| 【発明の名称】 |
受口付き複合管及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】水川 賢司
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| 【要約】 |
【課題】受口がスリーブ加工により形成され、耐圧性に優れた受口付き複合管及びその製造方法を提供する。
【解決手段】合成樹脂によって管状に構成された内層11と、この内層11の外周面に延伸熱可塑性樹脂シートを螺旋状に巻回して構成された中間層12と、この中間層12に積層された合成樹脂製の外層13とをそれぞれ有する複合管10の管端を加熱する工程と、加熱した管端をスリーブ加工して受口10Aを形成する工程と、該受口10Aの外周囲に熱収縮性の補強材40を被せ、該補強材40を加熱収縮させ、受口外周面に密着させる工程と、冷却する工程と、受口10A内にゴム輪を装着する工程とからなる受口付き複合管の製造方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂によって管状に構成された内層と、この内層の外周面に延伸熱可塑性樹脂シートを螺旋状に巻回して構成された中間層と、この中間層に積層された合成樹脂製の外層とをそれぞれ有する複合管の管端を加熱する工程と、加熱した管端をスリーブ加工して受口を形成する工程と、該受口の外周囲に熱収縮性の補強材を被せ、該補強材を加熱収縮させ、受口外周面に密着させる工程と、冷却する工程と、受口内にゴム輪を装着する工程とからなることを特徴とする受口付き複合管の製造方法。 【請求項2】 前記補強材が、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に沿って螺旋状に複数回巻回して筒状に形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の受口付き複合管の製造方法。 【請求項3】 前記補強材が、幅方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回するとともに、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回して、延伸方向がクロス状に配列するような筒状に形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の受口付き複合管の製造方法。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法により製せられたことを特徴とする受口付き複合管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高圧流体を搬送する管路を形成するために好適に使用される、受口付き複合管及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】液体、気体等の各種物質を流動させて搬送する際に使用されるパイプ、ホース等の管体は、内部を流動する物質の圧力によって破損しないような耐内圧性が要求される。特に、耐油配管、給水管等のように、高圧流体を搬送する場合には、高耐内圧性が必要になる。このために、例えば、特開平8─11250号公報には、合成樹脂等の可撓性材料によってそれぞれ管状に構成された内層と外層との間に、繊維補強層及びワイヤー補強層が設けられた複合管が開示されている。 【0003】このような複合管では、繊維補強層及びワイヤー補強層が設けられていることによって、耐内圧性が向上している。しかしながら、繊維補強層は、適当な太さを有する繊維を編組して、あるいはスパイラル状に巻回して配置されており、熱を加えて膨張させることができないので、スリーブ加工により受口を形成した受口付き複合管を得ることができないという問題点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消し、受口がスリーブ加工により形成され、耐内圧性に優れた受口付き複合管及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の発明(本発明1)は、合成樹脂によって管状に構成された内層と、この内層の外周面に延伸熱可塑性樹脂シートを螺旋状に巻回して構成された中間層と、この中間層に積層された合成樹脂製の外層とをそれぞれ有する複合管の管端を加熱する工程と、加熱した管端をスリーブ加工して受口を形成する工程と、該受口の外周囲に熱収縮性の補強材を被せ、該補強材を加熱収縮させ、受口外周面に密着させる工程と、冷却する工程と、受口内にゴム輪を装着する工程とからなる受口付き複合管の製造方法である。 【0006】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)は、前記補強材が、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に沿って螺旋状に複数回巻回して筒状に形成したものである本発明1の受口付き複合管の製造方法である。 【0007】本願の請求項3に記載の発明(本発明3)は、前記補強材が、幅方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回するとともに、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回して、延伸方向がクロス状に配列するような筒状に形成したものである本発明1の受口付き複合管の製造方法である。 【0008】本願の請求項4に記載の発明(本発明4)は、本発明1乃至本発明3のいずれかの製造方法により製せられた受口付き複合管である。 【0009】本発明において、複合管の中間層を構成する延伸熱可塑性樹脂シートとしては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン製のシートを、少なくとも長手方向に10倍以上延伸した延伸ポリエチレンシートが好適に使用されるが、延伸したポリエチレンシートに限らず、ホモポリプロピレン、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体、ポリ(4−メチル−1−)ペンテン等の各種オレフィン系樹脂シートや、それ以外の熱可塑性樹脂シートを延伸して使用することもできる。ポリエチレンシートやその他の熱可塑性樹脂シートには、必要に応じて、結晶核剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤、顔料、異種のポリオレフィン、低分子量ポリオレフィンワックス等が配合される。又、架橋剤を使用することなく、電子線照射、紫外線照射等によって架橋するようにしてもよい。 【0010】本発明において、複合管の内層及び外層を構成する合成樹脂としては、ポリエチレンが好適に使用されるが、ポリエチレンに限らず、各種合成樹脂、例えば、中間層と同種の熱可塑性樹脂、その他、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、各種ゴム、熱可塑性エラストマー等であってもよい。 【0011】本発明2,3において、補強材を形成する延伸熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンが好適に使用されるが、ポリエチレンに限らず、例えば、ポリエチレン以外のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等であってもよい。尚、その熱可塑性樹脂は、複合管の外層を構成する合成樹脂と同種の樹脂であるのが、融着相溶性があるので好ましい。 【0012】筒状の補強材の内径は、複合管の受口の最大外径の1.05〜1.2倍の範囲のものが好適に使用される。補強材の長さは、複合管の受口の最大外径の0.8倍以上が好ましい。 【0013】複合管の管端のスリーブ加工時の加熱手段としては、例えば、熱風発生装置、赤外線ヒーター等の通常スリーブ加工時に使用される公知の加熱手段が適宜使用できる。熱収縮性の補強材の熱収縮時の加熱手段としては、例えば、熱風発生装置、赤外線ヒーター等の公知の加熱手段が適宜使用できる。 【0014】但し、高温になりすぎると中間層を構成する延伸熱可塑性樹脂シートの配向状態が元にもどってしまうので、温度管理を行う必要がある。その温度管理手段として、複合管や補強材に温度により変色する変色テープを張り付けておいて、その変色の状態を見ながら複合管や補強材の加熱状態を管理する方法が便利である。例えば、ポリエチレン製の延伸シートの場合には、その融点である130℃を超えると配向状態が元に戻ってしまうため、変色テープは安全をみて120℃で色が変わるものを用いればよい。 【0015】 【作用】本発明1の受口付き複合管の製造方法は、合成樹脂によって管状に構成された内層と、この内層の外周面に延伸熱可塑性樹脂シートを螺旋状に巻回して構成された中間層と、この中間層に積層された合成樹脂製の外層とをそれぞれ有する複合管の管端を加熱する工程と、加熱した管端をスリーブ加工して受口を形成する工程と、該受口の外周囲に熱収縮性の補強材を被せ、該補強材を加熱収縮させ、受口外周面に密着させる工程と、冷却する工程と、受口内にゴム輪を装着する工程とからなることにより、受口を加工性に優れたスリーブ加工により形成することができ、受口はスリーブ加工時に薄肉化した部分をその上に補強材を積層して補強することができるので、受口強度に弱点がない受口付き管を容易に得ることができる。 【0016】本発明2の受口付き複合管の製造方法は、前記補強材が、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に沿って螺旋状に複数回巻回することにより筒状に形成したものであることにより、補強材は周方向及び軸方向の熱収縮性が優れており、受口の外周囲に被せた状態にて加熱することにより、受口の外周面上に補強層を密着状態となるように容易に形成することができる。 【0017】本発明3の受口付き複合管の製造方法は、前記補強材が、幅方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回するとともに、長手方向に延伸した延伸熱可塑性樹脂シートを周方向に巻回して、延伸方向がクロス状に配列するような筒状に形成したものであることにより、補強材は周方向及び軸方向の熱収縮性が優れており、受口の外周囲に被せた状態にて加熱することにより、受口の外周面上に補強層を密着状態となるように容易に形成することができる。 【0018】本発明4の受口付き複合管は、本発明1乃至本発明3のいずれかの製造方法により製せられたことにより、受口が加工性に優れたスリーブ加工により形成されており、その受口はスリーブ加工時に薄肉化した部分がその上に積層された補強層により補強されていて受口強度に弱点がなく、信頼性の高い高圧流体を搬送する管路を形成する部材として使用することががてきる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明に使用される複合管の一例を示す概略構成図である。この複合管10は、ポリエチレンによって管状に構成された内層11と、この内層11の外周面上に、延伸熱可塑性樹脂シートである延伸ポリエチレンシートを螺旋状に巻回して構成された中間層12と、この中間層12上に積層されたポリエチレン製の外層13とを有している。 【0020】内層11に積層された中間層12は、適当な幅寸法の帯状をした延伸ポリエチレンシートを、内層11の軸方向に対して30〜90°の傾斜角度になるように螺旋状に巻回し、さらに、その上に、延伸ポリエチレンシートを傾斜方向が反対になるように螺旋状に巻回して2層構造に形成されている。 【0021】このような構成の複合管10は、ポリエチレン製の内層11に対して、引っ張り強度に優れた延伸ポリエチレンシートを螺旋状に巻回して中間層12が積層されているために、内層11は、中間層12によって補強されている。従って、複合管1は、耐内圧性に優れており、内層11の内部に、流体が高圧で流れても、破損するおそれがない。 【0022】又、複合管10は、中間層12上にポリエチレン製の外層13が積層されているので、中間層12が外力から保護されており、中間層12が外力により傷付いたり、破損するおそれがない。 【0023】以下、図1に示す複合管10を用いた本発明の受口付き複合管の製造方法を図2を参照して説明する。まず、最初の工程において、図2(a)に示すように、複合管10の管端を赤外線ヒーター20により外周囲から加熱して軟化状態となす。 【0024】この際、高温になりすぎると中間層12を構成する延伸ポリエチレンシートの配向状態が元にもどってしまうので、温度管理する必要がある。その温度管理手段として、複合管10の管端に温度により変色する変色テープを張り付けておいて、その変色の状態を見ながら補強材の加熱状態を管理する。延伸ポリエチレンシートは、その融点である130℃を超えると配向状態が元に戻ってしまうため、変色テープは安全をみて120℃で色が変わるものを用いる。 【0025】第2工程において、図2(b)に示すように、複合管10の加熱した管端に、スリーブ加工用のコア30を挿入し、スリーブ加工により受口10Aを形成する。コア30は、ポリプロピレンを用いてブロー成形した中空体であって、形成すべき受口の内面形状に対応する外面形状を有しており、受口形成後は、加熱することより縮径して受口10A内から脱型することができるものからなる。コア30には、受口10Aの奥側に挿入される部分に、周方向に沿ってゴム輪装着溝形成用の第1の突条31が設けられるとともに、受口10Aの開口側に挿入される部分に、周方向に沿って抜止めリング装着溝形成用の第2の突条32が設けられている。 【0026】第3工程において、図2(c)に示すように、受口10Aの外周囲に、熱収縮性の筒状の補強材40を被せる。この補強材40は、図5(a)に示すように、コア41上に、一軸延伸ポリエチレンシート42,42を螺旋状に且つその傾斜方向が反対になるように複数層巻回し、熱収縮温度未満の温度で加熱して一体化した後、図5(b)に示すように、脱型して切断することにより形成した筒状体からなるものである。補強材40を赤外線ヒーター50により外周囲から加熱して収縮させ、受口10Aの外周面に密着させる。この際、高温になりすぎると中間層12を構成する延伸ポリエチレンシートの配向状態が元にもどってしまうので、スリーブ加工時と同様の温度管理を行う。 【0027】第4工程において、図2(d)に示すように、十分冷却を行った後、コア30を加熱軟化させることにより脱型を行う。これにより、受口10Aの外周面に補強層10Bが形成される。受口10A内には、奥側にゴム輪装着溝10A1が形成されるともに、開口側に抜止めリング装着溝10A2が形成されている。 【0028】最後の工程において、図3に示すように、受口10A内のゴム輪装着溝10A1にゴム輪60を装着するとともに、抜止めリング装着溝10A2に抜止めリング70を装着して、本発明の受口付き複合管1を得る。抜止めリング70は、例えば、ポリフェニレンサルファイドやポリアセタールを用いて成形された、一部が切り欠かれた環状体であって、内周面に食込み刃71が設けられたものからなる。 【0029】この受口付き複合管10は、受口10Aが加工性に優れたスリーブ加工により形成されており、その受口10Aはスリーブ加工時に薄肉化した部分がその上に積層された補強層により補強されていて受口強度に弱点がなく、信頼性の高い高圧流体を搬送する管路を形成する部材として使用することががてきる。 【0030】尚、図4に示すように、受口10A内には、開口側にゴム輪装着溝10A1が形成されるともに、奥側に抜止めリング装着溝10A2が形成されており、ゴム輪装着溝10A1にゴム輪60が装着され、抜止めリング装着溝10A2に抜け止めリング70が装着された受口付き複合管1′であってもよい。又、図3及び図4において、抜止めリング装着溝及び抜止めリングがないものであってもよい。 【0031】補強材としては、図6(a)に示すように、コア81上に、幅方向(図中、W方向)に延伸した延伸熱可塑性樹脂シート81を周方向に巻回した後に、図6(b)に示すように、長手方向(図中、L方向)に延伸した延伸熱可塑性樹脂シート82を周方向に巻回することにより、延伸方向がクロス状となるように配列させて筒状体としたものを用いてもよい。 【0032】 【発明の効果】本発明の受口付き複合管の製造方法は、上記の構成とされているので、受口を加工性に優れたスリーブ加工により形成することができ、受口強度に弱点がない受口付き管を容易に得ることができる。 【0033】本発明の受口付き複合管は、上記の構成とされているので、受口が加工性に優れたスリーブ加工により加工性よく形成されており、しかも、受口強度に弱点がなく、信頼性の高い高圧流体を搬送する管路を形成する部材として使用することががてきる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月13日(1999.10.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−108157(P2001−108157A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−290960 |
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