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【発明の名称】 二重配管構造
【発明者】 【氏名】上野 秀雄

【要約】 【課題】本発明は油(ガソリン)や、ガス等の配管の二重配管構造に関し、特に配管をFRP(繊維強化複合材)で覆設し、油漏れ等を防止すると共に、検知センサを配設し、油漏れ等の発生を検知できる二重配管構造を提供するものである。

【解決手段】スチール配管16の周面にFRP(繊維強化複合材)17を覆設する構成であり、また上記スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17間に導線を介装する。この導線の介装は、例えばスチール配管16の下面に沿って行い、スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17間に所定の隙間を形成し、スチール配管16から油漏れが生じた場合、漏れ油をスチール配管16の下流部に導き、検知センサ11によって油漏れを検知させる構成である。また、検知センサ11の出力は漏油検知モニタ14に供給され、油漏れの発生及び油漏れの位置等を作業者に知らせる構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配管と、該配管の外周に覆設され、該配管からの漏れ材が外部に漏出することを阻止する繊維強化複合材と、を有することを特徴とする二重配管構造。
【請求項2】 配管と、該配管の外周に覆設され、該配管からの漏れ材が外部に漏出することを阻止する繊維強化複合材と、前記配管と繊維強化複合材との間に配設された前記漏れ材を導く導線と、前記配管と繊維強化複合材との間に配設された前記漏れ材の検知センサと、を有することを特徴とする二重配管構造。
【請求項3】 前記漏れ材は、油であることを特徴とする請求項1、又は2記載の二重配管構造。
【請求項4】 前記漏れ材は、ガスであることを特徴とする請求項1、又は2記載の二重配管構造。
【請求項5】 前記導線は、前記配管の下面に沿って配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項6】 前記導線は、前記配管の上下面に沿って配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項7】 前記導線は、前記配管の周面に網の目状に配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項8】 前記導線は、前記配管の周面に螺旋状に配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項9】 前記検知センサは、前記配管の最下流部の下面に配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項10】 前記検知センサは、前記配管の下面に複数配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【請求項11】 前記検知センサは、前記配管の周面に複数配設されていることを特徴とする請求項2記載の二重配管構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油(ガソリン)や、ガス等の配管に係り、特に二重に配管を施設した二重配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、油(ガソリン)漏れによる土壌汚染やガス漏れによる災害等が大きな社会問題となっている。このような油漏れやガス漏れ等は、長年の使用により配管が古くなり、また配管に腐蝕が生じ、発生する場合が多い。
【0003】このため、従来の給油取扱所や地下タンク貯蔵所等の危険物を取り扱う施設では、使用する配管をスチール配管(鋼製配管)とし、その外面の腐蝕防止のため塗覆設又はコーティングの処置を施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の処理を行っても、長年の使用によって配管に腐蝕が生じ、特に地下に埋設されている配管や、塩害の影響を受ける沿岸配管、又は長距離配管においては重要な問題である。例えば、地下配管では前述のように土壌汚染の原因になり、沿岸配管(地上配管)では火災や爆発の原因となる。さらに、長距離配管では漏れ箇所の特定が困難である。
【0005】本発明は、上記課題を解決するため、配管をFRP(繊維強化複合材)で覆設し、油漏れ等を防止すると共に、検知センサを配設し、油漏れ等の発生や、発生箇所を検知できる二重配管構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は請求項1記載の態様によれば、配管と、該配管の外周に覆設され、該配管からの漏れ材が外部に漏出することを阻止する繊維強化複合材とを備える二重配管構造を提供することによって達成できる。
【0007】ここで、本例で使用する配管は、例えばガソリンスタンド等に設備された埋設タンクに油(ガソリン)を供給する地下配管や、ガスの供給配管、長距離配管等の配管が対象となる。
【0008】また、配管の材質はスチール管、ステンレス管、亜鉛メッキ鋼管、等の各種材料を用いたものが使用でき、これらの配管の外周にFRP(繊維強化複合材)を覆設する。
【0009】このように構成することにより、スチール管やステンレス管等の配管が長年の使用により腐蝕し、例え油(ガソリン)やガス漏れ等が生じたとしても、FRP(繊維強化複合材)によって地中や地上に漏出することがない。
【0010】上記課題は請求項2記載の態様によれば、配管と、該配管の外周に覆設され、該配管からの漏れ材が外部に排出されることを阻止する繊維強化複合材と、前記配管と繊維強化複合材の間に配設された前記漏れ材の導線と、前記配管と繊維強化複合材の間に配設された前記漏れ材の検知センサとを有する二重配管構造を提供することによって達成できる。
【0011】本例は上記請求項1記載の発明に対して、更に油漏れやガス漏れが発生した場合でも、導線(リード線)によって油(ガソリン)やガス等の漏れ材を検知センサまで導き、検知センサによって漏れ検知を行う構成である。
【0012】このように構成することにより、油(ガソリン)漏れや、ガス漏れ自体を防止するだけではなく、漏れの検知を行うことができ、例えば検知センサの出力を漏油検知モニタによってモニタし、油(ガソリン)漏れやガス漏れの発生を作業者に知らせることもできる。
【0013】請求項3の記載は前記請求項1、又は2記載の発明において、前記漏れ材は、例えば油であり、また請求項4の記載は前記請求項1、又は2記載の発明において、前記漏れ材は、例えばガスであり、漏れ材を特定する構成である。
【0014】請求項5の記載は前記請求項2記載の発明において、前記導線は、例えば前記配管の下面に沿って配設される構成である。すなわち、上記導線は漏れ材を検知センサに導く線材であり、配管の下面に沿って配設することにより、配管の周面を伝って配管の下面に達した漏れ材は、上記導線によって形成された隙間に導かれ、配管の下面に沿って流れ、最下流に配設された検知センサまで導かれる。
【0015】したがって、このように構成することにより、検知センサによって確実に油漏れ等が検知され、例えば作業者は検知モニタによって油漏れ等を確実に知ることができる。
【0016】請求項6の記載は前記請求項2記載の発明において、前記導線は、例えば前記配管の上下面に沿って配設される構成である。本例の場合、配管の上面にも導線を配設することにより、更に油漏れ等による漏れ材の通路を確保し、漏れ材の検知精度を上げるものである。
【0017】請求項7の記載は前記請求項2記載の発明において、前記導線は、例えば前記配管の周面に網の目状に配設される構成である。このように構成することにより、漏れ材の通路は上記配管の周面にも確保され、配管から漏れ出た漏れ材をより確実に配管の下面に導き、配管周面からの漏れも確実に検知できる。
【0018】請求項8の記載は前記請求項2記載の発明において、前記導線は、前記配管の周面に螺旋状に配設する構成である。このように構成しても、漏れ材の通路は配管の周面に確保され、配管から漏れた漏れ材を確実に配管の下面に導き、確実に漏れ検知を行うことができる。
【0019】請求項9の記載は前記請求項2記載の発明において、前記検知センサは、例えば前記配管の下流部の下面に配設された構成である。すなわち、検知センサを上記のように配管の下流部の下面に配設することによって、導線によって導かれた漏れ材を検知センサによって確実に検知することができる。
【0020】請求項10の記載は前記請求項2記載の発明において、前記検知センサは、例えば前記配管の下面に複数配設された構成である。このように構成することにより、配管のどの位置で油漏れ等が発生したか知ることができ、例えばこの位置を漏油検知モニタによって表示することにより、より確実な漏れ検知システムとすることができる。
【0021】請求項11の記載は、前記請求項2記載の発明において、前記検知センサは、前記配管の周面に複数配設される構成である。このように構成することにより、配管の周面で発生した漏れを直ぐに検知することができ、また位置の特定も容易となる。
【0022】このように構成することにより、配管の補修位置が正確に分かり、補修工事を容易に行うことも可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の二重配管構造を説明するシステム構成図である。尚、同図に示すシステム図は、本例の二重配管構造を地下タンクに油(ガソリン)を貯蔵する際の配管に適用するものである。そして、地下タンクとして、本例ではガソリンスタンドの地下に埋設するタンクの例を説明する。
【0024】同図において、地下タンク1には油(ガソリン)を入れる注油管2、地下タンク1から油(ガソリン)を吸引する給油管3、地下タンク1の通気を行う通気管4、及び地下タンク1に貯蔵された油(ガソリン)の液面高を計測する液面計5が設けられている。また、地下タンク1は地表から所定の深さに埋設され、地下タンク1上には不図示のコンクリートが施設されている。
【0025】また、注油管2には地表に注油口6が設けられ、注油口6から油(ガソリン)の注油を行う。また、給油管3には地表に計量器、ポンプ等の機器類7が設けられ、地下タンク1から油(ガソリン)を吸引し、吸引する油(ガソリン)の計量を行う。また、注油管2にはバルブ8が設けられ、給油管3にはバルブ9が設けられ、地下タンク1の補修/改修作業の際、このバルブ8及び9を閉鎖して行う。尚、通気管4には通気口10が設けられ、地下タンク1に発生するガスを排出している。
【0026】一方、上記注油管2の所定箇所には、油(ガソリン)漏れを検知する検知センサ11が設けられ、給油管3の所定箇所にも、油(ガソリン)漏れを検知する検知センサ12が設けられている。そして、これらの検知センサ11、12は電送ケーブル13によって漏油検知モニタ14に接続され、注油管2及び給油管3の油漏れを検知する構成である。
【0027】図2は上述のシステム構成において、その断面構造を説明する図である。尚、図2に示す断面図は、特に上述の注油管2及び電送ケーブル13を含む断面構造を示す。
【0028】前述のように、注油管2には注油口6が設けられ、注油口6から油(ガソリン)が注油され、注油管2を通って地下タンク1に油(ガソリン)が貯蔵される。同図に示すように、注油管2は二重構造であり、スチール配管16を基管としてFRP(繊維強化複合材)17を覆設した構造である。ここで、更に上記構成の注油管2の構造を詳しく説明する。
【0029】図3(a)は上記注油管2の断面図であり、同図(b)は同図(a)の点線丸印部Aの拡大図である。上述のように注油管2は二重構造であり、スチール配管16にFRP(繊維強化複合材)17が覆設されている。また、同図(b)に示すように、スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17の間にはリード線(導線)18が介装されている。このリード線(導線)18はスチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17との間に所定の隙間を形成させるための線材であり、スチール配管16の下面16bに沿って直線状に配設されている。
【0030】また、図4は上記注油管2の断面図であり、上記図3(a)のB−B線断面図である。注油管2の下部は、図3(b)で説明したように、スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17間にリード線(導線)18を介装した構成である。一方、注油管2の上部はFRP(繊維強化複合材)17を二重に貼着した構造である。すなわち、スチール配管16には一層目のFRP(繊維強化複合材)17aが配設され、更にFRP(繊維強化複合材)17aの上にFRP(繊維強化複合材)17bが貼着されている。また、FRP(繊維強化複合材)17a、17b間はプライマー19の塗装が施されている。
【0031】尚、本例で使用するFRP(繊維強化複合材)17は、エポキシアクリレート樹脂をベースとし、ガラス繊維で強化した薄いシートであり、上下面は透明なプラスチックフィルムで覆われている。また、上記プライマー19による塗装は、FRP(繊維強化複合材)17を接着する部材の不陸を修正し接着性を高めること、及び塗装乾燥後、FRP(繊維強化複合材)17とプライマー19との間に気泡が生じた場合、FRP(繊維強化複合材)17を剥がし易くし、貼り直しを容易にし、脱泡を容易にするためである。また、プライマー19は促進材、硬化材を混合することで硬化するエポキシアクリレート樹脂である。
【0032】また、上述のスチール配管16の周面を覆うFRP(繊維強化複合材)17aは、FRP(繊維強化複合材)17aの表面に形成されたプラスチックフィルムがそのまま残された状態であり、スチール配管16に下層のFRP(繊維強化複合材)17aを巻き、その後上層のFRP(繊維強化複合材)17bを所定距離巻き、下層のFRP(繊維強化複合材)17aに上面で貼着した構成である。このように構成することにより、スチール配管16と下層のFRP(繊維強化複合材)17a間には隙間が形成され、後述する漏れ油の経路となる。
【0033】次に、上述の二重配管構造の注油管2の施工工程を以下に説明する。先ず、長年使用した配管(スチール配管16)の外面の清掃を行う。この清掃後、スチール配管16の圧力検査を行い、スチール配管16外面のホコリ、汚れ等をウエスで拭き取る。
【0034】次に、リード線(導線)18の取り付け作業を行う。このリード線(導線)18の配設は、今後漏れ油が発生した場合でも、検知センサ11まで漏れ油を導くため、スチール配管16の上流部から下流部まで、配管路に沿って配設する。また、リード線(導線)18の配設はスチール配管16の下面に沿って直線状に配設し、リード線(導線)18が弛まないように一定間隔毎に固定する。尚、この固定はリード線(導線)18と同じ材料で行う。すなわち、絶縁材で固定する。
【0035】次に、検知センサ11の取り付けを行う。この検知センサ11は、前述のようにスチール配管16の最下流部に配設し、漏れ油を検出する。また、検知センサ11の固定は上述のリード線(導線)18と同じ方法で行い、スチール配管16と検知センサ11との絶縁を確実に行うため、検知センサ11の周囲に絶縁材を巻き付ける。
【0036】図5はスチール配管16の最下流部の構造を説明する断面図である。同図に示すように、検知センサ11はリード線(導線)18の先端部に設けられ、絶縁材22a、22bによって絶縁される。また、検知センサ11は前述の電送ケーブル13によって漏油検知モニタ14に接続される。尚、電送ケーブル13は電線管23によって保護される。
【0037】次に、FRP(繊維強化複合材)17を配設する。このFRP(繊維強化複合材)17の配設は、上述のスチール配管16にリード線(導線)18及び検知センサ11を取り付けた後、FRP(繊維強化複合材)17をスチール配管16に巻き付ける。その際、前述のようにFRP(繊維強化複合材)17の表面のプラスチックフィルムは剥がさず、スチール配管16の周面にFRP(繊維強化複合材)17(17a)を巻き、配管の上側でFRP(繊維強化複合材)17(17b)を重ね、重ね部分のみプラスチックフィルムを剥がし、プライマー塗装後、FRP(繊維強化複合材)17(17b)を貼着する。この処理によって、図4及び図5に示すFRP(繊維強化複合材)17a、17bの重ね部分が形成される。
【0038】この場合、重ね部分のFRP(繊維強化複合材)17の厚さは(17aと17bの加算値は)、例えば5cm以上とする。したがって、上述のFRP(繊維強化複合材)17の貼着処理により、スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17の二重配管構造が形成され、しかもスチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17の間には、リード線(導線)18が配設され、所定の隙間(微少空間)が形成される。
【0039】また、スチール配管16の最下流部には、上記隙間(微少空間)から油(ガソリン)が漏れることを防止するため、図5に示すように前述のFRP(繊維強化複合材)17(17a、17b)の端面にプライマー塗装25を行う。また、スチール配管16上にもプライマー塗装26を行い、上記プライマー塗装25、及び26上にFRP(繊維強化複合材)17(17c)を覆設する。
【0040】次に、上記隙間(微少空間)の気密試験を行う。この試験はFRP(繊維強化複合材)17に気密試験用の注入針を刺し込み、試験用の油(ガソリン)を上記隙間に注入することによって行う。尚、上記気密試験後、刺し込んだ注入針を引き抜き、当該部分にFRP(繊維強化複合材)17を重ね貼りする。その後、紫外線を照射し、FRP(繊維強化複合材)17を硬化させる。
【0041】次に、電気配線工事を行う。この工事は、前に取り付けた漏油検知用の検知センサ11に接続された電送ケーブル13を漏油検知モニタ14まで配線する処理であり、電送ケーブル13を漏油検知モニタ14まで延設し、漏油検知モニタ14を取り付ける。尚、この漏油検知モニタ14はLED表示部を有し、例えば12個のLEDによって12ヶ所の検知センサ11の検知結果を表示できる。
【0042】尚、上述の説明において、特に注油管2について説明したが、給油管3についても同様の構成であり、スチール配管16にFRP(繊維強化複合材)17を覆設した構成である。また、スチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17間にはリード線(導線)18が介装されている。
【0043】以上の構成の地下タンク1に配設される注油管2、及び給油管3の構成において、以下に油(ガソリン)漏れ阻止、及び油漏れの検知動作を説明する。長年の使用によって注油管2又は給油管3に劣化が生じると、配管に亀裂が生じ、当該箇所から油が漏れ出す。配管(例えば、注油管2)の周面に亀裂が生じた場合、当該箇所から油が漏れ出す。しかし、本例の二重配管構造によれば、配管(例えば、注油管2)の周面はFRP(繊維強化複合材)17によって覆設されているので、漏れた油(ガソリン)が外部に漏れ出すことはない。したがって、油(ガソリン)漏れによる土壌の汚染を確実に防止できる。
【0044】また、配管(例えば、注油管2)から漏れた油はスチール配管16とFRP(繊維強化複合材)17間に形成される隙間を通ってスチール配管16の下面に流れる。尚、この場合、漏れた油(ガソリン)はスチール配管16のプラスチックフィルム面とFRP(繊維強化複合材)17間に形成される隙間を通して流れる。
【0045】上述のようにしてスチール配管16の下面に達した漏れ油は、前述のリード線(導線)18によって形成される隙間を通って下流に流れ、スチール配管16の最下流に配設された検知センサ11の位置に達する。そして、検知センサ11によって油漏れが検出される。
【0046】尚、図6(a)、(b)は検知センサ11の検知動作を説明する図であり、同図(a)は漏れ油を検知していない状態を示し、同図(b)は漏れ油を検知した状態を示す。また、同図(a)、(b)に示す○は検知センサ11内の絶縁材であり、膨潤性樹脂を示し、●は導電材であり、カーボン粒子を示す。
【0047】例えば、上記油漏れが無い状態では、同図(a)に示すように、漏油検知モニタ14から供給される電流は、■→■→■→■→■→■を通して流れ、漏油検知モニタ14に送られる。このとき、検知センサ11の電気抵抗は予め設定された値であり、漏油検知モニタ14は例えばLEDを点灯させない。
【0048】一方、前述のように油漏れが発生すると、漏れ油は上記経路を経て検知センサ11に達し、膨潤性樹脂○を膨潤する。このため、検知センサ11内は同図(b)の状態となり、膨潤した膨潤性樹脂(大きな○印部)によってカーボン粒子●の距離が離れ、電気抵抗が増大する。漏油検知モニタ14ではこれを検知し、油漏れを知る。この場合、漏油検知モニタ14ではLEDを点灯させ(又はLEDを点滅させ)、油漏れを報知する。尚、この時同時にブザーを鳴らす構成としてもよい。
【0049】以上のように処理することによって、油漏れを確実に検知でき、油漏れの位置まで特定することができる。すなわち、本例の二重配管構造を採用することによって、油漏れを防止することが可能になるだけではなく、油漏れの検知システムを使用することによって、油漏れをいち早く発見でき、安全管理上極めて有効な手段となる。
【0050】尚、上述の実施形態は本発明の二重配管構造を油漏れに適用したが、油漏れに限らず、ガス漏れ対策に適用することもでき、この場合には検知センサ11はガスセンサであり、漏油検知モニタ14もガス漏れの発生や発生箇所を表示する構成となる。また、上記ガスは油(ガソリン)自体から発生するガスでもよく、又は配管に流すガスでもよい。
【0051】また、本例ではスチール配管16について説明したが、スチール配管に限らず、ステンレス管、炭素鋼管、ポリエチレン被覆鋼管、ニッケルクロム合金管、アルミニューム合金管、鉛管、亜鉛メッキ鋼管、等の各種配管に適用することができる。
【0052】また、上述の実施形態の説明では、スチール配管16の下面に沿ってリード線(導線)18を配設したが、図7(a)に示すように配設してもよい。また、検知センサ11についても、図7(e)に示すように配設してもよい。例えば、同図(a)は、スチール配管16の周面にリード線(導線)18を網目状に配設した構成であり、リード線(導線)18によって形成される隙間によっていち早く油漏れ等を検知することができる。また、同図(e)に示すように検知センサ11も網目状に配設することによって、更に早く油漏れ等を検知することができる。
【0053】また、同図(b)は、スチール配管16の周面にリード線(導線)18を螺旋状に配設した構成であり、この場合にもリード線(導線)18によって形成される隙間によっていち早く油漏れ等を検知でき、更に同図(f)に示すように検知センサ11も網目状に配設することによっても、更に早く油漏れ等を検知することができる。
【0054】また、同図(c)は、スチール配管16の上面と下面にリード線(導線)18を配設した構成であり、この場合リード線(導線)18を節約でき、また同図(g)に示すように検知センサ11も同じように配設することによって、コストパフォーマンスの優れた油漏れ等の検知システムを提供することができる。尚、同図(d)に示す構成は前述の配線例であり、また同図(h)に示す構成は検知センサ11をリード線(導線)18に沿って配設した例である。
【0055】また、上述の2つの実施形態において使用する漏油検知モニタ14は、抵抗変化を検知するものであったが、抵抗変化を図8に示す回路によって電圧変化に変換して油漏れを検出する構成としてもよい。すなわち、12個のコンパレータ20a〜20lとオア(OR)ゲート21で構成し、例えば12個の検知センサの出力が対応するコンパレータ20a〜20lの反転入力(−入力)に供給される。また、コンパレータ20a〜20lの非反転入力(+入力)には基準電圧(Vref)が入力し、各コンパレータ20a〜20lは基準電圧(Vref)より大きな電圧が検知センサ11から供給される間、ロー信号をオアゲート21に出力するが、検知センサ11の出力が基準電圧(Vref)より小さくなるとハイ信号をオアゲート21に出力する。尚、コンパレータ20a〜20lの反転入力(−入力)には抵抗Rを介して通常の所定電圧Vが供給される構成である。
【0056】このように構成することにより、例えば油漏れを検知した検知センサ11の抵抗値は増大し、対応するコンパレータ20a〜20lの反転入力(−入力)には抵抗RとR1と検知センサ11の抵抗値の分圧電圧が供給され、基準電圧(Vref)より電圧が低くなることによってハイ信号が対応するコンパレータ20a〜20lから出力される。したがって、漏油検知モニタ14はこの信号によって、LEDを点灯又は点滅して油漏れ等を報知する。
【0057】尚、上述の図8において、オアゲート21を介することなく、各コンパレータ20a〜20lの出力によって直接LEDを点灯又は点滅する構成とすれば、対応する12個のLEDを点灯又は点滅する構成とすることができる。
【0058】また、FRP(繊維強化複合材)17の重ね合わせ構造は、前述と異なる構成としてもよい。すなわち、図9(a)は前述の説明の重ね合わせ構造であるが、図9(b)又は図9(c)の構造としてもよい。例えば、同図(b)の場合、FRP(繊維強化複合材)17(17a)を上部で突き合わせ、この突き合わせ部25及びその近傍にプライマー塗装19を施し、上記突き合わせ部25の上からFRP(繊維強化複合材)17(17b)を貼着する構成である。尚、この場合FRP(繊維強化複合材)17aと17bの重ね合わせ長は、例えば5cm程度とする。
【0059】また、図9(c)の場合、FRP(繊維強化複合材)17aを配設する際、スチール配管16上に非配設部16’(例えば、3/4程度)を残し、FRP(繊維強化複合材)17bを配設する際、上記非配設部16’を覆い、2箇所でFRP(繊維強化複合材)17bを重ね合わせる。尚、この場合にもプライマー塗装19を施し、2箇所のFRP(繊維強化複合材)17aと17bの重ね合わせ長は5cm程度とする。また、この場合、FRP(繊維強化複合材)17aは、例えば施工現場内等において事前に成形し、施工時、形作られたFRP(繊維強化複合材)17aをスチール配管16にはめ込む処理を行う。
【0060】また、上述の実施形態の説明では、ガソリンスタンド等の地下埋設タンクの例について説明したが、他の地下タンク所蔵所、給油取扱所、油(ガソリン)やガスの移送取扱所等に対する地下配管について適用可能である。
【0061】また、本例は地下配管に限らず、腐蝕が起こりやすい沿岸部の露出配管や、長距離配管にも適用することができる。さらに、上記説明においてはスチール配管16へのFRP(繊維強化複合材)17の配設は、プラスチックフィルムを剥がさない構成としたが、プラスチックフィルムを剥がし、スチール配管16に直接貼り付ける構成としてもよい。
【0062】尚、上述のようにプラスチックフィルムを剥がす配管を、特に二重殻配管といい、プラスチックフィルムを剥がさず直接貼り付ける配管を二重配管と規定してもよい。
【0063】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、経年の使用により発生する腐蝕等によって油漏れ等が発生しても、配管に覆設したFRP(繊維強化複合材)によって外部への油漏れ等を阻止できる。
【0064】また、検知センサを使用することによって、油漏れを検知することができ、更に油漏れ等の箇所も特定することができる。
【出願人】 【識別番号】599087888
【氏名又は名称】株式会社サンフロイント
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100103148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 輝美
【公開番号】 特開2001−108158(P2001−108158A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−288905