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【発明の名称】 供給管の設置工法
【発明者】 【氏名】小森 光徳

【氏名】水上 清二

【要約】 【課題】管路を露呈させるための開削作業を不要にしてガス供給遮断時間も含めた作業時間や作業工数の低減を図りながら取り出し部での継ぎ手の設置を可能にすることができる供給管の設置工法を提供する。

【解決手段】既設管路1内に新たな管路1Aを挿入して該管路の更新を行い、その更新区間の一部に供給管10の取り出し部を設置するための工法であって、上記取り出し位置を挟んで対向する2連式の膨縮可能なストッパ3とこのストッパ3間に設けられている架台4上に搭載されている穿孔機5Aおよび融着機9とを備えた工作ロボット2を上記更新された管路1Aの端部から挿入し、上記ストッパ3を膨張させて取り出し位置内面に密着させることにより位置決めし、上記穿孔機5Aにより取り出し位置に更新された管路1A内面から穿孔し、上記工作ロボット2によって搬送された取り出し継ぎ手7を上記更新された管路1Aの穿孔位置内面から外方に突出させ、該取り出し継ぎ手7のサドル面を上記融着機9により更新された管路1A内面に融着することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 既設管路内に新たな管路を挿入して該管路の更新を行い、その更新区間の一部に供給管の取り出し部を設置するための工法であって、上記取り出し位置を挟んで対向する2連式の膨縮可能なストッパとこのストッパ間に設けられている架台上に搭載されている穿孔機および融着機とを備えた工作ロボットを上記更新された管路の端部から挿入し、上記ストッパを膨張させて取り出し位置内面に密着させることにより位置決めし、上記穿孔機により取り出し位置に更新された管路内面から穿孔し、上記工作ロボットによって搬送された取り出し継ぎ手を上記更新された管路の穿孔位置内面から外方に突出させ、該取り出し継ぎ手のサドル面を上記融着機により更新された管路内面に融着することを特徴とする供給管の設置工法。
【請求項2】 上記取り出し継ぎ手のサドル面内部には誘電体が配置され、上記融着機による誘電発熱によって上記更新された管路内面に融着されることを特徴とする請求項1記載の供給管の設置工法。
【請求項3】 上記取り出し継ぎ手は、上記穿孔機による穿孔作業後若しくは上記工作ロボットの挿入時に上記架台に搭載されて搬送されることを特徴とする請求項1記載の供給管の設置工法。
【請求項4】 上記穿孔機および上記取り出し継ぎ手は、上記更新された管路の内面で伸縮可能な昇降機構により上記更新された管路の外方に向けて移動可能であることを特徴とする請求項1記載の供給管の設置工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、供給管の設置工法に関し、さらに詳しくは、既設管路内に新管を敷設する更新工法での分岐部設置工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に埋設されている既設管路の更生修理工法のひとつに既設管路内に新管を敷設する更新工法がある。更新工法に用いられる新管としては、地震などの際の外力に対しても耐久性を有するポリエチレン樹脂管が用いられる。更新工法では、鋳鉄管などの既設管における更新区間両端部に立坑を形成し、既設管を切断した後、一方の開口端部からポリエチレン管を引き込む作業が行われる。ところで、更新された区間の一部において供給管の取り出し部を設けるような場合、従来では、取り出し部に相当する位置を開削して管路を露呈させたうえでポリエチレン管の取り出し部を穿孔し、管外面から取り出し継ぎ手を装着してそのサドル面を管外面に融着することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の更新工法での供給管取り出し構造においては、供給管の取り出し位置で管路を外部に露呈させるために開削する必要があり、埋め戻し作業も含めて供給管取り出し施工での作業時間や作業工数の増加に伴うコスト上昇を招く虞があった。しかも、作業時間に関しては、更新区間でのガス供給を遮断して行う必要があることから、ガスの流動方向下流側での需要家へのガス供給が行えなくなる時間を短縮するために迅速かつ短時間であることが要求されれる。
【0004】本発明の目的は上記従来の供給管の設置工法における問題に鑑み、管路を露呈させるための開削作業を不要にしてガス供給遮断時間も含めた作業時間や作業工数の低減を図りながら取り出し部での継ぎ手の設置を可能にすることができる供給管の設置工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、既設管路内に新たな管路を挿入して該管路の更新を行い、その更新区間の一部に供給管の取り出し部を設置するための工法であって、上記取り出し位置を挟んで対向する2連式の膨縮可能なストッパとこのストッパ間に設けられている架台上に搭載されている穿孔機および融着機とを備えた工作ロボットを上記更新された管路の端部から挿入し、上記ストッパを膨張させて取り出し位置内面に密着させることにより位置決めし、上記穿孔機により取り出し位置に更新された管路内面から穿孔し、上記工作ロボットによって搬送された取り出し継ぎ手を上記更新された管路の穿孔位置内面から外方に突出させ、該取り出し継ぎ手のサドル面を上記融着機により更新された管路内面に融着することを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、上記取り出し継ぎ手のサドル面内部には誘電体が配置され、上記融着機による誘電発熱によって上記更新された管路内面に融着されることを特徴としている。
【0007】請求項3記載の発明は、上記取り出し継ぎ手は、上記穿孔機による穿孔作業後若しくは上記工作ロボットの挿入時に上記架台に搭載されて搬送されることを特徴としている。
【0008】請求項4記載の発明は、上記穿孔機および上記取り出し継ぎ手は、上記更新された管路の内面で伸縮可能な昇降機構により上記更新された管路の外方に向けて移動可能であることを特徴としている。
【0009】
【作用】請求項1および2記載の発明では、更新された管路の取り出し位置を挟んで対向する2連式の膨縮可能なストッパに装備されている架台に設けられた穿孔機が管路の内面から穿孔作業を行い、次いで、管路内面から取り出し継ぎ手を取り出し位置に融着させるようになっているので、取り出し位置を外方に露呈させるための開削工事が必要ない。しかも、取り出し継ぎ手のサドル面は管路内面に融着されるので、穿孔作業から取り出し継ぎ手の融着までの作業を管路内面において実行できるので、供給管の取り出しよう設置工事を全て非開削の状態で行うことができる。
【0010】請求項3記載の発明では、取り出し継ぎ手が架台上に搭載された状態で穿孔作業を行うことにより、穿孔作業に引き続いて取り出し継ぎ手の位置決めを行うことができ、これにより作業時間の短縮化を図ることができる。
【0011】請求項4記載の発明では、穿孔機および取り出し継ぎ手が昇降機構により必要な場所に位置決めできるので、膨縮可能なストッパの収縮量の調整を含めて管内移動の際に邪魔にならないようにすることができる、これにより、円滑な移動を可能にして作業態位の設定までの時間を短縮することができる。
【0012】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1は、本実施例による供給管の設置工法に用いられる構成を説明するための模式図であり、同図には、後述するストッパの膨張状態が示してある。本実施例による設置工法には、既設管路1内に敷設されて更新されたポリエチレン管などの新たな管路(以下、更新管路という)1A内で移動可能な工作ロボット2が用いられる。工作ロボット2は、高新刊の1Aの敷設方向に配置された2連式ストッパ3と、このストッパ3間に設けられた架台4とを備えている。2連式ストッパ2は、それぞれゴムなどの膨縮可能な材質を用いたバルーン状部材で構成されており、取り出し部に形成される取り出し孔の内径以上の間隔をもたせて配置されている。架台4は、ストッパ3を上記更新管路1Aの敷設方向両端近傍にて一体的に支持しており、そのストッパ3よりも外側に端部が位置している。架台4の内部は空洞化されており、端部が各ストッパ3の外側に位置していることで、図1において矢印Fで示すガスの流動方向上流側と下流側とを連通させるようになっている。上記架台4は、更新管路1Aの敷設方向一端に牽引および押圧が可能なロッド部材6の一端が連結されており、このロッド部材6の牽引あるいは押圧により更新管路1A内を移動できるようになっている。
【0013】架台4には、ストッパ3間に昇降および回転可能な駆動機構5が配置されている。駆動機構5は、筍状の伸縮ロッドを有し、この伸縮ロッドの先端には着脱可能な穿孔カッター5Aが設けられている。伸縮ロッドの先端には、穿孔カッター5Aを取り外した場合、後述するポリエチレン製の取り出し継手7を載置保持可能な載置台8(図4参照)を取り付けることもできるようになっている。
【0014】本実施例は以上のような構成の工作ロボット2を用いて次の手順により取り出し部が設けられる。
(1)既設管路1内に敷設された更新管路1Aの取り出し部設置位置に向けて工作ロボット2が挿入移動される。この場合には、ストッパ3が収縮される。このため、架台4もストッパ3の膨張時に比べて更新管路1Aの中心よりも下方に位置し、穿孔カッター5Aが管路内面に接触しない状態で移動する。工作ロボット2は、更新管路1Aでの取り出し位置に達するとストッパ3が膨張される。このため、ストッパ3が更新管路1Aの内面に圧接し、取り出し位置に位置決めされる。
【0015】(2)取り出し位置の位置決めが行われると取り出し孔が形成される。この場合には、更新管路1Aへの挿入時に予め駆動機構5の伸縮ロッド先端に装備されている穿孔カッター5Aが用いられる。穿孔カッター5Aは、駆動機構5によって回転しながら伸長し、図2に示すように、更新管路1Aおよび既設管路1を穿孔する。この場合の伸長ストロークは、駆動機構5に付設されている図示しない制御部においてストロークセンサなどの位置センサからの情報により設定されるようになっている。
【0016】(3)穿孔終了後、取り出し継手7が搬入される。この場合には、駆動機構5の伸縮ロッドが収縮されて穿孔カッター5Aが挿入時と同じ態位とされ、工作ロボット2が取り出し位置から一旦取り出される。更新管路1Aから取り出された工作ロボット2には、図3に示すように、収縮状態にある伸縮ロッドの先端に載置台8が取り付けられ、この載置台8上に取り出し継手7が載置保持されるとともに、取り出し継手7のサドル面近傍に誘導コイル9が配置される。誘導コイル9は、駆動機構5に装備されている電源部(図示されず)から給電されるようになっている。取り出し継手7のサドル面には、この種のポリエチレン製継手と同様に、コイルが内蔵されており、誘導コイル9からの誘導起電力による誘電発熱が行えるようになっている。本実施例では、載置台8にもサドル面に対向するコイルが設けられ、このコイルにも誘導コイル9からの電流が流れることでサドル面内のコイルに誘導起電力を生起させ、サドル面全域での発熱を可能にしている。工作ロボット2が取り出し継手7を搭載した状態で、再度、更新管路1Aの取り出し位置に移動し、位置決めされる。この場合においても工作ロボット2の移動時にはストッパ3が収縮状態にあり、移動を円滑に行わせる。
【0017】(4)搬入された取り出し継手7を更新管路1Aに一体化する。この場合には、図3および図4に示すように、駆動機構5の伸縮ロッドが伸長され、載置台8上の取り出し継手7のサドル面が更新管路1Aの内面に当接することができる。取り出し継手の7のサドル面を更新管路1Aの内面に当接させる際には、上記伸縮ロッドの伸長量に加えて再挿入時に収縮状態にあったストッパ3の膨張による架台4の上昇量を適宜設定することにより取り出し継手7のサドル面を確実に更新管路1Aの内面に当接させることができる。サドル面穿孔新刊路1Aの内面に当接した状態で誘電コイル9に通電し、サドル面を誘電発熱させて更新管路1Aの内面に融着させる。
【0018】(5)誘電発熱によるサドル面の融着終了後、伸縮ロッドを収縮させて載置台8を下降させ、工作ロボット2を更新管路1Aから取り出す。
【0019】以上のような実施例によれば、取り出し部の形成および取り出し継手の融着作業を更新管路1Aの内面において実行することができるので、取り出し部の上部を開削することなく取り出し部を設けることができる。しかも、架台4の内部が空洞化されているので、取り出し部でのガス漏れを防ぐためにストッパ3により気密空間を構成した場合、気密空間によりガスの供給が遮断されてしまうのを上記架台4内にガスを流すことで防止することができ、需要家に不便を強いることが軽減される。
【0020】ところで、取り出し部には、取り出し継手7に供給管が連結され、ガスの需要先にその供給管が敷設される。そこで、本実施例では供給管を取り出し継手7に連結する作業もその取り出し位置を開削しないで行うようになっている。以下、図5においてこの工法を説明する。図5は、取り出し継手7に供給管10が連結される状態を示しており、同図において取り出し継手7の端部には、後述する手順により地上側から導入された供給管10が位置決めされている。取り出し継手7および供給管10の接続端内面には、接続端を跨いで対向当接する接合部材11が配置されている。接合部材11は、これに対向する内側に配置されて誘導コイル9の配置位置から接続端までの距離を持つ支持部材12Aに支持されている誘導コイル12に押圧されて接続端内面に当接させてある。また、接合部材11には、内部にコイルが装填されており、後述する誘導コイル12を介した誘電発熱により取り出し継手7と供給管10との接続端内面同士に融着されるようになっている。誘導コイル12は誘導コイル9に対し独立して給電されるようになっており、供給管10が位置決めされてから通電されるようになっている。
【0021】図5において、取り出し継手7と供給管10とを一体化する場合には、誘導コイル12に通電が開始され、接合部材11において誘電発熱により取り出し継手7および供給管10の接続端内面同士が接合部材11に融着する。
【0022】次に、上記供給管10の挿入工程を説明する。供給管10が需要先でのメータ縦管である場合、そのメータ縦管に相当する供給管10が地上に延長される箇所にボーリング坑20を形成し、そのボーリング坑20内に供給管10を挿入する。これにより、供給管10の端部と取り出し継手7の端部とが接合され、この状態で上述した手順に従って誘導コイル12への給電によって取り出し継手7と供給管10の接続端内面同士が接合部材11を介して一体化される。このように、供給管10の地上側取り出し位置からボーリング坑を掘削するだけで埋め戻しが必要となる開削を要しないので、供給管10を取り出し継手に連結する際においても作業工数を低減することができる。しかも、接合部材11を介して取り出し継手7および供給管10の接続端内面を融着できるようにしているので、接合部材11に供給管10の端部を嵌合させるだけで接合位置を位置決めすることができ、接合位置を位置決めするために露呈させる開削を不要にすることができる。
【0023】
【発明の効果】請求項1および2記載の発明によれば、更新された管路の取り出し位置を挟んで対向する2連式の膨縮可能なストッパ側に装備されている穿孔機が管路の内面から穿孔作業を行い、次いで、管路内面から取り出し継ぎ手を取り出し位置に融着させるようになっているので、取り出し位置を外方に露呈させるための開削工事を不要にすることができる。しかも、取り出し継ぎ手のサドル面は管路内面に融着されるので、穿孔作業から取り出し継ぎ手の融着までの作業を管路内面において実行できるので、供給管の取り出し用設置工事を全て非開削の状態で行うことができる。これにより、埋め戻し作業等の作業工程を不要にして作業時間や作業工数の低減が可能となる。
【0024】請求項3記載の発明によれば、取り出し継ぎ手が架台上に搭載された状態で穿孔作業を行うことにより、穿孔作業に引き続いて取り出し継ぎ手の位置決めを行うことができ、これにより作業時間の短縮化を図ることができる。
【0025】請求項4記載の発明によれば、穿孔機および取り出し継ぎ手が昇降機構により必要な場所に位置決めできるので、膨縮可能なストッパの収縮量の調整を含めて管内移動の際に邪魔にならないようにすることができる、これにより、円滑な移動を可能にして作業態位の設定までの時間を短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年10月15日(1999.10.15)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−116180(P2001−116180A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−294208