| 【発明の名称】 |
管内処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 信二
|
| 【要約】 |
【課題】装置の姿勢に上下の方向性がなく、管路内への挿入時に転倒したり反転したりしてもそのまま挿入することができ、且つ穿孔位置においては管路の径の大小にかかわらず自動的に穿孔手段が管路の中心に位置し、適切に穿孔することのできる装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本体4と、当該本体4に対してその本体4の中心軸を回転中心として回転駆動せしめられる回転体7と、当該回転体7と共に回転し且つ当該回転体7に対して本体4の軸方向に摺動駆動せしめられる摺動体22と、当該摺動体22の先端に取り付けられた管内処理手段3と、前記本体4の外周に周方向に等間隔に三つ以上設けられ、本体4から径方向に同時に突出収納される支持脚27とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体(4)と、当該本体(4)に対してその本体(4)の中心軸を回転中心として回転駆動せしめられる回転体(7)と、当該回転体(7)と共に回転し且つ当該回転体(7)に対して本体(4)の軸方向に摺動駆動せしめられる摺動体(22)と、当該摺動体(22)の先端に取り付けられた管内処理手段(3)と、前記本体(4)の外周に周方向に等間隔に三つ以上設けられ、本体(4)から径方向に同時に突出収納される支持脚(27)とを有することを特徴とする、管内処理装置 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は管内処理装置に関するものであって、主として地中に埋設された管路などの内部に挿入され、その内側から検査、穿孔、撮影などの処理を行うための装置に関するものである。 【0002】特に本発明は、ガス導管、水道管、下水道管、電力線や通信線などの敷設管路などの、地中に埋設された管路に対し、補修又は補強の目的で内張りを施した後、その管路の分岐部において分岐管を閉塞した内張り材に穿孔し、分岐管を本管に連通せしめるための穿孔装置に関する。 【0003】 【従来の技術】従来から地中に埋設された管路に対し、補修又は補強の目的で内張りを施すことが行われており、この内張りは管路の本管に対して広範囲に行うため、その本管から分岐した分岐管があるような場合、その分岐管が分岐部において内張りによって閉塞されることとなる。そのため本管内に挿入された装置によって、分岐管を閉塞した内張りに穿孔することが行われている。 【0004】かかる内張りの穿孔装置としては、特開昭61−179724号公報、実開昭63−161605号公報、実開平4−23214号公報などに記載されたものが知られている。 【0005】これらの装置は、具体的な構造はそれぞれ異るものの、概ね次のような基本的構造を有している。すなわち、下部にそり又は車輪などの走行手段を備えており、その上に姿勢制御手段が搭載され、当該姿勢制御手段に穿孔ドリルなどの穿孔手段が取り付けられている。 【0006】そして穿孔位置においては、前記走行手段から姿勢制御手段をジャッキアップし、その姿勢制御手段の上部から張り出したアウトリガを管路の上部内面に押し付けて装置を管路内面に支持し、穿孔手段を管路の中心位置に保持するようになっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの種の装置においては、装置の下部に走行手段が設けられており、当該走行手段によってのみ管路内を移動することができるので、装置の上下方向が規制されてしまう。 【0008】そのため、装置を管路内に挿入して穿孔位置にまで移動させる際に、管路内の段差や曲り部などにおいて装置が転倒することが多く、一旦転倒すると元の姿勢に復帰させるのが極めて困難であり、装置を管路外に引き戻して再度挿入し、注意深く移動させなければならないことも少なくない。 【0009】また一般に管路における分岐管の位置は、必ずしも本管の上部とは限らず、本管の側部やときには下部に分岐部が形成されている場合もあるので、穿孔手段は管路の本管の中心に位置せしめ、姿勢制御手段を回転させて穿孔手段を分岐部の方向に向けることが行われている。 【0010】然るに前記装置においては、走行手段から姿勢制御手段をジャッキアップさせ、アウトリガを管路内面に押し付けて穿孔手段を管路の中心位置に保持するので、穿孔位置における管路の内径や管路内の状況に応じて適切な走行手段やアウトリガを取り付ける必要があり、その選定が繁雑である。 【0011】また一つの管路において次々と複数箇所に穿孔する場合、穿孔箇所によって径が異っていると、穿孔手段の位置が管路の中心位置からずれるので、連続的に穿孔作業を行うことができない。 【0012】本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、装置の姿勢に上下の方向性がなく、管路内への挿入時に転倒したり反転したりしてもそのまま挿入することができ、且つ穿孔位置においては管路の径の大小にかかわらず自動的に穿孔手段が管路の中心に位置し、適切に穿孔することのできる装置を提供することを目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】而して本発明は、本体と、当該本体に対してその本体の中心軸を回転中心として回転駆動せしめられる回転体と、当該回転体と共に回転し且つ当該回転体に対して本体の軸方向に摺動駆動せしめられる摺動体と、当該摺動体の先端に取り付けられた管内処理手段と、前記本体の外周に周方向に等間隔に三つ以上設けられ、本体から径方向に同時に突出収納される支持脚とを有することを特徴とするものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図面は本発明の管内処理装置としての、内張りされた管路の分岐部における内張り材に穿孔するための穿孔装置1を示すものであって、2は駆動部であり、3は当該駆動部2の前端に取り付けられた管内処理手段としての穿孔ヘッドである。 【0015】4は、駆動部2における円筒状の本体であって、当該本体4内部の後部には、ロータリージョイント5が取り付けられており、当該ロータリージョイント5のロータリーヘッド6には、回転体7が本体4に対して回転自在に取り付けられている。 【0016】回転体7は、前記穿孔ヘッド3を操作するための複数の油圧経路8を有しており、当該油圧経路8が前記ロータリージョイント5を介して本体4後端の油圧コネクター9に接続され、回転体7が回転しても油圧コネクター9から油圧経路8に至る経路がロータリージョイント5により確保されている。 【0017】また回転体7の外周にはウォームギア10が設けられ、ギア列11,12,13を介してモーター14により回転駆動せしめられることにより、回転体7は駆動部2の中心軸の周りを回転するようになっている。 【0018】回転体7の前端には、前方に延びる延長部15が形成されており、当該延長部15の内部には前記油圧経路8に連続して軸方向に延びる摺動孔16が形成されており、また延長部15の外周には軸方向に延びる複数の摺動溝17が刻設されている。 【0019】本体4内の後部両側部にはシリンダー18が設けられ、該シリンダー18のピストンロッド19の先端は摺動板20に取り付けられており、該摺動板20はシリンダー18のピストンロッドの動きにより駆動されて、本体4に固定された誘導ロッド21に沿って前後に摺動するようになっている。 【0020】摺動板20の中心部には摺動体22が回転自在に嵌合されており、該摺動体22は前記回転体7の延長部15の外周に嵌合しさらに摺動溝17に係合して、シリンダー18のピストンロッドの動きにより駆動されて延長部15に対して前後に摺動可能であり、且つ回転体7と共に回転するようになっている。 【0021】摺動体22には前方に延出管23が延出している。当該延出管23の前端部は本体4の前端板24を貫通して前方に延出しており、その前端には前記穿孔ヘッド3を取り付けるための取付け板25が取り付けられている。 【0022】また前記延長部15の摺動孔16には、摺動管26が気密に且つ前後に摺動自在に嵌挿されており、当該摺動管26の先端は前記取付け板25に結合され、穿孔ヘッド3に油圧を供給するようになっている。 【0023】また本体4の外周には、周方向に等間隔に三つの支持脚27が設けられている。当該支持脚27は一対のアーム28,29を有しており、一方のアーム28の内方端が本体4の前端部外周に回動自在に軸支されており、他方のアーム29の内方端は本体4の後部外周に前後に摺動可能に設けられたスライドリング30に回動自在に軸支されている。 【0024】そしてその一対のアーム28,29は、中央部において交差してピン31により相互に回動可能に軸支されており、その外方端にはそり32が取り付けられている。前記他方のアーム29はそり32の前部に回動自在に軸支されており、一方のアーム28はそり32の後部において長孔33に軸支され、そり32に対して回動自在且つ前後に長孔33に沿って若干の摺動を可能とするように支持されている。 【0025】本体4内の後部にはシリンダー34が設けられ、当該シリンダー34のピストンロッド35に前記スライドリング30が取り付けられており、シリンダー34を駆動してスライドリング30を前後に摺動せしめ、アーム28,29の内方端の間隔を変化させることにより、三つの支持脚27のそり32を同時に径方向に進退せしめるようになっている。 【0026】図1においては、前記取付け板25には、穿孔ヘッド3が取り付けられている。この例における穿孔ヘッド3は、取付け板25の前部に取り付けられた押上げ部材36と、当該押上げ部材36の前部に取り付けられた穿孔部材37とよりなっている。 【0027】押上げ部材36は、それ自身が取付け板25に対して軸方向に対して直角方向に摺動すると共に、その前部に取り付けられた穿孔部材37をさらに同方向に摺動せしめ、穿孔部材37を大きいストロークで径方向に進退せしめることができるようになっている。 【0028】そして穿孔部材37は、油圧モーター38と、当該油圧モーター38によって駆動される穿孔ビット39とよりなっており、前記押上げ部材36により径方向に突出せしめられつつ、油圧モーター38で穿孔ビット39を回転駆動し、分岐部の内張り材に穿孔するものである。 【0029】 【作用】以下上記穿孔装置1の使用方法を説明する。初期状態においては、穿孔ヘッド3は押上げ部材36が取付け板25に対して後退し、穿孔部材37も押上げ部材36に対して後退した状態にあり、図1に実線で示すように駆動部2の径の範囲内に収容されている。 【0030】またスライドリング30は本体4に対して後方に摺動した位置にあり、支持脚27はアーム28,29が折り畳まれてそり32が本体4に接近し、全体に小さい径の範囲内に収容されている。 【0031】この状態で穿孔装置1を管路内に挿入し、適宜の牽引手段により前方から牽引して、管路の分岐部まで移動させる。このとき駆動部2の外周に等間隔で三つ以上の支持脚27が設けられており、それが断面円形の管路内を通過するので、支持脚27のうちの二つのみが管路の底部を走行する。 【0032】この状態で管路内を移動すると、先にも述べたように管路の段差や凹凸、曲り部などにおいて、穿孔装置1が転倒することがある。しかしながら駆動部2の外周に等間隔で三つ以上の支持脚27が設けられているので、転倒により周方向に回動して一つの支持脚27が管路内面から離れると、それまで管路内面から離れていた他の支持脚27が管路内面に接し、転倒前と同様に二つの支持脚27が管路内面に支持しつつ、移動を続けることができる。 【0033】従って転倒を繰り返し、穿孔装置1が管路内で回転しながらであっても、常に二つの支持脚27によって管路内面に支持されながら走行するので、その姿勢を考慮することなく移動を続けることができ、姿勢を修正したり管路外に引き戻して挿入し直す必要がない。 【0034】而して穿孔装置1が管路内を移動し、内張り材に穿孔すべき分岐部に到達したならば、そこで穿孔装置1の移動を停止する。このときの穿孔装置1の姿勢は考慮する必要はなく、穿孔ビット39の分岐部に対する前後の位置関係も、多少ずれても差し支えない。 【0035】そしてシリンダー34を駆動してスライドリング30を前方に摺動させると、複数の支持脚27のアーム28,29が同時に立ち上がり、そり32を外方に押し出し、管路の内面に圧接せしめる。 【0036】このとき三つ以上の支持脚27を同時に駆動部2から張り出して管路内面に圧接するので、駆動部2の中心軸が常に管路の中心線に一致して配置され、支持脚27によって管路内面に支持されることとなる。 【0037】この状態でモーター14を回転駆動し、ギア列13,12,11を介してウォームギア10を駆動し、回転体7を回転させる。これにより回転体7の延長部15に嵌合された摺動体22及び、これに取り付けられた取付け板25も回転体7と共に回転し、取付け板25に取り付けられた穿孔ヘッド3を回転させ、穿孔ビット39を管路の分岐部の方向に向ける。 【0038】またシリンダー18のピストンロッドの動きにより駆動して摺動板20を軸方向に移動させ、摺動体22を回転体7の延長部15に沿って摺動させる。これにより摺動体22の延出管23の先端に取り付けられた取付け板25も前後に移動し、穿孔ヘッド3の軸方向の位置を調節して、穿孔ビット39の位置を分岐部に合わせる。 【0039】またこのとき、取付け板25に取り付けられた摺動管26が、回転体7の延長部15に形成された摺動孔16内を摺動し、油圧経路8の油圧を穿孔ヘッド3に通ぜしめる。 【0040】而して回転体7の本体4に対する回転及び、回転体7に対する摺動体22の摺動により、穿孔ヘッド3における穿孔ビット39の管路の分岐部に対する位置を微調整する。このときの穿孔ビット39及び管路の分岐部の位置は、穿孔装置1の前方に配置されたテレビカメラ(図示せず)により撮影し、その映像を管路外においてモニターしながら遠隔操作する。 【0041】然る後、油圧モーター38を駆動して穿孔ビット39を回転させつつ、押上げ部材36により穿孔部材37を穿孔ビット39が突出する方向に移動させ、当該穿孔ビット39により分岐部を閉塞した内張り材に穿孔する。 【0042】油圧モーター38及び穿孔ビット39を駆動するための油圧は、穿孔装置1の後方から油圧ホース(図示せず)によって油圧コネクター9に供給され、ロータリージョイント5を介して油圧経路8に供給され、さらに摺動孔16及び摺動管26を介して穿孔ヘッド3に供給される。 【0043】 【発明の効果】而して本発明によれば、駆動部2の本体4の外周に三つ以上の支持脚27を等間隔で設けているので、この穿孔装置1を管路内に挿入して移動させるとき、管路の曲り部や内面の凹凸などによって穿孔装置1が転倒しても、その姿勢の如何に拘らず常に二つの支持脚27が穿孔装置1を管路内面に対して支持しており、その支持脚27によって管路内を移動することができる。 【0044】従って管路内において、穿孔装置1が転倒を繰り返したり回転したりすることがあっても、それを考慮せずそのまま分岐部にまで管路内を移動させることができ、また移動に当って転倒しないように配慮したり、転倒したときにそれを修正したりする必要もない。 【0045】また支持脚27が三つ以上設けられ、これらを駆動部2から同時に張り出して管路内面に圧接し、穿孔装置1を管路に対して支持するので、駆動部2の中心軸が常に管路の中心線上に配置され、当該駆動部2の先端に設けられた穿孔ヘッド3も常に管路の中心線上に配置されることとなる。 【0046】従って駆動部2を管路内面に支持した状態で、駆動部2の本体4に対して回転体7を回転駆動せしめ、当該回転体7に対して摺動体22を軸方向に摺動駆動せしめ、そのときの姿勢を考慮することなく、駆動部2に対する穿孔ビット39の軸方向の位置関係及び周方向の角度を自由に設定し、穿孔ビット39を正しく分岐部の方向に向けて穿孔することができる。 【0047】従って本発明によれば、穿孔装置1の管路内での姿勢や転倒の危険などを考慮せず、転倒したり回転したりしても構わず移動させて、速やかに穿孔すべき分岐部に到達させることができ、且つ当該分岐部においては、回転体7の回転及び摺動体22の摺動により穿孔ビット39を正確に分岐部に向けて穿孔することができるので、作業の効率が極めて良好である。 【0048】なお以上の説明においては、管内処理手段として穿孔ヘッド3を取り付けた場合について説明しているが、管内処理手段としては穿孔ヘッド3に限らず、テレビカメラ、管内研削具、清掃具、その他の、管の内面に対してなんらかの処理を施す手段を自由に取り付けることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000117135 【氏名又は名称】芦森工業株式会社 【識別番号】392008884 【氏名又は名称】芦森エンジニアリング株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年10月19日(1999.10.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082027 【弁理士】 【氏名又は名称】竹安 英雄
|
| 【公開番号】 |
特開2001−116169(P2001−116169A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月27日(2001.4.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−296177 |
|