| 【発明の名称】 |
オリフィス板 |
| 【発明者】 |
【氏名】篠崎 隆司
【氏名】奥津 良之
【氏名】大谷 秀雄
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| 【要約】 |
【課題】キャビテーション気泡の消滅位置すなわちキャビテーション回復位置を流体の流れ方向に分散させることによって、配管の振動とこれにともなう騒音を低減することが可能なオリフィス板の提供を課題とする。
【解決手段】オリフィス板10の中心付近設けられた第1の貫通孔10aと周辺付近に設けられた複数の第2の貫通孔10bとの内径を前者が後者よりも大きくなるように差異をつけるとともに、第1の貫通孔10aを入り口の広いフローノズル形状とし、第2の貫通孔10bを管軸方向に断面積の変化のないストレート管形状としたことを解決手段とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の貫通孔を備え、流体が流れる管路の中に設置されて、その流体に圧力損失を発生させるオリフィス板であって、中心付近設けられた第1の貫通孔と周辺付近に設けられた第2の貫通孔との形状およびまたは内径が異なることを特徴としたオリフィス板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流体輸送配管内に配置されて流体に圧力損失を与えるオリフィス板に関する。【0002】 【従来の技術】図9に示すとおり、中心にひとつの貫通孔4aを設けたオリフィス板4が知られている。【0003】 【発明が解決しようとする課題】図9は、液体のような非圧縮性流体が管路(内径D)内を充満して流れるときのオリフィス板4付近の流れの様子とその流体の圧力変化を示す。流体はオリフィス板4の上流側Dに相当した距離あたりではがれ、オリフィス板4の貫通孔4aを通過した後も慣性のため収縮を続け、オリフィス板4からD/2ぐらい離れたところでの断面積は最小(縮流)となる。このはがれはじめの断面を位置1、縮流の断面を位置2とすると、位置2では流速が最大となり、従って圧力Pが最低の圧力P2となる。そのため、流体の飽和蒸気圧がこの圧力P2よりも高い場合には流体が気化してキャビテーション気泡が発生する。この位置2よりも下流では流体の圧力が上昇するので、流体の圧力が飽和蒸気圧を越える位置においてキャビテーション気泡が一斉に消滅する。このとき気泡が潰れる衝撃によって、振動が発生する。配管の略同位置で振動が発生するため、この振動が配管に伝わって騒音や共振の発生を招く。また、同径・同一形状の貫通孔を複数設けた多孔オリフィス板も知られているが、これにも同様の問題がある。 【0004】また、従来の調節弁内蔵用オリフィス板において、図10の側断面図に示すように、オリフィス板5の周囲に雄ネジ5scを刻設しておき、ネジ構造による座面摩擦で配管6に固定する構造であった場合に、オリフィス板5のねじ込みが不十分であると流体反力によりネジが緩んでしまう可能性があった。【0005】本発明は、上記従来のオリフィス板の持つ問題点を解消し、キャビテーション気泡の消滅位置すなわちキャビテーション回復位置を流体の流れ方向に分散させることによって、配管の振動とこれにともなう騒音を低減することが可能なオリフィス板の提供を第1の課題とする。本発明は、また、上記従来の調節弁内蔵要オリフィス板の持つ問題点を解消し、流体反力によりネジが緩んでしまう可能性のないオリフィス板の提供を第2の課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決した本発明の第1の態様は、複数の貫通孔を備え、流体が流れる管路の中に設置されて、その流体に圧力損失を発生させるオリフィス板であって、中心付近設けられた第1の貫通孔と周辺付近に設けられた第2の貫通孔との形状およびまたは内径が異なることを特徴としたオリフィス板である。 【0007】上記のように構成すれば、貫通孔の形状およびまたは内径の差異により、中心付近の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置と、周辺付近の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置とが異なるので、キャビテーションの回復にともなう配管の振動発生や管内壁腐食の位置が分散される。また、周辺付近の第2の貫通孔を通過した流体の流れが、中心付近の第1の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置において緩衝材としての役割を果たす。その結果として、騒音および管内損傷の低減を図ることができる。【0008】本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1の貫通孔は、その断面積が管軸方向で徐々に変化するフローノズル形状、ベンチュリ管形状またはテーパ管形状等のいずれかであり、前記第2の貫通孔は、その断面積が管軸方向で一定のものであることを特徴とするオリフィス板である。【0009】上記のように構成すれば、前記第1の態様の作用・効果に加えて、さらに、懸濁液や多少の固形物を含む液体あるいは高速流体等の磨耗腐食性の高い流体に適しているものが得られる。【0010】本発明の第3の態様は、上記第1の態様において、前記第1の貫通孔は流体の流れ方向を変化させる斜め孔または内壁に斜めのフィンを備えた貫通孔等のいずれかであり、前記第2の貫通孔はその流体の流れ方向が管軸方向に平行なストレートなものであることを特徴とするオリフィス板である。【0011】上記のように構成すれば、前記第1の態様の作用・効果と同じ作用効果をさらに増大させることができる。【0012】前記第1および第2の課題を解決した本発明の第5の態様は、上記第3または第4の態様において、前記オリフィス板を前記流体が流れる管路の中にネジ込みによって固定するものである場合に、前記第1または第2の貫通孔がこれを通過する流れの方向を、流体反力によってオリフィス板をネジ込み方向に回転させるようなトルクを発生させる方向に変化させるものであることを特徴とするオリフィス板である。【0013】上記のように構成すれば、上記第3または第4の態様の作用・効果の他に、オリフィス板のネジの緩みを防止することができる。【0014】前記第2の課題のみを解決した本発明の第6の態様は、オリフィス板を前記流体が流れる管路の中にネジ込みによって固定するものである場合に、いくつかの貫通孔の方向を、その中を流れる流体の反力によってネジが締まる方向にトルクが発生するように、流れ方向に対して角度を持たせたことを特徴とするオリフィス板である。 【0015】上記のように構成すれば、オリフィス板のネジの緩みを防止することができる。【0016】前記第2の課題のみを解決した本発明の第7の態様は、オリフィス板を前記流体が流れる管路の中にネジ込みによって固定するものである場合に、オリフィス板の上流側の表面に、これに衝突する流体の反力によって、ネジが締まる方向にトルクが発生するように、複数の突起を設けたことを特徴とするオリフィス板である。 【0017】上記のように構成すれば、オリフィス板のネジの緩みを防止することができる。【0018】 【発明の実施の形態】本発明の実施の態様を添付の図面を参照して以下に説明する。図1は第1または第2の実施の態様に係る本発明のオリフィス板の一実施の形態の正面図、図2は同実施の形態のオリフィス板を流体が流れる管路の中に設置した状態とその作用を示す側断面図である。【0019】本実施の形態におけるオリフィス板10は、図1および図2に示すように、中心付近設けられた第1の貫通孔10aと周辺付近に設けられた複数の第2の貫通孔10bとの内径を前者が後者よりも大きくなるように差異をつけるとともに、第1の貫通孔10aを入り口の広いフローノズル形状とし、第2の貫通孔10bを管軸方向に断面積の変化のないストレート管形状としたものである。【0020】上記のように構成することによって、第1の貫通孔10aと第2の貫通孔10bとの形状および内径の差異により、図2に示すように、中心付近の第1の貫通孔10aを通過した流体のキャビテーション回復位置11aと、周辺付近の第2の貫通孔10bを通過した流体のキャビテーション回復位置11bとが、前者がオリフィス板出側より相対的に遠い位置に、後者がオリフィス板出側より相対的に近い位置にあってそれぞれ異なるので、キャビテーションの回復にともなう配管の振動発生や管内壁腐食の位置が分散される。また、周辺付近の第2の貫通孔10bを通過した流体の流れが、中心付近の第1の貫通孔10aを通過した流体のキャビテーション回復位置11aにおける緩衝材としての役割を果たす。その結果として、騒音および管内損傷の低減を図ることができる。【0021】なお、上記の実施の形態においては、第1の貫通孔10aをフローノズル形状としたが、本発明はこれに限るものではなく、入り口と出口の内径が管軸方向中央部の内径よりも大きなベンチュリ管形状や、入り口と出口の内径が異なるテーパ管形状としてもよく、要するに、その断面積が管軸方向で徐々に変化するような形状であればよい。このような形状とすることによって、上記の作用・効果に加えて、さらに、懸濁液や多少の固形物を含む液体あるいは高速流体等の磨耗腐食性の高い流体に適しているものが得られる。【0022】図3は第3の実施の態様に係る本発明のオリフィス板の一実施の形態の正面図、図4は同実施の形態のオリフィス板を流体が流れる管路の中に設置した状態とその作用を示す斜視図である。【0023】本実施の形態におけるオリフィス板12は、図3および図4に示すように、中心付近設けられた第1の貫通孔12aは流体の流れ方向を変化させる斜め孔とし、周辺付近に設けられた複数の第2の貫通孔12bは流体の流れ方向を変化させないストレート孔としたものである。【0024】上記のように構成することによって、第1の貫通孔12aと第2の貫通孔12bとの流体の流れ方向の差異により、図4に示すように、中心付近の第1の貫通孔12aを通過した流体により渦が発生するために、そのキャビテーション回復位置13aと、周辺付近の第2の貫通孔12bを通過した流体のキャビテーション回復位置12bとが、前者がオリフィス板出側より相対的に近い位置に、後者がオリフィス板出側より相対的に遠い位置にあってそれぞれ位置が異なるので、キャビテーションの回復にともなう配管の振動発生や管内壁腐食の位置が分散される。また、周辺付近の第2の貫通孔12bを通過した流体の流れが、中心付近の第1の貫通孔12aを通過した流体のキャビテーション回復位置13aにおける緩衝材としての役割を果たす。その結果として、騒音および管内損傷の低減を図ることができる。【0025】図5は第4および第5の実施の態様に係る本発明のオリフィス板と同じ作用・効果を奏する発明の一実施の形態の正面図、図6は同実施の形態のオリフィス板を流体が流れる管路の中に設置した状態とその作用を示す斜視図である。【0026】本発明の実施の形態におけるオリフィス板16は、リング状のオリフィス板16の内壁に複数の斜めのフィン16fを設けたものである。なお、このオリフィス板16はねじ込みによって流体の流れる配管内に固定されるものであって、前記の斜めのフィンの方向は、このフィンに沿って通過する流れの方向を、流体反力によってオリフィス板16をネジ込み方向に回転させるようなトルクを発生させる方向に変化させる方向に形成されている。 【0027】上記のように構成することによって、図6に示すように、リング状のオリフィス板16の内壁の複数の斜めのフィン16fに沿って、これに導かれて流れる流体により渦が発生するために、そのキャビテーション回復位置17bと、リング状のオリフィス板16の中央部を通過した流体により渦が発生せず、そのキャビテーション回復位置17aとは、前者がオリフィス板出側より相対的に近い位置に、後者がオリフィス板出側より相対的に遠い位置にあってそれぞれ位置が異なるので、キャビテーションの回復にともなう配管の振動発生や管内壁腐食の位置が分散される。また、内壁のフィン16fに沿って通過した流体の流れが、中央を通過した流体のキャビテーション回復位置17aにおける緩衝材としての役割を果たす。その結果として、騒音および管内損傷の低減を図ることができる。また、前記内壁のフィン16fに沿って通過する流れの方向を、流体反力によってオリフィス板16をネジ込み方向に回転させるようなトルクを発生させる方向に変化させるのでオリフィス板のネジの緩みが防止される。 【0028】図7は第6の実施の態様に係る本発明のオリフィス板の一実施の形態を流体が流れる管路の中に設置した状態とその作用を示す斜視図である。本実施の形態におけるオリフィス板18は、オリフィス板18を前記流体が流れる管路の中にネジ込みによって固定するものであって、いくつかの貫通孔18aの方向を、ネジが締まる方向にトルク(矢印イ)が発生するように、流れ方向に対して角度を持たせている。このように構成することにより、ネジの緩みが防止される。【0029】図8は第7の実施の態様に係る本発明のオリフィス板の一実施の形態を示し、(a)は正面図、(b)は流体が流れる管路の中に設置した状態とその作用を示す斜視図である。本実施の形態におけるオリフィス板19は、オリフィス板19を前記流体が流れる管路の中にネジ込みによって固定するものであって、図8に示すように複数の貫通孔19aを有するオリフィス板19の上流側の表面に、これに衝突する流体の反力によって、ネジが締まる方向にトルク(矢印ロ)が発生するように、複数の突起19pを設けている。このように構成することにより、ネジの緩みが防止される。【0030】なお、上述の実施の形態の全てにおいて、オリフィス板の材質としてはステンレス鋼を始めとする各種金属、樹脂、セラミックス、複合材料等を用いることができる。耐食性やコストを勘案して適当なものを採用すればよい。 【0031】 【発明の効果】本発明のオリフィス板によれば、貫通孔の形状およびまたは内径の差異により、中心付近の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置と、周辺付近の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置とが異なるので、キャビテーションの回復にともなう配管の振動発生や管内壁腐食の位置が分散される。また、周辺付近の第2の貫通孔を通過した流体の流れが、中心付近の第1の貫通孔を通過した流体のキャビテーション回復位置において緩衝材としての役割を果たす。その結果として、騒音および管内損傷の低減を図ることができる。 |
| 【出願人】 |
【識別番号】000006666 【氏名又は名称】株式会社山武
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| 【出願日】 |
平成11年10月29日(1999.10.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−124280(P2001−124280A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−310037 |
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