| 【発明の名称】 |
ロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤野 紳一
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| 【要約】 |
【課題】メカニカルシールの潤滑に寄与しにくい気体を取扱う高速機械などへの取り付けに適し特に工作機械など狭小な場所への取り付けが可能な小型化と分解組み立ての容易化を達成した技術を提供する。
【解決手段】フランジ部14を回り止めピン5にて係止されたフローティングシート2のシール21と、回転管軸4のシール22との面合部18に外部から潤滑剤を付与するメカニカルシール潤滑構造において、回り止めピン5はシール同士の面合部18に向けたオリフィス19を有し、回り止めピン5とケーシング1にはオリフィス19をケーシング外の潤滑剤供給源に連通させる連通路20,11が穿孔されている構成。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸部をケーシングのシール穴に摺動自在に装着されフランジ部を一つまたは複数の回り止めピンにて係止されたフローティングシートのリング状シール面と、前記フローティングシートと同軸上に回転自在に軸支された回転管軸のシール面とを面合させ、かつ前記シール面同士の面合部に外部から潤滑剤を付与するようにしたロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造において、前記回り止めピンの少なくとも一つには前記シール面同士の面合部に向けたオリフィスを有すると共に、この回り止めピンとケーシングには前記オリフィスをケーシング外の潤滑剤供給源に連通させる連通路が穿孔されていることを特徴とするロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造。 【請求項2】 前記回り止めピンは前記ケーシング内に突設状態で前記フローティングシートを着脱可能な外周形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造。 【請求項3】 前記シール面同士の少なくとも一方にはシール外周に開口する潤滑溝が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、経由する流体がメカニカルシールの潤滑に寄与しにくい気体を取扱う高速機械などへの取り付けに適したロータリジョイントに属し、特に工作機械など狭小な場所への取り付けが可能な小型化と分解組み立ての容易化を達成したロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、工作機械などの高速回転部分に使用されるロータリジョイントでは、ケーシング内に配置したフローティングシートのリング状シール面と前記フローティングシートと同軸上に回転自在に軸支した回転管軸のシール面とを、流体圧などにより面合させることにより流路を形成するようにした構造のメカニカルシールを備えている。このフローティングシートは、軸部を前記ケーシングのシール穴に摺動自在に装着する構造のため、フランジ部を一つまたは複数のピンにて係止することにより、回り止めが成されている。 【0003】この場合、通常のロータリジョイントでは、流通させる液状クーラントなどがシール面同士の間に浸透して油膜を作り潤滑作用を行なうことによって、シール面の摩耗や発熱を低く押え長期間の使用に耐えるようになっているのであるが、近年では環境汚染などの問題から、この液状クーラントなどに代え、ドライエアなどの気体を流通可能としたものの要求があっている。この様に、特に、ドライエアを流通させるようにしたロータリジョイントでは、経由する流体がほとんど潤滑作用を持たないため、シール面同士の間に浸透しても良好な潤滑には寄与しにくいという欠点があったので、前記シール面同士の面合位置に向けたノズルをケーシングの内周面に突設し、そのノズルから前記シール面同士の面合部に対し潤滑剤を噴射などすることにより、強制的に付与するようになっている。この場合、前記シール面同士の少なくとも一方にシール外周に開口する潤滑溝を設けたものもある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述したような従来のメカニカルシール潤滑構造では、下記のような問題があった。 1.シールの合わせ面周りは手狭であるので、ケーシング内周面にノズル突設用スペースを確保するため回転管軸のシール取り付け部付近構造物(例えばベアリングシール部材)の後退とそれに伴うケーシングの延長をしなければならず、他機組み込み用としてこの様な全長拡大は望ましくない。 2.ノズルを別製作しケーシングへの取り付け調整などにかかる余分なコストが必要となる。 3.ケーシング内ではノズルがフローティングシートの前面に突設された状態となっているので、フローティングシートやそのシールの保守点検時などにおいては、そのノズルを撤去しなければフローティングシートを取り外すことができず、余分な手間が必要となる。 【0005】本発明は、上述のような従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シール面の油膜形成においてはドライエアのように潤滑機能が期待できないものしか供給されない非常に厳しい雰囲気中でしかも高速回転で使用されるのを前提とし、工作機械など狭小な場所への取り付けができるような小型化と、取り付け後保守点検時に分解組み立てを容易に行うことができるようにしたロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明請求項1記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造にあっては、軸部をケーシングのシール穴に摺動自在に装着されフランジ部を一つまたは複数の回り止めピンにて係止されたフローティングシートのリング状シール面と、前記フローティングシートと同軸上に回転自在に軸支された回転管軸のシール面とを面合させ、かつ前記シール面同士の面合部に外部から潤滑剤を付与するようにしたロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造において、前記回り止めピンの少なくとも一つには前記シール面同士の面合部に向けたオリフィスを有すると共に、この回り止めピンとケーシングには前記オリフィスをケーシング外の潤滑剤供給源に連通させる連通路が穿孔されていることを特徴とする。 【0007】請求項2記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造にあっては、請求項1記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造において、前記回り止めピンは前記ケーシング内に突設状態で前記フローティングシートを着脱可能な外周形状に形成されていることを特徴とする。 【0008】請求項3記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造にあっては、請求項1または請求項2記載のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造において、前記シール面同士の少なくとも一方にはシール外周に開口する潤滑溝が設けられていることを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造にあっては、回り止めピンにオリフィスを設け、このオリフィスはシール面同士の面合部に向けると共に、連通路を介して外部の潤滑剤供給路に連通させていることにより、回転管軸側から伝達される回転力によってフローティングシートが回転するのを阻止し、更にこのフローティングシートの回転停止によりシール面同士が摩擦する面合部に潤滑剤を噴射させることにより、回り止めピンには潤滑剤噴射ノズルを兼用させた状態となっている。従って、ケーシング内に潤滑剤噴射ノズルを突設する余分なスペースを不要とし、ロータリジョイントの小型化を達成することができる。また、フローティングシートの前面にケーシング側からノズルを突設することが不要となっているから、取り付け後、保守点検時にはフローティングシートを簡単に着脱し短時間で点検作業を行うことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は実施の形態のメカニカルシール潤滑構造が組み込まれたロータリジョイントを示す断面図、図2は回り止めピン周りの拡大図、図3(イ)は固定側シール材、同(ロ)は回転側シール材を示す正面図である。 【0011】まず、このロータリジョイントAは、工作機械の工具側にドライエアDを供給するように設けられたものであり、図1に示すように、ケーシング1と、フローティングシート2と、シール部3と、回転管軸4と、回り止めピン5とを主要な構成としている。 【0012】前記ケーシング1は、先端部をベアリング6の装着口と成して有底筒状に形成され、その底部7側内部にシール穴8を有し、底面にはこのシール穴8を外部と連通する流路9を貫通させている。また、その内底部におけるシール穴8周りには軸穴10と、この軸穴10をケーシング1の外周面開口に連通させた連通路11が穿孔されている。12はその継ぎ手接続用の雌ねじ部である。 【0013】前記フローティングシート2は、固定側流路と回転側流路とをシール部3と共に連通させるものであって、前記シール穴8に軸部13が摺動自在に嵌着され、フランジ部14に貫通穴または切欠15が設けられ、軸心には流路16が貫通して設けられている。 【0014】前記回転管軸4は、先端側を工作機械の主軸にねじ込みすることによって着脱自在に装着するように形成されており、軸心に前記フローティングシート2の流路16と略同一径の流路17が貫通して設けられている。この回転管軸4と前記フローティングシート2は軸心を一致させ端面同士を対抗するように配置されている。 【0015】前記シール部3は、フローティングシート2と回転管軸4との間に介在されるものであって、超硬合金やセラミックによりリング状に形成され、フローティングシート2の端面に固定されるシール材21と、回転管軸4の端面に固定されるシール材22の一組よりなる。前記シール材21は、図3(イ)に示すように、軸心に流通穴21aを有し、シール面21bには、前記流通穴21aに一端部を連通21fさせた潤滑溝21cと、一端部を外周21dに連通21gさせた潤滑溝21eとが設けられ、それぞれは交互に配置された状態で半径方向でオーバラップtを確保するが、連続した周状のシール面を形成できる大きさに設けられている。また、前記シール材22は、図3(ロ)に示すように、軸心に流通穴22aを有し、シール面22bは全面平滑に仕上げられている。 【0016】回り止めピン5は、シール部分の固定側となるフローティングシート2の回り止めと前記シール部3に対して潤滑剤を噴射するノズルを兼用するものであって、前記ケーシング1の軸穴10に挿入固定された状態で前記フローティングシート2の貫通穴15を係止するように挿入されている。この回り止めピン5はストレートの円柱状に設けられ、前記フローティングシート2を係止した状態で前記シール材21,22の面合部18に向け、その外周面にオリフィス19が穿孔されている。また、その軸心には前記軸穴10内で連通路11に前記オリフィス19を連通する連通路20が穿孔されている。 【0017】図中23はリング、24はリング23を介してベアリング6に予圧を付与するさらばね、25はリング23の止めねじ、26は第1ベアリングシール、27は第2ベアリングシールであり、第1ベアリングシール26は後述する回転管軸4のシールリング22近辺に配置されている。また、28はドレン口であり、図示しないが第1ベアリングシール26にてベアリング側と隔離されたシール部3の配置位置にもドレン口が設けられている。 【0018】上述のように構成されたロータリジョイントAは、まず、ケーシング1の流路9からフローティングシート2の流路16とシール材21とを経由して、ドライエアDが回転管軸4側に供給される。この時の流体圧がフローティングシートの軸部13端面を押圧することから、シール材21がシール材22に密着し流路16を流路17に密封状態となして連通させる。このため、回転管軸4側では流路17を経由してドライエアDを工作機械の主軸側に供給することになる。また、前記フローティングシート2がシール材21を回転管軸のシール材22に密着させると、回転管軸側の回転力によってフローティングシート2が共に回転しようとするが、回り止めピン5がその回転を阻止し固定側と回転側の関係を保持することになる。 【0019】次に、ケーシング1の雌ねじ部12は、図示しない継ぎ手とパイプを介し外部に配置されたオイルミスト発生器に予め接続されている。そして、オイルミスト発生器からオイルミストmが供給されると、オイルミストmはケーシング1の連通路11から軸穴10と回り止めピンの連通路20を介しオリフィス19から噴射される。この場合、シール面22bは潤滑溝21cの開口面と潤滑溝21eの開口面を密閉し、残りのシール面はシール面21bに密着した状態となっている。つまりシール面22bは潤滑溝の連通21gから溝内部側向けにそれぞれ露出した状態となっているから、前記オリフィス19から噴射されたオイルミストmは、前記連通21gから浸入して潤滑溝21e内でシール面22bに付着する。そして、その付着したオイルはオーバラップtにより順次内側の潤滑溝21cに導かれ、やがてシール面22b全面に広がって途切れのない潤滑作用を行なうことになる。また、前記潤滑溝21e内では、余分なオイルミストmが少しづつ液滴化して付着し潤滑作用の維持に貢献する。 【0020】以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限定されるものではない。例えば、回り止めピンの数などは任意に設定できるし、このうちノズル兼用にする数なども任意に設定することができる。オリフィス19は別材料にて製作し回り止めピン5から突出する様に設けても良い。この場合はフローティングシートの貫通穴15に前記突出したオリフィスを挿通させるような切欠を設けると良い。潤滑溝21c、21eなどの形状やその配置,配置数などは任意に設定することができる。ケーシング1やフローティングシート2などの形状も任意である。シール材21、22などの形状や取り付け状態は任意に設定することができる。また、シール面の流通穴や潤滑溝の縁部分を角落ししてもよい。 【0021】 【発明の効果】以上説明してきたように本発明のロータリジョイントのメカニカルシール潤滑構造にあっては、前記構成としたため、回り止めピンに潤滑剤の噴射ノズルを兼用させた状態となっている。従って、ケーシング内に潤滑剤噴射ノズルを突設する余分なスペースを不要とし、ロータリジョイントの小型化を達成することができる。また、フローティングシートの前面にケーシング側からノズルを突設することが不要となっているから、取り付け後、保守点検時にはフローティングシートを簡単に着脱し短時間で点検作業を行うことができる。また、ノズルのみの部品およびそれを取り付ける作業なども不要となるから経済的であるなどの効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000179328 【氏名又は名称】リックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月26日(1999.10.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109988 【弁理士】 【氏名又は名称】今村 定昭 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−124273(P2001−124273A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月11日(2001.5.11) |
| 【出願番号】 |
特願平11−303666 |
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