| 【発明の名称】 |
配管及びその製造方法並びに継手構造体 |
| 【発明者】 |
【氏名】萩原 秀樹
【氏名】堀越 秀樹
【氏名】寺西 達彦
【氏名】木村 登
【氏名】大久保 恒
|
| 【要約】 |
【課題】異なる仕様の管継手に対しても良好なシール性を確保しつつ結合できるようにすること。
【解決手段】先端にフレア部29を備え、このフレア部が管継手23(23A、23B)のシール部に気密又は液密に密着して当該管継手に結合可能なブレーキ配管21において、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状のシール部27、28に対し、上記フレア部が気密又は液密に密着可能に構成されたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端にフレア部を備え、このフレア部が管継手の内部に気密または液密に密着して当該管継手に結合可能な配管において、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、上記フレア部が気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とする配管。 【請求項2】 上記一方の管継手の内部が凸形状に、他方の管継手の内部が凹形状にそれぞれ形成され、上記フレア部は、内面が上記凸形状の内部に、端面が上記凹形状の内部に、それぞれ気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の配管。 【請求項3】 上記フレア部は、内面の開き角度が約90度に、端面の開き角度が約115度に、それぞれ設定されたことを特徴とする請求項2に記載の配管。 【請求項4】 配管のフレア部と管継手の内部とが気密または液密に密着されて、上記配管と上記管継手とが結合された継手構造において、上記配管の上記フレア部は、異なる仕様の上記管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とする継手構造体。 【請求項5】 上記一方の管継手の内部が凸形状に、他方の管継手の内部が凹形状にそれぞれ形成され、上記配管のフレア部は、内面が上記凸形状の内部に、端面が上記凹形状の内部に、それぞれ気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とする請求項4に記載の継手構造体。 【請求項6】 上記配管のフレア部は、内面の開き角度が約90度に、端面の開き角度が約115度に、それぞれ設定されたことを特徴とする請求項5に記載の継手構造体。 【請求項7】 管継手の内部に気密または液密に密着可能なフレア部を有する配管の製造方法において、上記フレア部が塑性加工により成形され、第一工程で、上記配管の先端部が折り曲げられて上記フレア部が仮成形され、第二工程で、内面及び端面が成形されて上記フレア部が仕上げ成形されることを特徴とする配管の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、管継手とナットを用いて気密又は液密に結合される配管及びその製造方法、並びにこれらの配管と管継手から構成された継手構造体に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、自動四輪車のブレーキ系統では、金属製の配管とゴム製のブレーキホースとが管継手を用いて接続されている。これらの配管及び管継手は、日本国内の自動車製造会社では、JASO F402−90に従った図4(A)に示す配管1及び管継手2が採用され、また、欧州又は北米地域の自動車製造会社では、ISO 4038−1996に従った図4(B)に示す配管11及び管継手12が採用されている。 【0003】図4(A)に示す配管1では、先端部のフレア部3における開き角θ1がθ1=90度に、管継手2の内部に設けられた凸形状のシール部4の開き角θ2が、θ2=84度にそれぞれ設定されている。管継手2にブレーキホース5が嵌装され、この管継手2のシール部4に配管1のフレア部3が液密に密着されるよう、ナット6を用いて配管1と管継手2とが結合されて、配管1とブレーキホース5とが接続される。 【0004】また、図4(B)に示す配管11では、先端部のフレア部13における開き角φ1がφ1=115度に、管継手12の内部に設けられた凹形状のシール部14の開き角φ2が、φ2=120度にそれぞれ設定されている。管継手12にブレーキホース15が嵌装され、この管継手12のシール部14に図1のフレア部13が液密に密着されるよう、ナット16を用いて配管11と管継手12とが結合されて、配管11とブレーキホース15とが接続される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、部品が国際調達される機運にあり、日本国内の自動車製造会社においても、JASO仕様の部品からISO仕様の部品へと変更されつつある。従って、ブレーキ系統の製造工程において、二種類の配管1、11と、同じく二種類の管継手2、12が流れることになり、配管と管継手とを誤って組み付けてしまう恐れがある。 【0006】例えば、図5に示すように、JASO F402−90に従った配管1に、ISO 4038−1996に従った管継手12を組み付けてしまう可能性がある。このように、配管と管継手とを誤って組み付けてしまった場合には、配管と管継手との間でシール性が不適切となって、ブレーキオイルが漏洩する恐れがある。 【0007】上述の事情を考慮し、請求項1及び4に記載の発明の目的は、異なる仕様の管継手に対しても良好なシール性を確保しつつ結合できる配管及び継手構造体を提供することにあり、また、請求項7に記載の発明の目的は、フレア部を高精度に成形できる配管の製造方法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、先端にフレア部を備え、このフレア部が管継手の内部に気密または液密に密着して当該管継手に結合可能な配管において、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、上記フレア部が気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とするものである。 【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載において、上記一方の管継手の内部が凸形状に、他方の管継手の内部が凹形状にそれぞれ形成され、上記フレア部は、内面が上記凸形状の内部に、端面が上記凹形状の内部に、それぞれ気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とするものである。 【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記フレア部は、内面の開き角度が約90度に、端面の開き角度が約115度に、それぞれ設定されたことを特徴とするものである。 【0011】請求項4に記載の発明は、配管のフレア部と管継手の内部とが気密または液密に密着されて、上記配管と上記管継手とが結合された継手構造において、上記配管の上記フレア部は、異なる仕様の上記管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とするものである。 【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、上記一方の管継手の内部が凸形状に、他方の管継手の内部が凹形状にそれぞれ形成され、上記配管のフレア部は、内面が上記凸形状の内部に、端面が上記凹形状の内部に、それぞれ気密または液密に密着可能に構成されたことを特徴とするものである。 【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、上記配管のフレア部は、内面の開き角度が約90度に、端面の開き角度が約115度に、それぞれ設定されたことを特徴とするものである。 【0014】請求項7に記載の発明は、管継手の内部に気密または液密に密着可能なフレア部を有する配管の製造方法において、上記フレア部が塑性加工により成形され、第一工程で、上記配管の先端部が折り曲げられて上記フレア部が仮成形され、第二工程で、内面及び端面が成形されて上記フレア部が仕上げ成形されることを特徴とするものである。 【0015】請求項1乃至6に記載の発明には、次の作用がある。 【0016】配管のフレア部が、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、気密または液密に密着可能に構成されたことから、配管は、異なる仕様の管継手のいずれにも対応できる。従って、異なる仕様の管継手と配管とを良好なシール性を確保しつつ結合させることができる。このため、結合される配管と管継手との不適合により生ずる流体の漏洩を確実に防止できる。 【0017】請求項7に記載の発明には、次の作用がある。 【0018】配管のフレア部が第一工程及び第二工程により段階的に成形されたことから、フレア部の内面及び端面を高い寸法精度で成形することができる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。 【0020】図1は、本発明に係る継手構造体の一実施の形態が適用された自動四輪車用ブレーキ配管とブレーキホースとの接続状態を示す正面図である。 【0021】この図1に示すように、自動四輪車のブレーキ系統におけるブレーキ配管21と、ブレーキホース22とは、管継手23及びナット24を用いて接続される。 【0022】このとき、ブレーキ配管21、管継手23及びナット24は、ブレーキ配管21と管継手23とが気密又は液密に結合された継手構造体20を構成する。 【0023】上記管継手23は、従来と同様に2種類の仕様があり、一はJASO F402−90に準拠した管継手23A(図2(A))であり、他はISO 4038−1996に準拠した管継手23B(図2(B))である。 【0024】これらの管継手23A及び23Bは、図1に示すように、ともに、ブレーキホース22を嵌装可能なニップル部25と、ナット24を螺合可能なスリーブ部26とを備えてなり、更に内部に、図2(A)及び図2(B)に示すように、管継手23Aは、シール部27を、管継手23Bはシール部28をそれぞれ有する。これらのシール部27とシール部28は異なる形状であり、シール部27は凸の円錐面形状に形成され、シール部28は凹の円錐面形状に形成される。シール部27の開き角θaはθa=84度に設定され、シール部28の開き角θbはθb=120度にそれぞれ設定される。 【0025】また、上記ブレーキ配管21は先端にフレア部29を有する。このフレア部29は、JASO M101−94に示すように、ブレーキ配管21の先端が折り重ねられ、先端へ向かうにしたがって順次拡径して形成されたものである。更に、このフレア部29は、図3(C)に示すように、その内周面30の開き角θcがθc=90度±2度に、端周面31の開き角θdがθd=115度±2度にそれぞれ設定されたものである。 【0026】このブレーキ配管21のフレア部29は、図3に示すように、ブレーキ配管21の先端を段階的に塑性加工して成形される。つまり、第一加工工程では、図3(A)に示すように、金型32及び33を用いて、ブレーキ配管21の先端を折り曲げ加工してフレア部29を仮成形する。引き続く第二加工工程では、図3(B)に示すように、金型34及び35を用いて、仮成形されたフレア部29を折り重ねて仕上げ成形する。この第二加工工程において、フレア部29に上記寸法の開き角θcを有する内周面30と、上記寸法の開き角θdを有する端周面31とがそれぞれ形成される。 【0027】図2(A)及び(B)に示すように、管継手23Aまたは23Bのスリーブ部26に、ナット24を用いてブレーキ配管21を結合させたときには、ブレーキ配管21のフレア部29における内周面30が、管継手23Aのシール部27に気密又は液密に密着され、また、フレア部29における端周面31が、管継手23Bのシール部28に気密又は液密に密着される。 【0028】次に、本実施の形態に係る継手構造体20と、図4(A)及び(B)に示した従来の継手構造体と、配管と管継手とが誤って組み付けられた継手構造体とのシール性能を評価した試験結果を表1に示す。 【0029】 【表1】
この表1では、1行2列の枠に、配管及び管継手が共にJASO仕様の図4(A)に示す継手構造体を表記し、1行3列の枠に、配管及び管継手が共にISO仕様の図4(B)に示す継手構造体を表記している。更に、この表1では、1行4列の枠に、配管が本実施の形態のもので、管継手がISO仕様のものの図2(B)に示す継手構造体20を表記し、1行5列の枠に、配管がJASO仕様で、管継手がISO仕様であり、図5に示すように誤って組み付けられた継手構造体を表記している。 【0030】各継手構造体を20個づつ合計60個用意し、それぞれにおいて、ナット24を50kgf・cm(4.9N・m)、80kgf・cm(7.84N・m)、100kgf・cm(9.8N・m)の各締付トルクで締め付ける。これらの各締付トルクで締め付けられた継手構造体について、150kgf/cm2(1.47×107 Pa)の水圧を1分間作用したときの水の漏洩の有無を判定した。 【0031】この結果、誤って組み付けられた図5に示す継手構造体において、50kgf・cmの締め付けトルクのときに20個中3個に水の漏洩が確認され、また、80kgf・cmの締め付けトルクのときに20個中1個に水の漏洩が確認された。これら以外の場合には、水漏れは確認されなかった。 【0032】以上のことから、上記実施の形態によれば、次の効果■及び■を奏する。 【0033】■ブレーキ配管21のフレア部29が、管継手23Aのシール部27と管継手23Bのシール部28に対し、気密又は液密に密着可能に構成されたことから、ブレーキ配管21は異なる仕様の管継手23A、23Bのいずれにも対応できる。従って、異なる仕様の管継手23A及び23Bとブレーキ配管21とを良好なシール性を確保しつつ結合させることができ、このため、結合されるブレーキ配管21と管継手23A、23Bとの不適合による生ずる液体(ブレーキオイル)の漏洩を確実に防止できる。 【0034】■ブレーキ配管21のフレア部29が第一加工工程及び第二加工工程により段階的に成形されたことから、フレア部29の内周面30及び端周面31を高い寸法精度で成形できる。 【0035】以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0036】例えば、ブレーキ配管21のフレア部29は、ブレーキ配管21の先端が折り重ねられたものでなく、JASO M101−94の如く折り重ねられず一重のものでもよく、また、機械構造用炭素鋼鋼管で製造されたものでもよい。また、上記実施の形態では、自動四輪車のブレーキ系統に用いられる配管と管継手のものにつき述べたが、気体又は流体を流動させる配管及び管継手に本発明を適用できる。 【0037】 【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に係る配管によれば、先端部のフレア部が、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、気密又は液密に密着可能に構成されたことから、異なる仕様の管継手に対しても良好なシール性を確保しつつ、当該管継手に配管を結合させることができる。 【0038】請求項4に記載の発明に係る継手構造によれば、配管のフレア部が、異なる仕様の管継手におけるそれぞれ異なる形状の内部に対し、気密又は液密に密着可能に構成されたことから、異なる仕様の管継手に対しても良好なシール性を確保しつつ当該管継手と配管とを結合させることができる。 【0039】請求項4に記載の発明に係る配管の製造方法によれば、配管のフレア部が塑性加工により成形され、第一工程で、配管の先端部が折り曲げられてフレア部が仮成型され、第二工程で、内面及び端面が成形されてフレア部が仕上げ成形されたことから、フレア部を高い寸法精度に成形できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年12月15日(1999.12.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091823 【弁理士】 【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−173851(P2001−173851A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−355891 |
|