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【発明の名称】 ガス管工事現場における防災工法
【発明者】 【氏名】佐竹 志伸

【氏名】小林 真澄

【氏名】猪股 渉

【要約】 【課題】ガス管工事現場における火災に対して、ガス遮断部材の破損による二次災害を防止する。

【解決手段】ガス管路1には、ガス遮断部材であるバッグ7の挿入孔1aが穿孔されており、この挿入孔1aからバッグ7,7が挿入されている。このバッグ7の挿入孔箇所周辺のガス管路を熱発泡性部材8で包囲する。これによって、周辺で発生した火災に対して、熱発泡性部材8が発泡して断熱・遮断層を形成し、バッグ7の熱による破損を防止すると共にガスの放出を防止することが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 埋設ガス管路における工事区間の両側に掘削立て坑を形成し、該掘削立て坑内のガス管路にガス遮断部材を挿入するガス管工事現場において、上記ガス遮断部材挿入箇所の周辺を火災時に発泡して断熱層を形成する熱発泡性部材で包囲することを特徴とするガス管工事現場における防災工法。
【請求項2】 上記熱発泡性部材は、密封シートに熱発泡材層を形成したものであることを特徴とする請求項1記載のガス管工事現場における防災工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス管工事現場における防災工法に関し、更に詳しくは、埋設された都市ガス管路の工事区間両側を遮断してバイパス管路を設置するガス管工事現場周辺で発生した火災に対処するための防災工法に関する。
【0002】
【従来の技術】埋設された都市ガス管路の部分取り替え等の工事について図3に基づいて説明する。1は地中に埋設されている都市ガスの既設管路である。工事の工程は以下のとおりである。■.工事区間Dの両側に掘削立て坑A,Bを形成する。■.管路が繋がっている状態で管路に穿孔してバイパス管4を取り付ける。■.バイパス管4の取り付け箇所と工事区間の間にバッグ挿入孔を穿孔し、この挿入孔からバッグ7(ガス遮断部材)を挿入した後にこのバッグ7を膨らませて工事区間の両側でガスの流通を遮断する。■.パイパス管4のコックを開いて工事区間を跨いだガスの供給を行いながら、取り替え等の工事を施す。
【0003】上述したガス管工事現場の防災としては、上記バッグの収縮或いは破損等の予期せぬ事態が生じて、ガス漏れが発生する危険性があり、この危険を回避するために、上記のバッグ挿入孔の上に放散管を8を立設し、漏れたガスを放散管8を介して掘削立て坑A,Bの外に放出することがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のガス管工事現場において火災が発生すると、この一次的な火災によってガス管路に挿入されたガス遮断部材であるバッグが破損し、これによって大量のガスがガス管工事現場周辺に放出されることでガス爆発等の二次的な災害が発生する危険性がある。
【0005】本発明は、このような二次災害を防止するために提案されたものであって、ガス管工事現場におけるガス火災に対して、バッグの熱損を防止しすると共にガスの放出を遮断して、ガス噴出による二次災害を防止することを可能にした防災工法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によるガス管工事現場における防災工法は、埋設ガス管路における工事区間の両側に掘削立て坑を形成し、該掘削立て坑内のガス管路にガス遮断部材を挿入するガス管工事現場において、上記ガス遮断部材挿入箇所の周辺を火災時に発泡して断熱層を形成する熱発泡性部材で包囲することを特徴とする。また、更に具体的には、上記熱発泡性部材は、密封シートに熱発泡材層を形成したものであることを特徴とする。
【0007】上記特徴を具備するガス管工事現場における防災工法によると、ガス管工事現場における掘削立て坑内のガス遮断部材挿入箇所周辺で発生した火災に対して、火災による熱で熱発泡性部材が発泡し、ガス遮断部材挿入箇所周辺に断熱層を形成する。これによって、ガス遮断部材を熱から保護して、ガス遮断部材の破損を防止することができる。また、熱発泡性部材の発泡によって、ガス遮断部材の挿入箇所周辺を発泡炭化層が覆うことになるので、ガス管内部への熱の伝達を遮断すると共にガス漏れ箇所を発泡炭化層が塞いでガスの放散を防止することが可能になる。
【0008】熱発泡性部材によってガス遮断部材挿入箇所周辺を包囲するには、熱発泡性材層をガス遮断部材挿入箇所周辺のガス管路外周面に形成することによって成される。そのため、熱発砲性材を例えばボール状に形成し、それをガス遮断部材挿入箇所周辺のガス管路外周面に投げ込み、熱発泡性材層を形成させる。また、ガスの放出を完全に防止するためには、より強固な密封手段が要求される。このためには、密封シートに熱発泡材層を形成したシート部材が用いられる。このシート部材でガス管路の外周面を包囲すると、熱によって熱発泡材層が発泡して形成される発泡炭化層が断熱作用を有し、密封シートがガス放出を遮断するので、熱によるガス遮断部材の破損を防止すると共にガス漏れ箇所が完全に封止され、二次災害を完全に防止することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例に係るガス管工事現場における防災工法を示す説明図である。図において、工事区間の片側に形成された掘削立て坑A周辺の工事現場であって、1はガス管路、2a,2bはバイパス管取り付け用のサドル、3は接続継手、4はバイパス管を示している。ガス管路1には、ガス遮断部材であるバッグの挿入孔1aが穿孔されており、この挿入孔1aからバッグ7,7が挿入されている。このガス管工事現場においては、バッグ7を越して挿入孔1a等から漏れ出たガスに火気が引火してガス火災が発生する危険性があり、この一次的なガス火災によってバッグ7が完全に破損し、大量のガスがバッグ挿入箇所周辺から噴出してガス爆発等の二次災害を引き起こす危険性がある。これに対処するため、図1(a)に示す如く、バッグ7の挿入孔箇所周辺のガス管路を熱発泡性部材8で包囲する。この熱発泡性部材8は、アクリル樹脂を基材としてポリリン酸アンモニウム等の発泡剤を添加して成る熱発泡性樹脂であって、これを投げ込み可能な大きさのボール状に形成し、上記挿入箇所周辺に投げ込み、ガス管路外周面に熱発泡性材層を形成する。
【0010】上記熱発泡性樹脂を構成するアクリル樹脂としては、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル、アクリル酸エステルなどのアクリル基を有するものの重合体、あるいはメタクリル基を有するメタクリル酸エステルなどの重合体、またはそれらのモノマーの共重合体等が用いられ、上記の発泡剤としては、ポリリン酸アンモニウムの他に、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、酢酸アミル、酢酸ブチル等が用いられる。
【0011】上記熱発泡性部材8が火災による熱にさらされると、約200℃以上で発泡し、同時にアクリル酸が炭化して図1(b)に示すような炭化発砲層8’が形成され、この炭化発砲層8’がバッグ挿入箇所周辺を覆うことになる。この炭化発砲層8’は断熱・遮炎・吸熱作用を有するので、バッグを熱から保護してバッグ破損による二次災害を防止することが可能になる。また、炭化発砲層8’は気密性があるので、バッグ挿入孔1a等の開口箇所を封止して放出ガスを遮断することができる。また、炭化発砲層8’の形成時に不燃性である水蒸気や炭酸ガスが発生されるので、この水蒸気や炭酸ガスによる一次火災の窒息消火作用を期待することもできる。
【0012】図2は、本発明の他の実施例を示す説明図である。この実施例は、バッグ挿入箇所周辺のガス管路外周面をシート部材9で覆うものである。このシート部材9は、密封シート9aの外表面に上記の熱発泡性樹脂を塗布した熱発泡材層9bを形成したものである。密封シートとしては、ポリエチレン等の難燃性プラスチックシートが適する。
【0013】この実施例によると、周辺の火災による熱で熱発泡材層9bが発泡して、図1(b)と同様にガス管路1の外周に炭化発砲層が形成され、この炭化発砲層の断熱作用でバッグの熱による破損が防止される。更に、ガス管路1の外周面は密封シート9aによって覆われているので、バッグ挿入孔1a等は完全に封止されており、ガスの噴出を完全に防止することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるもので、ガス管工事現場におけるガス遮断部材の挿入箇所周辺を熱発泡性部材で包囲したので、周辺で発生した火災に対して、熱発泡性部材が発泡して断熱・遮断層を形成し、ガス遮断部材の熱による破損を防止すると共にガスの放出を防止することが可能になる。これによって、ガス管工事現場に周辺の火災による二次災害を防止することができる。また、熱発泡性部材は発泡時に炭酸ガス等の不燃物を発生するので、一次火災に対する消火作用も期待できる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−173841(P2001−173841A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−358880