| 【発明の名称】 |
継 手 |
| 【発明者】 |
【氏名】土井 昭晴
【氏名】上田 純一
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| 【要約】 |
【課題】雌継手の内部流量面積を維持し,かつ,継手全体が大きくなることを防止しつつ,継手の接続時に継手の構成要素の損傷あるいは破壊を防止する。
【解決手段】雄継手2の雄弁体21と当接し,開弁する棒状部材44を支持する支持部40aが形成されている。雌継手4の雌継手本体40の後部には,棒状部材44が支持部40aに支持される部分には,遊嵌部44dが形成されている。遊嵌部44dは,支持部40aに形成された孔400に対して径方向および軸方向に間隙を形成して嵌合する。径方向の間隙により,棒状部材44は,雌継手本体40および雌弁体41に対して,径方向に変位できる。また,径方向の間隙および軸方向の間隙によって,雌継手本体40および雌弁体41に対して,傾斜することができる。これらの径方向の変位および傾斜により,前記課題が達成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状の雌継手本体と,前記雌継手本体に摺動可能に,かつ,シールされて取り付けられる筒状の雌弁体と,前記雌継手本体内に位置し,かつ,前記雌弁体が着座する雌弁座を有する棒状部材と,前記棒状部材を前記雌継手本体に支持する支持部と,前記雌弁体を着座方向に付勢する雌弁体付勢手段とを有する雌継手と,前記雌弁体に圧接して接続可能な筒状の雄継手本体を有する雄継手と,からなり,前記雄継手本体が前記雌弁体に圧接し,前記雌弁体付勢手段に抗して前記雌弁体を前記雌弁座から離座させ,内部流路を形成する継手において,前記棒状部材が,雄継手本体に対して、その径方向に変位可能に支持されるものである,ことを特徴とする継手。 【請求項2】 請求項1において,前記支持部が,軸方向に形成された孔を有するものであり,前記棒状部材が,前記孔に嵌合する遊嵌部を有するものであり,前記遊嵌部が,前記支持部に形成された孔に対して径方向に間隙を形成するように該孔の径よりも小さい径を有するものである,ことを特徴とする継手。 【請求項3】 請求項2において,前記棒状部材が,前記支持部に形成された前記孔よりも大径の大径部を前記遊嵌部の前方側に有し,前記棒状部材が前方側に抜けるのを防止する抜け止め部を前記遊嵌部の後方側に有するものであり,前記遊嵌部の軸方向の長さが,前記支持部に形成された孔に対して軸方向に間隙を形成するように該孔よりも長く形成されている,ことを特徴とする継手。 【請求項4】 請求項3において,前記遊嵌部の径と前記孔の径との差が,0.35mmから0.50mmまでの範囲内であり,前記遊嵌部の軸方向の長さと前記孔の長さとの差が,0.25mmから0.31mmまでの範囲内である,ことを特徴とする継手。 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項において,前記棒状部材の前記雌弁座の外径と,前記雌弁体の前記雌弁座に着座する部分の内径との双方またはいずれか一方が,前記雌弁体が離座する方向に向かって次第に小さくなっていることにより,前記棒状部材の前記雌弁座と,前記雌弁体の前記雌弁座に着座する部分との双方またはいずれか一方が,テーパ形状を有するものである,ことを特徴とする継手。 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項において,前記棒状部材の前記雄継手と対向する端面の外周部分から前記端面につながる側面にかけての部分と,前記雄継手本体の前記雌弁体に圧接する端面の内周部分から,前記端面につながる,雄弁体が嵌合する孔の側面にかけての部分との双方またはいずれか一方が,面取りされてテーパ形状を有するものである,ことを特徴とする継手。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,雄継手と雌継手とからなる継手に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の継手としては,実用新案登録第2559233号公報に記載のものがある。この継手におけるソケット(雌継手)のバルブステム(棒状部材)は,環状ガイドの保持部を介してソケットに固定して取り付けられており,ソケットに対して動くことはできない。したがって,プラグ(雄継手)の中心線とソケットの中心線とが一致しない状態で両者が接続された場合またはプラグとソケットとが傾斜した状態で両者が接続された場合には,プラグ本体の先端に配置されたパッキンが,プラグ本体とバルブステムとの間に噛み込まれ,損傷するおそれがあった。 【0003】また,パッキンを有しないプラグ(前記公報における図6に示すプラグ)を,両中心線が一致しない状態または傾斜した状態で無理にソケットに押し込もうとすると,バルブステムの一端がプラグ本体に圧接されて,座屈するおそれがあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するためには,バルブステムの弁座の外径をプラグ本体の内周径よりも十分小さくすること,または,この逆に,プラグ本体の内周径をバルブステムの弁座の外径よりも十分に大きくすることが考えられる。これらのいずれによっても,ソケットの中心線とプラグの中心線とが多少ずれていても,あるいは,プラグがソケットに多少傾斜して押し込まれても,前述したパッキンの損傷およびバルブステムの座屈の問題を解消することができる。 【0005】しかし,前者の場合には,バルブステムに着座するスライド弁(雌弁体)の内周も小さくしなければならず,その結果,内部流量面積が減少し,流体が流れにくくなるという問題がある。また,後者の場合には,プラグ本体の外形が大きくなり,その結果,プラグ自体が肥大して,継手全体が大きくなるという問題がある。 【0006】本発明は,このような状況に鑑みなされたものであり,その課題は,雌継手の内部流量面積を維持し,かつ,継手全体が大きくなることを防止しつつ,継手の接続時に継手の構成要素の損傷あるいは破壊を防止することができる継手を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を達成するために,本願請求項1に記載の発明に係る継手は,筒状の雌継手本体と,前記雌継手本体に摺動可能に,かつ,シールされて取り付けられる筒状の雌弁体と,前記雌継手本体内に位置し,かつ,前記雌弁体が着座する雌弁座を有する棒状部材と,前記棒状部材を支持する支持部と,前記雌弁体を着座方向に付勢する雌弁体付勢手段とを有する雌継手と,前記雌弁体に圧接して接続される筒状の雄継手本体を有する雄継手と,からなり,前記雄継手本体が前記雌弁体に圧接し,前記雌弁体付勢手段に抗して前記雌弁体を前記雌弁座から離座させ,内部流路を形成する継手において,前記棒状部材が,前記支持部によって,その径方向に変位可能に支持されるものである,ことを特徴とする。 【0008】本請求項に記載の発明によると,棒状部材が支持部によってその径方向に変位可能に支持されているので,雌継手と雄継手との接続時には,棒状部材は径方向に変位することができる。したがって,接続時に雌継手の中心線と雄継手の中心線とが一致していない場合であっても,また,雌継手と雄継手とが傾斜した状態で接続されても,棒状部材は径方向に変位して,棒状部材と雄継手本体とが圧接されることを回避することができる。これにより,棒状部材が雄継手本体に圧接されることにより生じる座屈等の,継手の構成要素の損傷あるいは破壊を防止することができる。 【0009】また,棒状部材を径方向に変位可能とするだけであって,棒状部材の雌弁座の外径を小さくしたり,雄継手本体の内周径を大きくする必要はないので,雌継手の内部流量面積を維持することができるとともに,継手全体が大きくなることを防止することもできる。 【0010】さらに,継手の製造段階においては,棒状部材の中心線と雌弁体の中心線とを合わすための高度な加工精度は必要とされない。 【0011】なお,従来の継手によると,雄継手の中心線と雌継手の中心線とのずれの発生を検査し,調整する点検作業が頻繁に行われていたが,本発明によると,この点検作業をなくし,あるいは,その回数を減少させることもできる。 【0012】本願請求項2に記載の発明に係る継手は,請求項1において,前記支持部が,軸方向に形成された孔を有するものであり,前記棒状部材が,前記孔に嵌合する遊嵌部を有するものであり,前記遊嵌部が,前記支持部に形成された孔に対して径方向に間隙を形成するように該孔の径よりも小さい径を有するものである,ことを特徴とする。 【0013】本請求項に記載の発明によると,支持部に形成された孔に嵌合する遊嵌部が,支持部に形成された孔に対して径方向に間隙を形成するように該孔の径よりも小さい径を有するので,棒状部材は,この支持部によって,径方向に移動可能に支持される。 【0014】このように,本請求項に記載の発明によると,棒状部材の遊嵌部と支持部の孔という簡単な構造により,棒状部材を径方向に移動可能に支持することができる。 【0015】本願請求項3に記載の発明に係る継手は,請求項2において,前記棒状部材が,前記支持部に形成された前記孔よりも大径の大径部を前記遊嵌部の前方側に有し,前記棒状部材が前方側に抜けるのを防止する抜け止め部を前記遊嵌部の後方側に有するものであり,前記遊嵌部の軸方向の長さが,前記支持部に形成された孔に対して軸方向に間隙を形成するように該孔よりも長く形成されている,ことを特徴とする。 【0016】本請求項に記載の発明によると,棒状部材が,支持部に形成された孔よりも大径の大径部を遊嵌部の前方側に有するので,棒状部材が雌継手本体の後方側に抜け出るのを支持部により防止することができる。また,棒状部材は,該棒状部材が前方側に抜けるのを防止する抜け止め部を遊嵌部の後方側に有するので,棒状部材が雌継手本体の前方側に抜けることを支持部により防止することができる。 【0017】このように本請求項に記載の発明によると,支持部という1つの部材により,棒状部材を径方向に移動可能に支持するとともに,棒状部材が前方側および後方側の双方に抜けることを防止することもでき,雌継手の構造を簡素化することができる。 【0018】さらに,本請求項に記載の発明によると,遊嵌部の軸方向の長さが,支持部に形成された孔に対して軸方向に間隙を形成するように該孔よりも長く形成されているので,棒状部材の軸心は,雌継手本体および雌弁体に対して傾斜することができる。これにより,棒状部材を径方向にのみ移動させるものよりも,棒状部材の先端部の径方向の移動範囲を大きくすることができる。また,雌継手本体および雌弁体が雄継手に対して傾斜して接続されても,棒状部材は傾斜することなく真っ直ぐに雄継手(雄継手の雄弁体)と接続することができる。 【0019】本願請求項4に記載の発明に係る継手は,請求項3において,前記遊嵌部の径と前記孔の径との差が,0.35mmから0.50mmまでの範囲内であり,前記遊嵌部の軸方向の長さと前記孔の長さとの差が,0.25mmから0.31mmまでの範囲内である,ことを特徴とする。 【0020】本請求項に記載の発明によると,遊嵌部の径と孔の径との差および遊嵌部の軸方向の長さと孔の長さとの差をそれぞれこのような範囲とすることにより,一方では,本願請求項3に記載の発明の作用効果を達成しつつ,他方では,支持部がガタつき雌弁体へ当たることを低減でき、支持部に対して雌弁体がスムーズに着座できる。 【0021】本願請求項5に記載の発明に係る継手は,請求項1から4のいずれか1項において,前記棒状部材の前記雌弁座の外径と,前記雌弁体の前記雌弁座に着座する部分の内径との双方またはいずれか一方が,前記雌弁体が離座する方向に向かって次第に小さくなっていることにより,前記棒状部材の前記雌弁座と,前記雌弁体の前記雌弁座に着座する部分との双方またはいずれか一方が,テーパ形状を有するものである,ことを特徴とする。 【0022】本請求項に記載の発明によると,棒状部材の雌弁座の外径が,雌弁体が摺動し離座する方向に向かって次第に小さくなっていることにより,棒状部材の雌弁座がテーパ形状を有するので,開弁時には,雄継手と雌継手との接続後,雌弁体の摺動離座をスムーズに行うことができる。また,閉弁時には,雌弁体が棒状部材のテーパ形状部分に案内されて移動するから,雌弁体を棒状部材の雌弁座に確実に着座させることができる。 【0023】また,雌弁体の雌弁座に着座する部分の内径が,雌弁体が摺動し離座する方向に向かって次第に小さくなっていることにより,雌弁体の雌弁座に着座する部分がテーパ形状を有することによっても,前述した棒状部材の雌弁座がテーパ形状を有する場合と同様の作用効果を得ることができる。 【0024】さらに,棒状部材の雌弁座と,雌弁体の雌弁座に着座する部分との双方をテーパ形状とし,両者のテーパ形状を整合させることにより,着座時に両者間の隙間をなくし,雌継手本体内の流体を確実に密封することができる。 【0025】本願請求項6に記載の発明に係る継手は,請求項1から5のいずれか1項において,前記棒状部材の前記雄継手と対向する端面の外周部分から前記端面につながる側面にかけての部分と,前記雄継手本体の前記雌弁体に圧接する端面の内周部分から,前記端面につながる,雄弁体が嵌合する孔の側面にかけての部分との双方またはいずれか一方が,面取りされてテーパ形状を有するものである,ことを特徴とする。 【0026】棒状部材の雄継手と対向する端面は,通常,雄継手本体に摺動可能に取り付けられている雄弁体と当接するが,雄継手と雌継手との接続時に両者の中心線がずれて接続された場合,または,一方が他方に対して傾いて接続された場合には,棒状部材は雄継手本体と当接することとなる。 【0027】しかし,本請求項に記載の発明によると,棒状部材の雄継手と対向する端面の外周部分から前記端面につながる側面にかけての部分と,雄継手本体の雌弁体に圧接する端面の内周部分から,前記端面につながる,雄弁体が嵌合する孔の側面にかけての部分との双方またはいずれか一方が,面取りされてテーパ形状を有するので,棒状部材は雄継手本体と当接しても,このテーパ形状に案内されて,雄弁体と当接することができる。これにより,棒状部材が雄継手本体に圧接されることにより生じる座屈等の,継手の構成要素の損傷あるいは破壊をより効果的に防止することができる。 【0028】 【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図1は,本発明の第1の実施の形態に係る継手の断面図である。この継手1は,雄継手2および雌継手4から構成されている。なお,雄継手2および雌継手4は,雄継手2と雌継手4とを接続した押し付け圧により接続状態が保持されている。また、両者が容易に外れないようにするために,両継手を係止するための部材を雄継手本体20および雌継手本体40の各周囲に設けてもよい。 【0029】雄継手2は,雄継手本体20と,雄弁体21と,付勢手段である雄弁バネ22と,雄弁支持部材23とを備えている。 【0030】雄継手本体20は,内部に流体(液体,気体等)が通過する流体通路5を有する円筒形の形状を有する。この雄継手本体20の前端(図における右端)には,先端に向かうほどその内径が小さくなっているテーパ孔が正面視円形で形成され,このテーパ孔の斜面が,雄弁体21の先端部21aが着座する雄弁座20aを形成している。雄継手本体20の前端の端面20bは,平坦に形成され,雌継手4と接続された時に,後述する雌弁体41に圧接するようになっている。雄継手本体20の後端(図における左端)には,図示しないニップル等に接続されたホース等の管から,流体が流体通路5内に流れ込むか,あるいは,流体通路5内にある流体が,ニップルを介して管に流出するようになっている。 【0031】雄弁体21は,先端部21aと軸部21bとを有する。先端部21aの側面に形成された着座部210は,弁座20aに着座するように,弁座20aと整合したテーパ状で,かつ,正面視円形の形状を有する。また,雄弁体21が弁座20aに着座する閉弁時には,先端部21aの前端に形成された端面212と雄継手本体20の端面20bとが同一平面を形成するように構成されている。着座部210には,円周溝211が形成され,円周溝211には,シール部材(たとえばOリング等)21cが環状に嵌め込まれている。このシール部材21cは,閉弁時には,弁座20aに圧接されて,流体通路5にある流体が漏出しないようにこの流体を密封する。軸部21bは,雄弁支持部材23に軸方向に摺動可能に支持されている。 【0032】雄弁バネ22は,先端部21aと雄弁支持部23との間に配置され、雄弁体21を着座方向に付勢し,雄継手2が雌継手4と接続されていない状態では,雄継手2を閉弁する。 【0033】雄弁支持部材23は,その外周部23aにおいて,雄継手本体20の後端部内面に固定されているとともに,その中央部23bの孔において,前述したように,雄弁体21の軸部21bを軸方向に摺動可能に支持している。中央部23bの周囲には,流体が通過するための複数の連通口23cが円周方向に形成されている。連通口23c間には,外周部23aと中央部23bとを結ぶ複数の橋23dが形成され,この橋23dによって,雄弁バネ21の一端が支持固定されている。 【0034】雌継手4は,雌継手本体40と,雌弁体41と,付勢手段である雌弁バネ42とを備えている。 【0035】雌継手本体40は,内部に流体が通過する流体通路6を有する円筒形の形状を有する。この雌継手本体40の前端(図1における左端)側からは,円筒形の雌弁体41が中心線方向(軸方向)に摺動可能に嵌まり込んでいる。雌弁体41が摺接する雌継手本体40の内側部分には,円周溝40dが形成され,この円周溝40dには,雌継手本体40と雌弁体41との間の流体の漏出を防止するためのシール部材(たとえばOリング等)40eが,環状に嵌め込まれている。雌継手本体40の後端(図1における右端)には,図示しないニップル等に接続されたホース等の管が接続され,流体が流体通路6内に流れ込むか,あるいは,流体通路6内にある流体が,ニップル等を介して管に流出するようになっている。 【0036】雌継手本体40の後端には,棒状部材44を支持する支持部40aが形成されている。支持部40aには,円筒形の孔400が形成され,この孔400に後述する棒状部材44の遊嵌部44dが挿通する。また,支持部40aの周囲には,流体が通過するための複数の連通口40bが円周方向に形成されている。連通口40b間には,雌継手本体40の後端部円筒面と支持部40aとを結ぶ複数の橋40cが形成され,この橋40cによって,雌弁バネ42の一端が支持固定されている。 【0037】雌弁体41の前端には,先端に向かうほどその内径が大きくなっているテーパ孔(着座部)41aが正面視円形で形成され,このテーパ孔41aが,後述する棒状部材44の先端部44aに嵌合する。 【0038】また,雌弁体41の前端の端面41bは,平坦に形成され,その一部には,円周溝41cが形成されている。この円周溝41cには,環状のシール部材41dが嵌め込まれ,雄継手2と雌継手4との接続時には,端面41bおよびシール部材41dは,雄継手本体20の端面20bに圧接されて,内部の流体を密封するようになっている。 【0039】雌弁バネ42は,雌弁体41の内側におけるテーパ孔41aの周囲(端面41bの裏側)と橋40Cとの間に配置され,雌弁体41を前方着座方向に付勢している。 【0040】棒状部材44の先端部44aは,雌弁体41のテーパ孔(着座部)41aが着座するように,テーパ孔41aと整合したテーパ状で,かつ,正面視円形の形状を有する。このテーパ状に形成された斜面は,雌弁体41の雌弁座440を形成するとともに,雌弁体41が雌弁バネ42に付勢されて雌継手本体40から抜け出ないように規制している。また,この雌弁座440には,円周溝442が形成され,この円周溝442には,環状のシール部材443が嵌め込まれ,閉弁時に,内部の流体が漏出しないように密封している。 【0041】先端部44aの前端の端面441は平坦に形成され,この端面441と雌継手本体41の前端の端面41bとは,閉弁時には,同一平面を形成するように構成されている。また,端面441は,雄継手2と接続された時に,雄弁体21の端面212に当接し,雄弁体21を押圧するようになっている。この押圧がスムーズに行われるように,端面441の外径(直径)は,雄弁体21の端面212の外径(直径)よりも僅かに小さくされている。 【0042】棒状部材44の先端部44aからは,後方に向かって軸部44bが延び,雌継手本体40の支持部40aの手前側(前方側)で,大径部44cが形成されている。大径部44cは,支持部40aの孔400の内径よりも大きな外径を有する。したがって,棒状部材44は,この大径部44cおよび支持部40aにより,雌継手本体4の後方移動範囲を規定されている。 【0043】大径部44cから後方側へは,後に詳述する遊嵌部44dが形成され,さらに,その後方側には,抜け止め部44eが形成されている。抜け止め部44eは,遊嵌部44dから延びるボルト451と,これに螺嵌するナット452と,バネ座金453および座金454とから構成されている。このナット452,バネ座金453および座金454は,支持部40aの孔400の内径よりも大きな外径を有するものが使用されている。ボルト451は、遊嵌部44dよりも小径に形成され、ボルト451と遊嵌部44dとの間には段部455が形成されている。ボルト451には、順次、座金453、ばね座金454が嵌め込まれており、最後にナット452が螺号している。このナット452の螺号により、段部455とナットに間に座金453とばね座金454が固定されている。したがって,棒状部材44は,抜け止め部44eおよび支持部40aにより,雌継手本体4の前方に抜け出ないように規制されている。 【0044】遊嵌部44dは,孔400との間で径方向に間隙(以下「径方向間隙」という。)が形成されるように,その外径(直径)が孔400の内径よりも小さく形成されている。また,遊嵌部44dは,孔400との間で軸方向に間隙(以下「軸方向間隙」という。)が形成されるように,その軸方向の長さが孔400の軸方向(中心線方向)の長さよりも長く形成されている。 【0045】この径方向間隙の存在により,棒状部材44は,支持部40aに対して,すなわち雌継手本体40および雌弁体41に対して,この径方向間隙の範囲内で径方向に変位可能となっている。また,径方向間隙および軸方向間隙の双方の存在により,棒状部材44は,支持部40aに対して,すなわち雌継手本体40および雌弁体41に対して,この径方向間隙および軸方向間隙の範囲内で傾斜可能となっている。図2は,棒状部材44の遊嵌部44dと支持部40aとを詳細に示す拡大断面図であり,径方向間隙および軸方向間隙の存在により,棒状部材44が支持部40aに対して傾斜している状態を示している。 【0046】ここで,支持部40aがガタつき雌弁体41へ当たることを低減でき、支持部40aに対して雌弁体41がスムーズに着座できるようにするために径方向間隙の間隔(すなわち,遊嵌部44dの外径と孔400の内径との差)は,0.35mmから0.50mmまでの範囲内であることが好ましく,軸方向間隙の間隔(すなわち,遊嵌部44dの軸方向の長さと孔400の軸方向の長さとの差)は,0.25mmから0.31mmまでの範囲内であることが好ましい。 【0047】次に,この継手1の作用について説明する。雄継手2と雌継手4とが分離している場合には,図1に示すように,雄継手2の雄弁体21は,雄弁バネ22の付勢力によって雄弁座20aに着座している。着座の際,雄弁座20aおよび雄弁体21の着座部分210は,ともにテーパ形状をしているので,雄弁体21は,この形状に案内されて,スムーズに着座することができる。 【0048】雄弁座20aでは,シール部材21cが,雄弁座20aに圧接されて,雄弁座20aとの間を密封状態にする。これにより,流体通路5にある流体は,雄継手2内に密封され,漏出が防止される。 【0049】一方,雌継手4の雌弁体41は,雌弁バネ42の付勢力によって棒状部材44の雌弁座440に着座している。着座の際,雌弁座440および雌弁体41の着座部41aは,ともにテーパ形状をしているので,雌弁体41は,この形状に案内されて,スムーズに着座することができる。 【0050】雌弁座440では,シール部材443が,着座部41aに圧接されて,着座部41aとの間を密封状態にする。これにより,流体通路6にある流体は,雌継手4内に密封され,漏出が防止される。また,雌継手本体40と雌弁体41との間は,シール部材40eで密封され,流体通路6にある流体は密封され,漏出が防止される。 【0051】続いて,図1に示す雄継手2と雌継手4とが接続されると,図3に示す状態に遷移する。図3は,雄継手本体20の中心線と,雌継手本体40および雌弁体41の中心線とが一致せず,僅かに傾斜して接続された状態を示している。 【0052】雄継手2と雌継手4とが接続されると,雄継手本体20の端面20bは雌弁体41のシール部材41dに,雄弁体21の端面212は棒状部材44の端面441に,それぞれ圧接される。 【0053】雄継手本体20の端面20bと雌弁体41のシール部材41dとの圧接により,シール部材41dの一部または全部は変形して,端面20bの一部または全部は端面41bに当接し,また,雄継手2と雌継手4との間が密封状態にされ,内部の流体の漏出が防止される。 【0054】雌弁体41は,雄継手本体20に押圧されて雌弁バネ42の付勢力に抗して後退し,雌弁座440から離座するとともに,雄弁体21は,棒状部材40に押圧され雄弁バネ22の付勢力に抗して後退し,雄弁座20aから離座する。離座の後,雌弁体41は,雌継手本体40内に嵌まり込んで行き,所定の行程だけ嵌まり込んだ状態で静止するとともに,雄弁体21は,所定の行程だけ後退した状態で静止する。これにより,流体通路5と6とが接続され,流体が両継手間を流れることができる。 【0055】ここで,図3に示すように,雄継手本体20の中心線と,雌継手本体40および雌弁体41の中心線とが一致せず,僅かに傾斜して接続された場合には,接続時に,雄弁体21の端面212と棒状部材44の端面441とが,傾斜して当接する。しかし,この場合に,棒状部材44は,雌弁体41の離座とともに,雌継手本体40に対して傾斜し,または,径方向に変位することができるので,離座後は,傾斜または変位により,雄弁体21の端面212と棒状部材44の端面441とは,傾斜することなく当接することができる。 【0056】また,接続時に,棒状部材44の端面441が,雄継手本体20の端面20bに僅かに接触することもある。しかし,この場合にも,棒状部材44は,雌弁体41の離座とともに,雌継手本体40に対して傾斜し,または,径方向に変位することができるので,雄継手本体20の端面20bから離れ,雄弁体21の端面212のみと当接することができる。したがって,これにより,棒状部材44の座屈,雄継手本体20の損傷等を回避することができる。 【0057】[第2の実施の形態]図4は,本発明の第2の実施の形態に係る継手の断面図である。この継手7は,雄継手8および雌継手9から構成されており,第1の実施の形態と同様に,両継手を係止するための部材を雄継手本体80および雌継手本体90の各周囲に備えているが,その図示は省略している。 【0058】この第2の実施の形態については,雄継手本体80,雄弁体81,雌弁体91および棒状部材94が,第1の実施の形態と異なり,それ以外の雄弁バネ82,雄弁支持部材83,雌継手本体90および雌弁バネ92は,第1の実施の形態のそれぞれ対応するものと同じである。したがって,以下では,これらの異なるものについてのみ説明し,同じものについては,その説明を省略する。 【0059】雄継手本体80の前端には,正面視円形の内向きフランジ80cが形成されている。この内向きフランジ80cの前方側の端面80bは,平坦に形成され,雌継手9と接続された時に,雌弁体91の端面91bおよびシール部材91dを圧接するようになっている。内向きフランジ80cの後方側の端面は,雄弁体81が着座する平坦な雄弁座80aを形成している。 【0060】雄弁体81の先端部81aは,正面視円形で,かつ,内向きフランジ80cの内径よりも大きな外径を有する基部810と,基部810から段部を形成して,先端側に突出した突出部811とから構成されている。突出部811は,雄継手本体80の内向きフランジ80cによって形成された孔の内径よりも小さな外径を有し,閉弁時には,間隙を形成して,内向きフランジ80cによって形成された孔に嵌合する。基部810は,その周縁部に,閉弁時に弁座80aに着座する着座部813を有するとともに,雄弁体81が雄弁バネ82の付勢力によって雄継手本体から抜け出ないように規制している。 【0061】基部810の着座部813には,円周溝812が形成され,この円周溝812にはシール部材81cが環状に嵌め込まれている。このシール部材81cは,閉弁時には,弁座80aに圧接されて,流体通路11にある流体が漏出しないように密封する。突出部811の平坦な端面813と雄継手本体80の端面80bとは,閉弁時に,同一平面を形成するように構成されている。なお,雄弁体81の軸部81bは,第1の実施の形態の軸部21bと同じであるので,その説明を省略する。 【0062】円筒状の雌弁体91の前端には,円筒面に沿って,環状の突出部が設けられ,この突出部の前端には,平坦な端面91bおよび円周溝91cが形成されている。円周溝91cには,環状のシール部材91dが嵌め込まれており,雄継手8が接続された時は,雄継手本体80の端面80bに圧接されて,内部の流体が漏出しないようにこの流体を密封する。 【0063】この突出部の内側には,凹陥部を形成して,正面視円形の内向きフランジ91aが形成されている。この内向きフランジ91aの前方側の端面(着座部)910は,閉弁時に,棒状部材94の先端部94aの雌弁座940に着座するようになっている。内向きフランジ91aの後方側の端面911には,雌弁バネ82が取り付けられ,雌弁体91を前方側に付勢している。 【0064】棒状部材94の先端部94aは,外向きフランジとして形成されている。先端部94aの後方側の端面(雌弁座)940には,閉弁時に,雌弁体91の着座部910が着座するようになっている。また,この端面940には,円周溝942が形成されている。この円周溝942には,環状のシール部材943が嵌め込まれており,閉弁時に,着座部910に圧接されて,流体通路12内の流体を密封する。棒状部材94の前端の平坦な端面941は,閉弁時に,雌弁体91の端面91bと同一平面を形成するように構成されている。なお,棒状部材94の大径部94c,遊嵌部94dおよび抜け止め部94eは,第1の実施の形態のものと同じであるので,その説明を省略する。 【0065】次に,この継手7の作用について説明する。雄継手8と雌継手9とが分離している場合には,図4に示すように,雄継手8の雄弁体81は,雄弁バネ82の付勢力によって前進し,雄弁座80aに着座して静止する。シール部材81cは,雄弁座80aに圧接されて,雄弁座80aとの間を密封状態にする。これにより,流体通路11にある流体は,雄継手8に密封され,漏出が防止される。 【0066】一方,雌継手9の雌弁体91は,雌弁バネ92の付勢力によって前進し,棒状部材94の雌弁座940に着座して静止する。シール部材943は,雌弁座910に圧接されて,雌弁座940との間を密封状態にする。これにより,流体通路12にある流体は,雌継手9内に密封され,漏出が防止される。また,雌継手本体90と雌弁体91との間は,シール部材90eで密封され,流体通路12の流体は密封され,漏出が防止される。 【0067】続いて,雄継手8と雌継手9とが接続されると,雄継手本体80の端面80bは雌弁体91のシール部材91dに,雄弁体21の端面212は棒状部材44の端面441に,それぞれ圧接する。 【0068】雄継手本体80の端面80bと雌弁体91のシール部材91dとの圧接により,シール部材91dの一部または全部は変形して,端面80bの一部または全部は端面91bに当接し,また。雄継手8と雌継手9との間が密封状態にされ,内部の流体の漏出が防止される。 【0069】雌弁体91は,雌弁バネ92の付勢力に抗して後退し,雌弁座940から離座するとともに,雄弁体81は,雄弁バネ82の付勢力に抗して後退し,雄弁座80aから離座する。離座の後,雌弁体91は,雌継手本体90内に嵌まり込んで行き,所定の行程だけ嵌まり込んだ状態で静止するとともに,雄弁体81は,所定の行程だけ後退した状態で静止する。これにより,流体通路11と12とが接続され,流体が両継手間を流れることができる。 【0070】ここで,図3に示す第1の実施の形態と同様に,雄継手本体80の中心線と,雌継手本体90および雌弁体91の中心線とが一致せず,僅かに傾斜して接続された場合には,接続時に,雄弁体81の端面813と棒状部材94の端面941とが,傾斜して当接する。しかし,この場合に,棒状部材94は,雌弁体91の離座とともに,雌継手本体90に対して傾斜し,または,径方向に変位することができるので,離座後は,傾斜または変位により,雄弁体81の端面813と棒状部材94の端面941とは,傾斜することなく当接することができる。 【0071】また,接続時に,棒状部材94の端面941が,雄継手本体80の端面80bに僅かに接触することもある。しかし,この場合にも,棒状部材94は,雌弁体91の離座とともに,雌継手本体90に対して傾斜し,または,径方向に変位することができるので,雄継手本体80の端面80bから離れ,雄弁体81の端面813のみと当接することができる。したがって,これにより,棒状部材94の座屈,雄継手本体80の損傷等を回避することができる。 【0072】また,第2の実施の形態では,雌弁座940と雌弁体91との着座は,外向きフランジと内向きフランジとが当接することにより行われ,離座は,該当接が解除されることにより行われる。 【0073】したがって,着座および離座の際に,雌弁座940と着座部910とが摩擦摺動することがなく,両者の磨耗による劣化を防止することができる。また,弁座940には,シール部材943が設けられているが,摩擦摺動が生じないので,このシール部材943の磨耗による劣化も防止することができる。 【0074】雄弁体81の着座部80aと弁座80aとの間でも同様に,これらの磨耗による劣化が防止される。また,雄弁体81のシール部材81cも同様に,磨耗による劣化が防止される。 【0075】[他の実施の形態]前述した第1の実施の形態および第2の実施の形態とも,雄継手として,雄弁体を有する雄継手2および8について説明したが,本発明は,雄弁体を有しない開放型の雄継手についても適用することができるのはいうまでもない。 【0076】なお,支持部40aおよび橋40cは,本実施の形態では,雌継手本体40と一体に形成されているが,別部材として,雌継手本体40に取り付けられてもよい。この場合、支持部40aを雌継手本体に40に対して傾動もしくは径方向に移動可能に設け、もって、棒状部材44を雄継手本体20に対して移動可能にしてもよい。 【0077】また,棒状部材44および94を径方向に変位可能に支持する構成として,これらの棒状部材を支持する部分に,バール・ジョイント,ユニバーサル・ジョイント等を用いることもできる。 【0078】さらに,図5に示すように,第1の実施の形態において,棒状部材44の端面441の外周部分から弁座440にかけてのコーナ部分を面取りをして,テーパ部444を形成することができる。また,雄継手本体20の弁座20aから端面20bにかけてのコーナ部分を面取りして,テーパ部20dを形成することができる。 【0079】これらのテーパ部を設けることにより,棒状部材44が雄継手本体20の端面20bに接触しても,該テーパ部444および20bの案内されて,スムーズに端面20bから離れ,雄弁体21の端面212と当接することができる。 【0080】なお,図5には,テーパ部444および20dの両者を設けているが,いずれか一方のみとしてもよく,これによっても,同様の作用効果を得ることができる。 【0081】また,図4に示す第2の実施の形態に対しても,同様の部分,すなわち,棒状部材94の端面941の外周部分からその側面にかけての部分と,雄継手本体80の端面80bの内周部分からその側面にかけての部分との双方またはいずれか一方,を面取りして,テーパ部を設けることにより,同様の作用効果を得ることができる。 【0082】 【発明の効果】本発明によると,棒状部材が支持部によってその径方向に変位可能に支持されているので,雌継手と雄継手との接続時には,棒状部材は径方向に変位することができる。したがって,接続時に雌継手の中心線と雄継手の中心線とが一致していない場合であっても,また,雌継手と雄継手とが傾斜した状態で接続されても,棒状部材は径方向に変位して,棒状部材と雄継手本体とが圧接されることを回避することができる。これにより,棒状部材が雄継手本体に圧接されることにより生じる座屈等の,継手の構成要素の損傷あるいは破壊を防止することができる。 【0083】また,棒状部材を径方向に変位可能とするだけであって,棒状部材の雌弁座の外径を小さくしたり,雄継手(プラグ)本体の内周径を大きくする必要はないので,雌継手の内部流量面積を維持することができるとともに,継手全体が大きくなることを防止することもできる。 【0084】さらに,継手の製造段階においては,棒状部材の中心線と雌弁体の中心線とを合わすための高度な加工精度は必要とされない。 【0085】なお,従来の継手によると,雄継手の中心線と雌継手の中心線とのずれの発生を検査し,調整する点検作業が頻繁に行われていたが,本発明によると,この点検作業をなくし,あるいは,その回数を減少させることもできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004019 【氏名又は名称】株式会社ナブコ
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| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095452 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 博樹
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| 【公開番号】 |
特開2001−116177(P2001−116177A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296090 |
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