トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 耐圧ホース
【発明者】 【氏名】鍋嶋 義和

【要約】 【課題】耐圧性、耐捻性を高めるとともに、チューブの柔軟性を維持し、しかも安価な耐圧性ホースにする。

【解決手段】チューブ2を覆う補強材3を金属製線束4とプラスチック製線束5との2種類の線束で構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数本のフィラメントを幅方向に連接した線束で補強材を編成し、上記補強材でチューブの表面を覆う耐圧ホースにおいて、上記補強材をプラスチック製線束と、金属製線束とで構成した耐圧ホース。
【請求項2】 複数本のフィラメントを幅方向に連接した線束で補強材を編成し、上記補強材でチューブの表面を覆う耐圧ホースにおいて、少なくとも一束の線束をプラスチック製フィラメントと、金属製フィラメントとの2種類のフィラメントからなる混合線束とした耐圧ホース。
【請求項3】 プラスチック製線束を構成するプラスチック製フィラメントがポリエステルで構成される請求項1または2記載の耐圧ホース。
【請求項4】 プラスチック製線束を構成するプラスチック製フィラメントがポリアミドで構成される請求項1および2記載の耐圧ホース。
【請求項5】 金属製線束を構成する金属製フィラメントがスチールで構成される請求項1または2記載の耐圧ホース。
【請求項6】 金属製線束を構成する金属製フィラメントが亜鉛メッキスチールで構成される請求項1または2記載の耐圧ホース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、家庭用水道配管や温水器の冷温水輸送などの水圧システムに用いられる耐圧ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の耐圧ホースを図3に示す。ホース1は柔軟性のあるチューブ2と、このチューブ2を覆う補強材3とからなる。チューブ2は、取り付けやすく、しかも使い勝手がいいように、柔軟性の高いものを使用している。つまり、チューブ2は、軟らかくて、曲がりやすい。しかし、チューブ2は、高い水圧がかかると膨張してしまう。そこで、チューブ2の耐圧強度を上げる目的で補強材3を設けている。また、上記補強材3は、複数の線束9を布状に編んだ構造になっている。この補強材3を構成する線束9は、複数本のフィラメントを束ねたものである。このように、一束の線束9にしておいた方が、ばらばらのフィラメントよりも編みやすく、補強材3を構成する際に、その編成効率が向上するからである。
【0003】上記補強材3は金属製線束あるいはプラスチック製線束のどちらか一方で構成されるのがふつうである。例えば、金属製線束で構成された補強材3の場合、金属の特徴によって、チューブ2を頑丈に保護することができる。つまり、金属製線束を用いたホース1は、高い水圧に耐えることができる。しかも、金属製線束を用いたホースはねじれにくい。ホースがねじれると、そのねじれたところから劣化が進むので、ねじれない方がホースの寿命が長くなる。ここで、金属製線束とは、線束を構成するフィラメントの全てが、金属製フィラメントのものをいう。
【0004】一方、プラスチック製線束とは、線束を構成するフィラメントの全てが、プラスチック製フィラメントのものをいう。プラスチック製線束の場合、金属製線束よりも柔軟性が高いので、プラスチック製線束を用いたホース1は曲がりやすく、取り付け等が簡単である。また、軽くて持ち運びが便利であり、すべり性がよいので引きずるときにも摩擦が少なく、引きずりやすい。したがって、プラスチック製線束で構成された補強材3を使ったホース1は、扱いが楽である。しかも、金属製線束よりもプラスチック製の線束9の方が安価なので、プラスチック製線束を用いたホース1全体が低コストになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】金属製線束を補強材3に使用した耐圧ホース1は、柔軟性に乏しいので、コンパクトに曲がりにくく、しかも重い。したがって、どうしてもホース1の操作性が悪くなるという問題がある。また、金属製の線束はコストが高く、ホース1全体のコストアップを招いていた。一方、プラスチック製線束を補強材3に使用した耐圧ホース1は、金属製線束を補強材3に使用したホースに比べると、耐圧強度が小さい。また、温度上昇による熱膨張率が高いので、補強材3が伸びてしまって、ホース1の強度が弱くなる。さらに、プラスチック製線束を用いたホース1は、柔軟性があるので、曲がりやすい反面、ねじれてしまって、そこからホース1が劣化して切れてしまうという問題がある。
【0006】このように、従来の耐圧ホースは、補強材3に金属製線束を使用しても、プラスチック製線束を使用しても、いずれの場合も、それぞれ上記のような問題が生じる。この発明の目的は、チューブ2の表面を補強材3で覆い、耐圧性および耐捻性を高めるとともに、チューブ2の柔軟性を維持し、しかも安価な耐圧ホース1を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数本のフィラメントを幅方向に連接した線束で補強材を構成し、上記補強材でチューブの表面を覆う耐圧ホースにおいて、上記補強材をプラスチック製線束と、金属製線束とで構成したことを特徴とする。第2の発明は、複数本のフィラメントを幅方向に連接した線束で補強材を構成し、上記補強材でチューブの表面を覆う耐圧ホースにおいて、少なくとも一束の線束をプラスチック製フィラメントと、金属製フィラメントとの2種類のフィラメントからなる混合線束としたことを特徴とする。
【0008】第3の発明は、プラスチック製フィラメントがポリエステルで構成されることを特徴とする。第4の発明は、プラスチック製フィラメントがポリアミドで構成されることを特徴とする。第5の発明は、金属製フィラメントがスチールで構成されることを特徴とする。第6の発明は、金属製フィラメントが亜鉛メッキスチールで構成されることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の第1実施例を図1に示す。従来例と同一の構成要素については、同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。この第1実施例では、チューブ2を覆う補強材3を金属製線束4とプラスチック製線束5との両方で構成する。
【0010】金属製線束4は、金属製フィラメントだけを複数本束ねることによって作られる。この金属製フィラメントとして、スチールあるいは亜鉛メッキスチール製のフィラメントを使用している。金属製フィラメントにスチールあるいは亜鉛メッキスチールを使用しているのは、スチールあるいは亜鉛メッキスチールは、他の金属製に比べて比較的安価であり、剛性も小さく編みやすいからである。特に亜鉛メッキスチールはさびにくく、扱いが楽である。
【0011】プラスチック製線束5は、プラスチック製フィラメントだけを複数本束ねることによって作られる。プラスチック製フィラメントには、ポリエステルあるいはポリアミド製のフィラメントを使用している。プラスチック製フィラメントにポリエステルを使用しているのは、耐圧などの物理強度が高く、しかもポリエステルは廃棄されたペットボトルから再生することができ、環境保護を図ることができるからである。また、ポリアミドを使用しているのは、自己潤滑性が高いので編みやすく、しかも滑りのよい耐圧ホースを得ることができるからである。この実施例は、金属製とプラスチック製との2種類の線束4,5を使って、一枚の補強材3を構成すること以外、従来例と同様である。
【0012】次に第1実施例の特徴を説明する。金属製線束4とプラスチック製線束5とを一緒に編んで、補強材3とすると、ホース1の耐圧性が格段に向上する。すなわち、プラスチック製線束5の比較的低い耐圧性、耐捻性を金属製線束4が補強する。さらに、軽くて、柔軟性があるというプラスチック製線束の長所を生かした耐圧ホース1になる。しかも、金属製線束5が骨の役割を果たす上、チューブ2の外側を螺旋状に覆うので、しなやかに曲がり、折れにくくなる。また、補強材3が、金属製線束だけで構成されていた従来に比べて、低コストで生産することができる。
【0013】第1実施例によると、金属製線束4で補強された耐圧ホース1とプラスチック製線束5で補強された耐圧ホース1との両方の利点を備え、しかも相互の欠点を補う耐圧ホース1を提供することが可能である。すなわち、この実施例の耐圧ホース1は耐圧性、耐捻性に富むという、金属製線束4の利点を生かすとともに、軽くて操作性に優れ、低コストであるというプラスチック製線束5の利点をも兼ね備えている。なお、補強材3を編むときの金属製線束4とプラスチック製線束5との割合は、その用途に応じて変えればよい。例えば、耐圧ホース1を曲げて使用する場合には、プラスチック製線束5の割合を多くするとよいし、水圧が非常に高くなるような状況で使用する場合は、金属製線束4の割合を多くするとよい。
【0014】第2実施例を図2に示す。従来例および第1実施例と同一の構成要素については、同一の符号を用い、詳細な説明を省略する。第2実施例では、線束を金属製フィラメント7とプラスチック製フィラメント8とで作る。この線束を混合線束6とする。そして、上記のように2種類のフィラメント7,8で構成された複数の混合線束6を編んで、補強材3を構成している。2種類のフィラメントで混合線束6を構成することにしたほかは、第1実施例と同じである。
【0015】次に、第2実施例の特徴を説明する。混合線束6を金属製フィラメント7とプラスチック製フィラメント8にすることで、金属製の特性と、プラスチック製の特性を生かした混合線束6を得ることが可能である。すなわち、上記混合線束6で編んだ補強材3を用いたホース1は、耐圧性、耐捻性に富む上、柔軟性、すべり性に富み、しかも安価なホースになる。
【0016】さらに、金属製フィラメント7が、チューブ2の表面に均等に配置されるので、チューブ2全体が均一な強度で保護される。したがって、熱や圧力によってチューブ2が膨張したようなときにも、局部的に膨張してホース1にゆがみが生じることがない。第2実施例では、上記のようにチューブ2表面の均一な強化が可能となり、特に温水を使用するときに有効である。また、補強材3を構成する線束の全てを混合線束6にしてもよいし、数本だけを混合線束6にしてほかの線束を金属製線束4あるいはプラスチック製線束5にしてもよい。
【0017】
【発明の効果】第1の発明では、金属製線束とプラスチック製線束との2種類の線束で補強材を構成したので、ホース全体が高い耐圧性、耐捻性、耐熱性を有し、しかも軽くて、柔軟性があり扱いやすくて、安価な耐圧ホースになる。さらに、金属製線束が螺旋状にチューブを覆うので、しなやかに曲がり、折れにくい。第2の発明では、金属製フィラメントとプラスチック製フィラメントの2種類のフィラメントによって、混合線束を構成した。この混合線束をホースの補強材に使用したので、耐圧性、耐捻性に優れ、さらに、軽くて、柔軟性があり扱いやすく、しかも安価な耐圧ホースになる。また、金属製フィラメントが均一にチューブの表面を覆うので、ホースの均一した強度が保たれる。
【0018】第3,4の発明では、プラスチック製フィラメントがポリエステルあるいはポリアミドで構成されるので、他のプラスチック製品で構成されるのに比べて、耐圧などの物理強度が高くなる。特に第3の発明によると、廃棄されたペットボトル等から再生することができるので環境保護を図ることができる。第5,6の発明では、金属製フィラメントがスチールあるいは亜鉛メッキスチールで構成されるので、他の金属製品で構成されるのに比べて、比較的安価でしかも編みやすい。特に第6の発明によると、さびにくく扱いが楽である。
【出願人】 【識別番号】000134534
【氏名又は名称】株式会社トヨックス
【出願日】 平成11年10月12日(1999.10.12)
【代理人】 【識別番号】100076163
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋 宣之
【公開番号】 特開2001−108161(P2001−108161A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−289159