1に記載の口金具。 【請求項3】前記接続部はろう付けして前記接続孔に接続され、この接続部分の破壊強度を前記接続部の破壊強度よりも大きくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の口金具。 【請求項4】前記挿入部の接続孔は、塑性加工により成形したことを特徴とする請求項3に記載の口金具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、油圧配管と油圧機器とを接続する口金具に関する。 【0002】 【従来の技術】図4(D)に示すように、例えば、ゴムホースと油圧機器を接続するメガネタイプのホース用口金具100が知られている。このホース用口金具100は、ゴムホースが挿入されるホース挿入部102と、キャリパー等に取付けられる円筒頭部104を備えており、ホース挿入部102と円筒頭部104とは円筒首部106で接続されている。この円筒頭部104には、キャリパー取付用のボルト孔108が形成されている。また、ホース挿入部102及び円筒首部106には、油流通孔110が形成されており、ゴムホースから流出してきた油がこの油流通孔110を通り、キャリパーに流入する。 【0003】ここで、このホース用口金具100の製造方法(以下、「第1の製造方法」という。)について説明する。 【0004】図4(A)に示すように、円筒頭部104と円筒首部106とホース挿入部102とが塑性加工により一体成形される。そして、円筒首部106及びホース挿入部102には油流通孔110が形成される。次に、図4(B)に示すように、二面加工が行われ、円筒頭部104の上部及び下部が切断される。これにより、円筒頭部104には平面部104Aが形成される。次に、図4(C)に示すように、ボルト孔加工が行われ、円筒頭部104にボルト孔108が形成される。このボルト孔108は、円筒頭部104を貫通しており、前記油流通孔110と連通している。次に、図4(D)に示すように、円筒首部削り加工が行われ、円筒首部106の径がホース挿入部102の径よりも小さく形成される。 【0005】以上の工程で、ホース用口金具100が形成され、ホース挿入部102にホースを挿入し、円筒頭部104のボルト孔108にボルトを介して油圧機器を連結することにより、ホース内部を流れてきた油を油流通孔110を通して油圧機器に流入させることができる。また、第1の製造方法により製造されたホース用口金具100は、破壊強度及び気密性に優れているため、図5(A)(B)に示すように、円筒首部106に曲げ加工を行い、メガネ金具112として用いられている。 【0006】次に、ホース用口金具100の別の製造方法(以下、「第2の製造方法」という。)について説明する。 【0007】図6(A)に示すように、先ず、円筒頭部104を製造し、ボルト孔108を形成する。次に、図6(B)に示すように、この円筒頭部104に円筒首部106を挿入する横孔114を形成する。次に、図6(C)に示すように、ホース挿入部102と円筒首部106とを塑性加工により一体成形する。そして、図6(D)に示すように、円筒首部106の一端を、円筒頭部104に形成された横孔114に挿入し、ブレージング(ろう付け)等で接合する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の製造方法では、図4(A)に示す塑性加工において、円筒頭部104の据込み加工の加工荷重が大きくなる問題がある。また、加工硬化により油流通孔110を加工するポンチの寿命が短く、生産性が低いという問題がある。さらに、円筒首部106や円筒頭部104の切削加工の工程が含まれるため、品質が低下する可能性があり、また、この品質の低下を防止するための品質保証の工程を別途導入すると、これに伴うコスト高の問題がある。 【0009】一方、上記第2の製造方法では、品質保証面及びコスト面において良好であるが、破壊強度及び気密性の確保に問題がある。すなわち、キャリパーへ接続する必要があるため、円筒頭部104の管厚をあまり大きくすることができない。このため、横孔114の長さを長く設定することができず、円筒頭部104と円筒首部106との接合部の破壊強度を高め、気密性を確保することが困難であり、各組付寸法を厳しく管理する必要がある。特に、図5に示すように、円筒首部106に曲げ加工を施すメガネ金具においては、上記接合部の破壊強度が円筒頭部104や円筒首部106の破壊強度よりも低く、この接合部に大きな応力を加えることができないという問題がある。 【0010】そこで、本発明は、上記事実を考慮し、破壊強度を高め、気密性を確保するとともに、一定の品質を保ち、低コストで製造することができる口金具を提供することを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の口金具は、配管が挿入される挿入部と、油圧機器に連結される連結部と、挿入部と連結部とを接続する接続部と、を有し、配管内部を流れてきた流体を挿入部、接続部及び連結部に形成された流通孔に通して油圧機器に送り込む口金具であって、連結部と接続部とを一体成形し、接続部を挿入部に形成された接続孔に接続したことを特徴とする。 【0012】この構成によれば、連結部と接続部とが一体成形されているので、連結部と接続部とを別々に形成し接続部と連結部が組付けられる場合と比較して、連結部分の破壊強度及び気密性を高くすることができる。特に、連結部に接続部を挿入するための孔を十分に形成することができないため、連結部と接続部とを一体成形することは効果的となる。また、挿入部に接続孔を形成することにより、この接続孔の長さを長くとることができ、挿入部と接続部との接合強度を高めることができる。 【0013】請求項2に記載の口金具は、連結部と接続部は、塑性加工により一体成形したことを特徴とする。 【0014】この構成によれば、連結部と接続部とは非切削加工である塑性加工により一体成形されているので、連結部、接続部及び挿入部を切削加工して一体成形する場合と比較して、品質の向上を図ることができる。このため、品質の向上を図るための工程を別途導入することを回避できるので、低コストを実現できる。 【0015】請求項3に記載の口金具は、接続部はろう付けして接続孔に接続され、この接続部分の破壊強度を接続部の破壊強度よりも大きくしたことを特徴とする。 【0016】この構成によれば、接続部は挿入部の接続孔にろう付けされる。ここで、接続部分の破壊強度を接続部の破壊強度よりも大きくしたので、例えば、接続部を曲げ加工等をすることにより、接続部に応力が作用しても、接続部よりも先に接続部分が破壊することがない。 【0017】請求項4に記載の口金具は、挿入部の接続孔は、塑性加工により成形したことを特徴とする。 【0018】この構成によれば、挿入部の接続孔は、塑性加工により成形されているので、接続孔の精度を高めることができる。このため、接続孔の長さを求めるときの計算に用いる安全率を低下させることができ、この結果、接続孔の長さを短くできる。これにより、挿入部、ひいては、口金具全体を小型化できる。また、接続孔を切削加工する場合と比較して、加工も容易になり、品質の確保やコスト低減を実現できる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る口金具について説明する。図1は、本実施形態に係る口金具の斜視図である。 【0020】図1に示すように、口金具10は、図示しない油圧機器と連結する円筒頭部12を備えている。この円筒頭部12は、上下両部が切断されており、平面部12Aが形成されている。また、円筒頭部12には、ボルト孔14が形成されている。このボルト孔14は、円筒頭部12を上下方向(図1中矢印A方向)に貫通している。なお、このボルト孔14には図示しないボルトが挿通され、口金具10がキャリパーに取り付けられる。 【0021】また、この円筒頭部12の矢印A方向の略中央部には、後述のホース挿入部20と接続する円筒首部16が塑性加工により一体成形されている。この円筒首部16の直径は円筒頭部12の矢印A方向の寸法よりも小さく形成されている。また、円筒首部16には、油が流通する流通孔18が塑性加工により成形されている。この流通孔18は円筒首部16を矢印B方向に貫通して成形され、また、流通孔18の一部は円筒頭部12内部まで到達しており、上記ボルト孔14と連通している。 【0022】上記したように、円筒頭部12と円筒首部16とが塑性加工により一体成形されているので、円筒頭部12と円筒首部16とが別々に成形され両者を組付ける場合と比較して、破壊強度及び気密性を高めることができる。また、円筒頭部12と円筒首部16とは塑性加工により一体成形されるので、低コストで容易に製造することができる。 【0023】また、図1及び図3に示すように、円筒首部16の他端には、塑性加工により成形された円柱状のホース挿入部20が組み付けられる。ここで、図2に示すように、このホース挿入部20の左端面20Aの略中央には、接合孔22が塑性加工により成形されている。円筒首部16の他端がこの接合孔22に挿入されて、ブレージング(ろう付け)等で接合される。これにより、円筒首部16とホース挿入部20とが接続される。 【0024】このように、円筒首部16とホース挿入部20とはブレージング等により接合されるので、円筒首部16とホース挿入部20とが一体成形されその後切削加工により円筒首部16の径が縮小される場合と比較して、切削工程を省くことができ、品質向上を図ることができる。また、品質向上を図るための工程を別途設ける必要がなく、低コストを実現することができる。 【0025】また、ホース挿入部20の右端面20Bには、ホース接続溝24が塑性加工により成形されている。このホース接続溝24は、平面視で円管状に成形されている。また、ホース接続溝24の内側には、ホース内部を流れてきた油を通すための通孔26が塑性加工により成形されている。この通孔26は、ホース挿入部20を貫通し、ホース挿入部20の右端面20Bと接合孔22の底部とを結んでいる。また、この通孔26は上記流通孔18と略同径に成形されており、円筒首部16とホース挿入部20とが接合すると、通孔26と流通孔18とが連通する構成である。 【0026】ここで、口金具10の強度についての一例を説明する。 【0027】上記ブレージングに使用されるロウ材として、無酸素銅ロウが用いられる。銅の引張強度は195〜240N/mm2程度であるが、以下の説明において200N/mm2を例にとり計算する。一方、円筒首部16に使用される素材の材質は、S10C程度が多く、その引張強度は400N/mm2程度である。また、図2に示すように、円筒首部16の外径mを7mm、流通孔18の直径kを2.5mmと設定する。なお、図示しないが、円筒頭部12の外径は17mm、ボルト孔14の直径は10mmが好ましい。 【0028】一般に、円筒首部16の素材強度は、(実質)断面積×引張強度で算出できるため、上記各数値を代入し、素材強度(破壊強度)を求めると、【0029】 【数1】
【0030】となり、素材強度は13400(N)と求まる。 【0031】したがって、この強度以上の破壊強度を円筒首部16とホース挿入部20との接合部28に確保すれば、接合部28に応力が作用しても円筒首部16よりも先に破壊することはない。 【0032】ここで、接合部28の破壊強度は、接合面積×ロウ材強度で算出できるため、安全率1.5を用いて、接合部28が上記13400(N)以上の破壊強度をもたせるための接合孔22の長さl(図3参照)を求めると、【0033】 【数2】
【0034】となり、接合孔22の長さlは約4.6mmと求まる。 【0035】したがって、上記具体例では、接合孔22の長さlを4.6mm以上に設定することにより、接合部28の破壊強度を円筒首部16の素材強度以上とすることができる。この結果、円筒首部16の曲げ加工時に円筒首部16に曲げ応力が作用しても、接合部28からの破断は生じず、気密性も確保できる。 【0036】なお、円筒首部16の素材強度が変わっても、上記接合孔22の長さlを適正な長さに変更することにより、容易に円筒首部16以上の強度に設定できる。これにより、接合孔22の長さlの必要最小限の数値が算出できる。この結果、接合孔22の長さlを必要最小限の値とすることで、円筒首部16の長さも必要最小限とすることが可能となり、口金具10の軽量化及び省資源を図ることができる。 【0037】また、ホース挿入部20の軸方向の長さは、円筒首部16の素材強度によってほぼ決定されるが、軽量化のためホース挿入部20の長さを短くするには、(式2)において安全率を小さくする必要がある。ここで、接合部28における円筒首部16とホース挿入部20の組付精度を向上させることにより、安全率を低下させることができる。これにより、接合孔22の長さlを短くでき、接合孔22の長さlを短くすることによりホース挿入部20自体の長さも短くできる。 【0038】本実施形態では、接合部28の組付け精度を向上させるため、上記接合孔22、流通孔18及び通孔26をそれぞれ塑性加工により成形することにより、各孔のバラツキ精度を0.01mm以下にすることができる。このため、安全率を1.2程度に低下させることができる。安全率1.2を用いて、接合孔22の長さlを計算すれば約3.7mmと求まり、安全率1.5の場合の接合孔22の長さl(約4.6mm)よりも短くできる。さらに、加工工程も容易になり、切削加工を省くことができるため、品質低下及びコスト高を防止できる。 【0039】以上の説明において、上記口金具10は油圧配管用のものを用いたが、これに限られず他の流体用の口金具にも応用することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明の口金具によれば、破壊強度と気密性を確保しつつ、一定の品質を保ち、かつ低コストで製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592061050 【氏名又は名称】大川精螺工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−173862(P2001−173862A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−362776 |
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