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【発明の名称】 金属製パイプの連結装置
【発明者】 【氏名】大河原 允宏

【要約】 【課題】金属製パイプの有効径を損なうことなく、連結部に急激な圧力が加わった場合でも抜けるおそれのない金属製パイプの連結装置を提供する。

【解決手段】一端部の外径が拡径された金属製パイプ2を設け、軸心部に金属製パイプ2の拡径部6が嵌合する通し孔7を有し、外周部の両端部に雄ねじ8,8を有し、かつ通し孔7の両端部に軸端に向かって次第に大径となるテーパー孔9,9を有してなる連結主体3を設け、一端部に軸心方向に屈曲する環状の規制フランジ13を有し、かつ連結主体3の雄ねじ8に螺合する締結ナット4を設け、規制フランジ13の内径(D1 )は金属製パイプ2の小径部12の外径(D2)より若干大きくかつ金属製パイプ2の拡径部6の外径(D3 )より若干小さく形成し、テーパー孔9と規制フランジ13との間に介装されるリング状のパッキン5を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】一端部の外径が拡径された金属製パイプを設け、軸心部に前記金属製パイプの拡径部が嵌合する通し孔を有し、外周部の両端部に雄ねじを有し、かつ前記通し孔の両端部に軸端に向かって次第に大径となるテーパー孔を有してなる連結主体を設け、一端部に軸心方向に屈曲する環状の規制フランジを有し、かつ前記連結主体の雄ねじに螺合する締結ナットを設け、前記規制フランジの内径は前記金属製パイプの小径部の外径より若干大きくかつ前記金属製パイプの拡径部の外径より若干小さく形成し、前記テーパー孔と前記規制フランジとの間に介装されるリング状のパッキンを設けたことを特徴とする金属製パイプの連結装置。
【請求項2】前記連結主体の内周中央部に軸心方向に突出する突起を形成してなる請求項1に記載の金属製パイプの連結装置。
【請求項3】前記連結主体は、左右中央部で左右に分割可能な継手を有してなる請求項1又は2に記載の金属製パイプの連結装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調工事,冷凍工事,給湯工事等の各種配管工事に使用する金属製パイプの連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製パイプを連結する連結具としては、水道管用の所謂LA継ぎ手があるが、このものは内圧が約1.5MPa(15kgf/cm2 )程度までしか耐えられない。また、図4に示すような連結装置も知られている。この連結装置20は、軸心部に金属製パイプ21が嵌合する通し孔22を有し外周部の左右に雄ねじ23,23を有し、通し孔22の両端部に軸端に向かって次第に大径となるテーパー孔24,24を有し、その内周中央部に軸心方向に突出する突条25を周方向に形成してなる連結主体26を設け、突条25の内周に中間パイプ27を嵌合固着し、一端部に軸心方向に屈曲する環状の規制フランジ28を有し連結主体26の雄ねじ23に螺合する締結ナット29を設け、規制フランジ28の内径(D6 )は金属製パイプ21の外径(D7 )より若干大きく形成し、テーパー孔24と規制フランジ29との間にリング状の金属製パッキン30を介装してなる。そして、中間パイプ27の外周側の通し孔部に金属製パイプ21を嵌合し、締結ナット29で連結主体26に締めつけて金属製パイプ21を連結するものである。
【0003】しかしながら、かかる連結装置20においては、中間パイプ27の内径(D8 )が金属製パイプ21の内径(D9 )よりも小さくなるため、この中間パイプ27部において金属製パイプ21の有効径がとれない。また、直管同士の金属製パイプ21,21を連結するため、連結部に急激な圧力が加わった場合には金属製パイプ21が抜けるおそれがあった。また、現場作業では金属製パイプ21を所望の長さに切断して連結装置20で連結するが、切断面にバリが少しでも残っていると、ガタついて均一に連結できないため、パイプ切断面をバリなくきれいに仕上げなければならない。また、金属製パッキン30は長期に亘り圧力が加わると金属疲労を起こすおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、金属製パイプの有効径を損なうことなく、連結部に急激な圧力が加わった場合でも抜けるおそれのない金属製パイプの連結装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の金属製パイプの連結装置は、一端部の外径が拡径された金属製パイプを設け、軸心部に前記金属製パイプの拡径部が嵌合する通し孔を有し、外周部の両端部に雄ねじを有し、かつ前記通し孔の両端部に軸端に向かって次第に大径となるテーパー孔を有してなる連結主体を設け、一端部に軸心方向に屈曲する環状の規制フランジを有し、かつ前記連結主体の雄ねじに螺合する締結ナットを設け、前記規制フランジの内径は前記金属製パイプの小径部の外径より若干大きくかつ前記金属製パイプの拡径部の外径より若干小さく形成し、前記テーパー孔と前記規制フランジとの間に介装されるリング状のパッキンを設けたこと、を特徴としている。ここで、前記連結主体の内周中央部に軸心方向に突出する突起を形成するとよい。また、前記連結主体は、左右中央部で左右に分割可能な継手を有したものとしてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は実施例による金属製パイプの連結装置の断面図、図2はその使用方法の説明用断面図、図3は他の実施例による金属製パイプの連結装置の断面図である。本発明の金属製パイプの連結装置1は、一端部の外径が拡径された金属製パイプ2と、該金属製パイプ2が嵌合する連結主体3と、該連結主体3に螺合する締結ナット4と、連結主体3と締結ナット4との間に介装されるパッキン5からなる。
【0007】連結する金属製パイプ2は一端部の少なくとも外径が拡径されたものである。現場作業において、金属製パイプ2を所望長さ切断して用いるが、その切断した端部をパイプ拡はん機(エキスパンダー)により内径及び外径を拡径する。このためには、金属製パイプ2は比較的軟質の銅やアルミニウム製のものが適し、軟質性の金属製パイプの連結に適する。なお、拡径の度合は、金属製パイプ2の小径部12の外径(D2 )に対する拡径部6の外径(D3 )の比が、D2 :D3 =1:1.05〜1.1程度とする。この程度の範囲とするのが、パイプ拡はん機で拡径した際の小径部12と拡径部6との境界部に生ずるひずみが少なく、またパイプ拡はん機での拡径作業も容易であり、好ましい。
【0008】連結主体3は、軸心部に金属製パイプ2の拡径部6が嵌合する通し孔7を有し、外周部の両端部(左右)に雄ねじ8,8を有し、かつ通し孔7の両端部に軸端に向かって次第に大径となるテーパー孔9,9を有してなる。連結主体3の外周中央部には六角の工具係合部10を設けてある。連結主体3の内周中央部には軸心方向に向かって突出する突起11,11を2条周方向に形成して、金属製パイプ2がこれ以上内方に移動しないよう規制する。これにより、連結する左右の金属製パイプ2,2を左右バランスよく連結できる。なお、この突起(突条)11の内径は金属製パイプ2の小径部12の内径より大きく形成して、該突起11部で金属製パイプ2の有効径を損なわないようにする。
【0009】締結ナット4は、一端部に軸心方向に屈曲する環状の規制フランジ13を有し、かつ連結主体3の雄ねじ8に螺合する雌ねじ14を有してなる。そして、規制フランジ13の内径(D1 )は金属製パイプ2の小径部12の外径(D2 )より若干大きくかつ金属製パイプ2の拡径部6の外径(D3 )より若干小さく形成する。このため、連結部に急激な圧力が加わった場合でも、金属製パイプ2が抜けることがない。また、連結装置1内に圧力がかかる程、金属製パイプ2,2には抜けようとする方向に力が加わるが、後述するパッキン5,5が規制フランジ13,13に押しつけられて、パッキン5,5がより締まってくるため、漏れを生ずることはない。
【0010】パッキン5は、リング状の弾性体からなり、締結ナット4で連結主体3の雄ねじ8に締めつけた際、連結主体3のテーパー孔9と締結ナット4の規制フランジ13と金属製パイプ2の小径部12との間で弾性変形して連結装置1を密閉する。材質は弾性体であれば特に限定されないが、耐熱耐油性に優れたポリテトラフルオロエチレン製のものが好ましい。
【0011】図1及び図2に示したものは、連結主体3が一体に形成されたものを示したが、図3に示すように左右中央部で左右に分割可能なフランジ継手15を有してなるものとしてもよい。対応するフランジ15a,15bに周方向に所定ピッチで対応するボルト孔16を形成し、該ボルト孔16にボルト17を挿通し、ナット18で締め付けて連結主体3を一体化する。かかるフランジ継手15とすれば、金属製パイプ2が大径の場合(金属製パイプ2の外径が40mm以上)でも大型の工具を要せず容易に連結できる。図1に示した連結主体3が一体に形成されたものの場合、金属製パイプ2の径が大径になると工具係合部10も大きくなり、大型の工具を用いての現場での連結作業は容易でない。図3においては、対応する段部19を設けたはめ込み形のフランジ継手を示したが、これに限らずみぞ形などとしてもよい。なお、継手15の連結面にガスケット(図示せず)を介装して連結するようにしてもよい。
【0012】次に、本発明による金属製パイプの連結装置1の使用方法を説明する。現場作業で行う場合、先ず、連結する金属製パイプ2を所望長さに切断する。切断面のバリをヤスリ等で取り除き、締結ナット4及びパッキン5を金属製パイプ2に挿通する。次いで、パイプ拡はん機により金属製パイプ2の一端部を拡径する。そして、金属製パイプ2の拡径部6を連結主体3の通し孔7に嵌合し(図2)、締結ナット4で連結主体3の雄ねじ8に螺合して締めつける。このとき、パッキン5は連結主体3のテーパー孔9と規制フランジ13と金属製パイプ2の小径部12の間で弾性変形して連結装置1を密閉する(図1)。なお、図3に示したフランジ継手構造のものにおいては、最初に、フランジ継手15(15a,15b)をボルト17とナット18で締め付けて連結主体3を一体化してもよいが、先ず、分割された連結主体3の一方及び他方にそれぞれ金属製パイプ2,2を締結ナット4,4で連結しておき、最後にフランジ継手15(15a,15b)をボルト17とナット18で締め付けて一体化するようにしてもよい。後者の方法によれば、特に大径の金属製パイプ2,2を連結する場合に作業が容易である。
【0013】
【実施例】図2において、左右長さ(H1 )70mm,通し孔径(D4 )27.8mm,外径(D5 )42mmの連結主体3、左右長さ(H2 )25mm,48mm六角,規制フランジ13の厚さ(L)5mm,その内径(D1 )25.7mmの締結ナット4、ポリテトラフルオロエチレン製のパッキン5を用い、パイプ小径部12の外径(D2 )25.4mm,拡径部6の外径(D3 )27.5mm,肉厚1mmの銅製パイプ2を連結装置1により連結し(図1)、加圧試験を行った。連結装置1内に窒素ガスを充填し、5.9MPa(60kgf/cm2 )の圧力をかけ1カ月間室内で放置したところ、ガス漏れ等の問題は全く生じなかった。また、窒素ガスに代えて潤滑油を充填し、4.1MPa(42kgf/cm2 )の圧力をかけ外気温30〜33℃の屋外で2カ月間放置したところ、油漏れ等の問題は全く生じなかった。このように本発明の金属製パイプの連結装置1によれば、高圧でも十分に耐え得る。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明の金属製パイプの連結装置によれば、連結装置内(金属製パイプ部及び連結主体部)で金属製パイプの内径より小径となる部分が存在しないため、金属製パイプの有効径を損なうことなく連結できる。また、規制フランジの内径が金属製パイプの小径部の外径より若干大きくかつ金属製パイプの拡径部の外径より若干小さく形成したので、連結部に急激な圧力が加わった場合でも、金属製パイプが抜けることがなく、高圧にも十分耐え得る。また、連結主体の内周中央部に軸心方向に突出する突起を形成すれば、金属製パイプの移動を規制でき、左右の金属製パイプを左右バランスよく連結できる。また、連結主体が左右中央部で左右に分割可能な継手を有したものとすれば、金属製パイプの径が大きい場合でも容易に連結することができる。
【出願人】 【識別番号】594165310
【氏名又は名称】不二技研株式会社
【出願日】 平成11年10月4日(1999.10.4)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則
【公開番号】 特開2001−108165(P2001−108165A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−283214