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【発明の名称】 金属管離脱防止管継手
【発明者】 【氏名】森下 照政

【要約】 【課題】継手本体の長さを短くでき、しかも接続金属管を摺動自在に確実にシールし、継手全体を小型化でき、製造費を低減できる金属管離脱防止機能付管継手を提供する。

【解決手段】継手本体10の一端部又は両端部に接続する金属管と水密するパッキンを装着し、拡径凹部の管軸方向外方に金属管の外周面を径方向に締め付ける金属管把持部材を設けて、継手本体拡径凹部の内側端部に係止させ、管軸方向外方に金属管の外周面に沿って延びる筒部63を縮径可能にして締め具70で把持固定する。また継手本体の一端部に、金属管の端部に設けた拡径凸部を摺動自在に収容する膨出筒部を設けて、金属管と継手本体を伸縮自在に接続した金属管離脱防止管継手である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 継手本体の一端部又は両端部に、接続する金属管の端部を受け入れる受口を設け、該受口の端部側に拡径凹部を設けて前記金属管と水密するためのパッキンを装着し、該拡径凹部の管軸方向外方に前記金属管の外面を径方向に締付ける金属管把持部材を設けた管継手において、前記金属管把持部材は、前記継手本体拡径凹部の内端部に係止する係止凸部と、該係止凸部から継手本体拡径凹部の管軸方向外方に金属管の外周面に沿って延びる筒部と、少なくとも該筒部が縮径可能に円周上の一端が切り欠かれた切欠き部と、該切欠き部を径方向に引寄せる締め具と、からなることを特徴とする金属管離脱防止管継手。
【請求項2】 前記金属管把持部材の係止凸部は、継手本体の拡径凹部内で円周方向に張出すつば、又は突条、又は円周方向間隔を空けて張出す突起、からなることを特徴とする請求項1記載の金属管離脱防止管継手。
【請求項3】 前記継手本体拡径凹部の金属管把持部材が係止する係止内端部は、管軸方向内方に向かって曲げられており、曲げられた内端部で把持部材の係止凸部と係止することを特徴とする請求項1ないし2記載の金属管離脱防止管継手。
【請求項4】 前記継手本体拡径凹部の金属管把持部材が係止する係止内端部は、管軸方向外方に向かって縮径する傾斜面を有し、縮径する傾斜内面に金属管把持部材の係止凸部が係止することを特徴とする請求項1ないし2記載の金属管離脱防止管継手。
【請求項5】 前記金属管把持部材の締め具は、外部から容易に操作できないいたづら防止手段を設けてあることを特徴とする請求項1ないし4記載の金属管離脱防止管継手。
【請求項6】 金属管の端部に拡径凸部を設け、継手本体の一端部は前記金属管の拡径凸部を収容して管軸方向に摺動自在に装着する膨出筒部に設け、該膨出筒部の端部側に前記金属管と水密するためのパッキンを装着する拡径凹部を設けると共に、前記継手本体の他端部は他方の金属管と接続する接続部に設けたことを特徴とする金属管離脱防止管継手。
【請求項7】 金属管の端部に拡径凸部を設け、継手本体の一端部は前記金属管の拡径凸部を収容して管軸方向に摺動自在に装着する膨出筒部に設け、該膨出筒部の端部側に前記金属管と水密するためのパッキンを装着する拡径凹部を設けると共に、前記継手本体の他端部は、他方の金属管と接続する受口を設け、該受口の端部側に拡径凹部を設けて前記金属管と水密するためのパッキンを装着し、該拡径凹部の管軸方向外方に前記金属管の外面を径方向に締付ける金属管把持部材を設け、該金属管把持部材は、前記拡径凹部の内端部に装着して係止する係止凸部と該係止凸部から継手本体拡径凹部の管軸方向外方に金属管の外周面に沿って延びる筒部と、該筒部が縮径可能に円周上の一端が切り欠かれた切欠き部と該切欠き部を径方向に引寄せる締め具とからなることを特徴とする金属管離脱防止管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力、通信ケーブルの保護管等に用いられる鋼管やステンレス管等の金属管の接続に用いられる金属管離脱防止管継手に関するもので、詳しくは離脱防止機能を有する管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の管継手として、図9に示す実開昭50―13217号公報に記載の管継手がある。この技術によれば、管1の一端に被接続管3を受け入れる管受口6を有してパッキン2を装着し、管受口6の先端部に軸方向の切り欠き溝を設け、被接続管3と管受口6の先端内周面との間に割環4を挿入し、切り欠き溝を有す管受口6の先端部を締め付け部材5によって締め付けることにより、割環4を押圧して被接続管を抜け止め接続するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術によれば、割環4が被接続管3の外周に有効に食い込むためには、締め込み部分の軸方向の切り欠き溝の長さを長くして可撓性を確保する必要性があり、従ってシール性を確保するためにゴムリング2を避けて切り欠き長さを確保しようとすると受口6の先端部の長さを長くしなければならず、例えば図10に示す実開昭52―111414号公報の切り欠き溝14のように大きくなり、継手全体の長さも必然的に大きなものとなる。このため制作費が嵩み、使用場所にも制限される。本発明は上記の実状に鑑み、この種の離脱防止機能付管継手において、締め込み部分を別体に設けて継手本体の長さを短くでき、しかも接続金属管を確実にシールし、且つ把持した状態で金属管に管軸方向の引張り力が働いた際でも接続した状態で引張力や圧縮力に追随でき、継手全体を小型化して製造費を低減できる金属管離脱防止機能付管継手を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、継手本体の一端部又は両端部に、接続する金属管の端部を受け入れる受口を設け、該受口の端部側に拡径凹部を設けて前記金属管と水密するためのパッキンを装着し、該拡径凹部の管軸方向外方に前記金属管の外面を径方向に締付ける金属管把持部材を設けた管継手において、前記金属管把持部材は、前記継手本体拡径凹部の内端部に係止する係止凸部と、該係止凸部から継手本体拡径凹部の管軸方向外方に金属管の外周面に沿って延びる筒部と、少なくとも該筒部が縮径可能に円周上の一端が切り欠かれた切欠き部と、該切欠き部を径方向に引寄せる締め具と、からなることを特徴とする金属管離脱防止管継手である。
【0005】上記において前記金属管把持部材の係止凸部は、継手本体の拡径凹部内で円周方向に張出すつば、又は突条、又は円周方向間隔を空けて張出す突起、からなることを特徴とする。上記において前記継手本体拡径凹部の金属管把持部材が係止する係止内端部は、管軸方向内方に向かって曲げられており、曲げられた内端部で把持部材の係止凸部と係止することを特徴とする。上記において前記継手本体拡径凹部の金属管把持部材が係止する係止内端部は、管軸方向外方に向かって縮径する傾斜面を有し、縮径する傾斜内面に金属管把持部材の係止凸部が係止することを特徴とする。上記において前記金属管把持部材の締め具は、外部から容易に操作できないいたづら防止手段を設けたことを特徴とする。このいたづら防止手段は締付け具の外面を覆うカバーでもよく、また緩み止め機能付き締付け具であっても良い。
【0006】また、金属管の端部に拡径凸部を設け、継手本体の一端部は前記金属管の拡径凸部を収容して管軸方向に摺動自在に装着する膨出筒部に設け、該膨出筒部の端部側に前記金属管と水密するためのパッキンを装着する拡径凹部を設けると共に、前記継手本体の他端部は他方の金属管と接続する接続部に設けたことを特徴とする金属管離脱防止管継手である。また、上記において、金属管の端部に拡径凸部を設け、継手本体の一端部は前記金属管の拡径凸部を収容して管軸方向に摺動自在に装着する膨出筒部に設け、該膨出筒部の端部側に前記金属管と水密するためのパッキンを装着する拡径凹部を設けると共に、前記継手本体の他端部は、他方の金属管と接続する受口を設け、該受口の端部側に拡径凹部を設けて前記金属管と水密するためのパッキンを装着し、該拡径凹部の管軸方向外方に前記金属管の外面を径方向に締付ける金属管把持部材を設け、該金属管把持部材は、前記拡径凹部の内端部に装着して係止する係止凸部と該係止凸部から継手本体拡径凹部の管軸方向外方に金属管の外周面に沿って延びる筒部と、該筒部が縮径可能に円周上の一端が切り欠かれた切欠き部と該切欠き部を径方向に引寄せる締め具とからなることを特徴とする金属管離脱防止管継手である。
【0007】
【作用】本発明は上記の構成であって、金属管把持部材は継手本体の拡径凹部の内端部に係止しており、締め具により把持部材の切り欠き部を径方向に締め付けることで、継手本体とは別個に金属管を把持する。金属管が継手本体から離脱方向に変位すると、把持部材の係止凸部が継手本体の拡径凹部内端部に係止されているので、且つ把持部材の筒部が金属管の外周面を把持固定しているので、金属管は継手本体から離脱せず強力な離脱防止作用が働く。この際、金属管との水密作用は継手本体の拡径凹部に装着した水密パッキンで行われ、金属管との固定とは関係なしにパッキンによるシール作用が行われる。また金属管の把持固定も管とのシールとは関係なしに行われるので、確実なシール性が働き、管の把持固定も従来のごとく継手本体や固定部材を介さずに直接管の外周面に当接して把持固定するから確実に管の離脱防止作用が働く。
【0008】また、把持部材が係止する継手本体拡径凹部の端部を、外面から管軸方向内方に曲げられた端部とすることにより、この曲げられた内端部で把持部材の係止凸部が係止するので、この拡径凹部の係止内端部が変形しない。更に管に引っ張り力が作用してこの係止端部が変形しようとすると拡径凹部の係止端部が直立しようとして係止端部の内径が縮径方向に作用し、この内側に装着した把持部材の筒部外面を縮径する方向に変形力が作用するので、継手本体と把持部材、金属管との係止が更に強力に得られる。また、把持部材が係止する継手本体拡径凹部の端部を、外面から管軸方向外方に向かって縮径する傾斜面に設け、この傾斜内面で把持部材の係止凸部と係止することにより、管に引っ張り力が作用すると把持部材の係止凸部がこの傾斜内面で縮径される方向に作用し、把持部材が金属管を更に強固に固定して、金属管との接続固定が強力に得られる。
【0009】継手本体の一端部は、端部に拡径凸部を形成した金属管の拡径凸部を受け入れて管軸方向に摺動自在に装着する膨出筒部を有する金属管を装着した継手本体に設けることにより、この膨出筒部内で金属管が軸方向に変位許容され、継手本体他方端の金属管との接続部で他方の金属管が離脱方向に作用してもこれに追随でき、金属管に大きな変位応力が発生せず、地震や地盤沈下等における引張り力や圧縮力の変位にも耐えることができる。また膨出筒部の端部にパッキンを装着しているので金属管が管軸方向に大きく変位しても確実な水密作用が働く。
【0010】
【発明の実施形態】以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を示す金属管離脱防止管継手Aで、図示継手本体10の左側一端部側に、金属管である鋼管20が装着されており、図示右側の他端部は別の鋼管30を接続する接続部となっている。継手本体10は厚肉管を塑性加工して設けてあり、継手本体10の図示左側の一端部は、端部から順にパッキン装着部11、鋼管20の外径に近似する内径の係止部13、軸方向に長い膨出筒部15、中央部に鋼管20の端部が突き当たるストッパー部16を設けてある。係止部13及びストッパー部16は図示のように塑性加工で設けてもよく、また継手本体10の内面に環状の金属環を溶接して設けてもよい。パッキン装着部11には2条のリップを有すリップパッキン40を装着してあり、鋼管20の外周面とシールしている。
【0011】図示左側の接続鋼管20は継手本体10の膨出筒部15内に挿入した状態で、継手本体10の他端部側(図示右側)より拡径治具を挿入して鋼管20の内面側から拡径し、膨出筒部15内で鋼管20の外周面に拡径凸部21を形成してある。この拡径凸部21は継手本体の膨出筒部15の長手方向膨出長さ分、鋼管20の拡径凸部21が軸方向摺動自在になる。また係止部13及びストッパー部16に拡径凸部21が係止するため、鋼管20と継手本体10は分離せず、鋼管20の端部に別の接続管との接続部を持った継手が装着される。尚、鋼管20は通常外周面に樹脂層を被覆した外面樹脂被覆鋼管20が用いられ、拡径凸部21も樹脂被覆した状態で形成される。この拡径凸部21は図示のように環状に設けてもよく、また円周方向間隔を空けて突出拡径する凸部21であってもよい。
【0012】ストッパー部16から図示継手本体10の右側他端部は、鋼管30の端部を収容する管端収容部17と管端収容部17の端部側にパッキン50を装着する拡径凹部18を設けてあり、拡径凹部18の端部は鋼管30の外周面方向に窄んで係止端部19を形成している。この拡径凹部18内に2条のリップを有すリップパッキン50を装着してある。リップパッキン50の端部側には金属管把持部材60の係止凸部65を装着し、拡径凹部18内端部の係止端部19に係止させて装着してある。
【0013】金属管把持部材60は図1及び図2で示すように、円周上の1端に切り欠き部61を設けてあり、一端部に係止凸部65を設けてある。継手本体拡径凹部18内への装着は切り欠き部61を縮径させて係止端部19をくぐらせて行う。係止凸部65が係止端部19に係止されるので、継手本体の拡径凹部18から管軸方向外方に延びる筒部63が接続金属管30の外周面に被さる。筒部63の切り欠き部61には締め座64、64を設けてあり、締め座64にはボルトナットの締め具70を装着して、筒部63を縮径させることにより筒部63内面に設けた把持突起が金属管30の外面を把持するので固定される。管30は把持部材の筒部63によって把持固定されると共に、拡径凸部65が継手本体の拡径凹部18端部の係止端部19に係止しているので、継手本体10と管30は抜け止め固定される。また図3は締め具70を締付けた後、締め具70の外面に被せるための、いたづら防止カバー71を示し、このカバー71を被せることによって外部から容易に締め具70を操作できず安全性が確保される。尚カバー71に代えて、締め具70を締め付けた後で緩まないように緩み止め防止機能付きボルトナットを用いるとか、締付け後溶接するとかの手段を用いても良い。
【0014】図4は把持部材60を拡径凹部18に装着して係止する係止凸部62を示す別の実施例で、この実施例では円環状の係止凸部62に設けて拡径凹部18内の係止端部19に係止させている。図5は継手本体拡径凹部18の係止端部を示す別の実施例で、この実施例のように円周上管軸方向内方に向けて曲げた係止端部31とすることにより、管30に引っ張り力が作用すると係止端部31が直立する方向に作用するので、係止端部の内端22の内径が小さくなり、把持部材60の筒部63外面を縮径方向に作用して、更に管30との把持固定が強力に行われる。尚上記の係止凸部62、65は、円周上環状に張り出してもよく、また円周上間隔を開けて外面に張り出す係止凸部に設けても良い。
【0015】図6は更に継手本体拡径凹部18の係止端部を示す別の実施例で、この実施例では拡径凹部18の外周面から管軸外方に縮径する傾斜面の係止端部32としてあり、この係止端部32の傾斜内面に係止する係止凸部69を設けた把持部材60を係止させてある。この実施例の場合では管30に引っ張り力が作用すると係止端部32の傾斜面によって把持部材60の係止凸部69が縮径方向に作用するので、把持部材60が管30を強固に保持し、管30の抜け止め固定が確実に行われる。図7、図8は把持部材60の筒部63の内面を示す金属管3外周面把持用突起を示す図で、図5の実施例では筒部63の内周面に複数個の把持突起67を形成して金属管30外周面を把持する。また図6の実施例では筒部63の内周面に環状に連続した把持突状68を設けて金属管の外周面を把持する。尚筒部63内面の把持用突部67,68はこの実施例に限らず、金属管外周面に係止しやすい様、種々の突起や係止内面に形成することができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明のように本発明の金属管離脱防止管継手は、管を把持する金属管把持部材を継手本体とは別体に設け、パッキンのシールとは関係なしに直接金属管の外周面を把持し継手本体と係止される。従って従来のように継手本体や他の抜け止め割環等を介して金属管を縮径しないので、金属管との把持固定が確実に行われ、また継手本体には従来のように切り割り溝を形成する必要がなく、継手本体の管受口の長さを最小長さに形成できる。更に継手本体の他端部に設けた膨出筒部の内部に、金属管の端部に設けた拡径凸部を装着し、金属管が軸線方向に伸縮自在に設けてあるので、膨出筒部内で金属管の変位を吸収することができ、例えば地盤沈下や地震等による配管の応力を吸収する。このため他方の継手本体接続部での応力が発生せず、接続部の金属管が継手本体から抜け出すことがなく、また確実なシール生が確保されな安全な配管が行える。
【出願人】 【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【出願日】 平成11年10月22日(1999.10.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−124260(P2001−124260A)
【公開日】 平成13年5月11日(2001.5.11)
【出願番号】 特願平11−300653