トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 配管構造
【発明者】 【氏名】佐藤 文隆

【要約】 【課題】挿通されたガス供給用パイプが配管後の作業によって損傷を受けるようなことをなくせるとともに、回収できるようにして工事コストの上昇を防止できる構成を備えた配管構造を提供する。

【解決手段】集合住宅用外壁部1に形成された挿通部内にパイプを配管するための構造であって、上記挿通部として穿孔されている挿通孔2内に挿入可能な外径を有し、周方向で分割されている金属製の割形筒部材4を備え、上記割形筒部材4は、上記挿通孔2への挿入方向に平行する長手方向の長さが上記挿通孔2の長さよりも長くされ、該長手方向で上記挿入方向後方側の端部に上記挿通孔2の内径よりも大径の鍔部4Bを有していることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 集合住宅用外壁部に形成された挿通部内にパイプを配管するための構造であって、上記挿通部として穿孔されている挿通孔内に挿入可能な外径を有し、周方向で分割されている金属製の割形筒部材を備え、上記割形筒部材は、上記挿通孔へ挿入した際、少なくとも上記外壁面より突出する研削代を含む長さに相当させてあることを特徴とする配管構造。
【請求項2】上記割形筒部材の分割面には、相対的に嵌合可能な係止部が上記長手方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の配管構造。
【請求項3】 上記割形筒部材の外周面は、上記挿入方向前方側から後方側に向けて拡径するテーパ面で構成されていることを特徴とする請求項1記載の配管構造。
【請求項4】 上記筒部は上記割形筒部材の外周面から拡径するラッパ状の湾曲面とされていることを特徴とする請求項1記載の配管構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配管構造に関し、さらに詳しくは、集合住宅などの外壁内に挿通されるフレキ管等のガス管を他工事より保護する配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】集合住宅などの建築時には、各戸毎に屋内へのガス供給用配管が設けられる。ガス供給用配管は、例えば、図4に示す構造で説明すると、床部のスラブA内部に設けられたダクト内を這わせて供給パイプBを配管し、供給パイプBの端末部がフレキ管Cに接続されてベランダ部Aから外壁Dに至らせる。フレキ管Cは、外壁Dの所用箇所に形成されている挿通孔D1に挿入され、その端末部が屋内での必要長さを以て切断され、挿通孔D1内に纏められて収容されるようになっている。挿通孔D1はコンクリート打設前に位置決めされて配置されたボール紙等で形成された鞘管などによって形成され、コンクリートの養生後は、シール材によって塞がれ、内部に収容されているフレキ管が損傷されない状態を維持するようになっている。なお、図4において符号Eは、外壁D表面との間に設けられるパイプスペース用の仕切壁を示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンクリート打設が終了し、コンクリートの養生期間が過ぎると、タイル等を貼るために外壁の仕上げ処理が行われるようになっている。この作業には表面を研削できるサンダーなどの高速回転可能な工具が用いられる。このため、作業の際に誤って研削位置から外れたりすると、外壁面より突出しているフレキ管Cの位置に研削刃が到達し、フレキ管の一部に穴が開けられてしまったり、破断されてしまうことがある。
【0004】一方、屋内外への配管工事が必要となる作業には、ガス工事だけでなく給水や給湯あるいは配電工事がある。このため、配管を終えているフレキ管に対して他の工事に用いられる配管位置が交錯しているような場合、フレキ管を折り曲げて他の工事での配管作業を行うような場合がある。この際に、鞘管の端部で複数回曲げられた場合には、その端部のエッジ部によって亀裂が生じたりすることがある。
【0005】本発明の目的は、上記従来の配管構造における問題に鑑み、配管されたフレキ管が、他の工事作業によって損傷を受けるのを防止できる構成を備えた配管構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、集合住宅用外壁部に形成された挿通部内にパイプを配管するための構造であって、上記挿通部として穿孔されている挿通孔内に挿入可能な外径を有し、周方向で分割されている金属製の割形筒部材を備え、上記割形筒部材は、上記挿通孔へ挿入した際、少なくとも上記外壁面より突出する研削代を含む長さに相当させてあることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、上記割形筒部材の分割面には、相対的に嵌合可能な係止部が上記長手方向に沿って複数設けられていることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、上記割形筒部材の外周面は、上記挿入方向前方側から後方側に向けて拡径するテーパ面で構成されていることを特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明は、上記筒部は上記割形筒部材の外周面から拡径するラッパ状の湾曲面とされていることを特徴としている。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明では、挿通孔内に割形筒部材を挿入されると、その端部が外壁面より研削代分が突出した状態になっているので、外壁面を仕上げている際に、謝って手元を狂わせた場合でも、研削工具は研削代に触れるため、研削代分が研削されるだけであるので、割形筒部在位収容されるパイプが損傷されないようにできる。しかも、割形筒部材は、パイプが挿入された後においても挿通孔から引き抜いた場合に分離させることができるので、パイプに干渉することなく回収することができ、再使用が行える。
【0011】請求項2記載の発明では、長手方向に沿って相対的に嵌合可能な係止部が設けられているので、割形形状とした場合の相対的な位置ずれが防がれてパイプを保護することができる。
【0012】請求項3記載の発明では、割形筒部材の外周面がテーパ面となっているので、挿通孔の内面状態、つまり、内径変化などに関係なく挿入することができるとともに圧入状態が得られるので、挿通孔内で堅固に保持されてパイプの保護機能を発揮することができ、挿通孔内で保持されやすくすることができる。
【0013】請求項4記載の発明では、鍔部がラッパ状の湾曲部とされているので、割形筒部材内に挿入されたパイプが折り曲げられた場合でも屈曲することがなく、屈曲した場合のような応力集中部が発生しないようにできる。
【0014】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1は、本発明実施例による配管構造を説明するための模式図であり、同図において符号1は集合住宅などの外壁を示している。外壁1には、ガス供給パイプを引き込むための該当個所に挿通孔2が形成されている。挿通孔2は、コンクリート打設時に従来技術で説明した鞘管に相当する外筒3が位置決めされて配置され、コンクリート打設後の養生後に抜き取られたりあるいは外筒3をそのまま残置することで形成される。本実施例では、外筒3が残置されている場合を対象としている。
【0015】挿通孔2に装填されている外筒3の内部には割形筒部材4が挿入されるようになっている。割形筒部材4は、図2に示すように、金属製のパイプを周方向で2分割したものであり、図1において矢印で示す挿入方向と平行する長手方向の長さが外壁1の研削代Sを含んだ長さとなるように構成されている。
【0016】割形筒部材4には、分割面に相対的に嵌合可能な形状、つまり凹部と凸部とを組み合わせた係止部4Aが長手方向に沿って複数箇所に形成されており、分割面を合致させた場合に係止部同士が嵌合して挿通孔2に挿入できる円筒パイプ状をなすようになっている。係止部4Aは、互いに嵌合すると、割形筒部材4の長手方向での位置ずれを防止できるようになっており、挿通孔2内に挿入され後に不用意に抜け出ないようにされている。
【0017】割形筒部材4の長手方向において挿入方向後方側の端面には、挿通孔2の内径よりも大径の鍔部4Bが設けられている。鍔部4Bは、割形筒部材4の外周面に連続するラッパ状の湾曲部4B1を有しており、挿通孔2内に挿入された後、挿入側に位置するガス供給パイプが折り曲げられた際にそのガス供給パイプの形状を湾曲部4Bに倣わせて湾曲させるようになっている。
【0018】一方、鍔部4Bに有する湾曲部4B1に連続する割形筒部材4の外周面は、図1に示すように、挿入方向(図示矢印方向)前方側から後方側に向けて拡径するテーパ面で構成されている。
【0019】本実施例は以上のような構成であるから、図3に示すように、養生後の外壁1に形成された挿通孔2内の外筒3に対し、分割面を合致させた状態で割形筒部材4が挿入される。ガス供給管であるフレキシブル管Fは挿通後の必要長さを以て切断され、割形筒部材4内に纏めて収容される。纏められたフレキシブル管Fは、テープなどでばらけないようにされて割形筒部材4内の鍔部4B側に位置させて収容される。これは、鍔部4Bと反対側の端部が研削サンダーに触れる位置であるからである。外筒3内に挿入された割形筒部材4は、鍔部4Bが挿入方向後方側の外壁表面に当接すると、図1において符号Sで示す研削代を含む長さがあるので、内外装の仕上げ処理時に研削用のサンダー(図示されず)の刃が接触した場合でも収容されているフレキシブル管を保護することができる。
【0020】外筒3内に挿入される割形筒部材4は、挿入時、外周面がテーパ部となっているので、筒部材の内径が多少異なっていても圧入することができる。しかも、分割面に形成されている係止部4Aが互いに嵌合しているので、長手方向に位置ずれすることがなく、筒状を保って内部に収容されるフレキシブル管を保護することができる。
【0021】一方、外筒3内に挿入されている割形筒部材4は、内部にフレキシブル管が挿入された後、取り出すことができる。すなわち、割形筒部材4は、フレキシブル管が内部に挿通されている状態で、例えば、内外装の仕上げ処理が終了したような場合、外筒3内から引き出すことができる。しかも、引き出した後では、分割面を分離することができるので、フレキシブル管が挿通されていてもそれに干渉されることなく分割することができ、これにより、別な場所での再使用が可能となる。
【0022】さらに、外筒3内に挿入された状態の割形筒部材4は、鍔部4Bにラッパ状の湾曲部4B1を有しているので、内部に挿通されているフレキシブル管が持ち上げられたりして折り曲げられる状態となると、フレキシブル管が湾曲部4B1に倣って湾曲し、屈曲部が形成されないので、屈曲部での応力集中などを生じることがなく、フレキシブル管にひび割れや折損などの不具合を生じさせることがない。この結果、配管工事以外の工事中に不用意にフレキシブル管が折り曲げられても、フレキシブル管に損傷を来すことがない。なお、上記実施例では、挿通孔2内に外筒3を装填した状態を前提として説明したが、外筒3がない場合を対象として挿通孔2自体を対象として実施することもちろん可能である。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、割形筒部材が鍔部を外壁面に当接させる位置まで挿入されると、鍔部と反対側の端部が研削代分だけ長くなっているので、仮に割形筒部材に研削工具が触れた場合でも研削代分が研削されるだけであるので、割形筒部在位収容されるパイプが損傷されないようにできる。しかも、割形筒部材は、パイプが挿入された後においても挿通孔から引き抜いた場合に分離させることができるので、パイプに干渉することなく回収することができ、再使用が行える。これにより、配管工事に係るコストの低減が可能となる。
【0024】請求項2記載の発明によれば、長手方向に沿って相対的に嵌合可能な係止部が設けられているので、割形形状とした場合の相対的な位置ずれが防がれてパイプを保護することができる。これにより、不用意にガス供給パイプからこれの保護部材が外れるようなことがなくなるので、ガス供給パイプの保護を確実に行うことができる。
【0025】請求項3記載の発明によれば、割形筒部材の外周面がテーパ面となっているので、通孔の内面状態、つまり、内径変化などに関係なく挿入することができるとともに圧入状態が得られるので、挿通孔内で堅固に保持されてパイプの保護機能を発揮することができ、挿通孔内で保持されやすくすることができる。これにより、挿通孔からの不用意な抜けが防止できることで収容されているガス供給パイプの保護が確実に行えることになる。
【0026】請求項4記載の発明によれば、鍔部がラッパ状の湾曲部とされているので、割形筒部材内に挿入されたパイプが折り曲げられた場合でも屈曲することがなく、屈曲した場合のような応力集中部が発生しないようにできる。これにより、不用意に他工事でのガス供給パイプの折り曲げなどが行われても、折損やひび割れなどの不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【出願日】 平成11年10月19日(1999.10.19)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−116171(P2001−116171A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−296993