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【発明の名称】 埋設管、配管分岐ユニット、配管変換ユニット及び配管敷設方法
【発明者】 【氏名】庄野 宣昭

【要約】 【課題】配管を地中に埋設するにあたって、配管敷設のための配管占有スペースを縮小する。

【解決手段】地中に埋設して使用される埋設管1の構造として、第1の熱媒搬送路4を管内に形成してなる内管2と、この内管2の外側に該内管2と同心円状に配置され、内管2との間に第2の熱媒搬送路5を形成してなる外管3とを備える二重管構造とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地中に埋設して使用される埋設管であって、第1の熱媒搬送路を管内に形成してなる内管と、前記内管の外側に該内管と同心円状に配置され、前記内管との間に第2の熱媒搬送路を形成してなる外管とを備えることを特徴とする埋設管。
【請求項2】 前記内管と前記外管との間にスペーサ部材を介装してなることを特徴とする請求項1記載の埋設管。
【請求項3】 前記第1の熱媒搬送路を熱媒搬送時の往路とし、前記第2の熱媒搬送路を熱媒搬送時の復路としてなることを特徴とする請求項1又は2記載の埋設管。
【請求項4】 請求項1記載の埋設管に接続して使用される配管分岐ユニットであって、前記埋設管の内管に接続可能な分岐用内管と、前記埋設管の外管に接続可能な分岐用外管と、前記分岐用内管から分岐する第1の分岐管と、前記分岐用外管から分岐する第2の分岐管とを有することを特徴とする配管分岐ユニット。
【請求項5】 請求項1記載の埋設管に接続して使用される配管変換ユニットであって、前記埋設管の内管に一端を接続可能な変換用内管と、前記埋設管の外管に一端を接続可能でかつ他端が前記変換用内管とは分離した状態に配置された変換用外管とを有することを特徴とする配管変換ユニット。
【請求項6】 請求項1記載の埋設管を押し管工法により敷設するに際して、配管敷設用に掘削された縦坑内の空間を、配管分岐のための分岐ステーション又は圧力損失を補うためのポンプステーションとして用いることを特徴とする配管敷設方法。
【請求項7】 前記縦坑内の空間に、前記埋設管をU字形に屈曲させてなるUベントを収容することを特徴とする請求項6記載の配管敷設方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に埋設して使用される埋設管と、この埋設管に接続して使用される配管分岐ユニット及び配管変換ユニット、さらには上記埋設管による配管敷設方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地域冷暖房用の配管などは、熱製造所等で生成される熱媒(温水、蒸気、冷水)を各建物まで搬送するために、地中に埋設されることが多い。そうした場合、地中に埋設される配管部分には、熱製造所で生成された熱媒を各建物に供給するための管路(往路)の他に、各建物で熱消費された熱媒を熱製造所に戻すための管路(復路)を確保する必要がある。
【0003】従来、こうした熱媒等の搬送路としては、往路用の配管と復路用の配管とをそれぞれ1本ずつ埋設する、いわゆる2管方式が採用されている。この2管方式においては、配管を流れる流体温度と管路周囲の温度との格差が大きい場合に、その温度差に応じた断熱材をサービス管の外周に巻装する必要がある。そのため、断熱材を含む管全体の仕上がり外径はかなり太いものとなり、その分だけ配管埋設のための占有スペースも広くなる。
【0004】ところで、上記地域冷暖房用の配管などのように、地中に埋設して使用される配管(埋設管)は、生活に不可欠な水道、電気、ガスなどの供給ライン(ライフライン)と一緒に公道下に埋設されることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のような2管方式では、これを埋設するための占有スペースとして配管2本分のスペースが必要となる。即ち、図13(a),(b)に示すように、往路用の配管51と復路路の配管52を埋設するには、その間の隙間を含めた配管占有スペースE5が必要となる。そのため、例えば、都市部などのようにライフラインで満杯になった公道下に埋設管を埋設する場合等では、地中に配管占有スペースを新たに確保するのが困難になることが予想される。また、上記図13(a),(b)に示すように、2管方式における各配管51,52からそれぞれ分岐管53,54を取り出す場合、その取り出し部分で分岐管53を迂回させるための広い分岐部収容スペースE6も必要になる。
【0006】特に、上述した地域冷暖房用の配管では、冷水と温水(又は蒸気)の搬送を別々の管路で行う必要があることから、冷水搬送用の配管が往路と復路で1本ずつと、温水(又は蒸気)搬送用の配管が往路と復路で1本ずつの、いわゆる4管式となる。この4管式の場合は、図14(a),(b)に示すように、合わせて4本の配管55,56,57,58を埋設するため、上記2管式の場合(E5)の2倍の配管占有スペースE7が必要となる。また、各配管55,56,57,58からそれぞれ分岐管59,60,61,62を取り出す場合にも、その取り出し部分で分岐管59,62を迂回させるために上記2管式の場合(E7)の2倍の分岐部収容スペースE8が必要となる。この点は図15(a),(b)に示すように、各配管55,56,57,58からの分岐管59,60,61,62の取り出し方向が異なる場合でも同様のことが言える。そのため、4管式の場合は、先述した配線占有スペースの確保難と分岐のためのスペース拡大の傾向が、より一層顕著なものとなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、地中に埋設して使用される埋設管の構造として、第1の熱媒搬送路を管内に形成してなる内管と、この内管の外側に該内管と同心円状に配置され、内管との間に第2の熱媒搬送路を形成してなる外管とを備えたものとなっている。
【0008】本発明に係る配設管においては、内管と外管による二重管構造となっているため、見掛け上は1本の管でありながら、その管内に、第1,第2の熱媒搬送路といった2つの管路が形成される。こうして二重管構造の埋設管を用いることにより、これを地中に埋設する際の配管占有スペースを大幅に縮小することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の実施形態に係る埋設管の構造を説明する斜視図である。図示した埋設管1は、公道下等の地中に埋設して使用されるもので、主として、外径寸法が異なる2本の管2、3によって構成されている。各々の管2、3は、それぞれ断面円形のサービス管と該サービス管の外周に巻装された断熱材,外装材等により形成されている。
【0011】外径寸法が小さい方の管(以下、内管という)2は、その管内(サービス管の内側)に第1の熱媒搬送路4を形成し、この第1の熱媒搬送路4を熱媒搬送時の往路としている。ここで、搬送対象となる熱媒としては、温水、蒸気、冷水等の流体が挙げられる。また、熱媒搬送時の往路とは、例えば地域冷暖房システムにおいて中央プラント(熱製造所等)から各建物に熱媒を搬送する場合に、中央プラントから各建物に向かう管路をいい、それと逆向きの管路、即ち各建物から中央プラントに戻る管路を復路という。
【0012】外径寸法が大きい方の管(以下、外管という)3は、上記内管2の外側に該内管2と同心円状に配置されている。この状態で外管3は、内管2との間に第2の熱媒搬送路5を形成し、この第2の熱媒搬送路5を熱媒搬送時の復路としている。第2の熱媒搬送路5は、内管2の外周部(断熱材,外装材等を含めた仕上がり外周面)と外管3の内周部(サービス管の内周面)との間に確保される空間(クリアランス)により形成される。ちなみに、内管2と外管3については、外径寸法の異なる既存の管材を適宜選択して用いることもできる。
【0013】図2は上記埋設管における内管の構造説明図であり、(a)はその正面図、(b)はその側面図である。図2において、内管2は、先にも述べたとおりサービス管2Aと断熱材,外装材等による断熱層2Bとによって形成されている。また、内管2の外周部には、該内管2と上述した外管3の間に巻装されるスペーサ部材として、例えば薄い金属板からなるベルト6が巻き付けられ、かつ該ベルト6を用いて内管2の外周部に複数本(図例では3本)のスタッド7が取り付けられている。これらのスタッド7は、内管2の外周部から互いに同一寸法をもって放射方向に突出する状態で配置されている。また、内管2の円周方向においては、各々のスタッド7が等ピッチ(図例は120°ピッチ)で配置されている。そして、各スタッド7の先端部(突出端部)は、内管2と同心円をなす共通の仮想円に接する状態で配置されている。
【0014】上述した複数本のスタッド7は、埋設管1を構成するにあたって内管2と外管3を互いに同心円状に組み付け、かつ該組み付け状態にて内管2と外管3の間に確保されるクリアランス(第2の熱媒搬送路5を形成する空間)を一定に保持するためのものである。
【0015】実際の現場施工では、定尺物の管を長手方向に順次接続して敷設することになる。これに対して、上記埋設管1を用いる場合は、先ず、上記バンド6を用いて定尺の内管2の長手方向に適当な間隔でスタッド7を取り付ける。次に、スタッド付きの内管2を長手方向に順次接続して敷設する。このとき接続される内管2の本数は、所望する配管の敷設距離に応じたものとなる。次いで、敷設の完了した内管2の外側に上記スタッド7をガイドとして定尺の外管3を順次嵌合させて送り込み、かつそれらの外管3を互いに接続する。これにより、内管2と外管3とが同心円状に配置されるとともに、内管2と外管3の間に上記スタッド3の突出寸法に応じた一定のクリアランスが確保される。
【0016】なお、内管2と外管3の間に巻装されるスペーサ部材としては、上記ベルト6と複数本のスタッド7を組み合わせたものに限らず、内管2と外管3の間のクリアランスを一定に保持するとともに、外管3を組み付ける際にガイド機能を奏し、かつ内管2と外管3の間(第2の媒体搬送路5)で熱媒の流れを許容する構造のものであればよい。さらに、スペーサ部材としては、内管2又は外管3への取り付け(着脱)が容易又は工場で一体加工したもので、かつ第2の媒体搬送路5での熱媒の流れを阻害しない形状(例えば、流線形)のものが望ましく、熱媒の流速や温度に対して劣化が許容できる材質、構造であることが肝要である。
【0017】上述したように本実施形態においては、外径寸法の異なる内管2と外管3の組み合わせにより、いわゆる二重管構造の埋設管1を採用している。かかる構造の埋設管1では、見掛け上は1本の管でありながら、その管内に、第1,第2の熱媒搬送路4,5といった2つの管路を形成することができる。このような二重管構造の埋設管1を用いることにより、これを地中に埋設する場合の配管占有スペースを大幅に縮小することができる。また、既存の埋設物(ライフライン等)で満杯になった公道下でも、上述のように二重管構造の埋設管1を用いることにより、これを埋設するための配管占有スペースを比較的容易に確保することが可能となる。
【0018】ちなみに、本実施形態における二重管構造の埋設管1の仕上がり外径は、従来の2管方式における配管1本分の外径を基準にすると、180℃程度の高温水を搬送する場合でも1.4倍程度に収めることができる。また、従来の2管方式では2本の配管を並列に敷設することになるため、そのための配置スペース(間隔)を考えると、二重管構造による埋設管1の配管占有スペースを、従来(2管方式)の1/2以下に縮小することが可能となる。
【0019】また本実施形態においては、埋設管1における第1の熱媒搬送路4を熱媒搬送時の往路とし、第2の熱媒搬送路5を熱媒搬送時の復路としているため、例えば搬送対象となる熱媒が高温水等で管路周辺との温度格差が大きくなる場合、管路周辺との温度格差がより大きい高温水が管の内側を流れ、建物等で熱消費された戻り水即ち管路周辺との温度格差が軽減された温水が外側を流れることになる。これにより、第1の熱媒搬送路4を流れる熱媒の熱損失が有効に抑えられるため、内管4の保温仕様を軽減することができる。また、断熱材、外装材等を含めた内管4の仕上がり外径を小さくできるため、埋設管1全体の仕上がり外径を細くすることが可能となる。
【0020】さらに、本実施形態に係る埋設管1を用いることにより、開削工法(オープンカット工法)による掘削工事によって配管を地中に埋設する場合に、配管敷設工事費を安く抑えることができる。即ち、図3(a)に示すように従来の2管方式で2本の配管を横に並べて埋設する場合の施工中道路占有幅員をW1、掘削深さをD1とし、図3(b)に示すように従来の2管方式で2本の配管を縦に並べて埋設する場合の施工中道路占有幅員をW2(<W1)、掘削深さをD2(>D1)とすると、本実施形態のように二重管構造の埋設管1を埋設する場合は、図3(c)に示すように施工中道路占有幅員W3が上記W2よりも狭く、かつ掘削深さD3が上記D1よりも浅い条件で敷設工事を行うことができる。ちなみに、図3中の符号dは土被りで、それぞれに同一寸法となっている。また、符号w1〜w3は掘削部分の底幅で、これらはw1>w3>W2の関係になっている。これにより、従来の2管方式に比較して掘削断面が大幅に縮小され(S3<S1,S3<S2)、これによって掘削土量も大幅に削減される。その結果、配管敷設工事で大きなウエイトを占める土工事の費用を大幅に削減することができる。
【0021】また、掘削深さが大きくて開削工法を採用できない場合には、ヒューム管等の保護管を用いた押し管工法を採用することが想定されるが、この押し管工法を採用する場合にも、保護管の使用本数を従来(2管方式)の1/2に削減できるため、経済性及び施工性を向上させることができる。
【0022】ところで、上述した内管2と外管3からなる埋設管1は、例えば地域冷暖房用の配管として使用する場合に熱媒を搬送する主管となるものであるが、熱製造所となる中央プラントとそこから供給される熱媒を冷暖房のために消費するサブプラントや各建物とを配管で繋ぐには、主管から分岐する分岐管が必要となる。
【0023】そこで続いては、上記埋設管1に接続して使用される配管分岐ユニットについて説明する。図4は本発明の実施形態に係る配管分岐ユニットの構造を示す一部破断図である。図示した配管分岐ユニット11は、主として、分岐用内管12と分岐用外管13とによって構成されている。分岐用内管12の内部には第1の熱媒搬送路14が形成されている。また、分岐用内管12と分岐用外管13の間には所定のクリアランスが確保され、このクリアランスによって第2の熱媒搬送路15が形成されている。
【0024】このうち、分岐用内管12は先述した埋設管1の内管2に接続可能に形成され、分岐用外管13は先述した埋設管1の外管3に接続可能に形成されている。具体的には、分岐用内管12の両端部の開口径が先述した内管2端部の開口径とほぼ同一寸法に設定されている。そして、分岐用内管12の開口部と先述の内管2の開口部を互いに同軸に突き合わせた状態で、溶接等により直に、或いは図示せぬジョイント部材を介して、両者を接続し得る構成になっている。この点は分岐用外管13と先述の外管3とを接続する場合にも同様である。
【0025】また、分岐用内管12の外周部からは、その管路と直角をなす方向に第1の分岐管16が導出されている。この第1の分岐管16は、配管分岐ユニット11を製造する工場、又は配管分岐ユニット11を使用する施工現場において、例えば溶接等により分岐用内管12に一体に接続されるものである【0026】同様に、分岐用外管13の外周部からは、その管路と直角をなす方向に第2の分岐管17が導出されている。この第2の分岐管17も、配管分岐ユニット11を製造する工場、又は配管分岐ユニット11を使用する施工現場において、溶接等により分岐用外管13に一体に接続されるものである。
【0027】配管分岐ユニット11における分岐用内管12、分岐用外管13及び第1,第2の分岐管16、17の基本構造は、先述した埋設管1の内管2と外管3の基本構造(サービス管とこれに巻装された断熱材,外装材等により形成された管構造)と同様である。
【0028】また、分岐用外管13は、分岐用内管12との組み付けのため、図5に示すように分岐管の取出方向(図の上下方向)に2分割された構造になっている。このうち、一方(図の上側)の管半体13Aには第2の分岐管17が一体に接続されている。また、第2の分岐管17の接続部(導出部)近傍には、上記第1の分岐管16を嵌挿可能な円形の開口部18が明けられ、かつ該開口部18の内周部に断熱材等が設けられている。これに対して、他方(図の下側)の管半体13Bは、半円形の軒樋の如き構造をなしている。
【0029】ここで、分岐用内管12と分岐用外管13を組み付ける場合は、第1の分岐管16を一体に有する分岐用内管12に対して、該分岐用内管12を包み込むように、上記2つの管半体13A,13Bを外側から被せる。このとき、管半体13Aの開口部18に第1の分岐管16を通すことにより、分岐用外管13の外側に第1の分岐管16が取り出される。また、管半体13A,13Bの互いの分割面を溶接等によって接合することにより、分岐用内管12の外側で分岐用外管13が一体化される。
【0030】上記構成からなる配管分岐ユニット11を用いることにより、二重管構造の埋設管1を地中に埋設して熱媒搬送のための主管を敷設する場合に、その管路の途中で、主管部から容易に分岐管を取り出すことができる。また、上述した分岐用内管12の第1の分岐管16と分岐用外管13の開口部18とは、工場で一体加工或いは現場にてサービス管を溶接し、その後、断熱及び外装を行う等により、互いの嵌合部において両者が断熱材を介して弾性的にしかも緊密に密着した状態となる。さらに、配管分岐ユニットの内管12と外管13間の収縮差は、縦坑内に配管分岐ユニットとセットで設置したUベント(図12参照)の働きにより、殆ど無視できるものとなる。したがって、分岐用内管12と分岐用外管13の間に熱伸縮の差があっても、その収縮差を上記嵌合部で吸収して漏水を防止することができる。
【0031】さらに、上記配管分岐ユニット11と埋設管(二重管)1の組み合わせ使用よる配管構造においては、図6(a),(b)に示すように、埋設管1とこれに繋がる配線分岐ユニット11の主管部分の配管占有スペースE1を、従来の2管式(図13を参照)の場合よりも大幅に縮小することができるうえ、分岐管16,17を取り出すための分岐部収容スペースE2を上記配管占有スペースE1と同等レベルまで縮小することができる。また、従来の4管式(図14及び図15を参照)との比較でも、図7(a),(b)に示すように、2本の埋設管1とこれに繋がる2つの配線分岐ユニット11による主管部分の配管占有スペースE3を従来の2管式の配管占有スペース(E5)と同一レベルまで縮小することが可能になるとともに、分岐管16,17を取り出すための分岐部収容スペースE4を上記配管占有スペースE3と同等レベルまで縮小することが可能になる。
【0032】また、配管分岐ユニット11を構成するにあたっては、図8に示すように、第1の熱媒搬送路14における熱媒(図例では高温流体)の流れに対してこれに沿う方向で熱媒が分岐するように第1の分岐管16の取り出し方向を設定するとともに、第2の熱媒搬送路15における熱媒(図例では低温流体)の流れに対してこれに沿う方向で熱媒が合流するように第2の分岐管17の取り出し方向を設定することにより、第1,第2の熱媒搬送路14,15を流れる熱媒の流路抵抗を極力減少させることができる。
【0033】続いて、上記埋設管1に接続して使用される配管変換ユニットについて説明する。この配管変換ユニットは、例えば、上述の如く二重管構造をなす埋設管1によって形成される管路の途中にポンプ等の機器を接続するにあたって、管路構成を二重管式から2管式に変換するために用いられるものである。
【0034】図9は本発明の実施形態に係る配管変換ユニットの構造を示す側面図であり、図10は図9における各位置(■〜■)の配管断面形状を示す図である。図示した配管変換ユニット21は、主として、変換用内管22と変換用外管23とによって構成されている。
【0035】変換用内管22の一端22Aは先述した埋設管1の内管2に接続可能に形成され、変換用外管23の一端23Aは先述した埋設管1の外管3に接続可能に形成されている。具体的には、変換用内管22の一端22Aの開口径が先述した内管2端部の開口径とほぼ同一寸法に設定されている。そして、変換用内管22の開口部と先述の内管2の開口部を互いに同軸に突き合わせた状態で、溶接等により直に、或いは図示せぬジョイント部材を介して、両者を接続し得る構成になっている。この点は変換用外管23の一端23Aと先述の外管3とを接続する場合にも同様である。
【0036】変換用内管22は、全体にストレートな円筒構造をなし、その内部に熱媒搬送のための搬送路24を形成している。この搬送路24は、変換用内管22と先述の内管2を接続した際に、内管2による第1の熱媒搬送路4に連通する状態となる。
【0037】変換用外管23は、その内部に熱媒搬送のための搬送路25を形成している。この搬送路25は、変換用外管23と先述の外管3を接続した際に、外管3による第2の熱媒搬送路5に連通する状態となる。この変換用外管23は、その一端23Aから他端23Bに向けて外径寸法が徐々に縮小し、かつ全体にひねりを加えた管形状となっている。
【0038】さらに詳述すると、変換用外管23は、■の位置では変換用内管22と同心円状をなしており、■〜■の位置にかけてはその断面形状が円形から楕円形に変移している。また、■から■の位置にかけては、変換用外管23の中心位置(楕円中心)が変換用内管22の中心位置(円中心)から徐々にずれ、かつ■の位置を境に変換用内管22と変換用外管23が分離されている。この分離部分では、変換用内管22が変換用外管23の外周壁を嵌通する構造になっている。そして、■の位置では変換用内管22と変換用外管23が完全に分離(隔離)され、■の位置ではそれぞれ円形に開口した状態で変換用内管22の他端22Bと変換用外管23の他端23Bとが分離状態に配置されている。
【0039】上記構成からなる配管変換ユニット21においては、先述の埋設管1との組み合わせ使用に際して、変換用内管22の一端22Aを埋設管1の内管2に接続するとともに、変換用外管23の一端23Aを埋設管1の外管3に接続することにより、先述の第1の熱媒搬送路(往路)4を通して搬送された熱媒を変換用内管22の他端22Bから排出する一方、変換用外管23の他端23Bから取り込まれた熱媒を先述の第2の熱媒搬送路(復路)5に送り込むことができる。これにより、変換用内管22の他端22Bに例えばポンプの熱媒取込口を接続し、変換用外管23の他端23Bにポンプの熱媒排出口を接続することにより、二重管構造の埋設管1による管路の途中に、配管変換ユニット21を介してポンプ等の機器を容易に設置して使用することができる。
【0040】また、配管変換ユニット21の構成として、変換用内管22と変換用外管23の分離部分で、上記配管分離ユニット11の嵌合部構造と同様に、両者が断熱材を介して弾性的に緊密に密着した状態とすることにより、上記分離部分での断熱効果を高めて熱損失を防止することができるとともに、変換用内管22と変換用外管23の熱伸縮差を吸収して漏水を防止することができる。
【0041】続いて、本実施形態に係る埋設管1を用いて、先述の押し管工法により公道下に配管を敷設する場合の施工手順について説明する。
【0042】先ず、道路上に所定の間隔で縦坑を掘った後、発進坑となる縦坑から到達坑となる縦坑まで、ヒューム管等の保護管を順次送り込む。このとき、保護管の内部に埋設管1を通して敷設することになり、またその敷設状況における保護管と外管3の配置関係は先述した内管2と外管3の配置関係と同様になる。
【0043】即ち、図11に示すように、サービス管3Aと断熱材,外装材等による断熱層3Bからなる外管3に対し、その外周部にバンド8を用いて複数本のスタッド9を装着し、これらのスタッド9をガイドとして保護管(ヒューム管等)10内に外管3を通すことにより、二重管構造の埋設管1が敷設される。
【0044】その後は、先に到達坑とした縦坑を発進坑とし、新たに到達坑とした縦坑まで上記同様に保護管を順次送り込んで埋設管1を敷設し、これを何度か繰り返すことにより、公道下に所望の区間に亘って埋設管1が敷設されることになる。
【0045】通常、押し管工法による配管の敷設工事では、工事完了後に縦坑(発進坑,到達坑)を埋め戻しているが、上記埋設管1を用いた配管敷設方法では、それらの縦坑を、配管分岐のためのステーション、或いは圧力損失を補うためのポンプステーションとして用いることで、縦坑を有効に活用することができる。
【0046】図12は配管敷設工事のために掘られた縦坑を実際に分岐ステーションとして活用した事例を示す概略図である。図12においては、路面から所定の深さで縦坑30が掘られ、その縦坑30を繋ぐかたちで押し管(保護管)31が敷設されている。押し管31の内部には先述の埋設管1が通されている。また、分岐ステーションとなる縦坑30内には、上記配管分岐ユニット11を収容するためのスペース(空間)32が確保され、そこから分岐管33,34が取り出されている。
【0047】このように縦坑を分岐ステーションとして活用することにより、将来的に、任意の方向、レベル(埋設深さ)に分岐管を取り出すことができる。また、縦坑をポンプステーションとして活用することにより、別途、設置スペースを設けなくても圧力損失を補うためのポンプを設置できるとともに、該設置したポンプを上記配管変換ユニット21を用いて主管(埋設管1)に接続することができる。
【0048】さらに、従来においては、、熱媒搬送用の配管を地中に埋設(敷設)する場合、その軸方向の伸縮差を吸収するために、一定の間隔(100m以下)毎に伸縮継手を設ける方法を採用しているが、伸縮継手は許容収縮差に限度があり、また耐久性、信頼性の面で不安があるため、更新や点検可能な空間の中に設置するとともに、その間の熱媒搬送路を短く区切らざるを得なかった。これに対して、図12の如く配管敷設用に掘削された縦坑30内の空間に、上記埋設管31をU字形に屈曲させてなるUベント35を収容することにより、熱による軸方向の伸縮をU字部分の変形により吸収させることができるため、経済性、信頼性、大収縮差吸収等に優れた配管敷設工事を実現することが可能となる。
【0049】ところで、押し管工法による配管敷設工事では、先の図11に示すように、埋設管1と保護管10との間にスタッド9によって一定の間隙(エアースペース)が確保される。この間隙部分での空気は、埋設管1から放散される熱によって相当量の熱量を保有することが多い。そのため、熱媒が高温水等の場合に、上記埋設管1と保護管10間のエアースペースが上記ステーションで開放された状態になっていると、上記ステーション内の雰囲気温度がかなり高くなってしまうことが懸念される。
【0050】この解決策としては、各ステーションで埋設管1と保護管10間のエアースペースを閉塞することにより、エアースペース内の空気がステーションに漏出しないようにすることが考えられる。また、他の解決策としては、各ステーションに保護管同士を接続する保護筒を設置し、この保護筒を介して両側のエアースペースを連通状態にすることにより、ステーション内の空気とエアースペース内の空気を遮断することが考えられる。さらに、上記他の解決策において、互いに連通させたエアースペース内の空気(保有熱)を熱製造所等へと導いて熱回収させることにより、地域暖房等におけるシステム効率を向上させ、かつ管路周辺の温度上昇を軽減することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る埋設管によれば、内管と外管による二重管構造としたことで、これを地中に埋設する際の配管占有スペースを大幅に縮小することができる。これにより、既存の埋設物(ライフライン等)で満杯になった道路下でも、配管を埋設するための配管占有スペースを容易に確保することが可能になる。また、開削工法による配管敷設工事では掘削断面を小さくでき、押し管工法による配管敷設工事では保護管の使用本数を少なくできるなど、いずれの配管敷設工事でも施工性と経済性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【出願日】 平成11年10月20日(1999.10.20)
【代理人】 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
【公開番号】 特開2001−116170(P2001−116170A)
【公開日】 平成13年4月27日(2001.4.27)
【出願番号】 特願平11−297705